食事中にのどがつかえる・胸がつまる原因は?好酸球性食道炎の実例を専門医が解説
「食事中にのどや胸のあたりがつかえる」「食べ物が下に降りていかない感覚がある」──
そんな症状を放置していませんか?
これらは、アレルギー反応が関与する好酸球性食道炎のサインかもしれません。
早期に胃カメラ(内視鏡検査)で診断・治療することで、つらい症状の改善だけでなく、食道の狭窄や再発を防ぐことができます。
本記事では、食事のつかえとと好酸球性食道炎との関係・他に可能性のある疾患や、受診のタイミングについて、消化器専門医の東海林院長がわかりやすくお伝えします。
食事のつかえ感でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。
同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
食事中にのどや胸がつかえるときに考える主な原因
食事中に「のどがつかえる」「胸のあたりで止まる感じがする」といった症状がある場合、いくつかの原因が考えられます。 単なる一時的な違和感と思われがちですが、繰り返す場合には食道の病気が隠れていることもあります。
- 好酸球性食道炎:アレルギーに関連した炎症で、食べ物がつかえやすくなる
- 逆流性食道炎:胃酸の逆流による炎症で違和感やつかえ感が出る
- 食道狭窄:炎症や傷により食道が狭くなる状態
- 食道がん:進行すると食べ物が通りにくくなる
- 食道アカラシア:食道の動きが悪くなり、食べ物がうまく流れない
このように、「つかえ感」の原因はさまざまです。症状が続く場合は、原因を正確に見極めることが重要です。
実際の治療例【40代男性|食事中ののどや前胸部つまり感・降りて行かない感覚が続く】
【症状】
・数か月前から、食事中にのどや胸のあたりのつかえ感や「降りない」感じが時々出現
・当初は2〜3週間に1回でしたが、最近は週に3〜4回に増加
【問診】
症状は食事中に毎回出るわけではないものの、食事の時以外は症状はほとんど感じないとのことで、
食道病変による症状を考え内視鏡検査(胃カメラ)を行い状態を確認しました
【検査】
内視鏡では食道に線状溝・白点を認め、組織検査にて食道粘膜に多数の好酸球(アレルギーを起こしたときに出現する白血球の一種)を認め、好酸球性食道炎の診断が確定しました
実際の内視鏡画像

好酸球性食道炎とは?
好酸球性食道炎は、食物や環境アレルゲンに対する免疫反応が関与し、食道に好酸球が浸潤して炎症を起こす病気です。
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発症率:人口10万人あたり1〜5人【1】
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合併しやすい疾患:喘息・アレルギー性鼻炎など【2】
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放置すると食道狭窄を起こすことがあります【3】
診断
食べ物のつかえ感やのどのつかえ感などの症状があり、好酸球性食道炎が疑われた場合には胃カメラ(内視鏡検査)で生検を行い、最終的に顕微鏡で好酸球を確認して診断します。
治療の基本
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薬物療法:PPIやステロイド、抗アレルギー薬
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食事療法:原因食物の除去
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内視鏡的拡張:狭窄がある場合
※再発率は高く、長期的な経過観察が推奨されます【4】。
好酸球性食道炎を放置するとどうなる?
長期間炎症が続くことで、食道が狭窄を来し食事の通過障害(食べれない・食べても吐いてしまう)ような状態になることもあります。
炎症が軽度で自覚症状がなければ経過観察でもよいと考えますが、炎症の程度が強く、自覚症状がある場合には放置せずに治療を受けることが大切です。
また、経過観察する場合も放置するのではなく定期的な胃カメラで狭窄の有無、炎症の程度を見ていく必要があります。
好酸球性食道炎と逆流性食道炎の違い
食事中のつかえ感や胸の違和感は、逆流性食道炎でも起こることがあります。そのため、好酸球性食道炎と区別が難しいケースも少なくありません。 しかし、原因や治療は大きく異なるため、正確な診断が重要です。
| 項目 | 好酸球性食道炎 | 逆流性食道炎 |
|---|---|---|
| 主な原因 | アレルギー・免疫反応 | 胃酸の逆流 |
| 主な症状 | 食事中のつかえ感、飲み込みにくさ | 胸やけ、げっぷ、のどの違和感 |
| 胃カメラ所見 | 線状溝・白点・リング状変化 | びらん・発赤など |
| 診断のポイント | 生検で好酸球の増加を確認 | 症状と内視鏡所見で診断 |
| 治療 | 食事療法・抗アレルギー・ステロイド | 胃酸抑制薬(PPIなど) |
逆流性食道炎として治療しても症状が改善しない場合、好酸球性食道炎が隠れていることもあります。症状が続く場合は、胃カメラ検査と生検による確認が重要です。
【実際の治療と経過】
好酸球性食道炎の治療では、アレルギーの原因となる食物が分かる場合には、その食物を避ける食事療法を行うことがあります。
一方で、原因がはっきりしない場合には、胃酸を抑える薬や炎症・アレルギー反応を抑える薬を組み合わせて治療を行います。
今回のケースでもアレルギーの原因が特定できなかったため、投薬治療を行いました。
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制酸薬(PPI)とアレルギー抑制を目的とした漢方薬を併用
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8日目以降から症状が軽減し、1か月後にはほぼ症状が消失
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再発防止のため継続治療と定期的な胃カメラによる経過観察を実施
院長からのコメント
今回は幸いPPIと漢方の併用が非常によく効いてくれましたが、改善が乏しい場合はステロイドや免疫抑制剤などのアレルギー反応を強く抑える薬を併用し治療するケースもあります。
また薬物療法で一旦症状が落ち着いた場合でも、やめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまうため、薬は継続して様子を見ることが望ましいと考えます。
食事中のつかえ感がある場合に受診の目安
食事中ののどや胸のつかえ感は、一時的なこともありますが、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
- 食べ物が頻繁につかえる・引っかかる感じがある
- 水で流し込まないと食べにくい
- 症状が数週間以上続いている
- 胸の痛みや体重減少を伴う
これらの症状がある場合、好酸球性食道炎や食道狭窄などが関係している可能性があります。 胃カメラ検査を行うことで、食道の状態を直接確認し、適切な診断と治療につなげることができます。
池袋上田胃腸クリニックでは、鎮静剤による無痛胃カメラにも対応し、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。
お困りの方は是非ご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
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オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問
食事中にのどがつかえるのはよくあることですか?
一時的に起こることもありますが、繰り返す場合は注意が必要です。好酸球性食道炎や食道狭窄など、食道の病気が隠れていることがあります。
好酸球性食道炎とはどのような病気ですか?
食道に好酸球という白血球が集まり、慢性的な炎症を起こす病気です。食べ物がつかえる、飲み込みにくいといった症状が特徴です。
逆流性食道炎との違いは何ですか?
逆流性食道炎は胃酸の逆流が原因ですが、好酸球性食道炎はアレルギーや免疫反応が関係しています。診断には胃カメラと生検が重要です。
胃カメラで異常がないと言われても大丈夫ですか?
見た目に大きな異常がなくても、好酸球性食道炎は隠れていることがあります。確定診断には生検による組織検査が必要です。症状が続く場合は、食道粘膜を直接確認できる胃カメラ検査を改めて検討することが大切です。
どんな症状があれば検査を受けた方がいいですか?
食事中のつかえ感が続く、食べ物が飲み込みにくい、水で流し込むことが多いなどの症状があれば、早めに検査をおすすめします。
放置するとどうなりますか?
炎症が慢性化すると食道が狭くなり、食べ物が通りにくくなることがあります。重症化すると内視鏡治療が必要になる場合もあります。
治療はどのように行いますか?
食事療法や胃酸を抑える薬、抗アレルギー薬、ステロイド薬などを組み合わせて治療します。症状や原因に応じて調整します。
食べ物で悪化することはありますか?
はい。特定の食品が関係していることがあり、食事内容の見直しで症状が改善することもあります。
若い人でもなりますか?
比較的若い方にも多くみられる病気です。アレルギー体質の方では発症しやすいとされています。
症状が軽くても受診した方がいいですか?
症状が軽くても繰り返す場合は受診をおすすめします。早期に診断することで、悪化を防ぐことができます。
まとめ
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食事中の「のどのつかえ」「胸のつまり」は好酸球性食道炎の可能性があります
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早期の内視鏡検査と治療で症状改善・再発防止が期待できます
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再発しやすいため定期的な経過観察が重要です
当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。
症状にお困りの方はお力になれますので、一度ご相談ください
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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参考文献
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Dellon ES, et al. Eosinophilic esophagitis: epidemiology and natural history. Gastroenterology. 2014.
-
Liacouras CA, et al. Eosinophilic esophagitis: updated consensus recommendations. J Allergy Clin Immunol. 2011.
-
Hirano I, et al. AGA technical review on eosinophilic esophagitis. Gastroenterology. 2020.
-
Schoepfer AM, et al. Long-term treatment of eosinophilic esophagitis with topical steroids. Clin Gastroenterol Hepatol. 2013.
関連ページ
・胃カメラ
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
