背中の痛みが続く方は要注意|膵臓がんが見つかった50代男性の症例
まずお伝えしたいポイント
- 背中の痛みは、筋肉や姿勢だけでなく、胆石・膵炎・膵臓がんなど内臓の病気でも起こります。
- 長引く背中の痛みに、食欲低下・体重減少・黄疸が重なる場合は、膵臓の病気も考えることが大切です。
- 膵臓がんは小さいうちは症状が出にくく、進行すると背中の痛み、食欲不振、体重減少、黄疸、糖尿病の悪化などがきっかけになることがあります
- 初期評価では、腹部エコーや血液検査が入口になります。必要に応じてCT・MRI・超音波内視鏡(EUS)で詳しく調べます
- 背中の痛みが続き、整形外科だけでよいか迷うときは、池袋上田胃腸クリニックにご相談ください。。
「なんとなく背中が重だるい」
「背中の痛みが続くけれど、どこか悪いのかな…?」
「背中が痛いだけだから、筋肉や姿勢の問題かもしれない」
たしかに、背中の痛みの多くは整形外科的な原因で起こります。
一方で、実際には胃・胆のう・膵臓などの病気が背中の痛みとして現れることもあります。
なかでも膵臓がんは、小さいうちは症状が目立たず、進行してから腹痛、食欲低下、体重減少、黄疸、背中の痛みなどで気づかれることがあります。
池袋上田胃腸クリニックでも、
- 「背中の痛みが長引いて不安」
- 「膵臓の病気ではないか心配」
というご相談があります。
今回は、背中の痛みをきっかけに膵臓がんが見つかった50代男性の症例をもとに、背部痛で考えたい病気、必要な検査、受診の目安を、専門医の東海林院長がわかりやすく解説します。
背中の痛み・違和感でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。ぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
背中の痛みを起こす主な原因
背中の痛みでまず思い浮かぶのは、筋肉痛、姿勢の問題、肩こり、整形外科的な疾患かもしれません。
ただ、消化器内科では次のような病気も鑑別に入ります。
- 逆流性食道炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 胆石症・胆のう炎
- 急性膵炎・慢性膵炎
- 膵臓がん
- 機能性ディスペプシア
- 尿管結石など
とくに膵臓は胃の後ろ側、体の奥にあるため、膵臓の病気ではみぞおちではなく背中側の痛みとして感じることがあります【1】【2】【3】。
そもそも、なぜ膵臓の病気で背中が痛むの?
膵臓は、胃の後ろ側、体のかなり奥にある臓器です。
そのため、膵臓に炎症や腫瘍が起こると、みぞおちだけでなく背中側の痛みとして感じることがあります【1】【2】。
膵臓がんでは、小さいうちは症状が出にくい一方で、進行すると腹痛、食欲低下、体重減少、黄疸、腰や背中の痛みなどがみられることがあります。
また、糖尿病の新規発症や悪化が見つかるきっかけになることもあります【1】【2】【3】。
ただし、背中の痛みがあるからといって、すべてが膵臓の病気というわけではありません。
筋肉や骨の問題、胆石、胃・十二指腸の病気でも起こるため、長引く痛みや体重減少、黄疸、食欲低下などが重なるかどうかを確認することが大切です【1】【2】【3】。
実際の治療例|50代男性「背中の痛みが続いている」
症状
約2か月前から断続的な背中の痛みがあり、知人が同じような症状で膵臓がんと診断されたことから、不安になって受診されました。
背中の痛みだけでは、疲れや筋肉痛と考えて様子を見てしまうことがありますが、膵臓がんでは背部痛が受診のきっかけになることもあります【1】【2】。
診察
診察では、次のような点を確認します。
- いつから痛みが続いているか
- 食事との関係があるか
- みぞおちの痛みや吐き気があるか
- 食欲低下や体重減少があるか
- 黄疸や尿の色の変化がないか
- 糖尿病の悪化や新規発症がないか
膵臓がんは、背中の痛みのほか、食欲不振、腹痛、腹部膨満、黄疸、糖尿病の悪化などがきっかけになることが知られています【1】【2】【3】。
そのため、背中の痛みが主症状でも、消化器内科ではこれらをあわせて評価します。
検査
この症例では、まず腹部エコーと血液検査で膵臓の状態を確認しました。
腹部エコーでは、膵臓に約30mm大の腫瘤(青矢印)と、腫瘍の尾側に膵管拡張(赤矢印)を認めました。

さらに血液検査では、膵酵素や腫瘍マーカーの上昇があり、膵臓がんが強く疑われました。
膵臓がんの評価では、血液検査、腹部超音波検査、CT、MRI、EUS、ERCPなどが使われます【2】【4】。
超音波内視鏡(EUS)は、胃や十二指腸の内側から膵臓を近い距離で詳しく観察できる検査で、体の外からのエコーよりも詳細な画像を得やすいことが特徴です【4】【5】。
また、EUSで病変が描出できれば、EUS-FNAで組織を採取して確定診断につなげることがあります【5】。
関連ページ:
・池袋周辺で背中の痛みが続く方へ|膵がんで背中が痛むのはなぜ?注意したい症状と受診の目安
治療
膵臓がんの治療は、手術が可能かどうかをまず評価したうえで決まります。
病期に応じて、手術、抗がん剤治療、放射線治療、化学放射線療法などが選択されます【6】。
今回の方は、高次医療機関で精査を行い、Stage IV膵臓がんと診断されました。
そのため、手術ではなく抗がん剤治療が行われる方針となりました。
膵臓がんとは
膵臓がんは、膵臓にできるがんで、多くは膵管の細胞から発生します【1】【2】。
膵臓はがんができても小さいうちは症状が出にくいため、早い段階で見つけるのが簡単ではありません【1】【3】。
進行すると、腹痛、食欲不振、体重減少、腹部膨満感、黄疸、腰や背中の痛みなどがみられます【1】【2】【3】。
また、急に糖尿病が発症したり、悪化したりすることがあり、それがきっかけで膵臓の検査につながることもあります【1】【3】。
リスクとしては、糖尿病、肥満、喫煙、飲酒、慢性膵炎、IPMN、家族歴などが知られています【2】。
受診の目安
次の症状に1つでも当てはまれば、早めの受診をおすすめします。
- 背中の痛みが数日以上続く
- 痛みが徐々に強くなっている
- みぞおちの違和感や腹痛がある
- 食欲が落ちてきた
- 体重が減ってきた
- 黄疸や尿の色の変化がある
- 糖尿病を急に指摘された、または悪化した
膵臓がんでは、背中の痛みだけでなく、体重減少、食欲不振、黄疸、糖尿病の変化が受診のきっかけになることがあります【1】【2】【3】。
院長からのコメント
背中の痛みは、どうしても筋肉や姿勢の問題と思われがちです。
実際には、胆石、膵炎、膵臓がん、胃や十二指腸の病気など、消化器の病気が隠れていることもあります。
エコー検査や血液検査が診断の入り口になるケースも多く、池袋上田胃腸クリニックではできる限り早く検査をお受け頂けるような体制を整えております。
JR池袋駅北口の地上出口から徒歩5分で、豊島区池袋をはじめ、目白・大塚・板橋方面からもアクセスしやすい立地です。
「整形外科でよいのか、消化器内科に行くべきか迷う」
「背中の痛みが続いて、膵臓の病気が心配」
という場合には、早めにご相談ください。
背中の痛みが続く方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、背中の痛みに対して最短で当日中に検査・診断できる体制を整えています。
ご予約がない方でも受付時間内であれば受診可能です。
※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合があります。
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶関連ページ:腹部エコー検査でわかること
よくある質問FAQ
背中の痛みがあると、必ず膵臓がんですか?
いいえ。背中の痛みの原因は、筋肉や骨の病気のほか、逆流性食道炎、胆石、膵炎などさまざまです。ただし、長引く背中の痛みに体重減少や食欲低下が伴う場合は、膵臓がんも鑑別に入ります【1】【2】。
膵臓がんでは、なぜ背中が痛くなるのですか?
膵臓は体の奥の背側にあるため、炎症や腫瘍の影響が背中側の痛みとして感じられることがあります【1】【2】。
背中の痛みだけで膵臓がんが見つかることはありますか?
あります。膵臓がんは初期症状が乏しく、背部痛が受診のきっかけになることがあります【1】【3】。
最初にどんな検査をしますか?
血液検査と腹部エコーが入口になることが多く、必要に応じてCT、MRI、EUSなどを追加します【2】【4】【5】。
腹部エコーだけで膵臓がんはわかりますか?
腹部エコーは有用な検査ですが、膵臓はガスの影響で見えにくいことがあります。そのため、必要に応じてCTやMRI、EUSを組み合わせます【4】【5】。
CA19-9が高いと膵臓がんですか?
CA19-9は膵臓がんで使われる代表的な腫瘍マーカーですが、値だけで確定はできません。画像検査や病理検査と合わせて判断します【2】【4】。
糖尿病の悪化と膵臓がんは関係ありますか?
関係することがあります。膵臓がんでは糖尿病の新規発症や悪化がきっかけになることがあります【1】【3】。
整形外科で異常なしでも、消化器内科を受診したほうがいいですか?
背中の痛みが続き、体重減少、食欲低下、黄疸、みぞおち症状などを伴う場合は、消化器内科での確認が役立ちます【1】【2】【3】。
池袋周辺で、こうした症状を相談するならどこに行けばいいですか?
背中の痛みに加えて、腹部症状や体重減少、食欲低下がある場合は、消化器内科での相談が適しています。池袋上田胃腸クリニックは池袋駅北口の地上出口から徒歩5分です。
膵臓がんの治療にはどんなものがありますか?
病期に応じて、手術、抗がん剤、放射線治療、化学放射線療法などが選択されます【6】。
まとめ
- 背中の痛みは、整形外科的な原因だけでなく、膵炎・胆石・膵臓がんなどでも起こります。
- 膵臓がんは小さいうちは症状が出にくく、進行すると背部痛、食欲低下、体重減少、黄疸、糖尿病悪化などがきっかけになることがあります【1】【2】【3】。
- 初期評価では腹部エコーや血液検査が役立ち、必要に応じてCT、MRI、EUSで詳しく調べます【2】【4】【5】。
- 池袋で背中の痛みが続き、どこに相談すべきか迷うときは、消化器内科での確認も選択肢になります。
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
関連ページ
内臓からくる背部痛についての総論ページはこちら
膵がん由来の背部痛についてはこちら
逆流性食道炎由来の背部痛についてはこちら
胆石・胆のう炎由来の背部痛についてはこちら
逆流性食道炎・胆のう・膵臓・十二指腸などに関連した背中の痛みの実例はこちら
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がん」
- 国立がん研究センター東病院「膵がん」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がんについて」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がん 検査」
- 国立がん研究センター中央病院「超音波内視鏡(EUS)」「EUS-FNA」
- 日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン2022年版
医師紹介:東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック
JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。
(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
