【実際の治療例あり】下痢が続くときに受けるべき検査とは?|専門医が原因と対処法を解説
「数日で治ると思っていた下痢が、なかなか治らない」「薬を飲んでも良くならない」——
そんなとき、どんな検査を受ければよいか迷う方は多いです。
下痢が長引く原因は、感染症や、腸炎・過敏性腸症候群・大腸がん・炎症性腸疾患など多岐にわたります。
今回は、「下痢が続くときに受けるべき検査」を、実際の流れに沿ってわかりやすく解説します。
池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。下痢でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
診療の流れ
【診察】
診察では、脱水の有無や腹部の圧痛を確認し、食事内容や服薬歴(抗生剤・サプリ・整腸剤など)を詳しく伺います。
同時に、下痢の性状(急性か慢性か、血液混入の有無、夜間も出るか)も重要なポイントになります。
【検査】
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血液検査
炎症や貧血、電解質の異常、甲状腺機能などを確認します。 -
便検査(便培養・便中抗原)
サルモネラ・カンピロバクター・病原性大腸菌など感染性の原因を調べます。ピロリ菌感染が関係することもあります。 -
腹部エコー検査
腸の炎症や腫瘤性病変、膵臓の異常などを確認します。 -
大腸内視鏡(大腸カメラ)
2週間以上下痢が続く場合や、血便・体重減少を伴う場合は、大腸カメラによる精密検査が必要です。
潰瘍性大腸炎やクローン病、虚血性腸炎、腫瘍性病変(大腸がんやポリープ)などが見つかることもあります【1】【2】。
【下痢が続く原因疾患とは】
下痢が長引く原因として、以下のような疾患が考えられます。
| 分類 | 疾患例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 感染性 | 細菌性腸炎・寄生虫性腸炎 | 発熱・腹痛を伴うことが多い |
| 炎症性 | 潰瘍性大腸炎・クローン病 | 若年層に多く、血便を伴う |
| 機能性 | 過敏性腸症候群(IBS) | 検査で異常なし、ストレスで悪化 |
| 薬剤性 | 抗生物質・制酸薬など | 服薬歴の確認が重要 |
| 腫瘍性 | 大腸がん・ポリープ | 便潜血陽性や体重減少に注意 |
| 症候性 | 甲状腺機能亢進症など | 発汗・体重減少などを伴うことが多い |
【治療】
原因によって治療は異なります。
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感染性腸炎:抗菌薬・整腸剤で加療
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炎症性腸疾患:5-ASA製剤・ステロイドなど
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過敏性腸症候群:消化管運動改善薬・抗不安薬・低FODMAP食
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薬剤性下痢:原因薬剤の中止
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腫瘍性疾患:内視鏡的切除または手術治療
原因がはっきりしない場合でも、腸の働きを整える治療や食事・生活指導で改善することがあります。
実際の治療例
【症状】
40代男性。2週間ほど下痢が続き、近医で整腸剤を処方されたが改善せず当院を受診。
食欲はあるが、便が1日に5回以上の水様便で、時々腹痛を伴うとのことでした。
【検査】
・血液検査で軽度の炎症反応あり
・腹部エコーでは異常なしでしたが、
・大腸内視鏡検査でS状結腸全体に浅いびらん・潰瘍を認め、潰瘍性大腸炎と診断。
■実際の大腸カメラの画像■
【治療】
5-ASA製剤による内服治療を開始し、2週間後には下痢がほぼ消失。
その後は再燃予防の維持療法のため薬を続け、定期的に内視鏡フォローを行っています。
▶関連ページ:
- 潰瘍性大腸炎とは?|本院の巣鴨駅前胃腸内科による解説ページ
院長からのコメント
下痢が続くと、「疲れや食事のせい」と思い込みがちですが、腸の炎症や免疫反応の異常など自覚症状だけでは分からない疾患が隠れていることがあります。
2週間以上続く場合や血便・体重減少を伴う場合は要注意です。
特に「便潜血検査陽性」「夜間にも下痢が出る」といった場合は、「様子を見よう」と考えず、
大腸カメラなどの検査検査で原因を明確にすることが重要です。
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
-
高解像度スコープで小さな病変も発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
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お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. 下痢が1週間以上続く場合、受診したほうが良いですか?
A1. はい。1週間以上続く場合は、病気による下痢(腸炎やIBSなど)の可能性があるため、消化器内科での検査をおすすめします【3】。
Q2. 下痢でも大腸カメラは必要ですか?
A2. 血便や体重減少、夜間の下痢がある場合は大腸カメラが推奨されます【2】。
Q3. 整腸剤や市販薬で治らないのはなぜ?
A3. 腸内細菌バランスの乱れや炎症、腫瘍など、市販薬では改善しない原因が隠れている場合があります。
Q4. 食事で気をつけることは?
A4. 脂っこいもの・冷たい飲食物・アルコール・カフェインを控え、低FODMAP食を意識するのがおすすめです【4】。
Q5. ストレスで下痢が続くことはありますか?
A5. はい。過敏性腸症候群では、自律神経の乱れで腸の運動が過敏になり、下痢や腹痛を起こします【5】。
Q6. 急性の下痢の場合の水分補給はどんな飲み物がいいですか?
A6. 経口補水液(ORS)や麦茶など、塩分と糖分をバランスよく含む飲料が推奨されます。
まとめ
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下痢が1週間以上続く場合は、腸の炎症・腫瘍などの可能性あり
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血便や体重減少を伴うときは早めに大腸カメラを
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検査で原因を特定し、適切な治療を受けることが改善への第一歩
当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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