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腫瘍マーカーCEA上昇で大腸がんが見つかった実例|無症状でも大腸カメラが必要な理由

[2026.05.10]

「人間ドックで腫瘍マーカーCEAが高いと言われた」

このような結果を受け取ると、「がんなのではないか」と強く不安になる方もいれば、「少し高いだけなら様子を見てもよいのでは」と考える方もいらっしゃいます。

CEAは、大腸がん・胃がん・肺がん・膵胆道系のがんなどで上昇することがある一方で、喫煙、炎症、肝疾患、糖尿病など、がん以外の原因でも上昇することがあります【1】。

そのため、CEAだけで「がん」と診断することはできませんが、だからといって「CEAが高いけれど症状がないから放置してよい」という意味ではありません。

実際に、今回ご紹介する患者さんは、自覚症状がまったくない状態でCEA上昇を指摘され、当院で大腸カメラを行った結果、S状結腸の大腸がんが見つかりました。

この記事では、腫瘍マーカーCEA高値をきっかけに大腸がんが見つかった実際の診療例をもとに、CEAが高いときに考えるべき原因、必要な検査、受診の目安について、専門医の院長が患者さんにもわかりやすく解説します。

腫瘍マーカーの上昇を指摘された方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ CEAは大腸がんなどで上昇することがありますが、CEAだけでがんと診断することはできません。

✅ 喫煙、炎症、肝疾患、糖尿病など、がん以外でもCEAが高くなることがあります。

✅ 一方で、無症状でもCEA上昇をきっかけに大腸がんが見つかることがあります。

✅ 胃カメラ、腹部エコー、CTなどで異常がない場合でも、大腸に病気が潜んでいる可能性があります。

✅ CEA高値を指摘された方は、自己判断で放置せず、消化器内科で相談することが大切です。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、CEA高値・便潜血陽性・大腸がんが心配な方のご相談を受け付けています。

大腸カメラ、胃カメラ、腹部エコーなどを組み合わせ、検診異常の原因を丁寧に確認します。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

CEA高値を起こす主な原因

CEAは「癌胎児性抗原」と呼ばれる腫瘍マーカーのひとつです。大腸がんで上昇することがあるため、大腸がんと関連して説明されることが多い検査ですが、実際には大腸だけに特異的な検査ではありません。

CEA高値で考える主な原因には、以下のようなものがあります。

  • 大腸がん・直腸がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 膵がん・胆道がん
  • 乳がん、甲状腺髄様がんなど
  • 肝炎、肝硬変、膵炎、潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患
  • 糖尿病、腎不全、甲状腺機能低下症
  • 加齢、喫煙

つまり、CEAが高いからといってすぐに大腸がんと決まるわけではありません。一方で、CEAが高い状態を「よくあること」として放置してしまうと、今回のように見つかるべき病気が遅れてしまう可能性があります。

関連ページ:CEA高値だけでなく、便潜血陽性を指摘された方も大腸の精密検査が重要です。

健診で便潜血陽性と言われた方へ|池袋での受診と大腸カメラの流れ

CEAとは?大腸がんとどのように関係するのか

CEAは、大腸がんを含むさまざまながんで上昇することがある血液検査です。大腸がんの診療では、手術前の病状把握、治療効果の確認、再発のチェックなどで使われることがあります【2】。

一方で、CEAは早期がんで必ず上がるわけではなく、逆にがんがなくても上昇することがあります。そのため、CEAは「CEAが高い=がん」「CEAが正常=がんがない」と判断できる検査ではありません。

大切なのは、CEAの数値だけを見るのではなく、以下の情報を合わせて考えることです。

  • CEAがどの程度高いか
  • 前回と比べて上昇傾向があるか
  • 喫煙歴があるか
  • 肝臓・膵臓・胆道・肺・胃・大腸などの評価が済んでいるか
  • 便潜血陽性、血便、便通異常、貧血、体重減少などがないか
  • 大腸がんや大腸ポリープの家族歴がないか

実際の治療例|50代男性 人間ドックの腫瘍マーカーの上昇

【症状】

特に自覚症状はありませんでしたが、人間ドックで腫瘍マーカー(CEA)の上昇を指摘されて来院されました。

 

【診察】

CEAは大腸膵臓などの「腺がん」で上昇することがあるマーカーです。

すでにドックで肺CT胃内視鏡(胃カメラ)腹部エコーで膵臓は問題なかったとのことで、、残る大腸の評価として大腸カメラ(大腸内視鏡)検査を行うことにしました。

 

【大腸カメラ】

CEA上昇をきっかけに大腸カメラで発見されたS状結腸がんの内視鏡画像

大腸内視鏡ではS状結腸に腫瘍を認め、生検で大腸がんとの診断結果でした。

 

【治療】

今回の大腸がんは、残念ながら内視鏡治療だけで完結できる段階ではありませんでした。

そのため、連携医療機関で詳しい画像検査を行い、転移がないことを確認したうえで手術による治療を受けていただきました。幸いにも遠隔転移はなく、手術で治療につながりました。

大腸がんは、早期に見つかれば内視鏡治療で対応できる場合もあります。一方で、進行してから見つかると手術や薬物療法が必要になることがあります。国立がん研究センターの大腸がんファクトシートでは、早期発見例であるStage Iの5年生存率は93%とされています【3】。

この患者さんは、受診時には明らかな自覚症状がありませんでした。もし「症状がないから大丈夫」と考えて大腸カメラを受けていなければ、発見がさらに遅れていた可能性があります。

だからこそ、症状が出てからではなく、検診異常や腫瘍マーカー異常の段階で一度立ち止まり、必要な検査を受けることが大切です。

CEA高値で受診すべき目安

次のような場合は、CEA高値を自己判断で放置せず、消化器内科で相談することをおすすめします。

  • 人間ドックや健診でCEA高値を指摘された
  • CEAが再検査でも高い、または上昇傾向にある
  • 大腸カメラを数年以上受けていない
  • 便潜血陽性を指摘された
  • 血便がある
  • 便が細くなった
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 残便感がある
  • 腹痛やお腹の張りが続く
  • 貧血を指摘された
  • 体重が減ってきた
  • 大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある

 

関連ページ:大腸カメラを受けるべき症状やリスクについては、こちらも参考にしてください。

大腸カメラを受けるべき人は?症状・リスク・検診結果から解説

院長コメント

CEAは、患者さんにとって非常に不安になりやすい検査項目です。

一方で、CEAが高いからといって、必ずがんがあるわけではありません。喫煙や炎症、肝臓・膵臓・腸の病気など、がん以外でも上昇することがあります。そのため、数値だけを見て過度に怖がりすぎる必要はありません。

ただし、「がんではないこともある」ことと「放置してよい」ことは違います。

今回の患者さんのように、症状がまったくない状態でも、大腸カメラによって大腸がんが見つかることがあります。

特に、胃カメラ、肺CT、腹部エコーなどで明らかな異常がなく、大腸の検査をしばらく受けていない場合には、大腸カメラで大腸の中を直接確認することが大切です。

池袋上田胃腸クリニックでは、CEA高値、便潜血陽性、血便、便通異常、大腸がんが心配な方に対して、症状や検診結果に応じた検査をご提案しています。検査に不安がある方も、お気軽にご相談ください。

CEA高値・便潜血陽性・大腸がんが心配な方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、鎮静剤を使用した苦痛に配慮した大腸カメラに対応しています。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

当院の大腸カメラの特徴
  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査

  • オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
  • 土日対応、事前診察は原則不要

よくある質問

Q. CEAが高いと大腸がんですか?

CEAが高いだけで大腸がんと診断することはできません。CEAは大腸がんで上昇することがありますが、胃がん、肺がん、膵胆道系のがん、炎症、肝疾患、糖尿病、喫煙などでも上昇することがあります。大切なのは、CEAの数値だけで判断せず、必要に応じて胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー、CTなどで原因を確認することです。

 

Q. CEAが少し高いだけなら様子を見てもよいですか?

一時的な上昇や喫煙などが関係していることもありますが、自己判断で放置するのはおすすめできません。再検査で上昇が続く場合、前回より上がっている場合、大腸カメラを長期間受けていない場合は、消化器内科で相談し、必要な検査を検討することが大切です。

 

Q. CEAが正常なら大腸がんはありませんか?

CEAが正常でも大腸がんがないとは言い切れません。特に早期の大腸がんではCEAが上がらないこともあります。CEAはあくまで補助的な検査であり、大腸がんの有無を確認するには、症状、便潜血検査、大腸カメラなどを組み合わせて判断する必要があります。

 

Q. CEA高値を指摘されたら、まず何科を受診すればよいですか?

大腸がん、胃がん、膵胆道系の病気などを確認する必要があるため、まずは消化器内科で相談するのがおすすめです。検査結果、CEAの推移、喫煙歴、家族歴、便通の変化などを確認し、胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー、CTなどの必要性を判断します。

 

Q. 胃カメラや腹部エコーで異常がなければ安心ですか?

胃カメラや腹部エコーで異常がなくても、大腸の中は確認できていません。CEA高値があり、大腸カメラをしばらく受けていない場合は、大腸がんや大腸ポリープの有無を確認するために大腸カメラを検討することがあります。

 

Q. CEA高値でも無症状なら大腸カメラは必要ですか?

無症状でも大腸がんが見つかることがあります。特に大腸がんは早期では自覚症状が乏しいことがあり、症状がないことだけでは安心材料になりません。CEA高値の程度、上昇傾向、便潜血検査の結果、大腸カメラ歴、家族歴などを踏まえて、必要に応じて大腸カメラを検討します。

 

Q. CEA高値と便潜血陽性はどちらが重要ですか?

どちらも放置しないことが大切です。便潜血検査は大腸がん検診として推奨されている検査で、陽性の場合は大腸カメラによる精密検査が重要です。一方、CEAは単独で大腸がん検診に使うには限界がありますが、上昇している場合は原因臓器を確認するきっかけになります。

 

Q. CEAが高い場合、PET検査を受ければ十分ですか?

PET検査だけで大腸の病変を完全に否定できるわけではありません。大腸がんや大腸ポリープは、大腸カメラで直接観察し、必要に応じて組織検査を行うことが重要です。どの検査が必要かは、CEAの値、他の検査結果、症状、年齢、家族歴などを総合して判断します。

 

Q. 喫煙しているとCEAは高くなりますか?

喫煙者ではCEAが高めに出ることがあります。ただし、喫煙が原因と決めつけて大腸がんなどの確認をしないのは危険です。喫煙歴がある方でも、CEAの上昇が続く場合や、大腸カメラを受けていない場合は、消化器内科で相談することをおすすめします。

 

Q. 大腸カメラが怖いのですが、CEA高値でも受けた方がよいですか?

検査への不安は自然なことです。ただ、CEA高値の原因確認として大腸の評価が必要な場合、大腸カメラは重要な検査です。池袋上田胃腸クリニックでは、鎮静剤を使用した苦痛に配慮した大腸カメラに対応しています。検査が怖い方も、まずは診察で不安な点をご相談ください。

 

まとめ

CEA高値は、患者さんにとって不安になりやすい検査結果です。CEAが高いからといって必ずがんというわけではありませんが、今回のように無症状の大腸がんが見つかることもあります。

 ✔ CEAは大腸がんなどで上昇することがありますが、単独で診断する検査ではありません。

 ✔ 喫煙、炎症、肝疾患、糖尿病など、がん以外でもCEAが高くなることがあります。

 ✔ 大腸がんは早期では無症状のことがあり、症状がないだけでは安心できません。

 ✔ 胃カメラ、腹部エコー、CTで異常がなくても、大腸の確認が必要な場合があります。

 ✔ CEA高値、便潜血陽性、血便、便通異常、貧血、体重減少がある方は早めにご相談ください。

CEA高値を指摘された方へ

CEA高値は、がん以外でも起こる一方で、見逃してはいけない病気が隠れていることもあります。

「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、検診結果を持参して消化器内科を受診することが大切です。

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

関連ページ

無症状のまま見つかる大腸がんについては、以下のページでも詳しく解説しています。
大腸カメラ(内視鏡について)はこちらからご確認頂けます

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。

初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

参考文献

  1. 富士フイルム和光純薬株式会社. 癌胎児性抗原(CEA). 臨床検査薬情報.
  2. Locker GY, Hamilton S, Harris J, et al. ASCO 2006 Update of Recommendations for the Use of Tumor Markers in Gastrointestinal Cancer. J Clin Oncol. 2006;24(33):5313-5327.
  3. 国立がん研究センター. 大腸がんファクトシート 2024.
  4. 国立がん研究センター がん対策研究所. 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版.
  5. 厚生労働省. 大腸がん検診について.
  6. Zorzi M, et al. Non-compliance with colonoscopy after a positive faecal immunochemical test doubles the risk of dying from colorectal cancer. Gut. 2022;71(3):561-567.
  7. Sekiguchi M, et al. Limited usefulness of serum carcinoembryonic antigen and carbohydrate antigen 19-9 levels for gastrointestinal and whole-body cancer screening. Scientific Reports. 2020.

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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