食べ物がのどに詰まる・吐いてしまう原因は?食道アカラシアの実例を専門医の院長が解説
「食べ物がのどや胸に引っかかる感じがする」「食後に吐いてしまう」──
そんな症状が続いていませんか?
食べ物のつかえ感は、逆流性食道炎、食道がん、好酸球性食道炎、食道の狭窄などでも起こりますが、比較的まれな病気である食道アカラシアが原因になっていることもあります。
特に、胃カメラで「異常なし」と言われたにもかかわらず、食事中のつかえ感や嘔吐が続く場合は、食道の動きや食道の出口の開きにくさを含めて、あらためて確認することが大切です。
今回は、池袋上田胃腸クリニックで診断された40代女性の実例をもとに、食べ物がのどに詰まる・吐いてしまう原因、診察で考える病気、検査、治療の流れについて、消化器内科専門医の院長がわかりやすくお伝えします。
食べ物のつまり感でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
食べ物のつかえ感・食後の嘔吐・のどや胸のつまり感でお困りの方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、食道・胃・大腸の症状に対して、消化器内科専門医が診察を行っています。必要に応じて、胃カメラで食道・胃・十二指腸を確認し、専門的な検査や治療が必要な場合には高次医療機関とも連携します。お悩みの方はぜひご相談ください。
食べ物がのどや胸に詰まるときに考えられる主な原因
食べ物がのどや胸に詰まる感じがある場合、原因は一つではありません。
症状の出方、年齢、体重減少の有無、胸やけ、アレルギー歴、食事内容、飲み込み自体の問題があるかどうかなどを確認しながら、原因を考えていきます。
代表的には、以下のような病気が考えられます。
- 逆流性食道炎:胃酸の逆流により、胸やけ、酸っぱいものが上がる、胸のつかえ感などが出ることがあります。
- 食道がん:食べ物が徐々に通りにくくなる、体重が減る、胸の違和感が続く場合には注意が必要です。
- 好酸球性食道炎:アレルギー体質の方にみられることがあり、食事中のつかえ感や胸のつまり感の原因になります。
- 食道狭窄:炎症や治療後の変化などにより、食道が狭くなって食べ物が通りにくくなることがあります。
- 食道アカラシア:食道の出口が開きにくくなり、食べ物や水分が食道内にたまる病気です。
このように、同じ「食べ物が詰まる」という症状でも、原因によって検査や治療方針は大きく異なります。そのため、症状が続く場合は自己判断せず、消化器内科で原因を確認することが大切です。
▶関連ページ:胸やけや胃酸の逆流がある方は、逆流性食道炎・胸やけのページもご参照ください。
食道アカラシアとは?食道の出口が開きにくくなる病気です
食道アカラシアとは、食道から胃へ食べ物を送る働きに異常が起こり、食道の出口にあたる部分がうまく開かなくなる病気です。
通常、食べ物を飲み込むと、食道が波のように動き、食道と胃の境目がゆるんで食べ物が胃へ流れます。しかし食道アカラシアでは、食道の動きが弱くなったり、食道の出口が十分に開かなくなったりするため、食べ物や水分が食道内にたまりやすくなります【1】【2】。
その結果、以下のような症状が出ることがあります。
- 食べ物がのどや胸につかえる
- 食後に吐いてしまう
- 飲み込んだものが戻ってくる
- 胸の違和感や痛みがある
- 食事量が減り、体重が減る
- 夜間に食べ物や水分が逆流して咳き込む
食道アカラシアは比較的まれな病気ですが、症状が逆流性食道炎や食道がん、ストレスによる胃腸症状と似ていることがあるため、診断までに時間がかかることがあります。
実際の症例|40代女性「食べ物がつまり、時々嘔吐してしまう」
【症状】
数年前から食事が詰まるような感じを自覚しており1年ほど前から悪化。
時々嘔吐してしまうこともあり、医療機関を数軒受診し胃カメラも2回ほど受けましたが異常なしとの診断でした。
ストレス性と言われ投薬されるも、一向に改善しないとのことで当院を受診。
【問診】
- 症状は食事の時のみ
- 飲み込み自体は問題なし
- のどから下で詰まっているような状態
とのことで、食道の通過障害が疑われ、ご本人と相談し胃カメラ(内視鏡)を再検することにしました。
【胃カメラ】
上部~下部食道に拡張を認め食道内に水分が貯留している状態で、胃と食道のつなぎ目に狭窄を認め、症状の原因と考えました。
内視鏡や生検でも悪性の所見はなく、食道アカラシアと診断しました。
【治療】【経過】
軽度~中等度のアカラシアに対しては異常に収縮した括約筋を内視鏡で切開するという治療があり、アカラシアを根本的に改善してくれます。
入院が必要となる治療のため、対応可能な高次医療機関に紹介し、治療を受けて頂きました。
治療後から症状は速やかに消失し、現在も再発なく食事がおいしく食べれると喜んでおられました。
受診の目安
胃カメラで異常なしと言われても、症状が続く場合は再評価が大切です
今回の症例で重要なのは、患者さんがすでに複数回胃カメラを受けていたにもかかわらず、症状の原因がはっきりしていなかった点です。
食道アカラシアは比較的まれな疾患であり、内視鏡医が遭遇する機会も多くはありません。初期や軽症例では、胃カメラで明らかな異常として認識されにくいこともあります。
そのため、
- 食事中だけ症状が出る
- のどではなく胸の奥で詰まる
- 食後に吐くことがある
- 胃カメラで異常なしと言われたが改善しない
- 体重が減ってきた
といった場合には、食道の動きや食道胃接合部の通過性を意識して再評価することが大切です。
池袋上田胃腸クリニックでは、鎮静剤による無痛胃カメラにも対応し、緊急時には最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。
お困りの方は是非ご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
-
オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問FAQ
Q. 食べ物がのどに詰まる原因は何ですか?
A. 逆流性食道炎、食道がん、好酸球性食道炎、食道狭窄、食道アカラシアなどが原因になることがあります。のどに詰まるように感じても、実際には胸の奥にある食道で食べ物が通りにくくなっている場合があります。症状が続く場合は、消化器内科で食道や胃の状態を確認することが大切です。
Q. 食後に吐いてしまうのは危険な症状ですか?
A. 一時的な胃腸炎などで吐くこともありますが、食事のたびに吐いてしまう、食べ物が詰まって戻ってくる、体重が減っている場合は注意が必要です。食道アカラシア、食道狭窄、食道がんなどが隠れていることもあるため、早めに受診をおすすめします。
Q. 食道アカラシアとはどのような病気ですか?
A. 食道アカラシアは、食道の動きがうまく働かず、食道と胃の境目が開きにくくなる病気です。そのため、食べ物や水分が胃へ流れにくくなり、食べ物のつかえ感、嘔吐、胸の違和感、体重減少などが起こることがあります。
Q. 食道アカラシアは胃カメラでわかりますか?
A. 胃カメラで、食道の拡張、食道内の水分や食物残渣の貯留、食道胃接合部の狭さなどから疑われることがあります。ただし、胃カメラだけでは診断が難しいこともあり、食道造影検査や食道内圧検査が必要になる場合があります。
Q. 胃カメラで異常なしと言われても食道アカラシアのことはありますか?
A. あります。食道アカラシアは比較的まれな病気であり、初期や軽症例では見逃されることもあります。胃カメラで異常なしと言われても、食べ物のつかえ感や嘔吐が続く場合は、食道の動きや通過障害を意識した再評価が必要です。
Q. 食道アカラシアと逆流性食道炎の違いは何ですか?
A. 逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流することで胸やけや呑酸などを起こす病気です。一方、食道アカラシアは食道の出口が開きにくく、食べ物や水分が食道内にたまる病気です。どちらも胸の違和感やつかえ感を起こすことがあるため、症状だけで判断せず検査で確認することが大切です。
Q. 食道アカラシアと食道がんは症状が似ていますか?
A. 似ていることがあります。どちらも食べ物のつかえ感、胸の違和感、体重減少などを起こすことがあります。特に症状が進行している、体重が減っている、食事量が減っている場合は、食道がんを含めた評価が必要です。
Q. 食道アカラシアの検査には何がありますか?
A. 胃カメラ、食道造影検査、食道内圧検査などがあります。胃カメラでは食道がんや炎症、狭窄の有無を確認し、食道造影では食道の形や通過の状態を確認します。食道内圧検査では、食道の動きや食道胃接合部の開き方を詳しく調べます。
Q. 食道アカラシアは自然に治りますか?
A. 自然に改善することは多くありません。症状が続く場合は、食道の出口の通過を改善する治療が必要になることがあります。治療法には、内視鏡的治療、バルーン拡張術、外科的治療などがあり、病状や施設の体制に応じて選択されます。
Q. 食べ物のつかえ感がある場合、何科を受診すればよいですか?
A. 食べ物がのどや胸につかえる場合は、食道や胃の病気が原因のことがあるため、消化器内科の受診をおすすめします。必要に応じて胃カメラなどで食道・胃・十二指腸を確認し、専門的な検査や治療が必要な場合は高次医療機関へ紹介します。
院長からのコメント
食道アカラシアは患者さんご本人にとっては、食事のたびに詰まる、吐いてしまう、外食が不安になるなど、日常生活に大きな影響を与える病気です。
また、症状が逆流性食道炎やストレス性の胃腸症状と似ていることもあり、診断までに時間がかかることがあったり、比較的稀な疾患のため、内視鏡医も遭遇する機会が少なく今回のように複数の施設の内視鏡で気づかれずに見逃されているケースもあります。
「検査では異常なしと言われたけれど、症状が明らかに続いている」という場合、同じ検査名であっても、食道の動きや通過障害を意識して診ることで、診断につながることがあります。
食べ物のつかえ感、食後の嘔吐、胸のつまり感が続く方は、我慢せずご相談ください。
必要に応じて、専門的な治療が可能な医療機関とも連携しながら、適切な診断と治療につなげていきます。
食べ物のつかえ感・食後の嘔吐が続く方へ
当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。
「胃カメラで異常なしと言われたけれど、食べ物が詰まる」「食後に吐いてしまう」「食道がんではないか不安」という方は、一度ご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
関連ページ
参考文献
- Boeckxstaens GE, Zaninotto G, Richter JE. Achalasia. Lancet. 2014;383(9911):83-93.
- Vaezi MF, Pandolfino JE, Yadlapati RH, et al. ACG Clinical Guidelines: Diagnosis and Management of Achalasia. Am J Gastroenterol. 2020;115(9):1393-1411.
- 日本消化器内視鏡学会. POEM診療ガイドライン. 2018.
- Vaezi MF, Felix VN, Penagini R, Mauro A, de Moura EGH, Pu LZCT. Achalasia: from diagnosis to management. Ann N Y Acad Sci. 2016;1381(1):34-44.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

