食道カンジダ症
食道カンジダとは?
食道の粘膜に「カンジダ」という真菌が繁殖した状態です。
真菌ってあまり聞きなれない方もおられると思いますが、簡単にいうとカビの一種です。
食道にカビが繁殖!?
と聞くと驚かれるかもしれませんが、カンジダはもともと人間の皮膚などに住み着いている常在菌です。
カンジダは空気にさらされずに湿った環境を好むため、食道は繁殖にうってつけの場所で、私たちの体の免疫力が低下した際などに食道で繁殖します。
原因は?
1.免疫力の低下
高齢者や糖尿病などの体の免疫が低下している方や、体の免疫を抑える薬(ステロイドなど)を服用している人などに見られます。
また、ストレスや疲れなどで身体の免疫が低下すると特に基礎疾患のない正常な方にも発生することもあります。
2.抗生剤などの服用
抗生剤などを飲んでいて、もともと住み着いていた常在菌のバランスが乱れる場合があります。
このような際にはカンジダに感染することがあります。
症状は?
無症状のことも多いですが、のどの違和感・つまり感、食べ物の飲み込みにくさ・食道の異物感などがでることがあります。
検査・診断は?
胃カメラ検査で実際に食道の状態を確認して診断します。
食道カンジダの内視鏡(胃カメラ)写真
内視鏡検査では「酒粕様の白斑」と表現される白い点状のものとして観察されます。
治療は?
食道カンジダは放っておいても自然と治ってしまうことが多く、症状がなければ様子をみることがほとんどです。
ただ、のどや食道のつまり感や違和感・飲み込みにくさなどのの症状があれば、抗真菌薬の内服薬にて治療を行います。
文責:神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
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