ピロリ菌除菌後に胸やけが出る原因は?逆流性食道炎だった実際の治療例
この記事でわかること
- ピロリ菌除菌後に胸やけが起こる理由
- 除菌後の胸やけと逆流性食道炎の関係
- 胃カメラで確認すべき症状
- 実際の診察・検査・治療の流れ
- 早めに受診した方がよいサイン
「ピロリ菌を除菌したら胸やけが出るようになった…」
実は、このような症状で「薬が合わなかったのでは」「除菌に失敗したのでは」と不安になり当院を受診される方は少なくありません。
ピロリ菌の除菌自体は胃がん予防のために推奨されますが、除菌後しばらくは胃酸分泌が変化し、一時的に逆流性食道炎が起こることがあります。
多くは適切な内服治療や生活習慣の見直しで改善が期待できますが、症状が長引く場合や、飲み込みにくさ・体重減少・黒い便などを伴う場合は、ほかの病気が隠れていないか胃カメラで確認することが大切です。
この記事では、当院を受診された60代女性の症例をもとに、
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なぜ除菌後に胸やけが起こるのか
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どのような検査で診断できるのか
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どんな治療法が有効なのか
- 受診の目安
を、消化器専門医の東海林院長がわかりやすくお伝えします。
ピロリ菌除菌後の胸やけでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
ピロリ菌除菌後の胸やけを起こす主な原因
ピロリ菌除菌後の胸やけで最も考えやすい病気の一つが、逆流性食道炎です。
逆流性食道炎とは、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜が刺激されることで胸やけ・げっぷ・呑酸・胸のつかえ・のどの違和感などを起こす病気です。[2][3]
ピロリ菌除菌後は、胃酸の環境が変化することがあります。そこに胃の動きの低下、食べ過ぎ、飲酒、就寝前の食事、食道裂孔ヘルニアなどが重なると、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。
ただし、胸やけの症状があっても、胃カメラで強い炎症を認めないタイプの逆流症状もあります。また、逆に症状が軽くても食道や胃に炎症・潰瘍・腫瘍性病変が見つかることもあります。
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ピロリ菌の検査・除菌・除菌後の注意点は、こちらで詳しく解説しています。
実際の治療例|60代 女性「ピロリ菌を除菌してから胸焼けが起こる」
【症状】
人間ドックの胃カメラで萎縮性胃炎とピロリ菌陽性を指摘され、かかりつけ医でピロリ菌除菌。
除菌成功してから2週間ほど経過して胸やけが起こるようになりました。
かかりつけ医に相談し胃薬を処方されましたが、改善なく当院にご相談に来られました。
【診察・検査】
症状からは「逆流性食道炎」が考えられ、程度を評価し治療方針を決定するためご本人と相談し、再度胃カメラを行いました。
胃カメラでは軽度の逆流性食道炎の所見を認め症状の原因と考えました。
実際の胃カメラの画像です。胃と食道のつなぎ目部分に胃酸の逆流によって発赤調の炎症が起こっており(黄色矢印)、軽度の逆流性食道炎と診断しました。
【治療】
逆流性食道炎の治療は
①胃酸分泌過多を抑える制酸剤
②胃の動きを改善させ逆流しないようにする運動機能改善薬 などを用いて行います。
前医で処方されていた制酸剤は効果が弱く症状の改善が得られなかったため逆流性食道炎に適した制酸剤への切り替えを行い、
併せて胃の動きを改善する漢方の処方を行いました。
制酸剤はどれも同じわけではなく効果に差があるため、胃カメラで逆流性食道炎の状態を見極め、状態に合わせた適切な薬を選択することが重要です。
【経過】
投薬開始後、3日ほどで胸やけの頻度は低下してきて、2週間ほどで症状は消失し薬は終了としました。
その後も症状の再発はなく、診療自体も終了となりました。
▶胸やけの原因や治療をさらに詳しく知りたい方は、逆流性食道炎(胸やけ)の症状・治療法 もあわせてご覧ください。
ピロリ菌除菌後の胸やけはいつまで続く?受診の目安
ピロリ菌除菌後の胸やけは、胃酸分泌の変化に体が慣れるまでの間に一時的に起こることがあります。
実際、除菌後に胃酸が逆流して胸やけが出ることはあるものの、多くは一時的で重い経過になることは多くないとされています。
ただし、症状が何週間も続く場合、薬を飲んでも改善しない場合、あるいは飲み込みにくさ、体重減少、吐血・黒色便などを伴う場合は、逆流性食道炎以外の病気が隠れていないか確認することが重要です。
こうした場合、胃カメラは食道炎の有無だけでなく、狭窄や腫瘍などの除外にも役立ちます。
また、ピロリ菌を除菌したあとも胃がんリスクがゼロになるわけではありません。胸やけの治療だけで終わりにせず、胃粘膜の状態に応じて定期的な胃カメラを続けることが大切です。
池袋で胃カメラをご希望の方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、鎮静剤を使用した胃カメラにも対応しています。胸やけが続く方、ピロリ菌除菌後の胃の状態が心配な方はご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
院長からのコメント
ピロリ菌除菌後に胸やけが出ると、「除菌しなければよかったのでは」と不安になる方もいらっしゃいます。
しかし、ピロリ菌除菌は胃がんや潰瘍のリスクを下げるために重要な治療です。除菌後に胸やけが出た場合も、多くは胃酸の環境変化や胃の動きの低下、逆流性食道炎などを評価し、適切に治療することで改善が期待できます。
大切なのは、症状だけで判断しないことです。胸やけの背景に逆流性食道炎があるのか、胃潰瘍や食道・胃の病気が隠れていないか、胃カメラで確認することで安心につながります。
池袋上田胃腸クリニックでは、ピロリ菌除菌後の胃の不調、胸やけ、胃もたれ、げっぷ、胃痛などの診療を行っています。気になる症状が続く方は、お気軽にご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
当院の胃カメラの特徴
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お一人お一人に合わせた鎮静剤やスコープ調整
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次世代システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問FAQ
ピロリ菌除菌後に胸やけが出ることはありますか?
はい、あります。ピロリ菌除菌後に胃酸の環境が変化し、胃酸が食道へ逆流することで胸やけが出ることがあります。すべての方に起こるわけではありませんが、逆流性食道炎として治療が必要になることがあります。
除菌後の胸やけは除菌失敗のサインですか?
胸やけが出たことだけで除菌失敗とは判断できません。除菌が成功していても、胃酸環境の変化によって胸やけが出ることがあります。除菌判定は、尿素呼気試験などの検査で確認します。
ピロリ菌除菌後の胸やけはどれくらいで治りますか?
個人差があります。一時的に落ち着く方もいますが、数週間以上続く場合や薬で改善しない場合は、逆流性食道炎や他の病気が隠れていないか確認することが大切です。
除菌後の胸やけで胃カメラは必要ですか?
症状が軽く短期間で改善する場合は経過を見ることもあります。ただし、胸やけが続く、薬で改善しない、飲み込みづらい、体重が減る、黒い便が出る場合は、胃カメラで確認することをおすすめします。
胃カメラでは何がわかりますか?
食道の炎症、逆流性食道炎の程度、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、食道がんなどを確認できます。ピロリ菌除菌後の胃粘膜の状態を確認する目的でも重要です。
除菌後も胃がんのリスクはありますか?
あります。ピロリ菌除菌により胃がんリスクは低下しますが、ゼロにはなりません。萎縮性胃炎がある方や過去にピロリ菌感染があった方は、定期的な胃カメラが大切です。
市販の胃薬で様子を見てもよいですか?
一時的な軽い胸やけであれば市販薬で改善することもあります。ただし、症状が続く、繰り返す、薬で改善しない場合は、自己判断を続けず消化器内科で相談してください。
生活習慣で気をつけることはありますか?
食べ過ぎ、脂っこい食事、飲酒、就寝前の食事、食後すぐ横になることは逆流を悪化させることがあります。寝る前2〜3時間の食事を控え、食後すぐ横にならないことが大切です。
胸やけ以外にどんな症状が出ますか?
げっぷ、呑酸、胃もたれ、胃痛、吐き気、胸のつかえ、のどの違和感、咳などを伴うことがあります。症状が多い場合は逆流性食道炎だけでなく、胃の動きの低下なども考えます。
池袋でピロリ菌除菌後の胸やけを相談できますか?
池袋上田胃腸クリニックでは、ピロリ菌除菌後の胸やけ、胃もたれ、げっぷ、胃痛などの診療に対応しています。必要に応じて胃カメラで食道や胃の状態を確認し、症状に合わせて治療を行います。
まとめ
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ピロリ菌除菌後は一時的に胃酸分泌が増え、逆流性食道炎が出やすくなります
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適切な制酸剤や運動機能改善薬で治療可能です
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胸やけ以外にも胃痛・胃もたれ・吐き気・咳など多彩な症状が出ることがあります
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生活習慣の改善(禁煙・減酒・体重コントロール)も効果的です
胸やけや胃の不調が続く方は、早めにご相談ください。
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医師紹介・アクセス・診療時間
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
- 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
- その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)
診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8:30〜12:30 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 13:30〜17:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
休診日:金曜日午後・祝日
診療は完全予約制です。
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
- 日本ヘリコバクター学会. ピロリ菌に関するQ&A.
- 日本消化器病学会. 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021.
- Katz PO, Dunbar KB, Schnoll-Sussman FH, et al. ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. Am J Gastroenterol. 2022;117:27-56.
- Wang Y, et al. Helicobacter pylori Infection and Eradication in Relation to Gastroesophageal Reflux Disease. Journal of Gastroenterology and Hepatology. 2025.
- 国立がん研究センター がん対策研究所. ヘリコバクター・ピロリ菌除菌と胃がんリスク.
