ピロリ菌除菌後も胃がんになる?10年以上後に見つかった実例|池袋上田胃腸クリニック
「ピロリ菌を除菌したから、もう胃がんの心配はない」と思っていませんか?
ピロリ菌除菌は胃がんリスクを下げるうえでとても重要な治療ですが、除菌後も胃がんのリスクが完全にゼロになるわけではありません。
特に、除菌前から萎縮性胃炎が進んでいた方、過去にピロリ菌感染が長く続いていた方では、除菌後10年以上経ってから早期胃がんが見つかることがあります【1】【2】。
今回は、10年以上前にピロリ菌を除菌し、自覚症状がない状態で定期胃カメラを受けたところ、4mm大の早期胃がんが見つかった70代男性の実際の診療例を専門医の院長がわかりやすくご紹介します。
「ピロリ菌除菌後の胃カメラをしばらく受けていない」「除菌後の胃がんリスクが心配」という方がいらっしゃれば、受診のきっかけになれば幸いです。
ピロリ菌除菌後、胃カメラをしばらく受けていない方へ
ピロリ菌を除菌した後も、胃粘膜の状態によっては定期的な胃カメラが大切です。 とくに、除菌から数年以上経っている方、過去に萎縮性胃炎を指摘された方、胃がんの家族歴がある方は、一度ご相談ください。
ピロリ菌除菌後も胃がんが出来る主な理由
ピロリ菌は胃がんの大きな原因のひとつです。除菌によって胃がんリスクを下げることはできますが、次のような理由で、除菌後も胃がんが見つかることがあります。
- 除菌前にすでに胃粘膜の萎縮が進んでいた
- 腸上皮化生など、胃がんができやすい粘膜変化が残っている
- 除菌前にごく小さながん細胞や前がん病変が存在していた可能性がある
- 胃がんは初期には症状が出にくく、検査をしないと気づきにくい
- 除菌後に長期間胃カメラを受けていない
つまり、ピロリ菌除菌は「胃がん予防のゴール」ではなく、胃がんリスクを下げたうえで、その後も胃の状態を見守るためのスタートと考えることが大切です。
ピロリ菌除菌後胃がんとは?
ピロリ菌除菌後胃がんとは、ピロリ菌を除菌したあとに発見される胃がんのことです。
除菌によって胃の炎症は改善しやすくなりますが、除菌前に長年ピロリ菌感染が続いていた場合、胃粘膜には萎縮性胃炎や腸上皮化生といった変化が残ることがあります。こうした粘膜変化は、胃がんリスクと関係することが知られています【1】【2】。
また、除菌後の胃がんは周囲の粘膜炎症が落ち着くことで、病変の色調や境界がわかりにくくなることもあります。そのため、除菌後の胃カメラでは、通常観察だけでなく、NBIなどの画像強調観察を組み合わせて丁寧に確認することが重要です。
実際の治療例|70代男性「ピロリ菌除菌後の定期的な胃カメラ」
【症状】
自覚症状は特にありませんが、10年以上前に他院でピロリ菌を除菌し、3年ほど前から当院にて経過観察の胃カメラ(内視鏡検査)を受けておられます。
ピロリ菌除菌後に注意すべき病気としては、次のようなものがあります。
- 早期胃がん
- 胃腺腫
- 萎縮性胃炎
- 腸上皮化生
- 胃潰瘍・胃びらん
- 逆流性食道炎
特に、除菌後の胃がんは小さいうちは自覚症状がないことが多いため、定期的な胃カメラが重要です。
【胃カメラ】
胃の前庭部とよばれる出口付近に境界のしっかりした発赤調の陥凹部分を認めました(矢印部分)。

さらにNBIモードに切り替えて観察すると、陥凹部の粘膜模様や血管構造がより明瞭となり、、早期胃がんを疑い生検を行ったところ、実際に胃がんの結果でした

今回のような数mmの早期胃がんは、バリウム検査や症状だけで見つけることは難しい場合があります。胃カメラで粘膜を直接観察することで、小さな変化を発見しやすくなります。
【治療】
検査の結果、胃がんではありましたが、幸いにも早期の段階で見つかりました。
専門施設で内視鏡治療を行い、治癒切除となりました。
早期胃がんの中でも、病変の深さ・大きさ・組織型・潰瘍の有無・リンパ節転移リスクなどの条件を満たす場合には、胃を大きく切除する手術ではなく、内視鏡で病変を切除する治療で治癒することが可能です【3】【4】。
今回の症例では、定期胃カメラを継続していたことで、症状が出る前の小さな段階で発見できました。これは、ピロリ菌除菌後の定期検査が非常に大切であることを示す症例です。
池袋で胃カメラをご希望の方へ
当院では、鎮静剤を使用した胃カメラ、経鼻胃カメラ、経口胃カメラなど、患者様のご希望や状態に合わせた検査方法をご提案しています。
ピロリ菌除菌後の方、過去に萎縮性胃炎を指摘された方、胃がんが心配な方はご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
▶胃カメラの詳細はこちらから
ピロリ菌除菌後、胃カメラはどのくらいの頻度で受けるべき?
胃カメラの頻度は、胃粘膜の萎縮の程度、腸上皮化生の有無、胃がんの家族歴、過去の検査結果などによって異なります。
一般的には、ピロリ菌感染歴がある方や除菌後の方では、1〜2年に1回程度の胃カメラを検討することがあります。ただし、萎縮が強い方、過去に胃腺腫や胃がんを指摘された方、内視鏡で注意すべき所見がある方では、より短い間隔での経過観察が必要になることもあります。
反対に、胃粘膜の萎縮が軽く、過去の検査で大きな異常がない方では、医師と相談しながら間隔を調整します。
大切なのは、「除菌したからもう検査不要」と自己判断しないことです。
受診の目安|除菌後に胃カメラを受けた方がよい方
次のような方は、一度消化器内科で胃カメラの必要性を相談することをおすすめします。
- ピロリ菌除菌後、数年以上胃カメラを受けていない
- 除菌後10年以上経っている
- 過去に萎縮性胃炎を指摘された
- 胃がんの家族歴がある
- 胃バリウム検査やABC検診で異常を指摘された
- 胃痛・胃もたれ・吐き気・食欲不振が続いている
- 体重減少、黒い便、貧血を指摘された
- 以前の胃カメラから期間が空いていて不安がある
胃がんは、早期であれば症状がないことも少なくありません。症状が出てからではなく、リスクに応じて定期的に確認することが大切です。
院長コメント
ピロリ菌除菌は、胃がん予防において非常に大切な治療です。しかし、除菌後も胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。
今回の症例では、自覚症状がまったくない状態で定期胃カメラを行い、4mm大という非常に小さな早期胃がんを発見することができました。
胃がんは、早期に発見できれば内視鏡治療で根治を目指せる可能性があります。一方で、症状が出てから見つかる場合には、進行していることもあります。
「ピロリ菌を除菌したから大丈夫」と安心しすぎず、除菌後も定期的に胃の状態を確認していきましょう。
池袋上田胃腸クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。
また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しております。是非ご相談ください。
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
当院の胃カメラの特徴
-
ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
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オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
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土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問
Q. ピロリ菌を除菌すれば胃がんにはなりませんか?
A. いいえ。ピロリ菌除菌によって胃がんリスクは下がりますが、完全にゼロになるわけではありません。除菌前に萎縮性胃炎や腸上皮化生が進んでいた場合、除菌後も胃がんが見つかることがあります。
Q. 除菌後10年以上経ってから胃がんが見つかることはありますか?
A. あります。今回の症例のように、除菌後10年以上経ってから早期胃がんが見つかることがあります。長期間症状がなくても、定期胃カメラが大切です。
Q. ピロリ菌除菌後の胃カメラは何年ごとに受ければよいですか?
A. 胃粘膜の萎縮の程度や過去の検査結果によって異なりますが、1〜2年に1回程度を検討することがあります。萎縮が強い方や胃がんリスクが高い方では、医師と相談して間隔を決めることが大切です。
Q. 症状がなくても胃がんが見つかることはありますか?
A. はい。早期胃がんは症状がないことが多く、胃痛や胃もたれがなくても胃カメラで偶然見つかることがあります。
Q. バリウム検査だけでは不十分ですか?
A. バリウム検査にも意味はありますが、数mmの小さな早期胃がんや粘膜のわずかな変化は、胃カメラの方が詳しく確認しやすい場合があります。ピロリ菌感染歴がある方は胃カメラでの確認をおすすめします。
Q. 除菌後の胃がんは見つけにくいのですか?
A. 除菌後は胃の炎症が落ち着き、病変の境界や色調がわかりにくくなることがあります。そのため、通常観察だけでなく、NBIなどの画像強調観察を組み合わせた丁寧な検査が重要です。
Q. 萎縮性胃炎があると胃がんになりやすいですか?
A. 萎縮性胃炎や腸上皮化生は、胃がんリスクと関係する胃粘膜の変化です。過去に指摘されたことがある方は、除菌後も定期的な胃カメラを検討しましょう。
Q. 胃カメラが苦手でも受けられますか?
A. 当院では、鎮静剤を使用した胃カメラ、経鼻胃カメラ、細径スコープなど、患者様に合わせた方法をご提案しています。過去に胃カメラがつらかった方もご相談ください。
Q. ピロリ菌除菌後に再感染することはありますか?
A. 再感染はかなり稀とされています。ただし、除菌が成功しているかどうかを確認していない場合は、除菌判定を行うことが大切です。
Q. 池袋でピロリ菌除菌後の胃カメラを相談できますか?
A. はい。池袋上田胃腸クリニックでは、ピロリ菌除菌後の定期胃カメラや、萎縮性胃炎・胃がんリスクのご相談に対応しています。WEB予約またはお電話でご相談ください。
まとめ
ピロリ菌除菌は胃がん予防において非常に重要ですが、除菌後も胃がんリスクが完全に消えるわけではありません。
- ピロリ菌除菌後も胃がんが見つかることがあります。
- 除菌後10年以上経ってから早期胃がんが見つかるケースもあります。
- 早期胃がんは無症状で見つかることがあります。
- 胃カメラでは、数mmの小さな病変を発見できる場合があります。
- 早期に発見できれば、内視鏡治療で根治を目指せることがあります。
- 除菌後も、胃粘膜の状態に応じた定期胃カメラが大切です。
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない内視鏡検査(無痛胃カメラ・無痛大腸カメラ)” を心がけています。
初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
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▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
- Sugano K, Tack J, Kuipers EJ, et al. Kyoto global consensus report on Helicobacter pylori gastritis. Gut. 2015;64:1353-1367.
- Suzuki H, Mori H. World trends for H. pylori eradication therapy and gastric cancer prevention strategy by H. pylori test-and-treat. J Gastroenterol. 2018;53:354-361.
- Japanese Gastric Cancer Association. Japanese Gastric Cancer Treatment Guidelines 2021. Gastric Cancer. 2023;26:1-25.
- Ono H, Yao K, Fujishiro M, et al. Guidelines for endoscopic submucosal dissection and endoscopic mucosal resection for early gastric cancer. Dig Endosc. 2021;33:4-20.
- Fukase K, Kato M, Kikuchi S, et al. Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer. Lancet. 2008;372:392-397.
