「便が細くなった…」は危険サイン?|50代男性で“大腸がんの狭窄”が見つかった実例
「最近、便が細くなった気がする…」
この変化、“たまたま”で片づけないでください。
便の太さは食事内容や便秘、ストレスでも変わります。
ですが、急に細くなって戻らない/だんだん細くなる/お腹の張りが強くなるといった変化は、腸の通り道が狭くなる病気(狭窄)が隠れていることがあります。
なかでも大腸がんは、早期なら内視鏡治療で完治を目指せますが、進行すると手術や薬物治療が必要になります【1】。
今回は「便が細くなった」ことをきっかけに、大腸狭窄を伴うS状結腸がんが見つかった50代男性の実例を、消化器専門医の東海林院長がわかりやすくお伝えします。
便が細くなったとの症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|50代男性「便が細くなった気がする」
症状
-
半年前から便が細くなった印象をもっていた
-
ここ2週間ほどでさらに細くなり、お腹の張り(腹部膨満)も出現
-
便秘・下痢の繰り返しのような日もあり、不安になって受診
✅ポイント:“半年かけて変化”+“直近2週間で悪化”は、機能の問題(IBSなど)だけでなく、狭窄の評価が重要になります【1】。
診察
便が細くなるとき、診察ではまず 危険サイン(アラームサイン) を確認します。
-
血便(赤い血・黒っぽい便)
-
体重減少、貧血、発熱
-
夜間も続く腹痛・下痢
- お腹の張りが取れない
-
50歳以上、家族歴(大腸がん・ポリープ)
-
症状が進行している(だんだん悪化)
原因になりうる病気
-
大腸がん/大腸ポリープによる狭窄
-
大腸炎(炎症で腸がむくむ)
-
反復性憩室炎後の狭窄・癒着
-
過敏性腸症候群(IBS)など蠕動の乱れ
-
手術後癒着、腸管のねじれ など
これらを区別するため、今回は 大腸カメラ(大腸内視鏡)で腸の状態を直接確認する方針としました。
大腸カメラ

内視鏡を行うと、S状結腸に出血を伴う不整な隆起(緑矢印)を認め、生検(組織検査)を行い大腸がんと診断しました。
がんによって大腸の内腔は狭窄して(青矢印)、検査スコープは通過ができない状態でした。
✅便が細くなる原因が「狭窄」かどうかは、内視鏡で最もはっきり評価できます【1】。
💡池袋上田胃腸クリニックでは鎮静剤・独自の低痛挿入法による無痛大腸カメラを行っております。お悩みの方はぜひご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
関連ページ
▶無痛大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
「便が細くなる」ことはなぜ起こる?
便が細くなる背景は大きく3つあります。
1.腸の通り道が狭くなる(狭窄)
腫瘍(大腸がん)や炎症・瘢痕で、便が通るスペースが物理的に細くなります【1】。

2.腸の動き(蠕動)が乱れる
IBSなどで腸がけいれん様に収縮し、便が細く出ることがあります。
3.便秘で便が硬く、小さく分割される
水分不足や食物繊維不足、薬剤などでも起こります。
重要なのは、“細い状態が続く/悪化していく”場合です。
特に、便が細い+お腹の張りが増えるは、腸閉塞(つまる)に近づくサインのことがあり、早めの評価が安全です。
治療(今回の経過)
大腸がんは、早期であれば内視鏡治療(病変の切除)で根治を目指せる場合があります。
しかし、狭窄を伴う進行がんでは、手術や薬物治療が必要になることがあります。
今回の患者さんは、内視鏡所見で進行が疑われ、狭窄が強い状態でした。
対応可能な医療機関へ紹介し、同院で治療(手術)を行い、無事に根治に至りました。
大腸がんについて(ポリープとの関係・進み方)
大腸がんの多くは、大腸ポリープ(腺腫)→がんという経路で発生すると考えられています(いわゆる“腺腫‐がん化”)【5】。
また、一般に見えるポリープががんになるまでに5〜10年程度かかると推定される報告もあります【5】。
そのため、症状が出る前のポリープの段階で見つけて切除できれば、予防に直結します。
一方で、がんが進行して大きくなると、今回のように
-
便が細い
-
便秘・下痢の反復
-
お腹の張り
-
血便 などの症状が出てくることがあります【1】。
院長からのコメント(受診の目安を明確に)
便が細くなる原因は、IBSなどの機能的なものから、炎症、癒着、そして大腸がんまで幅広くあります。
しかし大腸がんは、治療しない限り自然に治ることはなく、放置すれば腸閉塞や転移など命に関わる状況につながることがあります【1】。
私たちが特に重視しているのは、次のようなケースです。
-
便の形が変わって2週間以上続く
-
だんだん細くなる/お腹の張りが増す
-
血便、貧血、体重減少などがある
「気のせいかな」と思う段階で、まずは一度ご相談ください。必要な検査を整理し、状態を見極め適切な治療につなげます。
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
よくある質問(FAQ)
Q. 便が細くなっただけでも、大腸カメラは必要ですか?
A. 食事や便秘でも細く見えることはありますが、「急に変わった」「2週間以上続く」「だんだん悪化する」「お腹の張りが強い」場合は、狭窄(腸が狭くなる病気)の確認が重要です【1】。
Q. 便が細い=大腸がん確定ですか?
A. いいえ。IBS(過敏性腸症候群)や便秘、大腸炎などでも起こります。ただし大腸がんでも「便が細い」「便通変化」がみられるため、続く場合は検査で原因確認が大切です【1】。
Q. お腹の張りもあります。急いだ方がいいですか?
A. 便が細い+腹部膨満は、狭窄が進んで「詰まり」に近づいていることがあります。強い腹痛・嘔吐・ガスや便が出ない場合は早めの受診(状況により救急)を検討してください。
Q. 便潜血検査が陰性なら安心ですか?
A. 陰性でも病気が完全に否定できるわけではありません。症状が続く場合は、検査結果だけで判断せず医師に相談し、必要に応じて内視鏡で評価します【1】。
Q. 大腸がんは早期だと症状が出ませんか?
A. はい。早期の段階では無症状のことも多く、症状が出る頃には進行していることがあります【1】。だからこそ、年齢やリスクに応じた検診・内視鏡が重要です【2】【3】。
Q. 大腸がん検診は何歳から受けるべきですか?
A. 国や地域で推奨は異なりますが、米国の推奨では平均リスクは45歳から定期的な検診が推奨されています【2】【3】。日本でも40歳以上で便潜血検査を年1回行う運用が広く行われています【4】。当院では大腸がんの家族歴がある場合には35歳からの検査を勧めています。
▶関連ページ:大腸カメラはどんな人が受けるべき?症状は?
Q. ポリープは放置するとがんになりますか?
A. すべてががん化するわけではありませんが、大腸がんの多くはポリープ(腺腫)から発生すると考えられています【5】。内視鏡で切除できれば、予防につながります。
Q. ポリープががんになるまでどれくらいかかりますか?
A. 個人差はありますが、一般に「ポリープががんになるまで5〜10年程度」と推定される報告があります【5】。そのため定期的な検査で早期発見・早期治療を目指します。
Q. 大腸カメラは痛いのが怖いです…
A. 不安が強い方は鎮静剤を用いたり、スコープの調整で無痛大腸カメラを受け頂けます。お気軽にご相談ください。
Q. 受診前に家でできることはありますか?
A. 便の太さ・回数・血の有無、体重変化、痛みや張りの程度をメモして受診すると診断の助けになります。市販薬で様子見を続けて悪化する場合は早めに相談してください。
まとめ
-
便が細い原因は便秘やIBSだけでなく、腸が狭くなる病気(狭窄)のことがある【1】
-
「変化が続く」「だんだん悪化」「腹部膨満」は放置せず検査を検討
-
大腸がんは早期なら内視鏡治療で根治を目指せる一方、進行すると手術などが必要【1】
-
大腸がんの多くはポリープから発生するため、定期的な大腸カメラが予防・早期発見に有効【5】
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
関連ページ
便が細い・便の狭小化をきっかけに見つかる大腸がんについては、以下のページでも詳しくまとめています。
大腸カメラ(内視鏡について)はこちらからご確認頂けます
その他の関連ページはこちら
- 便潜血検査陽性と言われたら:精密検査が必要な理由
- 血便が出たときの受診目安:痔との違い・検査の優先順位
参考文献
-
Mayo Clinic. Colon cancer stool: What to look for and how to test at home. 2025. 【便が細い/便通変化などの症状】
-
U.S. Preventive Services Task Force. Recommendation: Colorectal Cancer: Screening. 2021. 【平均リスクの検診開始年齢】
-
CDC. Colorectal Cancer Screening. 2025. 【45–75歳の検診推奨など】
-
Minamitani M, et al. Adherence to national guidelines for colorectal, breast, and … 2024 (PMC). 【日本で40歳以上・便潜血検査の運用】
-
Shussman N, Wexner SD. Colorectal polyps and polyposis syndromes. 2014 (PMC). 【ポリープ→がん化、5–10年推定】
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。
初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック
JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。
(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
WEB予約は【こちら】
