実際の診療例 “突然の激しい腹痛・下痢・血便(虚血性腸炎)”
当院や本院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
50代 女性 突然の激しい腹痛・下痢・血便
【症状】
前日夕食後3時間ほどしてから冷や汗が出るほどの突然激しい腹痛が出現し、しばらくして水下痢が起こり始め、夜間に数回下痢を繰り返し、
途中から血便を伴ったとのことで当院を初診されました。
【診察】
触診では左下腹部に強い圧痛を認め、症状と合わせて虚血性腸炎を疑いました。
その他、左下腹部の痛みと下痢腹痛の症状の原因としては、
- 感染性胃腸
- 潰瘍性大腸炎
が考えられ、まずは腹部レントゲン・腹部エコーや血液検査を行い状態を評価することとしました。
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【検査】
腹部エコーにて下行結腸からS状結腸にかけて特徴的な腸管の壁の肥厚を認め、虚血性腸炎と診断しました。
※「診察」で予約を頂ければお受け頂けます。
【治療】
血液検査での炎症反応は軽微な上昇のみで、血便による貧血や大腸の炎症による腸閉塞などもないため、入院は必要なく、
- 食事制限
- 痛みや炎症に対しての内服薬
で外来治療としました。
【経過】
その後、痛みは翌日にはかなり改善し食事制限を徐々に解除しましたが、虚血性腸炎の再燃なく、無事に治療完了となりました。
虚血性腸炎は痛みが激しく血便も伴うことが多いため、一見重症疾患と思ってしましますが、しっかり診察と検査を行い診断をつければ外来で経過を見ることができる疾患です。
ただし、同様の症状を伴う別の疾患もあるため、症状がある際はまず医療機関を受診し適切な診断を行い治療方針を見極めることが大切です。
また、治療完了後も実際に虚血性腸炎以外の病気がないかどうかを大腸内視鏡検査を行って確認しておくことも必要です。
文責:神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
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