実際の治療例 “便潜血陽性を契機に発見された大腸ポリープ”
当院や本院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
40代女性 便潜血検査陽性
【症状】
特に自覚症状はありませんでしたが、区の大腸がん検診の便潜血検査で陽性反応が出たとのことで来院されました。
【診察】
便潜血検査は大腸がん検診の位置づけとなる検査で、実際に便潜血反応陽性の方に大腸カメラの検査をすると3%程度に大腸がんが見つかっており、大腸がん以外にも、大腸ポリープや潰瘍性大腸炎などの病気が見つかることも少なくなく、大腸カメラの検査を行いました。
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【大腸カメラ】
大腸カメラを行うと横行結腸にポリープを認めました
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【治療】
内視鏡では現時点ではまだガン化はしておらず良性の状態と診断し、内視鏡で切除し治癒切除となりました。
便潜血検査陽性の方に大腸内視鏡を行ってみると3%程度の方に大腸がんが見つかるとのデータがあり、またガンではなくてもポリープが見つかる方も多数おられます。
大腸がんはほとんどがポリープ由来であり、早期にポリープを見つけ切除することが大腸がんの予防に直結します。
※ポリープも小さいうちに切除すれば、より出血も少なく合併症のリスクも低い状態で治療を行うことができます。
便潜血陽性反応後に大腸内視鏡を施行しなかった方は施行した方に比べ、直腸ガン・大腸ガンによる死亡率が2倍以上になったとの報告(※1)もあり、便潜血陽性の方は自覚症状がなくても大腸内視鏡を受けることが大切です。
大腸内視鏡と聞くと、「痛い」「苦しい」といったイメージを持たれている方もおられると思いますが、当院は鎮静剤やスコープの調整などの様々な工夫で苦しくない無痛状態で大腸内視鏡をお受けいただけます。
※1 参考文献;Zorzi M et al Gut 2022;71(3):561-567
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