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外出するとお腹が痛くなって下痢…それ、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません|体質と思っていた症状が改善した実例

[2025.10.27]

「家にいるときは平気なのに、外出すると急にお腹が痛くなってトイレに駆け込む…」

そんな経験はありませんか?

緊張や環境の変化によって、外出先で突然腹痛や下痢を起こしてしまう――

このような症状は過敏性腸症候群(IBS)によるものかもしれません。

実際に「体質だから仕方ない」とあきらめていた方が、検査と治療によって外出の不安がなくなり、生活の質が大きく改善した例もあります。

この記事では、当院で診断・治療を行った実際の症例をもとに、外出時の腹痛・下痢の原因と、IBSの治療の流れをわかりやすく解説します。

池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

実際の治療例|20代男性「外出するとお腹が痛くなって下痢をしてしまう」

【症状】

自宅では特に問題ないものの、外出すると急に腹痛と便意が起こり、下痢をしてしまうことが以前から度々ありました。

体質だから仕方ない」とあきらめていたものの、ここ1年ほどで症状が悪化。外出するのが怖くなり、当院に相談されました。

 

【診察】

まず、腹痛や下痢を繰り返す原因が、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)大腸がんなどの器質的疾患によるものではないかを確認するため、血液検査と大腸カメラ(内視鏡検査)を実施しました。

 

【検査・診断】

血液検査は問題なく、大腸カメラでも明らかな異常を認めず、過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)と診断しました。

■実際の大腸カメラの画像■

粘膜は綺麗な状態で炎症や大腸がんなどは認めませんでした。

【過敏性腸症候群とは?】

過敏性腸症候群とは腸の粘膜に炎症や潰瘍などの異常がないにもかかわらず、腸の動きや感受性が過敏になり、腹痛・下痢・便秘・お腹の張りを起こしやすくなる病気です【1】。

特徴的なのは、ストレスや環境の変化、食事内容などによって症状が悪化する点です。

特に「外出前にお腹が痛くなる」「通勤電車でトイレに行きたくなる」といったケースが多く、日常生活に支障をきたすこともあります。

原因とメカニズム

IBSは「脳腸相関(のうちょうそうかん)」と呼ばれる、脳と腸の自律神経のバランスの乱れが関係しています【3】。

ストレスなどで腸の動きが過敏になり、本来なら痛みを感じない刺激でも「腹痛」や「便意」として強く感じてしまうのです。

主なタイプ
タイプ 主な症状
下痢型 ストレスや緊張で急に下痢になる
便秘型 腸の動きが悪くなり便秘になる
混合型 下痢と便秘を交互に繰り返す
放置するとどうなる?

IBS自体は命に関わる病気ではありませんが、放置すると「外出できない」「仕事に集中できない」といったQOL(生活の質)の低下を招きます。

また、似た症状を示す炎症性腸疾患大腸がんを見逃さないためにも、一度は大腸カメラ検査で確認しておくことが重要です【4】。

治療のポイント
  • 腸の過敏性を抑える薬・漢方の使用

  • 整腸剤や漢方で腸内環境を整える

  • 食事・生活リズム・ストレス対策の見直し

  • 症状に合わせた心理的アプローチ(行動療法など)

IBSは「体質だから」とあきらめる必要はなく、正しい診断と継続的な治療で改善が可能です。

 

【今回の治療

腸の動きを整える薬や、腸内環境を改善する整腸剤・および過敏を抑える漢方を常用。

外出時には頓服薬も使用し症状を抑えるようにしました。

 

経過

治療開始後は頓服薬の効果もあり症状は出なくなりました。

その後頓服薬を止めてみましたが、症状は安定し、「外出しても不安にならずに過ごせるようになった」とのことでした。

常用薬の効果に加え、症状が出ることがストレスとなり症状を引き起こすという悪循環になっていたため、

一時的に頓服で症状を抑えたことで不安感を軽減でき、頓服中止後も落ち着いた状態の維持につながったと考えます。

 

院長からのコメント

「お腹が弱いのは体質だから」と我慢している方は多いですが、実際には過敏性腸症候群の可能性が少なくありません。

正しい診断と治療によって、外出や仕事の不安が軽減し、快適な生活を取り戻せるケースが多くあります。

体質と思って放置せず、医療機関で検査と治療を受けることで、生活の質を大きく改善できます。

池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。お腹の症状でお困りの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

まとめ

  • 外出時の腹痛・下痢は「過敏性腸症候群(IBS)」の可能性がある

  • 器質的な病気を除外するために大腸カメラが有効

  • 薬と生活改善で多くの方が改善

  • 「体質だから」とあきらめずに専門医に相談を

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問(FAQ)

Q1. 外出時だけお腹が痛くなるのはなぜですか?

A1. 緊張やストレスで腸の動きが過敏になり、IBSによる腹痛や下痢が起こることがあります【3】。

Q2. 検査ではどんなことをしますか?

A2. 血液検査や大腸カメラで炎症性腸疾患や腫瘍などの異常がないか確認します。

Q3. IBSは完治しますか?

A3. ストレスや体調によって再発することもありますが、治療によりコントロール可能です。

Q4. 薬だけで治りますか?

A4. 薬で腸の過敏性を抑えることができますが、生活リズムや食事改善も重要です。

Q5. 市販薬で様子を見ても大丈夫?

A5. 一時的に症状が軽くなることもありますが、原因を特定するために医療機関での検査をおすすめします。

Q6. ストレスが原因なら心療内科に行くべきですか?

A6. まずは消化器内科で検査を受け、器質的異常がない場合に心療面の治療を併用します。

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
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参考文献

  1. Longstreth GF, et al. Gastroenterology. 2006;130(5):1480–1491.

  2. Enck P, et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016;13:295–305.

  3. 日本消化器病学会ガイドライン 2020「過敏性腸症候群診療ガイドライン」

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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