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実際の治療例 【長引く下痢と腹痛…1日5回以上続いた症状の原因と改善までの経過】

[2026.06.24]

「毎日のように下痢が続き、会社でも何度もトイレに…」

そんな症状が長く続くと、「何か病気では?」と不安になります。

今回ご紹介するのは、数年間続いた下痢と最近の腹痛で受診された30代男性のケース。

検査結果、治療方法、そして症状が改善した経緯まで、同じ悩みをお持ちの方にも役立つ内容です。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 長引く下痢は、過敏性腸症候群だけでなく、大腸がん・炎症性腸疾患・感染性腸炎などでも起こります。

✅ 下痢に腹痛、血便、体重減少、発熱、貧血などを伴う場合は、自己判断せず検査が必要です。

✅ 過敏性腸症候群は、大腸カメラなどで大きな異常がない場合でも、腸の動きや知覚過敏により強い症状が出ることがあります。

✅ 治療は、薬だけでなく、食生活・ストレス・睡眠・飲酒習慣の調整も大切です。

✅ 今回の症例では、内服治療・整腸剤・漢方薬・生活習慣の見直しにより、下痢と腹痛が改善しました。

 

下痢が続く場合は、過敏性腸症候群だけでなく、大腸の炎症や腫瘍性病変を確認することが大切です。

池袋上田胃腸クリニックでは、胃腸症状の診察、大腸カメラ、腹部エコーに対応しています。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

慢性的な下痢と腹痛を起こす主な原因

慢性的な下痢と腹痛が続く場合、原因はひとつとは限りません。 過敏性腸症候群のように検査で明らかな炎症や腫瘍が見つからない病気もありますが、なかには早めの診断が必要な病気もあります。

主な原因としては、次のようなものがあります。

  • 過敏性腸症候群:ストレス、緊張、腸の知覚過敏、腸の動きの乱れなどで下痢や腹痛を繰り返します。
  • 感染性腸炎:ウイルス・細菌・寄生虫などにより、下痢、腹痛、発熱、血便が起こることがあります。
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病:腸に慢性的な炎症が起こり、下痢、腹痛、血便、体重減少などを起こします。
  • 大腸ポリープ・大腸がん:初期は無症状のこともありますが、便通異常、血便、便が細い、貧血などで見つかることがあります。
  • 薬剤性の下痢:抗菌薬、胃薬、下剤、サプリメントなどが関係することがあります。
  • 食事・アルコール・乳糖不耐症:脂っこい食事、飲酒、乳製品、人工甘味料などで便が緩くなる方もいます。

過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群は、英語でIBSとも呼ばれる病気です。 大腸カメラや血液検査で明らかな炎症や腫瘍が見つからないにもかかわらず、下痢、便秘、腹痛、お腹の張り、残便感などが続きます。

「検査で異常がないなら気のせいですか?」と聞かれることがありますが、そうではありません。 過敏性腸症候群では、腸が過敏に反応している状態や、脳と腸の連携の乱れが関係していると考えられています。

特に下痢型の過敏性腸症候群では、

  • 朝の通勤前に下痢をしやすい
  • 会議や外出前に急にトイレに行きたくなる
  • 緊張するとお腹が痛くなる
  • トイレの場所が気になり外出が不安になる
  • 下痢が心配で、さらにお腹が不安定になる

といった「症状」と「不安」の悪循環が起こることがあります。

実際の治療例|30代男性「慢性的に下痢が続く」 

【症状】

大学卒業後、社会人になってから下痢気味になり、数年前から悪化。

1日5-6回の下痢があり会社でも度々トイレに行かなくてはならず、最近は下腹部の痛みも出てきたため、「大腸がんなどの重大な病気では」と心配し受診されました。

【検査】

症状が長引いていること、そして大腸がんの可能性を心配されていたため、以下の検査を実施しました。

  • 腹部エコー

  • 大腸内視鏡(大腸カメラ)

  • 血液検査

結果は腫瘍や炎症はなく、下痢型の過敏性腸症候群と診断しました。

大腸カメラで腫瘍や炎症を認めず下痢型過敏性腸症候群と診断した30代男性の大腸内視鏡所見

実際の大腸カメラの画像です

💡ワンポイント
下痢が続く場合は実際に大腸がんや炎症性腸疾患など重大な病気が隠れていることがあります。長引く下痢は自己判断せず、検査を受けることが大切です。

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【治療】

お仕事によるストレスも要因のひとつと考えられましたが、環境の大きな変更は難しいため、症状をコントロールしながら生活の質を上げる ことを目標に治療を開始しました。

①食生活の改善

・休肝日をつくる

アルコールは便を緩くする作用があるため、毎日飲酒されていた習慣を休肝日を作り、翌日仕事のない週末に飲むようにしていただきました。

②内服治療

・セロトニン3受容体拮抗薬(イリボー)

下痢型の過敏性腸症候群の方にはかなり効いてくれるお薬です。

ただ量によってはお腹の張りなどの副作用が出てしまったり、やめると症状が再燃することが多いため、過敏性腸症候群の体質を変えていくような整腸剤と漢方薬を併用しました。

・整腸剤

腸内細菌のバランスを整えることで、便通や知覚過敏の改善が期待できます。

・漢方薬(桂枝加芍薬湯)

腸の過蠕動(動きすぎ)や知覚過敏に対して効果があり、下痢や腹痛などの症状だけでなく、体質も改善してくれる効果があります。

・抗不安薬

特に会議前や訪問先に向かう途中などプレッシャーがかかる場面では必ず症状がおこるため、眠気の来ないような軽い抗不安薬を屯用することとしました。

【経過】

薬を飲み始めて2-3日で下痢は減り、腹痛も出にくくなりました。

2週間目の再診時には「ほぼ下痢は落ち着いており、腹痛が時々出る」と言う状況でした。

さらに1か月程経過した頃には症状がほとんど気にならないところまで改善されました。

 

その後は漢方をベースに処方を続け、現在は、

  • 調子が悪くなったらセロトニン3受容体拮抗薬を数日飲んで落ち着ける、
  • プレッシャーがかかるときに抗不安薬を頓服して症状が出ないようにする、

といったような具合で薬を減薬して症状とうまく付き合って頂いています。

受診の目安

下痢は一時的な体調不良でも起こりますが、次のような場合は医療機関での相談をおすすめします。

  • 下痢が2週間以上続いている
  • 1日に何度もトイレに行く状態が続いている
  • 下痢と腹痛を繰り返している
  • 血便がある
  • 便潜血陽性と言われた
  • 体重が減っている
  • 発熱を伴う
  • 夜間にも下痢で起きる
  • 貧血を指摘された
  • 大腸がんや炎症性腸疾患の家族歴がある

院長からのコメント

特に、血便・体重減少・貧血・発熱・夜間下痢がある場合は、過敏性腸症候群と決めつけず、大腸カメラなどで確認することが大切です。

今回の患者さんは、数年にわたり下痢が続き、最近になって腹痛も出てきたため受診されました。 検査で大腸がんや炎症性腸疾患などの重大な病気を除外できたことで、患者さんご本人の不安も軽くなりました。

過敏性腸症候群では、症状そのものがつらいだけでなく、「また下痢になったらどうしよう」という不安が腸の症状をさらに強めてしまうことがあります。

薬で下痢や腹痛を抑えることも大切ですが、検査で危険な病気がないことを確認し、生活習慣やストレスとの関係を整理しながら治療していくことで、症状とうまく付き合えるようになる方も多くいらっしゃいます。

長引く下痢や腹痛を「体質だから仕方ない」と我慢している方は、一度ご相談ください。

池袋駅から徒歩圏内の上田胃腸クリニックでは、胃腸症状の診察、大腸カメラ、腹部エコーを組み合わせて、原因に合わせた診療を行っています。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

 

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よくある質問FAQ

Q1. 下痢が長く続く場合、過敏性腸症候群の可能性がありますか?

A. はい、可能性があります。過敏性腸症候群では、検査で明らかな炎症や腫瘍がなくても、下痢、腹痛、お腹の張り、残便感などが続くことがあります。ただし、大腸がんや炎症性腸疾患でも似た症状が出るため、長引く場合は一度検査をおすすめします。

 

Q2. 1日5回以上の下痢は受診した方がいいですか?

A. はい。食あたりなどで一時的に下痢が増えることもありますが、1日5回以上の下痢が続く場合は、脱水や生活への影響も大きくなります。慢性的に続く場合は、消化器内科で原因を確認しましょう。

 

Q3. 下痢と腹痛があると大腸がんの可能性がありますか?

A. 下痢と腹痛だけで大腸がんと決まるわけではありません。ただし、大腸がんや大腸ポリープで便通異常が出ることがあります。血便、便が細い、体重減少、貧血、便潜血陽性がある場合は大腸カメラを検討してください。

 

Q4. 過敏性腸症候群は大腸カメラでわかりますか?

A. 過敏性腸症候群そのものは、大腸カメラで特徴的な異常が出ないことが多い病気です。ただし、大腸カメラは大腸がん、ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などを除外するために重要です。

 

Q5. 検査で異常なしと言われたのに下痢が続くのはなぜですか?

A. 腸の粘膜に明らかな炎症や腫瘍がなくても、腸の動きの乱れや知覚過敏、ストレス、食事、腸内環境の影響で下痢が続くことがあります。過敏性腸症候群はその代表的な原因です。

 

Q6. ストレスで下痢や腹痛が起こることはありますか?

A. あります。脳と腸は自律神経などを通じて影響し合っており、緊張や不安で腸が過敏に動くことがあります。会議前、通勤中、外出先などで症状が出やすい方は、過敏性腸症候群が関係していることがあります。

 

Q7. 過敏性腸症候群は治りますか?

A. 症状を完全にゼロにするというより、症状をコントロールして生活に支障が出にくい状態を目指すことが多いです。薬、整腸剤、漢方薬、食事、睡眠、飲酒習慣、ストレス対策を組み合わせることで改善する方も多くいらっしゃいます。

 

Q8. 下痢型の過敏性腸症候群にはどんな薬を使いますか?

A. 症状に応じて、腸の動きや知覚過敏を調整する薬、整腸剤、漢方薬、必要時の頓服薬などを使うことがあります。便秘やお腹の張りなどの副作用が出る場合もあるため、医師と相談しながら調整することが大切です。

 

Q9. 食事で気をつけることはありますか?

A. アルコール、脂っこい食事、乳製品、人工甘味料、冷たい飲み物、刺激物などで下痢が悪化する方がいます。何を食べた後に症状が出るかを記録すると、治療方針を立てやすくなります。

 

Q10. 池袋で長引く下痢や腹痛を相談できますか?

A. はい。池袋上田胃腸クリニックでは、長引く下痢、腹痛、便通異常、血便、便潜血陽性などのご相談に対応しています。必要に応じて大腸カメラ、腹部エコー、血液検査を組み合わせて原因を確認します。

まとめ

長引く下痢と腹痛は、過敏性腸症候群で起こることがあります。 一方で、大腸がん、炎症性腸疾患、感染性腸炎、薬剤性の下痢など、検査が必要な病気が隠れていることもあります。

今回の症例では、数年続く下痢と最近出てきた腹痛に対して、大腸カメラ・腹部エコー・血液検査を行い、腫瘍や炎症を除外しました。 そのうえで下痢型過敏性腸症候群として治療し、下痢や腹痛は改善しました。

「下痢が続くけれど、体質だと思って我慢している」
「トイレが不安で外出や仕事に支障がある」
「大腸がんではないか心配」

このような方は、自己判断せず一度ご相談ください。

 

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。

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📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

  1. Rome Foundation. Rome IV Criteria. Irritable Bowel Syndrome diagnostic criteria.
  2. Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol. 2021.
  3. Fukudo S, Okumura T, Inamori M, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for irritable bowel syndrome 2020. J Gastroenterol. 2021.
  4. Ihara E, Manabe N, Ohkubo H, et al. Evidence-Based Clinical Guidelines for Chronic Diarrhea 2023. Digestion. 2024;105(6):480-497.
  5. Matsueda K, Harasawa S, Hongo M, Hiwatashi N, Sasaki D. A randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial of ramosetron hydrochloride in Japanese patients with diarrhea-predominant irritable bowel syndrome. 2008.

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