【しゃっくりが止まらない…その原因は逆流性食道炎?|実際の治療例を専門医が解説】
「しゃっくりが止まらない…」
そんな経験はありませんか?
多くは一過性のもので自然に治まりますが、数日〜数週間続く場合は、胃や食道に関係する病気が原因になっていることがあります。
今回は、当院に実際に来院された患者さんのケースをもとに、「しゃっくりが止まらないときに考えられる病気」とその治療について解説します。
池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。しゃっくりでお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
症例|50代男性「しゃっくりが出て止まらない」
【症状】
3週間ほど前からしゃっくりが出てしばらく止まらないことが度々出現。
昨日もしゃっくりが出てしばらく続き、心配になって当院を受診されました。
【診察】
しゃっくり(吃逆)は、横隔膜や迷走神経の刺激によって起こる反射です。
そのため、消化管や神経系、代謝異常など多くの要因で生じることがあります。
診察ではまず、
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逆流性食道炎
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食道裂孔ヘルニア
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胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 横隔膜腫瘍
- すい臓がんによる横隔膜への刺激
- 中枢神経疾患(脳梗塞・腫瘍など)
といった鑑別疾患を挙げ、血液検査・腹部エコー・胃カメラ検査を行いました。
【検査・診断】
血液検査や腹部エコーでは異常はありませんでしたが、
胃カメラで逆流性食道炎を認めました。
■実際の胃カメラの画像■
【なぜ逆流性食道炎でしゃっくりが出るの?】
胃酸が食道に逆流することで:
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下部食道や横隔膜付近に炎症や刺激が生じる
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その結果、横隔神経や迷走神経が反射的に興奮し、しゃっくりが誘発されると考えらています。
▶関連ページ:
逆流性食道炎|原因や治療などの詳細はこちら
【治療】
胃酸を抑える薬(PPI)を中心に治療を行い、1週間ほどでしゃっくりの頻度が減少し、2週間後には完全に消失しました。
院長コメント
しゃっくりが続く場合、「一時的なもの」と思って様子を見がちですが、逆流性食道炎や中枢神経・代謝異常・胸部疾患など、さまざまな病気が背景にあることがあります。
とくに48時間以上続くしゃっくりは、病気が原因であることも多く、放置せず一度ご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. しゃっくりがどのくらい長く続くと危険ですか?
A1. 48時間以上続く場合は「持続性吃逆」、1か月以上続く場合は「難治性吃逆」と呼ばれ、病的要因が関与している可能性があります【1】。
Q2. 逆流性食道炎でしゃっくりが起こるのはなぜ?
A2. 胃酸が食道や横隔膜付近を刺激し、吃逆反射を引き起こすためと考えられています【2】。
Q3. しゃっくりが長引くときは何科を受診すべき?
A3. 胃酸逆流など消化器系の原因が多いため、消化器内科・胃腸科の受診が推奨されます。
Q4 ストレスでもしゃっくりは出ますか?
A4. はい。自律神経の乱れにより横隔膜が過敏になることがあります【3】。
Q5. どんな検査が必要ですか?
A5. まずは血液検査による代謝疾患の有無・腹部エコーによるすい臓がんや横隔膜腫瘍の有無、胃内視鏡検査(胃カメラ)で胃酸逆流や炎症の有無を確認します。
Q6. 胃カメラはどんな検査ですか?
A6. 細いカメラを口または鼻から挿入し、食道や胃、十二指腸の粘膜を直接確認できる検査です。鎮静剤を使えば苦痛はほとんどありません。
Q7. 薬で治らない場合はどうすればいいですか?
A7. 神経障害や脳・胸部疾患が関係していることもあるため、内科・神経内科などで精査が必要です。
Q8. しゃっくりを予防する方法はありますか?
A8. 食後すぐに横にならない、暴飲暴食を避ける、アルコールを控えるなど、胃酸逆流を防ぐ生活習慣が有効です。
まとめ
しゃっくりが止まらない場合、「ただの疲れ」「一時的なこと」と思って放置しないことが大切です。
胃や食道、膵臓などに異常があるケースも多く、胃カメラや腹部エコーで原因を確認して適切に治療することで改善します。
WEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
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関連ページ
参考文献
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Kolodzik PW, Eilers MA. Hiccups (singultus): review and approach to management. Ann Emerg Med. 1991;20(5):565–573.
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Vaidya JS et al. Gastroesophageal reflux disease presenting with hiccups. J Clin Gastroenterol. 1998;26(4):327–329.
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逆流性食道炎診療ガイドライン2021(日本消化器病学会)
