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虚血性腸炎の症状とは?腹痛・下痢・血便で受診した50代女性の治療例|池袋上田胃腸クリニック

[2026.07.24]
💡この記事はこのような方におすすめです

✅ 突然、下腹部に強い痛みが起こった方

✅ 腹痛に続いて下痢や血便が出た方

✅ 食あたりだと思っているものの、痛みが強い方

✅ 左下腹部を押すと強く痛む方

✅ 虚血性腸炎の検査や治療について知りたい方

✅ 血便が出たときに、どのタイミングで受診すべきか迷っている方

「夜中に何度も下痢が出た」

「途中から血が混じってきて不安になった」

「食あたりだと思ったけれど、痛みが強すぎる」

こうした症状の背景には、単なる胃腸炎ではなく虚血性腸炎が隠れていることがあります。

虚血性腸炎は、急な腹痛、下痢、血便をきっかけに見つかることが多く、特に左側のお腹の痛みとして出やすいのが特徴です。

また、感染性腸炎などほかの腸の病気と症状が似ているため、診察と検査を組み合わせて判断することが大切です。

今回は、冷や汗が出るほどの下腹部痛と血便で来院され、腹部エコーで腸の異常を確認し、外来治療で改善した実際の50代女性のケースを専門医の院長が詳しく解説します。

同様の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

本記事でお伝えしたいポイント

  • 突然の腹痛・下痢・血便で考えられる主な病気
  • 虚血性腸炎が起こる仕組みと典型的な症状
  • 腹部エコーや血液検査で確認するポイント
  • 外来治療が可能な場合と入院が必要な場合
  • 症状が改善したあとに大腸カメラを検討する理由

血便や強い腹痛がある方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、症状の経過、腹部の診察、血液検査、腹部エコーなどを組み合わせ、血便や腹痛の原因を確認しています。

WEB予約・電話予約を受け付けておりますので、症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

突然の腹痛・下痢・血便を起こす主な原因

腹痛、下痢、血便が同時に起こる病気は一つではありません。症状が始まった順番、痛む場所、発熱の有無、出血量などを確認しながら原因を絞り込みます。

虚血性腸炎

大腸の血流が一時的に低下し、腸粘膜に炎症や出血が起こる病気です。突然の腹痛に続いて下痢や血便が現れることが多く、左下腹部に痛みが出やすい傾向があります【1】【2】。

感染性腸炎

細菌やウイルスなどによって腸に炎症が起こる病気です。発熱、吐き気、水下痢、腹痛を伴い、細菌の種類によっては血便が出ることもあります。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。血便や粘液便、下痢、腹痛が続き、症状が良くなったり悪くなったりすることがあります。

大腸憩室炎・憩室出血

大腸の壁にできた袋状のくぼみを憩室といいます。憩室に炎症が起これば腹痛や発熱が現れ、憩室内の血管が切れると血便が出ることがあります。

大腸ポリープ・大腸がん

大腸ポリープや大腸がんから出血し、血便が出ることがあります。大腸がんでは、血便だけでなく、便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す、体重が減る、貧血になるといった症状を伴うことがあります。

薬剤性腸炎

一部の抗菌薬、鎮痛薬、便秘薬などが腸の炎症や血流低下に関係することがあります。症状が始まる前に使用していた薬やサプリメントも診断の手がかりになります。

関連ページ:血便が出たときに考えられる病気について

虚血性腸炎とは?

虚血性腸炎とは、大腸へ流れる血液が一時的に不足し、腸の粘膜に炎症や出血が起こる病気です。

大腸は部位によって血流が不安定になりやすく、特に下行結腸からS状結腸にかけて虚血が起こりやすいとされています【1】【3】。

虚血性腸炎の発症には、次のような要素が関係することがあります。

  • 脱水
  • 便秘や強いいきみ
  • 腸管内圧の上昇
  • 一時的な血圧低下
  • 動脈硬化
  • 心臓や血管の病気
  • 糖尿病や高血圧
  • 一部の薬剤
  • 腹部の手術歴

高齢者に多い病気ですが、便秘、脱水、薬剤などを背景として、比較的若い方に起こることもあります。

実際の治療例|50代女性「強い下腹部痛と下痢・血便」

症状

前日の夕食後、3時間ほどしてから突然の強い下腹部痛が出現しました。痛みはかなり強く、冷や汗が出るほどだったとのことです。

その後、水のような下痢を夜間に何度もくり返し、途中から血便もみられるようになったため、翌朝に受診されました。

 

診察

診察では、左下腹部に比較的はっきりした圧痛を認めました。

症状の出方と診察所見から、まず虚血性腸炎を疑いました。

一方で、同じような症状を示す病気として、次のような鑑別も重要です。

  • 感染性腸炎

  • 潰瘍性大腸炎

  • 憩室炎・憩室出血

  • 薬剤性腸炎

  • 大腸ポリープ・大腸がんに伴う出血 など

虚血性腸炎は、ほかの消化管疾患と見分けがつきにくいことがあり、症状だけで断定はできないため、血液検査と腹部エコー検査を行いました。

 

検査

血液検査:軽度の炎症反応の上昇

腹部エコー:

虚血性腸炎により下行結腸の腸管壁がむくみ粘膜下層が白く見える腹部エコー画像

下行結腸の画像です。 、粘膜下層が炎症で白く見えます (黄色矢印)

下行結腸からS状結腸にかけて、炎症により腸管壁が浮腫み(水色矢印)と粘膜下層の白色化 (黄色矢印)を認め、症状や診察所見とあわせて、虚血性腸炎と診断しました。

虚血性腸炎では、超音波で左側大腸の壁肥厚や浮腫が捉えられることがあります。

適切な腹部超音波は虚血性腸炎の診断に有用で、左側結腸の壁肥厚が手がかりになりやすいとされています。ただし、超音波で異常がないからといって完全に否定できるわけではなく、必要に応じて大腸内視鏡も考慮します。

 

治療

血液検査では炎症反応は軽度上昇にとどまり、血便による強い貧血、腸閉塞、腹膜炎を疑う所見もありませんでした。

そのため今回は、入院ではなく外来での保存的治療としました。

実際に行った治療は次の通りです。

  • 食事制限

  • 腸を休める方針

  • 痛みや炎症に対する内服治療

  • 脱水や症状悪化がないかの慎重な経過観察

虚血性腸炎の軽症例では、腸管安静、水分管理、原因となりうる背景の見直しなどを中心に保存的に改善することが多く、軽症例で2~3日ほどで症状が和らぐことが多いです。

 

経過

治療開始後、腹痛は翌日にはかなり軽くなり、下痢や血便も徐々に落ち着きました。

その後、症状の改善に合わせて食事制限を段階的に緩和し、再燃なく治療終了となりました。

虚血性腸炎は、適切に重症度を見極められれば外来で改善するケースもあります。ただし、強い炎症や腸管障害を伴う場合には入院や手術が必要になることもあるため、最初の見立てが非常に重要です。

症状が治ったあとに大腸カメラを検討する理由

腹痛や血便が治まったからといって、必ずしも確認がすべて終了するとは限りません。

虚血性腸炎と似た症状を起こす病気や、虚血性腸炎の背景に隠れている大腸疾患を確認するため、炎症が落ち着いた時期に大腸カメラをご案内することがあります。

大腸カメラで確認する主な内容

  • 炎症が改善しているか
  • 大腸に狭窄が残っていないか
  • 大腸ポリープがないか
  • 大腸がんが隠れていないか
  • 潰瘍性大腸炎など別の大腸炎ではないか

実際に、虚血性腸炎後の大腸カメラで、大腸ポリープや大腸がんが見つかることがあります。特に、大腸カメラを長期間受けていない方、便潜血検査が陽性だった方、大腸がんの家族歴がある方は、検査の必要性について医師と相談することが大切です。

関連ページ:池袋上田胃腸クリニックの大腸カメラ検査

受診の目安

できるだけ早く消化器内科を受診した方がよい症状

  • 突然の腹痛に続いて血便が出た
  • 下痢を繰り返し、便に赤い血が混じる
  • 左下腹部を押すと強く痛む
  • 腹痛が数時間たっても改善しない
  • 血便が繰り返し出る
  • 発熱を伴う
  • 水分や食事をとると腹痛が悪化する

救急受診を検討すべき症状

  • 耐えられないほど腹痛が強い
  • 腹部全体が硬く、少し触れただけでも激しく痛む
  • 大量の血便が続く
  • 立てないほどふらつく
  • 冷や汗、意識が遠のく感じ、血圧低下がある
  • 水分をまったく摂取できない

虚血性腸炎の多くは保存的治療で改善しますが、重症例では腸管壊死、腹膜炎、狭窄などを起こし、入院や手術が必要になることがあります。症状が強い場合は、「一晩様子を見る」と判断せず、早めに医療機関へ相談してください。

池袋で腹痛・下痢・血便にお困りの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、診察、血液検査、腹部エコーなどを組み合わせ、症状の原因と緊急性を判断しています。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

※症状や当日の診療状況によって、検査が翌日以降になることがあります。大量出血や非常に強い腹痛がある場合は救急医療機関へご相談ください。

院長からのコメント

突然の血便や強い腹痛があると、「何か大きな病気ではないか」ととても不安になると思います。

実際、虚血性腸炎は症状のインパクトが強い病気ですが、しっかり診察し、適切に検査を行えば、外来で落ち着いていけるケースも少なくありません。

ただし、血便を伴う腹痛の中には、感染性腸炎や潰瘍性大腸炎、憩室出血、大腸腫瘍など、対応が異なる病気も含まれます。

「下痢だから様子見」「血便は一時的だから大丈夫」と自己判断せず、早めに消化器内科へご相談いただくことが大切です。

とくに、耐えにくいほどの腹痛、水分がとれない、ふらつく、発熱を伴う、血便が続く場合は、早めの受診が必要です。

池袋上田胃腸クリニックでは、患者さんの不安をできるだけ早く軽減できるよう、腹部エコーを含めた診療を行っています。突然の腹痛や血便がある方は、早めにご相談ください。

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

 

よくある質問(FAQ )

Q. 虚血性腸炎はどんな症状で疑いますか?

A. 典型的には、突然の腹痛のあとに下痢や血便が出るパターンです。特に左下腹部痛を伴うことが多く、食あたりや感染性腸炎と見分けがつきにくいことがあります【1】【2】。

 

Q. 血便が出たら、必ず虚血性腸炎ですか?

A. いいえ。感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室出血、大腸ポリープ、大腸がんなどでも血便は起こります。症状だけで断定せず、診察と検査で原因を見極めることが大切です【1】【5】。

 

Q. 虚血性腸炎は食あたりとで症状はどう違うのですか?

A. 食あたりでも腹痛や下痢は起こりますが、虚血性腸炎では突然の強い腹痛に続いて血便が出ることがあります。左下腹部の強い圧痛が手がかりになることもあります【1】【3】。

 

Q. 虚血性腸炎はなぜ起こるのですか?

A. 大腸の血流が一時的に低下することで起こります。脱水、血圧低下、動脈硬化、便秘、基礎疾患、一部の薬剤などが背景に関わることがあります【1】【3】。

 

Q. 腹部エコーでも虚血性腸炎は分かりますか?

A. 左大腸の腸管壁の肥厚や浮腫などが見え、症状と合わせて診断することが可能です。

 

Q. 入院しないと治せませんか?

A. すべてが入院になるわけではありません。全身状態が安定し、貧血や腸閉塞、腹膜炎などの重症所見がなければ、外来で慎重に経過をみられることもあります。一方で、重症例では入院や手術が必要です【1】【4】。

 

Q. どれくらいで治りますか?

A. 軽症では2~3日ほどで症状が改善し始めることがあります。ただし、症状の強さや範囲によって経過は異なるため、自己判断せず医師の指示に従うことが大切です【4】。

 

Q. 虚血性腸炎は再発しますか?

A. 多くの方は一度で落ち着きますが、再発することもあります。脱水や便秘、原因となる薬剤、基礎疾患の管理が大切です【2】【3】。

 

Q. 症状が治まったあとに大腸カメラは必要ですか?

A. はい、必要になることがあります。治癒確認に加えて、ポリープや大腸がん、ほかの慢性腸炎が隠れていないかを確認する目的があります【4】。

 

Q. どんなときはすぐ受診した方がいいですか?

A. 冷や汗が出るほどの強い腹痛、血便の持続、発熱、ふらつき、水分がとれない、痛みがどんどん悪化する場合は早めの受診が必要です【1】【4】。

まとめ

急な腹痛、下痢、血便がそろったときは、虚血性腸炎も考える必要があります。

虚血性腸炎は、軽症なら外来で改善することもありますが、似た症状を示す病気が多く、重症例では入院や手術が必要になることもあります。

だからこそ、最初にきちんと診断を受けることが大切です。

池袋上田胃腸クリニックでは、症状の経過、診察所見、腹部エコー、必要に応じた大腸カメラを組み合わせ、原因を丁寧に見極めています。

血便を伴う腹痛がある方、食あたりと思っていた症状が強い方は、早めの受診をご検討ください。

 

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。

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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

関連ページ

 

医師紹介・アクセス・診療時間

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

診療時間

診療時間 月 火 水 木 金 土 日
8:30〜12:30 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
13:30〜17:00 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇

※休診日:金曜日午後・祝日

※診療は予約制です。

※土日は非常勤医師の対応となります

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

  1. Brandt LJ, Feuerstadt P, Longstreth GF, et al. ACG Clinical Guideline: Epidemiology, Risk Factors, Patterns of Presentation, Diagnosis, and Management of Colon Ischemia. Am J Gastroenterol. 2015;110(1):18-44.
  2. Trotter JM, Hunt L, Peter MB. Ischaemic colitis. BMJ. 2016;355:i6600.
  3. Brandt LJ, Boley SJ. AGA technical review on intestinal ischemia. Gastroenterology. 2000;118(5):954-968.
  4. López E, et al. Positive Predictive Value of Abdominal Sonography in the Diagnosis of Ischemic Colitis. Ultrasound Int Open. 2015;1:E41-E45.
  5. Ripollés T, et al. Sonographic Findings in Ischemic Colitis in 58 Patients. AJR Am J Roentgenol. 2005;184(3):777-785.

 

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