メニュー

胃カメラ「異常なし」でも安心できない理由|3週間続いた胃の張りの正体は20cmの後腹膜腫瘍

[2026.03.03]

「胃が張る」「左のお腹が痛い」。

胃の症状に見えるため、まず胃カメラを受ける方は多いです。

ただ、胃カメラで異常がないのに症状が続くとき、“胃以外の臓器やお腹の奥(後腹膜)”に原因が隠れていることがあります。

後腹膜の腫瘍はかなり大きくなるまで目立った症状が出にくいこともあり、見つけるには“視点の切り替え”が大切です【6】。

今回は、腹部エコーで20cm大の巨大後腹膜腫瘍が見つかり、高次医療機関で悪性(肉腫疑い)として手術に至った40代女性の経過を、消化器専門医の東海林院長がわかりやすくお伝えします。

胃の張りや腹痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 胃カメラで異常がなくても、胃の張りや腹痛の原因がすべて否定できるわけではありません。

✅ 胃の外側にある膵臓・腎臓・脾臓・後腹膜などに原因が隠れていることがあります。

✅ 胃薬で改善しない症状が続く場合は、腹部エコーやCTなどで胃以外も確認することが大切です。

 

胃カメラで異常なしと言われたのに、胃の張りや左腹部痛が続く方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、胃カメラだけでなく、必要に応じて腹部エコーも組み合わせて、胃以外の原因も含めて評価しています。

「機能性ディスペプシアと言われたけれど治らない」「胃薬を飲んでも張り感が続く」という方も、一度ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

胃の張りを起こす主な原因

胃の張りや左腹部痛は、胃そのものの病気だけでなく、腸・膵臓・腎臓・脾臓・後腹膜など、さまざまな場所の異常で起こります。

  • 機能性ディスペプシア(FD)
  • 便秘・ガス貯留
  • 感染性腸炎や腸の炎症
  • 膵臓・脾臓の病気
  • 腎臓・尿管の病気
  • 後腹膜腫瘍など、お腹の奥の病気

特に、胃薬で改善しない、違和感が長引く、いつもと違う痛みが続くといった場合には、胃以外の原因も考える必要があります【1】。

胃カメラで異常なしでも症状が続くときに考えること

胃カメラは、食道・胃・十二指腸の内側を詳しく観察できる非常に有用な検査です。しかし、見えるのはあくまで消化管の内側の粘膜であり、胃の外側や、その周囲の臓器までは直接確認できません。

そのため、胃カメラで異常がないにもかかわらず、胃の張り・左腹部痛・食欲低下・違和感などが続く場合には、腹部エコーやCTなどで検査範囲を広げることが大切です【2】。

当院でも、症状の内容や触診所見を踏まえ、必要に応じて腹部エコーを追加することで、胃カメラだけでは分からない病気が見つかることがあります。

腹部エコー検査については、以下のページでも詳しくご紹介しています。

▶ 腹部エコー検査でわかること・検査の流れはこちら

後腹膜腫瘍とは

後腹膜とは、胃や腸のさらに奥にあるスペースのことで、腎臓・尿管・大きな血管などが存在する場所です。

この部分にできる腫瘍は、ある程度大きくなるまで症状が出にくいことがあり、お腹の張り・腹痛・背部痛・圧迫感など、はっきりしない症状で見つかることがあります【2】【3】。

特に後腹膜腫瘍は、症状が「胃の不調」に見えることもあり、最初は機能性ディスペプシアや胃炎として経過を見られるケースもあります。そのため、症状が長引くときには、思い込みで様子を見すぎないことが大切です。

実際の治療例|40代女性「3週間前から胃が張る・左側腹部の痛みがある」

症状

  • 3週間前から:胃が張る/左側腹部痛

  • 他院で胃カメラ:異常なし

  • 機能性ディスペプシア(FD)と言われ投薬 → 改善なく当院受診

「胃の症状っぽいのに、胃カメラは異常なし」という状況は、実は珍しくありません。

 

診察

胃の張り・左側腹部痛は、以下のように幅広い原因があり得ます。

よくある鑑別
  • 機能性ディスペプシア(FD)、過敏性腸症候群(IBS)

  • 便秘、腸炎、憩室炎

  • 尿管結石、腎盂腎炎など泌尿器疾患

  • 婦人科疾患(卵巣嚢腫・腫瘍など)

  • 膵臓・脾臓の病気

  • 腹壁の痛み(筋膜痛など)

「見逃したくない」受診を奨励するサイン
  • 痛みが続く/徐々に悪化する

  • 市販薬・胃薬で改善しない

  • 体重減少、発熱、貧血症状

  • お腹の張りが強くなってきた、しこり感がある

前医の胃カメラでは問題なかったため、周囲の臓器の状態を把握し、治療方針を立てるため腹部エコー(超音波検査)を行いました。

 

腹部エコー(超音波)

左側腹部に20cm大の巨大な後腹膜腫瘍(黄色部分)を認め、症状の原因として強く疑いました。

腹部エコーは、

  • 放射線被ばくなし

  • 比較的短時間

  • 胃以外(肝胆膵・腎臓・脾臓・腹部の腫瘤など)も広く評価 ができるため、「胃カメラ異常なし」症状の次の一手として有用なことがあります。

💡当院では最短当日に腹部エコーがお受け頂けます。お気軽にお問い合わせください。

※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

高次医療機関での精査へ

後腹膜腫瘍の精査のため高次医療機関へ紹介。CTなどで評価され、悪性の肉腫(後腹膜肉腫)疑いとして手術となりました。

後腹膜腫瘍の評価では、一般に造影CTが中心となり、広がりや周囲臓器との関係を確認します【4】【5】。

受診の目安

次のような場合は、「胃カメラで異常なしだったから大丈夫」と自己判断せず、消化器内科で再評価を受けることをおすすめします。

  • 胃の張りや腹痛が数週間以上続く
  • 胃薬を飲んでも改善しない
  • 左腹部痛や背部痛など、場所がはっきりした痛みがある
  • 食欲低下や体重減少を伴う
  • お腹の張りに加えて、便通異常や吐き気なども続く
  • 「いつもと違う」「何となくおかしい」という感覚が続く

池袋で胃の張り・腹痛の相談先をお探しの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、胃カメラ・腹部エコー・採血などを組み合わせて、症状の原因を丁寧に評価しています。

胃カメラで異常なしと言われたあとも症状が続く方は、お気軽にご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

院長からのコメント

胃が張る・腹痛という症状は、まず胃の病気を疑うのは自然です。

しかし、胃カメラで異常がないのに症状が続くときは、機能性ディスペプシア(FD)だけでなく、胃以外の臓器や“お腹の奥=後腹膜”に目を向ける必要があります。

腹部エコーは「次の一手」として非常に有用です。症状が続く方は、自己判断で我慢せずご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問(FAQ)

Q. 胃カメラで異常なしなら、重い病気は否定できますか?

A. 胃の“内側”は評価できますが、胃の外(膵臓・胆のう・腎臓・脾臓・後腹膜など)は胃カメラでは分かりません。症状が続く場合は腹部エコーやCTなどで範囲を広げて確認します。

 

Q. 機能性ディスペプシア(FD)と言われました。薬が効かないのは普通ですか?

A. FDは治療で改善する方が多い一方、十分に改善しない場合もあります。そのときは「本当にFDだけか」を再評価し、胃以外の原因も確認するのが安全です。

 

Q. 後腹膜腫瘍はどんな症状が多いですか?

A. 腫瘍が大きくなるまで無症状のこともあり、腹部膨満、腹痛・側腹部痛、便秘、食欲低下など“消化器の不調”として出ることがあります【6】。

 

Q. 腹部エコーで腫瘍は分かりますか?

A. はい。腹部エコーは簡便かつ安全に検査ができ、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓といった臓器や腹腔・後腹膜といった腹部の腫瘍を見つけるのに非常に有用な検査です。

 

Q. 後腹膜腫瘍が見つかったら、まず何をしますか?

A. 一般に造影CTを中心に、位置・大きさ・周囲臓器との関係を評価します【4】【5】。悪性が疑われる場合は専門施設での多職種チーム診療が推奨されます【3】【5】。

 

Q. 「肉腫」って何ですか?

A. 体の“軟部組織(脂肪・筋肉・血管など)”から発生する悪性腫瘍の総称です。後腹膜にできる肉腫は、専門施設での治療が重要とされています【3】。

 

Q. 治療は手術が基本ですか?

A. 後腹膜を含む軟部肉腫では、可能であれば手術(切除)が治療の中心となることが一般的です【1】【4】。状況により放射線治療や薬物療法が検討されます【1】【3】。

 

Q. どんなときに早めの受診が必要ですか?

A. 胃薬で改善しない張りや痛みが続く、悪化する、体重減少・発熱・貧血症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

 

Q. 腫瘍マーカーの血液検査で分かりますか?

A. 腫瘍マーカーだけで後腹膜腫瘍(良性/悪性)を判断するのは難しいことが多いです。画像検査(エコー、CT、MRI)を組み合わせて評価します【4】【5】。

 

Q. 胃が張るだけでも腹部エコーを受ける意味はありますか?

A. はい。胃カメラで説明がつかない症状が続く場合、腹部エコーで“胃以外”の原因(肝胆膵、腎臓、腹部腫瘤など)の手がかりが得られることがあります。

まとめ

  • 胃が張る・左腹部痛が続いても、胃カメラが正常なことはある

  • ただしその場合、胃以外(後腹膜など)に原因が隠れることがある【6】

  • 腹部エコー→必要なら造影CT/MRIで評価を広げるのが重要【4】【5】

  • 後腹膜腫瘍、とくに肉腫が疑われる場合は専門施設での治療が推奨【3】【5】

胃の張りや左腹部痛が続く方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、胃カメラだけでなく腹部エコーも活用し、胃以外の原因も含めて丁寧に診療しています。

「異常なしと言われたけれど不安」「薬を飲んでもよくならない」という方は、お早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

関連ページ

参考文献

【1】National Cancer Institute. Adult Soft Tissue Sarcoma Treatment (PDQ®). (Update: Feb 21, 2025).
【2】NCCN. NCCN Guidelines for Patients: Soft Tissue Sarcoma (2025).
【3】ESMO. ESMO-EURACAN-GENTURIS Clinical Practice Guideline: Soft tissue and visceral sarcomas.
【4】Carbone F, et al. Multidisciplinary Management of Retroperitoneal Sarcoma. (2021).
【5】Porrello G, et al. CT and MR Imaging of Retroperitoneal Sarcomas. (2023).
【6】Marcu D, et al. Impact of retroperitoneal tumors on the digestive tract (Review). (2022).

医師紹介:東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。

胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

HOME

ブログカレンダー

2026年10月
月 火 水 木 金 土 日
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME