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実際の治療例 “明け方からの急な吐き気と腹痛”

[2025.02.01]

当院や本院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

20代 女性 明け方からの急な吐き気と腹痛

 

【症状】

明け方から急に吐き気と腹痛で目が覚め、トイレで嘔吐。その後も数回嘔吐があり腹痛も持続するとのことで当日朝に当院を受診されました。

 

【診察】

来院時も吐き気が続いており、触診では腹部全体に鈍痛がある状態でした。

症状からは、

  • 食あたりなどによる感染性腸炎
  • 急性虫垂炎(いわゆる盲腸)
  • 腸閉塞
  • アニサキス症

などが考えられ、

腹部エコー血液検査で状態を評価してみることとしました。

 

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【検査】

腹部エコーで下部小腸に炎症像および血液検査にて炎症反応の上昇があり、小腸の感染性腸炎と診断しました。

実際のエコー画像です。下部小腸が炎症を起こして25㎜大に拡張しています。(黄色矢印部分)

◆関連ページ:

エコー検査

 

急性に起こる小腸炎は主に食中毒が原因となります。

食中毒の場合は潜伏期間があり、食べてすぐ発症することもあれば1週間くらいたってから発症する場合もあります。

今回も問診で確認すると2日前に海鮮丼を食べたとのことで原因と考え治療を行いました。

 

<治療内容>

①内服治療;整腸剤 漢方薬

下痢・腹痛といった胃腸炎症状を和らげます。

②食事指導

腸炎の場合は炎症による腸の機能低下のため、消化吸収能力が著しく低下します。

そのため水分摂取はOS1やポカリスエットなどの体に吸収されやすいもの、食事はおかゆなどの消化しやすいものを召し上がっていただきました。

 

【経過】

受診当日の夕方くらいまで症状が続きましたが、当日の夜辺りから次第に和らぎ、翌日には嘔気・腹痛とも低下し、4日後に再診頂いた際にはほぼ改善している状態で、そのまま終診となりました。

感染性腸炎は薬を飲むことで症状が和らぎ早期に改善することが出来、

また前述のように虫垂炎や腸閉塞でも同様の症状を来すことがあり、これらの疾患は初期対応が遅れると重症化することもあるため、

発症初期段階でしっかりと診断し適切な治療を行うことが大切です

 

症状でお困りの際はご相談ください!

文責:神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

 

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