メニュー

実際の治療例【ピロリ菌を指摘されたらまず胃カメラを!|除菌前の検査で発見された早期胃がん】

[2025.10.23]

「人間ドックでピロリ菌が陽性と言われたけれど、特に症状もないし大丈夫かな…」

そう感じてそのままにしてしまう方は少なくありません。

しかし、ピロリ菌感染は胃がんの最大のリスク要因であり、除菌を行う前にしっかりと胃カメラで胃の状態を確認することが重要です。

今回はドックでピロリ菌陽性を指摘された40代男性の方が、精密検査の胃カメラにて早期胃がんが発見され、内視鏡手術(ESD)で治療された症例についての記事です。

実際の治療経過をもとに、「なぜピロリ菌陽性のときに胃カメラが必要なのか」その理由を専門医がわかりやすく解説します。

池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。ピロリ菌陽性を指摘された方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

実際の治療例|40歳男性「人間ドックでピロリ菌がいると言われた」

【症状】

特に自覚症状はありませんでしたが、40歳になったことをきっかけに受診した人間ドックの血液検査で「ピロリ抗体陽性」と指摘され、当院を受診されました。

 
【診察】

ピロリ菌に感染していることで胃がんの高リスクになることをご説明し胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。

 

【検査】

胃内視鏡(胃カメラ)を実施したところ、ピロリ菌による慢性胃炎(萎縮性胃炎)を認め、

胃の出口付近に粘膜にわずかな凹凸を伴う病変を認め、生検(組織検査)の結果、早期胃がんと診断されました。

■実際の胃カメラの画像①■

ピロリ菌による萎縮性胃炎です。粘膜の色調がまだら状になっているのが特徴的です。

■実際の胃カメラの画像②■

胃の出口付近に凹凸不整な部分を認め(黄色部分)、生検にて胃がんと診断しました。

 

【治療】

病変は、幸いにも粘膜内にとどまる初期の段階(=早期がん)で、リンパ節転移の可能性も低く、内視鏡治療で無事根治出来ました。

その後、再発や新たながんの発生を防ぐために、ピロリ菌除菌療法(一次除菌)を実施しました。

除菌成功を確認後は、年1回の胃カメラフォローを行っています。

院長コメント

ピロリ菌は、胃がんの発生に深く関わることが科学的に証明されています【文献1】【2】

実際に「胃がんのほとんどの原因がピロリ菌である」ことも分かっています。

除菌によって将来的な胃がんリスクを下げることはできますが、すでにがんが発生しているケースも少なくありません。

そのため、

「ピロリ菌が陽性とわかったら、除菌の前に胃カメラで胃の状態を確認する」

ことがとても大切です。

早期のうちに発見できれば、今回のように内視鏡で治療し完治を目指せます。

▶関連ページ

  • ピロリ菌外来:ピロリ菌の感染経路や引き起こす病気・除菌について詳細に解説
  • 胃がん:胃がんの治療やピロリ菌との関連について

まとめ

  • ピロリ菌感染は胃がんの最大のリスク因子。

  • 除菌だけでは不十分。除菌前に胃カメラ(内視鏡)検査が必須。

  • 早期発見なら内視鏡治療で根治可能。

  • 除菌後も年1回の胃カメラでの経過観察が推奨されます。

当院の胃カメラの特徴
  • ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない無痛内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

  • 池袋駅徒歩5分でアクセス良好

当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺での検査をご希望の方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

よくある質問(FAQ)

Q1. ピロリ菌が陽性と言われたら、すぐに除菌すればいいですか?

A1. まずは除菌前に胃カメラを受けて、がんや潰瘍の有無を確認することが重要です【1】。

Q2. ピロリ菌に感染していても症状がないことはありますか?

A2. はい。ただし無症状でも慢性胃炎や萎縮性変化が進行していることがあります【2】。

Q3. 胃カメラはどのくらいの頻度で受けるべきですか?

A3. 除菌前後で一度、以降は年1回の定期検査が推奨されます【3】。

Q4. ピロリ菌除菌の成功率は?

A4. 一次除菌で約80%、二次除菌まで含めるとほとんどの方が成功します【4】。

Q5. 除菌後も胃がんになることはありますか?

A5. 萎縮性胃炎が進行している場合はリスクが残るため、定期的な胃カメラが必要です【5】。

関連記事(内部リンク)

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。

初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら

参考文献

  1. 日本ヘリコバクター学会:ピロリ菌感染症の診断と治療ガイドライン 2023改訂版

  2. Uemura N et al. N Engl J Med. 2001;345(11):784-789.

  3. 日本消化器内視鏡学会:胃がん検診ガイドライン2020

  4. Suzuki H et al. Helicobacter. 2021;26(3):e12786.

  5. Correa P. Cancer Res. 1992;52(24):6735–6740.

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

HOME

ブログカレンダー

2025年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME