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黒い便が出た原因は十二指腸潰瘍|胃カメラで診断した50代男性の治療例

[2026.08.03]

 

💡この記事はこのような方におすすめです

✅ 黒い便が出て心配な方

✅ 便が黒っぽい状態が数回続いている方

✅ 胃痛・みぞおちの痛み・背中の痛みがある方

✅ 胃潰瘍や十二指腸潰瘍が心配な方

✅ ピロリ菌を指摘されたことがある方

✅ 貧血、ふらつき、動悸を伴う方

✅ 池袋周辺で胃カメラ検査を検討している方

この記事でわかること

  • 黒い便・タール便が出る仕組み
  • 黒い便で考えるべき主な病気
  • 十二指腸潰瘍で黒い便が出る理由
  • 胃カメラで確認すべきポイント
  • ピロリ菌と十二指腸潰瘍の関係
  • 黒い便が出たときの受診の目安

 

「便が黒っぽい…」そんな症状が出たことはありませんか?

黒い便は単なる食事の影響と思われがちですが、実際には 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんなどの深刻な病気のサイン である可能性があります。

今回は、実際に当院を受診された50代男性の症例をもとに、黒い便の原因と治療について専門医が詳しく解説します。

黒い便が気になっておられる方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。

池袋周辺でお悩みの方は是非  ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

なぜ便が黒くなるの?

便が黒くなる原因には、食事、鉄剤、サプリメント、薬剤などもあります。しかし、黒い便の中でも、真っ黒でベタつく、においが強い、タールのように見える便は、消化管出血による黒色便の可能性があります。

胃や十二指腸など、口に近い側の消化管から出血すると、血液が胃酸や消化液の影響を受けながら腸を通過します。その過程で血液の色が赤から黒っぽく変化し、便が黒く見えることがあります。

つまり、黒い便は「便の色の問題」だけでなく、胃・十二指腸・食道などから出血しているサインとして注意が必要です。

黒い便を起こす主な原因

黒い便の原因は一つではありません。出血によるもの、薬やサプリメントによるもの、食べ物によるものを分けて考える必要があります。

原因 特徴 注意点
十二指腸潰瘍 みぞおちの痛み、空腹時痛、背中の痛み、黒色便 出血するとタール便になることがあります
胃潰瘍 胃痛、胃もたれ、食後の痛み、黒色便 痛み止めやピロリ菌が関係することがあります
胃がん 初期は無症状のこともあり、出血で黒い便が出る場合があります 胃カメラでの確認が重要です
逆流性食道炎・食道潰瘍 胸やけ、胸痛、飲み込みにくさ、出血 強い炎症や潰瘍で出血することがあります
小腸出血 胃カメラ・大腸カメラで原因が見つからない場合に検討 精密検査が必要になることがあります
鉄剤・サプリメント 便が黒くなることがあります 出血との区別が難しいため自己判断は危険です
食べ物 イカ墨、海藻、黒い食品など 一時的であれば改善することもあります

十二指腸潰瘍とは?

十二指腸潰瘍とは、胃の出口に続く十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれたような状態になる病気です。胃酸や消化液の影響を受けやすい場所で、ピロリ菌感染や痛み止めなどの薬剤が関係して起こることがあります。

健康な胃や十二指腸の粘膜には、胃酸から粘膜を守る防御機能があります。しかし、ピロリ菌感染、NSAIDsと呼ばれる痛み止め、低用量アスピリン、ストレス、喫煙などが重なると、粘膜の防御力が弱まり、潰瘍ができやすくなります。

潰瘍が血管に近い部分まで深くなると出血し、血液が消化管を通過する間に黒く変化して、今回のような黒い便・タール便として現れることがあります。

実際の治療例|50代男性「黒い便が出た」

【症状】

今回の患者さんは50代男性です。

2日前から黒い便が出るようになり、黒い便が3回続いたため、池袋上田胃腸クリニックを受診されました。

黒い便が続いている場合、消化管のどこかで出血している可能性があります。特に、胃や十二指腸など上部消化管からの出血では、赤い血便ではなく黒い便として出ることがあります。

 

【診察】

黒い便の原因としては上部消化管からの出血から起こることが多く、血液中の鉄分が吸収され便が黒色になります。

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • 胃がん
  • 小腸出血

などの疾患が原因として考えられるため、胃内視鏡(胃カメラ)にて状態をチェックすることにしました。

 

【検査】

胃内視鏡(胃カメラ)を施行したところ、十二指腸潰瘍を認め、今回の黒い便の原因と診断しました

胃カメラで確認した十二指腸潰瘍の内視鏡画像。出血後の黒ずんだ変化を認め黒い便の原因と考えられた所見

青丸で囲まれた領域が十二指腸潰瘍になります。 観察時には出血は止まっていましたが、矢印部分の黒ずんだ部分が出血をした後にみられる変化です。

 

また胃にはピロリ菌による萎縮性胃炎を認め、今回の潰瘍の原因と考えました。

胃カメラで確認したピロリ菌感染による萎縮性胃炎の内視鏡画像。十二指腸潰瘍の背景因子として評価した所見

実際のピロリ菌による萎縮性胃炎の画像所見です

 

【治療】

今回は幸いにも潰瘍の程度はひどくなく、出血も止まっていたことから薬で治療することとしました。

①制酸薬

胃酸の分泌過多を抑える薬です。胃酸分泌を抑えることで、粘膜の再生力で潰瘍は治癒していきます。今回はプロトンポンプ阻害薬(PPI)という薬を処方しました。

②粘膜保護薬

胃の粘膜の防御機能を高め改善をより早めます。

 ③食事指導

食事についてはしばらくの間は刺激の少ない粥食や消化のよい和食系のものを召し上がっていくこととしました。

 

【経過】

再診時には症状は消失。

十二指腸潰瘍は90%近くがピロリ菌が原因となっており、今回もピロリ菌が陽性であったため除菌も行うこととしました。

  • 抗生剤+制酸薬を1週間内服

  • 1か月後の呼気検査で除菌成功を確認

ピロリ菌除菌により潰瘍の再発率は1~2%に低下します。ただし、除菌後も胃がんリスクは残るため【2】、定期的な胃カメラが重要 です。

黒い便が出たときに胃カメラが重要な理由

黒い便が出た場合、見た目だけで原因を判断することはできません。鉄剤や食事の影響で黒くなることもありますが、胃や十二指腸からの出血が原因であれば、放置すると再出血、貧血、ショック、穿孔などにつながる可能性があります。

胃カメラでは、食道、胃、十二指腸を直接観察できます。そのため、黒い便の原因として重要な胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、食道病変などを確認できます。

また、必要に応じてピロリ菌感染を評価したり、胃がんが疑われる部位から組織検査を行ったりすることもできます。

▶胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます

▶胃カメラはどんな人が受けるべき??

黒い便で早めに受診した方がよいケース

次のような場合は、できるだけ早めに消化器内科を受診してください。

  • 黒い便が2回以上続いている
  • みぞおちの痛みや胃痛がある
  • 背中の痛みを伴う
  • ふらつき、冷や汗、動悸、息切れがある
  • 貧血を指摘された
  • 痛み止めをよく飲んでいる
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいる
  • ピロリ菌を指摘されたことがある
  • 胃カメラを長年受けていない

特に、ふらつき、冷や汗、動悸、息切れ、吐血を伴う場合は、出血量が多い可能性もあります。症状が強い場合は、救急受診も含めて早めの対応が必要です。

院長からのコメント

黒い便は、患者さんご自身では「食べ物のせいかな」「一時的なものかな」と思ってしまいやすい症状です。しかし、実際には胃や十二指腸からの出血が隠れていることがあります。

今回の症例では、胃カメラによって十二指腸潰瘍を確認し、さらに背景にピロリ菌感染による萎縮性胃炎があることもわかりました。潰瘍の治療だけでなく、再発予防としてピロリ菌除菌まで行うことが重要です。

池袋で黒い便・タール便の診察をご希望の方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、黒い便、胃痛、ピロリ菌陽性、胃潰瘍・十二指腸潰瘍が心配な方の診察、胃カメラ検査に対応しています。

黒い便が続く場合は、症状が軽くても自己判断で様子を見すぎず、当院までご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問

Q1.黒い便が1回だけ出た場合も受診した方がよいですか?

1回だけでも、タールのように真っ黒でベタつく便の場合は、胃や十二指腸からの出血が隠れていることがあります。食事や鉄剤の影響で黒くなることもありますが、自己判断が難しいため、症状が気になる場合は消化器内科で相談してください。

 

Q2.黒い便と赤い血便は何が違いますか?

黒い便は胃や十二指腸など上部消化管からの出血で起こることが多く、赤い血便は大腸や肛門に近い場所からの出血で起こることが多いです。ただし例外もあるため、便の色だけで原因を決めつけず検査で確認することが大切です。

 

Q3.十二指腸潰瘍ではなぜ黒い便が出るのですか?

十二指腸潰瘍から出血すると、血液が胃酸や消化液の影響を受けながら腸を通過します。その過程で血液が黒っぽく変化し、黒色便やタール便として出ることがあります。

 

Q4.黒い便が出ても胃痛がなければ大丈夫ですか?

胃痛がなくても、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどから出血していることがあります。痛みがないから安全とは限らないため、黒い便が続く場合は胃カメラで確認することをおすすめします。

 

Q5.鉄剤やサプリメントでも便は黒くなりますか?

はい。鉄剤や一部のサプリメントで便が黒くなることがあります。ただし、出血による黒色便との区別が難しい場合があります。黒い便が続く、体調不良を伴う、胃痛がある場合は医療機関で相談してください。

 

Q6.黒い便が出たら大腸カメラも必要ですか?

黒い便では、まず胃や十二指腸など上部消化管からの出血を考えて胃カメラを検討することが多いです。ただし、便潜血陽性、赤い血便、便通異常、貧血などがある場合は、大腸カメラも必要になることがあります。

 

Q7.十二指腸潰瘍の原因は何ですか?

十二指腸潰瘍の主な原因には、ピロリ菌感染、痛み止めなどの薬剤、喫煙、ストレス、胃酸の影響などがあります。特にピロリ菌が関係している場合は、潰瘍治療後に除菌治療を行うことで再発予防につながります。

 

Q8.ピロリ菌を除菌すれば十二指腸潰瘍は再発しませんか?

ピロリ菌除菌により、十二指腸潰瘍の再発リスクは大きく下がります。ただし、痛み止めの使用、喫煙、他の病気などで再発することもあります。また、除菌後も胃がんリスクが完全にゼロになるわけではないため、定期的な胃カメラが大切です。

 

Q9.黒い便が出たとき市販の胃薬で様子を見てもよいですか?

市販薬で一時的に症状が軽くなっても、出血や潰瘍、胃がんなどの可能性を否定できません。黒い便が続く場合や体調不良を伴う場合は、市販薬だけで様子を見ず、胃カメラを含めた検査を検討してください。

 

Q10.池袋上田胃腸クリニックで胃カメラは受けられますか?

はい。池袋上田胃腸クリニックでは、黒い便、胃痛、胃もたれ、ピロリ菌陽性、胃潰瘍・十二指腸潰瘍が心配な方に対して、胃カメラ検査を行っています。WEB予約や電話でご相談ください。

まとめ

  • 黒い便・タール便は、胃や十二指腸からの出血サインのことがあります
  • 十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃がんなどを確認するために胃カメラが重要です
  • 今回の症例では、黒い便の原因は十二指腸潰瘍でした
  • 背景にピロリ菌感染による萎縮性胃炎を認め、除菌治療を行いました
  • ピロリ菌除菌後も、胃がんリスクはゼロではないため定期的な胃カメラが大切です

池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。

池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。

黒い便や胃痛などの症状がある方は、自己判断せず早めに当院にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

医師紹介・アクセス・診療時間

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

診療時間

診療時間 月 火 水 木 金 土 日
8:30〜12:30 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
13:30〜17:00 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇

休診日:金曜日午後・祝日

診療は完全予約制です。

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

関連ページ

参考文献

  1. 日本消化器病学会 編.消化性潰瘍診療ガイドライン2020 改訂第3版.南江堂.2020.
  2. Kawai T, et al. Guidelines for the management of Helicobacter pylori infection in Japan: 2024 revised edition.
  3. Laine L, et al. ACG Clinical Guideline: Upper Gastrointestinal and Ulcer Bleeding. Am J Gastroenterol. 2021;116(5):899-917.
  4. Barkun AN, et al. Management of Nonvariceal Upper Gastrointestinal Bleeding: Guideline Recommendations From the International Consensus Group. Ann Intern Med. 2019;171(11):805-822.
  5. Miwa H, Sakaki N, Sugano K, et al. Recurrent peptic ulcers in patients following successful Helicobacter pylori eradication: a multicenter study of 4940 patients. Helicobacter. 2004;9(1):9-16.
  6. Sugano K. Effect of Helicobacter pylori eradication on the incidence of gastric cancer: a systematic review and meta-analysis. Gastric Cancer. 2019;22(3):435-445.

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