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食べ物が胸につかえる原因はアレルギー?好酸球性食道炎の実際の治療例

[2026.05.08]

食事中に「胸が詰まる」「食べ物が降りていかない」――

そんな症状が続いていませんか?

このような症状があると、逆流性食道炎やストレスによる違和感と思われることもありますが、実際には食道そのものの炎症や通過障害が原因になっていることがあります。

その中でも、近年注目されている病気の一つが好酸球性食道炎です。好酸球性食道炎は、食道にアレルギーに関係する炎症が起こり、食べ物のつかえ感や飲み込みにくさを引き起こす病気です【1】【2】。

今回は、数年前から食べ物を飲み込むと胸が詰まる感じが続き、当院で好酸球性食道炎と診断された30代女性の実際の治療例をもとに、症状・検査・治療・受診の目安について専門医の院長がわかりやすく解説します。

食事のつかえ感でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 食べ物が胸につかえる症状は、食道の病気が原因のことがあります。

✅ 好酸球性食道炎は、アレルギーに関係する炎症が食道に起こる病気です。

✅ 胃カメラで特徴的な所見を確認し、生検で好酸球の浸潤を調べることで診断につながります。

✅ 放置すると食道が狭くなり、食事が通りにくくなることがあります。

✅ 食事中の胸のつかえ感が続く場合は、消化器内科で原因を確認することが大切です。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、食べ物が胸につかえる、飲み込みにくい、胸やけが続く、のどや胸の違和感が続くといった症状に対して、消化器内科専門医が診察を行っています。

必要に応じて、胃カメラで食道・胃・十二指腸の状態を確認し、生検を含めて原因を調べます。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

食べ物が胸につかえるときに考えられる主な原因

食べ物を飲み込むと胸につかえる症状は、原因が一つとは限りません。

症状の出方、胸やけの有無、食事中だけ起こるのか、体重減少があるか、アレルギー体質があるか、胃カメラで異常を指摘されたことがあるかなどを確認しながら、原因を考えていきます。

考えられる病気 特徴
好酸球性食道炎 アレルギーに関係する炎症が食道に起こり、食事中の胸のつかえ感や飲み込みにくさが出ることがあります。
逆流性食道炎 胃酸の逆流により、胸やけ、酸っぱいものが上がる感じ、胸の違和感などが出ることがあります。
食道カンジダ症 食道にカンジダが増殖し、飲み込むと痛い、しみる、つかえるなどの症状が出ることがあります。
食道アカラシア 食道の出口が開きにくくなり、食べ物や水分が食道内にたまる病気です。
食道がん 食べ物が徐々に通りにくくなる、体重が減る、胸の違和感が続く場合には注意が必要です。
食道狭窄・食道潰瘍 炎症や薬剤、過去の治療後の変化などで食道が狭くなり、食べ物が通りにくくなることがあります。

このように、同じ「食べ物が胸につかえる」という症状でも、原因によって必要な検査や治療は異なります。

胸やけや胃酸の逆流がある方は、逆流性食道炎・胸やけのページもあわせてご覧ください。

飲み込むと痛い、食べ物がしみる、免疫低下やステロイド使用がある方は、食道カンジダ症のページも参考になります。

 

好酸球性食道炎とは?

好酸球性食道炎とは、アレルギーに関係する白血球の一種である好酸球が食道の粘膜に集まり、慢性的な炎症を起こす病気です【1】【2】。

食道に炎症が続くと、食道の動きが悪くなったり、食道が硬く狭くなったりすることがあります。その結果、食べ物を飲み込んだときに、胸の奥で止まるような感じ、食事中のつかえ感、飲み込みにくさが出ることがあります【1】【3】。

好酸球性食道炎は、喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持つ方にみられることがありますが、すべての方に明らかなアレルギー歴があるわけではありません。

また、内視鏡で特徴的な所見がわかる場合もありますが、見た目だけでは判断が難しいこともあります。そのため、症状や内視鏡所見に加えて、食道粘膜の生検で好酸球の浸潤を確認することが重要です【1】【2】。

好酸球性食道炎の治療は、症状の程度、内視鏡所見、狭窄の有無、生活への影響などを確認しながら選択します。

1. PPIなどの胃酸分泌を抑える薬

PPIは胃酸の分泌を抑える薬ですが、好酸球性食道炎でも治療選択肢の一つになります【1】【2】。

逆流性食道炎との関連や食道粘膜の炎症を抑える目的で使用されることがあります。

2. 嚥下する局所ステロイド

吸入用ステロイドなどを食道粘膜に作用させる治療です。

好酸球性食道炎に対して有効な治療選択肢の一つで、炎症を抑える目的で使用されます【1】。

3. 食事療法

好酸球性食道炎では食物抗原が関係していることがありますが、原因となる食べ物を特定することは簡単ではありません【2】【3】。

除去食を行う場合は、栄養バランスや生活への影響もあるため、医師や専門施設と相談しながら慎重に進める必要があります。

4. 食道拡張術

食道が狭くなり、食べ物が通りにくい状態が強い場合には、内視鏡的に食道を広げる治療が検討されることがあります【1】。

ただし、炎症を抑える治療とあわせて行うことが重要です。

▶好酸球性食道炎について詳しく知りたい方は、好酸球性食道炎の症状・原因・検査・治療法のページもご参照ください。

 

実際の治療例|30代女性「食べ物を飲み込むと胸が詰まる感じがする」

【症状】

数年前から食べ物を飲み込むと胸が詰まったような感じがあり、次第に頻度が増えてきたとのことで来院されました。

 

【診察】

詰まる感じは胸のあたりからみぞおちにかけて強く感じるとのことで、

  • 好酸球性食道炎
  • 逆流性食道炎
  • 食道カンジダ症
  • 食道アカラシア
  • 食道狭窄
  • 食道がん

といった食道疾患を疑い胃カメラ(胃内視鏡)検査を行うこととしました。

 

【検査】

胃カメラを行うと食道に円を描くような段差を認め、生検を行いアレルギー細胞を多数認め好酸球性食道炎と診断しました。

胃カメラで見た実際の食道の画像です。 好酸球性食道炎に特徴的な円形に段差がついたような凹凸を認めます(矢印部分)

 

治療・経過

今回は内視鏡上の所見は軽度のため、制酸剤とこうアレルギー剤での治療を開始しました。

治療開始後数日は症状は変化がなかったものの、1週間ほど経過してきたころに詰まりの頻度が減りはじめ、1か月ほどでほとんど症状が出なくなったとのことでした。

ただ、好酸球性食道炎は治療をやめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまうため、投薬治療を継続しつつ経過観察としました。

また炎症状態が続くと食道狭窄が起こることが少なからずみられるため、半~1年毎定期的に内視鏡で状態を評価することとしています

 

受診の目安

次のような症状がある方は、自己判断で様子を見続けず、消化器内科で相談することをおすすめします。

  • 食べ物を飲み込むと胸が詰まる感じが続く
  • 食事中に食べ物が胸の奥で止まる感じがある
  • 飲み込みにくさが数週間以上続いている
  • のどではなく胸の奥につかえる感じがある
  • 胸やけの薬を飲んでもつかえ感が改善しない
  • 食事のたびに水で流し込む必要がある
  • 食べ物が詰まって吐いてしまうことがある
  • 体重が減ってきた
  • 食欲が落ちてきた
  • 胃カメラで異常なしと言われたが症状が続いている

特に、症状が徐々に悪化している、体重減少を伴う、食べ物が通りにくくなっている場合は、早めに検査を検討してください。

胸のつかえ感が続く方へ

「そのうち治るだろう」と思って様子を見ているうちに、食道の炎症や狭窄が進んでしまうことがあります。

食べ物が胸につかえる、飲み込みにくい、食事中に違和感がある方は、一度胃カメラで食道の状態を確認しましょう。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

 

院長コメント

食べ物を飲み込むと胸が詰まる症状は、患者さんご本人にとってはとても不安な症状です。

一方で、胸やけやストレス、年齢のせいと思って、長く様子を見てしまう方も少なくありません。

今回のような好酸球性食道炎は、胃カメラで食道を観察し、必要に応じて生検を行うことで診断につながります。

早い段階で診断し、適切に治療することで、症状の改善だけでなく、将来的な食道狭窄の予防にもつながる可能性があります。

食事中の胸のつかえ感、飲み込みにくさ、食べ物が止まる感じでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

よくある質問

Q. 食べ物が胸につかえる原因は何ですか?

A. 食べ物が胸につかえる原因には、好酸球性食道炎、逆流性食道炎、食道カンジダ症、食道アカラシア、食道狭窄、食道がんなどがあります。症状だけで原因を判断することは難しいため、症状が続く場合は胃カメラなどで食道の状態を確認することが大切です。

 

Q. 好酸球性食道炎とはどのような病気ですか?

A. 好酸球性食道炎は、アレルギーに関係する白血球の一種である好酸球が食道粘膜に集まり、慢性的な炎症を起こす病気です。食べ物が胸につかえる、飲み込みにくい、胸の違和感があるなどの症状が出ることがあります。

 

Q. 好酸球性食道炎は胃カメラでわかりますか?

A. 胃カメラで輪状のひだ、縦走する溝、白い付着物、狭窄などの特徴的な所見が見つかることがあります。ただし、見た目だけでは診断が難しい場合もあるため、必要に応じて食道粘膜の生検を行い、好酸球の浸潤を確認します。

 

Q. 胃カメラで異常なしと言われても好酸球性食道炎のことはありますか?

A. あります。好酸球性食道炎は、初期や軽症の場合、内視鏡で明らかな異常としてわかりにくいことがあります。症状が続く場合は、食道を丁寧に観察し、必要に応じて生検を行うことが重要です。

 

Q. 好酸球性食道炎はアレルギーが原因ですか?

A. 好酸球性食道炎は、食物抗原などに対するアレルギー反応が関係すると考えられています。ただし、原因となる食べ物を血液検査だけで簡単に特定できるとは限りません。除去食などを行う場合は、医師や専門施設と相談しながら進める必要があります。

 

Q. 好酸球性食道炎は自然に治りますか?

A. 無症状で軽度の場合には経過観察となることもありますが、症状がある場合や炎症が強い場合は治療が必要になることがあります。放置すると食道が狭くなり、食べ物が通りにくくなることがあるため、自己判断せず医師に相談しましょう。

 

Q. 好酸球性食道炎の治療にはどのような方法がありますか?

A. 治療には、PPIなどの胃酸分泌を抑える薬、嚥下する局所ステロイド、食事療法、狭窄がある場合の食道拡張術などがあります。症状や内視鏡所見、狭窄の有無に応じて治療方針を決めます。

 

Q. 好酸球性食道炎は再発しますか?

A. 好酸球性食道炎は慢性的な炎症を起こす病気であり、治療で症状が落ち着いても再発することがあります。症状が改善したあとも、自己判断で治療を中断せず、医師の指示に沿って経過をみることが大切です。

 

Q. 好酸球性食道炎はがんになりますか?

A. 好酸球性食道炎そのものが食道がんに進行する病気とは一般的に考えられていません。ただし、食べ物がつかえる症状は食道がんでも起こることがあるため、症状だけで自己判断せず、必要に応じて胃カメラで確認することが大切です。

 

Q. どのような症状があれば早めに受診した方がよいですか?

A. 食べ物が胸につかえる症状が続く、飲み込みにくさが悪化している、食べ物が詰まって吐いてしまう、体重が減ってきた、胸やけの治療をしても改善しない場合は早めの受診をおすすめします。好酸球性食道炎だけでなく、食道狭窄や食道がんなどの確認が必要になることがあります。

 

まとめ

食べ物を飲み込むと胸が詰まる症状は、逆流性食道炎やストレスだけでなく、好酸球性食道炎のような食道の病気が原因になっていることがあります。

 ✔ 食べ物が胸につかえる症状は、食道の炎症や通過障害で起こることがあります。

 ✔ 好酸球性食道炎は、アレルギーに関係する炎症が食道に起こる病気です。

 ✔ 診断には胃カメラと生検が重要です。

 ✔ 治療にはPPI、局所ステロイド、食事療法などがあります。

 ✔ 放置すると食道狭窄を起こし、食事が通りにくくなることがあります。

 ✔ 体重減少、嘔吐、飲み込みにくさの悪化がある場合は早めに受診しましょう。

食べ物が胸につかえる方へ

食事中の胸のつかえ感が続く場合、好酸球性食道炎、食道アカラシア、食道がんなど、検査で確認すべき病気が隠れていることがあります。

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。症状が続いている方は、早めに消化器内科でご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

関連ページ

参考文献

  1. Dellon ES, Muir AB, Katzka DA, et al. ACG Clinical Guideline: Diagnosis and Management of Eosinophilic Esophagitis. Am J Gastroenterol. 2025;120(1):31-59.
  2. 阿部靖彦. 好酸球性食道炎の診断と治療の進歩. Gastroenterological Endoscopy. 2019;61(3):225-236.
  3. Kinoshita Y, Ishimura N, Oshima N, et al. Systematic review: Eosinophilic esophagitis in Asian countries. World J Gastroenterol. 2015;21(27):8433-8440.
  4. Kinoshita Y, Furuta K, Ishimaura N, et al. Clinical characteristics of Japanese patients with eosinophilic esophagitis and eosinophilic gastroenteritis. J Gastroenterol. 2013;48:333-339.
  5. Ishimura N, Shimura S, Jiao D, et al. Limited role of allergy testing in patients with eosinophilic gastrointestinal disorders. J Gastroenterol Hepatol. 2013;28:1306-1313.

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

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(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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