実際の治療例 “食後ののどの不快感・異物感が取れない”
当院や本院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
50代 男性 食後ののどの不快感・異物感
【症状】
数か月前から食後ののどの不快感・異物感がありなかなか改善せず、近くの耳鼻科を受診されました。
同院で喉のスコープ(喉頭ファイバー)検査やアレルギー検査を受けましたが異常なく、逆流性食道炎ではないかと言われ胃カメラを勧められ当院を受診されました。
【診察】
耳鼻科での異常がなく、のどの症状は食後に起こるとのことで、やはり逆流性食道炎の可能性は高いと考え、胃カメラを行い状態を状態を確認することとしました。
【検査】
胃カメラでは胃と食道のつなぎ目部分に炎症を認め、逆流性食道炎の診断となりました。

実際の内視鏡画像です。胃と食道のつなぎ目に線状の炎症(黄色部分)を認め、GradeAの逆流性食道炎と診断しました。
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・胃カメラ
【治療】
逆流性食道炎とは胃酸の分泌過多や胃や食道の動きの低下により、胃酸が胃から食道に逆流し、胃と食道のつなぎ目の部分に炎症が起きている状態です。
胸やけやげっぷ・胸痛や今回のように食後ののどの不快感・異物感など様々な症状を引き起こします。。
逆流性食道炎の治療は
- 胃酸の分泌過多を抑える制酸薬
- 胃の動きを改善し胃酸の流れをよくする機能改善薬
- 逆流性食道炎を引き起こす生活習慣の改善
を軸に行っていきます。
今回は逆流性食道炎に適した制酸剤、併せて胃の動きを改善する漢方の処方を行いました。
また、今回は逆流性食道炎を引き起こしやすい生活習慣として
- コーヒーの摂取
がありました。
カフェイン摂取や香辛料摂取は胃酸の分泌過多につながりこちらも逆流性食道炎を引き起こしやすくなってしまいます。
ブラックコーヒーを1日に5杯以上飲むとのことで、「飲む頻度を減らすこと」や「カフェインレスへの切り替え」などにも取り組んでいただきました。
【経過】
投薬開始後、4日ほどで症状の程度が低下してきて、2週間ほどで症状は消失しました。
食道に起こっていた炎症自体も1か月ほどの服用で消えるため、投薬は一旦1か月で終了としました。
その後本人も改善した生活習慣の維持を続けておられることもあり、薬を一旦やめたあともぶり返しもなく安定した状態が続いています。
逆流性食道炎は、
- 内視鏡で状態を把握し
- 適切な薬を選択し
- 原因となる生活習慣を改善すること
でスムーズな治療と再発防止を行うことが出来ます。
症状でお困りの方は当院へご相談ください!
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文責:神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)