実際の治療例 “週に何度か血便が出る(大腸がん)”
当院や本院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
50代 男性 週に何度か血便が出る
【症状】
数か月前から週に数回排便時に血が混じっているのに気づきましたが、痔だろうと思って様子を見ていました。
ただ毎回ではないものの血便が続き心配になり当院を受診されました。
【診察】
断続的に続く血便の原因として
- 痔疾患
- 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
- アメーバなどの感染性腸炎
- 大腸がん
などが考えられ、大腸カメラを行い状態を確認することとしました。
【大腸カメラ(大腸内視鏡)】
S状結腸に出血を伴う腫瘍を認め、生検にて大腸がんと診断しました。

※出血を伴う不整な隆起(黄色部分)を認め、大腸がんを疑い生検を行いました
この大腸がんに便が接触して出血することで血便が出ていたと考えられました。
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【治療・経過】
大腸ガンは早期の状態であれば内視鏡で治療が可能ですが、進行がんの状態になると手術や抗がん剤治療が必要となります。
今回は残念ながら進行がんの状態であり、高次医療機関でCTなどで大腸がんのステージを評価して治療方針を決める必要があり、対応できる医療機関に紹介となりました。
紹介先の病院では遠隔転移はなく、stageⅡの診断で手術にて根治治療となりました。
S状結腸や直腸に出来る大腸ガンは比較的肛門に近いため肉眼的な血便を来す場合があります。
ただ必ずしも毎回血便が起こるわけではなく、つい様子をみてしまうこともありますが、
大腸がんによる出血は自然によくなることはなく、断続的であっても血便が続く場合は大腸カメラを受け状態を確認することが大切です。
また、血便以外にも大腸がんの症状としては、
- お腹が張る
- 便がすっきりと出ない
- 便が細くなる
- 軟便・下痢
などがあります。
これらの症状が大腸ガンによって起こる場合は、血便同様に進行することはあってもガンを治療しない限りは自然治癒することはなく、2週間以上続いた場合は医療機関で検査を受けることが望ましいと考えます。
血便や腹部症状が気になる方・お悩みの方はお力になれますので、ご相談ください!
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文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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