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胃腸炎のあとから胃が張る…2週間以上続くなら要注意|機能性ディスペプシア(FD)の検査と治療

[2026.02.07]

「胃腸炎は治ったはずなのに、胃が張って苦しい感じだけが残る…」

こうした“治りきらない不調”は珍しくありません。

感染性胃腸炎をきっかけに、胃の働きが乱れて機能性ディスペプシア(FD)の状態になることがあります【3】【6】。

一方で、症状が長引くときはFDだけでなく、別の病気が隠れていないかの確認が大切です【1】【2】。

この記事では、20代男性の実例をもとに、症状・鑑別・検査・治療の流れを専門医の東海林院長が分かりやすくまとめます。

 

胃腸炎後の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|20代男性「胃腸炎のあとから胃が張る」

症状

2か月ほど前に胃腸炎になった後から、胃腸炎の急性症状は落ち着いたものの、胃の張り(膨満感)が持続。改善しないため来院されました。

 

診察

「胃の張り」が続くとき、次のような病気を念頭に置いて診察・検査を進めていきます。

  • 機能性ディスペプシア(FD):胃の動き低下、胃の広がり(適応弛緩)の不調、知覚過敏など【1】【2】

  • 逆流性食道炎(胸やけが目立たないことも)

  • 胃炎・胃潰瘍/十二指腸潰瘍

  • ピロリ菌関連(萎縮性胃炎など)

  • 胆のう疾患(胆石・胆のう炎など:みぞおち〜右上腹部の違和感)

  • 膵疾患(まれですが鑑別)

  • 便秘・IBS(過敏性腸症候群)による膨満感

正しく状態を把握し、治療方針を立てるため腹部エコーと胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。

 

検査
◆腹部エコー

胆のう・肝臓・膵臓などを中心に、膨満感の原因になりうる所見を確認。
異常なし

◆胃カメラ(上部内視鏡)

胃・食道・十二指腸に、炎症や潰瘍、腫瘍などの器質的異常がないかを確認。
異常なし

実際の胃カメラの画像所見です。ピロリ菌や胃がん・胃潰瘍などの異常所見はなく、正常の状態でした。

このように、必要な評価を行って「説明できる病気が見つからない」場合、症状の特徴と合わせて機能性ディスペプシア(FD)を考えます【1】【2】。

 

機能性ディスペプシア(FD)とは

FD(Functional Dyspepsia)は、胃の不快な症状(胃もたれ、早期満腹感、みぞおちの痛み・灼熱感、食後のつらさ等)があるのに、検査ではっきりした異常が見つからない状態です【1】【2】。

胃腸炎をきっかけにFDになることはある?

あります。感染性胃腸炎の後に、その後の“胃の不調(消化不良症状)”が続きやすくなることが、系統的レビューでも示されています【3】【6】。

れを「感染後(post-infectious)」の要素を持つFDとして捉えることがあります。

どうして張るの?

FDでは、例えば

  • 胃の動き(排出)が弱い

  • 胃が食事に合わせて広がる動きがうまくいかない

  • 胃の感覚が過敏になる

などが関与し、“食べてないのに張る/少量で苦しい”が起こり得ます【1】【2】。

 

治療
① 消化管賦活薬(胃の動きを助ける薬)

胃の動き低下による張りを考え、消化管賦活薬を処方。→ 2週間で約7割改善

② “頭打ち”の段階で漢方を追加

7割から改善が頭打ちになったため、胃の運動改善を促す漢方を追加。→ 2週間ほどで張りは改善。

③ 継続の判断

ご本人が「漢方を飲むと調子が良い」と実感があり、継続。現在も再燃なく安定しています。

「胃腸炎後から張りが続く」「薬で少し良いがスッキリしない」場合、治療の組み合わせ調整で改善することがあります。

院長からのコメント

胃腸炎を契機にFDのような状態になるケースは、決して少なくありません【3】【6】。

一方で、FDは“よくある”からこそ、自己判断で長く放置しないことが大切です。

とくに、2週間以上続く・生活に支障がある・悪化してきた、という場合は、FD以外の原因も含めて評価し、適切な治療を受けることをおすすめします【1】【2】。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、FDに対して当日中に検査・診断できる体制を整えています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

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※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問(FAQ)

Q. 胃腸炎のあとに胃の張りが続くのは、よくあることですか?

A. はい。感染性胃腸炎の後に、消化不良症状(胃の不快感や張り)が続きやすくなることが報告されています【3】【6】。

 

Q. 胃の張りがどれくらい続いたら受診の目安ですか?

A. 目安として2週間以上続く、悪化する、市販薬で改善しない場合は消化器内科で相談が安全です【1】【2】。

 

Q. 若いので胃カメラは不要ですか?

A. 若い方では重い病気は多くありませんが、症状が長引く場合や赤旗症状がある場合は、原因確認のため内視鏡が役立ちます【2】。

 

Q. 胃カメラと腹部エコーで「異常なし」なら安心していい?

A. 大きな器質的病気を除外できる点で安心材料になります。そのうえでFDなど“機能の問題”として治療を進めることがあります【1】【2】。

 

Q. 機能性ディスペプシア(FD)とは何ですか?

A. 胃もたれ・食後のつらさ・早期満腹感・みぞおちの痛みなどがあるのに、検査で説明できる異常が見つからない状態です【1】【2】【7】。

 

Q. FDは薬で良くなりますか?

A. 症状のタイプにより、胃酸を抑える薬、消化管運動改善薬、必要に応じて他の薬を組み合わせて改善を目指します【2】【4】。

 

Q. 「7割は良くなったけどスッキリしない」場合はどうしますか?

A. 生活調整に加え、薬の種類変更・追加(例:漢方など)で伸びることがあります。FD治療は“微調整”が効果的な場面があります【1】【5】。

 

Q. FDで漢方は有効ですか?

A. 体質や症状により適応があります。六君子湯などはFD症状や胃機能への効果が検討され、一定の有効性が示された解析もあります【5】。

 

Q. 食事で気をつけることはありますか?

A. 早食いを避ける、脂っこい食事や炭酸を控える、少量頻回にする、就寝前の食事を避けるなどが役立つことがあります【1】。

 

Q. 放置すると長引きますか?

A. FDは長期化することもあるため、早めに評価し、合う治療を組み立てることが大切です【1】【2】。

まとめ

  • 胃腸炎のあとに胃の張りが続く場合、FD(機能性ディスペプシア)などが関与することがあります【3】【6】

  • 2週間以上続く、悪化する、市販薬で改善しないなら精査のため検査が望ましいと考えます【1】【2】

  • 胃カメラ・腹部エコーで大きな病気を除外し、消化管賦活薬+必要に応じて漢方などで改善するケースがあります【2】【4】【5】

  • “少し良くなったけど頭打ち”の段階で、治療の組み合わせ調整が有効なこともあります

 

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。

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関連ページ

参考文献

【1】日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2021―機能性ディスペプシア(FD)(改訂第2版).
【2】Moayyedi P, et al. ACG and CAG Clinical Guideline: Management of Dyspepsia. Am J Gastroenterol. 2017.
【3】Futagami S, et al. Systematic review with meta-analysis: post-infectious functional dyspepsia. Aliment Pharmacol Ther. 2015.
【4】Pittayanon R, et al. Prokinetics for Functional Dyspepsia: A Systematic Review and Meta-analysis. Am J Gastroenterol. 2019.
【5】Ko SJ, et al. Effects of the herbal medicine Rikkunshito for functional dyspepsia: systematic review and meta-analysis. J Gastroenterol Hepatol. 2021.
【6】(急性胃腸炎後のDGBIリスクに関する系統的レビュー)Gut誌掲載論文(PDF).
【7】Rome Foundation. Rome IV Criteria – Functional Dyspepsia.

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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