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便潜血陽性でも症状なし…大腸カメラで15mmポリープが見つかった40代女性の実例

[2025.08.04]

健康診断や人間ドックで「便潜血陽性」と書かれていると、まず頭に浮かぶのは「大腸がんなのでは?」という不安かもしれません。

一方で、体調が普段どおりだと「痔かもしれない」「もう一度便検査を出せばいいのでは」と考えて、精密検査を先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいます。

ただ、便潜血陽性はがん確定ではないものの、大腸カメラによる精密検査が必要なサインです。国立がん研究センターや厚生労働省の案内でも、便潜血陽性後は精密検査を受けること、第一選択は全大腸内視鏡であることが示されています【1】【2】。

今回は、自覚症状がないまま便潜血陽性をきっかけに受診し、S状結腸の15mmポリープが見つかった40代女性の実例をもとに、検査の流れと治療の考え方を専門医の院長がわかりやすくまとめます。

 

便潜血陽性でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けていますぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|40代女性|人間ドックで便潜血陽性を指摘

症状

今回の患者さんは、普段の生活で特に腹痛、血便、便通異常などの自覚症状はありませんでした。

人間ドックで提出した便潜血検査が陽性となり、「症状がないのに大丈夫だろうか」と不安になって当院を受診されました。

便潜血陽性の段階では、症状がなくても大腸がんや大腸ポリープが見つかることがあるため、「無症状=異常なし」とは言えません【1】。

 

診察

便潜血陽性でまず考えるのは、次のような病気です。

  1. 大腸ポリープ(腺腫・鋸歯状病変など)

  2. 大腸がん

  3. 痔による出血

  4. 大腸炎(感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎など)

便潜血検査は「どこから、なぜ出血しているか」を確定する検査ではありません。実

際、便潜血陽性の方ではがん以外にもポリープや炎症性病変、痔などが原因になります【1】。

また、厚労省の指針では、便潜血陽性後の精密検査は全大腸内視鏡が第一選択で、便潜血のやり直しは代わりにならないとされています【1】【2】。

この患者さんも無症状ではありましたが、便潜血陽性を軽くみず、大腸カメラを行う方針としました。

 

検査

大腸カメラを行うとS状結腸に15㎜大と比較的大きなポリープを認めました(矢印部分)。

5㎜大と比較的サイズが大きなポリープでしたので、ガン化していないかをNBIというモードに変更し拡大観察を行いました。

NBIモードでの観察では、色調が緑色調になり表面の構造や血管の状態が見やすくなります。このモードでポリープをしっかりと観察して、進行ガンの兆候がないことを確認し、切除しました。

ポリープのサイズが大きく切り口からの出血予防のため医療用クリップで傷口を縫縮して手技終了となりました。

※医療用クリップは粘膜の再生とともに自然に外れ、1-2週間で便と一緒に排出されます。

その後も出血などの合併症なく、切除後の病理検査結果も良性でガン化はなく、治療は終了となりました。

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる「いぼ状」「盛り上がり状」の病変の総称です。

中でも腺腫性ポリープは、将来的に一部が大腸がんへ進展しうる前がん病変として扱われます。そのため、便潜血陽性をきっかけにポリープを見つけ、適切に切除することは、大腸がんの予防につながります【5】【6】。

また、日本の大腸ポリープ診療ガイドラインでも、病変の大きさや形、表面構造を見ながら、切除すべき病変かどうか、どの方法で切除するかを判断する考え方が整理されています【4】。

 

院長からのコメント

便潜血陽性は、「がん確定」ではありません。ただし、「症状がないから大丈夫」と言い切れない結果でもあります。

実際、便潜血陽性のあとに精密検査を受けないと、大腸がんによる死亡リスクが高くなることが報告されています【2】【8】。

また、陽性後の大腸カメラが長く遅れるほど、大腸がんや進行した病変で見つかるリスクが高まる可能性も示されています【8】【9】。

今回のように、無症状でも便潜血陽性をきっかけに前がん病変の段階で見つけて治療できることは少なくありません。

健康診断で便潜血陽性を指摘された方は、自己判断で様子を見ず、早めにご相談ください。

 

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

よくある質問(FAQ)

Q:便潜血陽性は、大腸がんが確定ということですか?

いいえ、便潜血陽性だけで大腸がん確定ではありません。痔、大腸ポリープ、大腸炎などが原因のこともあります。ただし、がんや前がん病変が隠れていることもあるため、精密検査として大腸カメラが必要です【1】【2】【8】。

 

Q:症状がなくても大腸カメラを受けるべきですか?

はい。便潜血陽性では、無症状でも大腸がんや大腸ポリープが見つかることがあります。症状の有無だけで安心せず、精密検査を受けることが大切です【1】【2】。

 

Q:痔があるので、便潜血陽性でも様子見でよいですか?

おすすめできません。痔があっても、実際の陽性原因が痔だけとは限りません。大腸がんやポリープとの見分けには大腸カメラが必要です【1】。

 

Q:便潜血検査をもう一度やれば、大腸カメラの代わりになりますか?

なりません。便潜血検査は出血の有無をみる検査で、原因を確定する検査ではありません。厚生労働省の指針でも、便潜血の再検は精密検査の代わりにならないとされています【1】【2】。

 

Q:便潜血陽性のあと、大腸カメラはどれくらい早く受けた方がいいですか?

できるだけ早めが望ましいです。陽性後の大腸カメラが長く遅れるほど、大腸がんや進行病変で見つかるリスクが高まる可能性が報告されています【8】【9】。

 

Q:大腸カメラでポリープが見つかったら、その場で切除できますか?

病変の大きさ、形、場所、出血リスクなどを確認したうえで、その場で切除できることがあります。ただし、深いがんが疑われる場合や、大きさ・部位によっては別日に治療や手術方針の検討が必要です【3】【4】。

 

Q:15mmの大腸ポリープは大きい方ですか?

小さなポリープよりは注意深い評価が必要なサイズです。特に10mmを超える病変では、表面構造や血管所見を丁寧に確認し、適切な切除法を選ぶことが大切です【3】【4】。

 

Q:NBIとは何ですか?

NBIは、ポリープの表面模様や血管の走行を見やすくする内視鏡観察法です。拡大観察と組み合わせることで、腺腫かどうかや深い浸潤が疑わしいかを判断する助けになります【3】【4】。

 

Q:切除後のクリップは体に残りませんか?

多くは自然に外れていきます。クリップは切除部位の止血や創部保護のために使われるもので、必要に応じて使用されます【7】。

 

Q:ポリープを切除したら、もう大腸がんの心配はゼロですか?

今回見つかった病変を治療できたことは大切ですが、今後のリスクが完全にゼロになるわけではありません。ポリープの個数や大きさ、病理結果に応じて、次回の大腸カメラ時期を相談することが重要です【4】【5】。

 

まとめ

便潜血陽性は、「症状がないから放置してよい結果」ではありません。

今回のように、無症状の段階で大腸ポリープが見つかり、内視鏡で治療まで完了できることがあります。

便潜血陽性のあとに大腸カメラを受けることは、がんを探すためだけでなく、将来の大腸がん予防のためにも重要です【1】【5】【6】。

健康診断や人間ドックで便潜血陽性を指摘された方は、自己判断で再検だけにせず、早めに精密検査をご検討ください。

 

💡池袋上田胃腸クリニックでは、最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また眠ったまま受けれる無痛大腸カメラにも対応しております。便潜血陽性の方はぜひご相談ください。

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

当院の大腸カメラの特徴
  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査

  • オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
  • 土日対応、事前診察は原則不要

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない内視鏡検査(無痛胃カメラ・無痛大腸カメラ)” を心がけています。

初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

【1】国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」「便潜血陽性後の精密検査」

【2】厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」精密検査の第一選択は全大腸内視鏡検査、要精検者には受診勧奨を行うことを記載。

【3】日本消化器内視鏡学会「消化器内視鏡用語集」JNET大腸拡大NBI分類。

【4】日本消化器病学会 大腸ポリープ診療ガイドライン 2020/関連解説。NBI拡大観察や切除後サーベイランスの考え方。

【5】Zauber AG, et al. Colonoscopic Polypectomy and Long-Term Prevention of Colorectal-Cancer Deaths. N Engl J Med. 2012.

【6】Løberg M, et al. Long-Term Colorectal-Cancer Mortality after Adenoma Removal. N Engl J Med. 2014.

【7】Xavier AT, et al. Endoscopic clipping for gastrointestinal bleeding. World J Gastrointest Endosc. 2020.

【8】Zorzi M, et al. Non-compliance with colonoscopy after a positive faecal immunochemical test doubles the risk of dying from colorectal cancer. Gut. 2022.

【9】Forbes N, et al. Association between time to colonoscopy after positive fecal testing and colorectal cancer outcomes: a systematic review. Clin Gastroenterol Hepatol. 2021.

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