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実際の治療例 【食べ物が胸につかえる…その原因は“アレルギー”かもしれません(好酸球性食道炎)】

[2025.07.07]

食事中に「胸が詰まる」「食べ物が降りていかない」――

そんな症状が続いていませんか?

胸やのどの違和感は胃や食道の炎症だけでなく、実は“アレルギー”が原因で起こる病気の場合もあります。

今回ご紹介するのは、数年来のつかえ感が続き、当院で【好酸球性食道炎】と診断された30代男性の治療例です。

症状が軽いうちに正しい検査と治療を受けることが、将来の食道狭窄や食事困難を防ぐカギになります。

 

30代 男性 食べ物を飲み込むと胸が詰まる感じがする

【症状】

数年前から食べ物を飲み込むと胸が詰まったような感じがあり、次第に頻度が増えてきたとのことで来院されました。

【診察】

詰まる感じは胸のあたりからみぞおちにかけて強く感じるとのことで、

  • 食道カンジダ
  • 食道アカラシア
  • 逆流性食道炎
  • アレルギー性食道炎(好酸球性食道炎)

といった食道疾患を疑い胃カメラ(胃内視鏡)検査を行うこととしました。

【検査】

胃カメラを行うと食道に円を描くような段差を認め、生検を行いアレルギー細胞を多数認め好酸球性食道炎と診断しました。

胃カメラで見た実際の食道の画像です。 好酸球性食道炎に特徴的な円形に段差がついたような凹凸を認めます(矢印部分)

【好酸球性食道炎とは】

好酸球性食道炎とは、アレルギーを起こしたときに出現する白血球の一種である「好酸球」が、食道の粘膜に集中し慢性的に炎症をおこすことで起こる病気です。

アレルギーによっておこるものなので、別名「アレルギー性食道炎」とも言われています

食物によるアレルギー反応が主な原因で食道に慢性的な炎症が起こることで、食道の機能(蠕動して食事を胃に送る)が障害され、詰まりやつかえ感などの症状が起こります。

好酸球性食道炎は無症状の場合には特に治療を行わず様子を見る場合もありますが、今回のように症状がある方内視鏡上の炎症がひどい方は治療を行います。

治療①薬物療法
A.制酸薬

好酸球性食道炎の約半数の方はPPIと呼ばれる胃酸を抑える薬で改善すると言われ、まず一番最初に試してみる薬です。

B.ステロイド

免疫反応を抑えるステロイドを用いアレルギーを抑制します。

喘息などの際に吸入する吸入用ステロイドを飲んで頂いたり、それでも効果がない場合や狭窄を来している場合にはステロイドの錠剤などを用います。

C.その他

ステロイドは副作用も多彩なため、ステロイド以外の免疫抑制剤抗ロイコトリエン拮抗薬といった抗アレルギー剤を選択することもあります。

治療②食事療法

好酸球性食道炎の原因となっているアレルギー源を突き止め、その食物を抜いて頂くことで改善することがあります。

ただし血液検査や皮膚試験を行っても原因となるアレルゲンを見つけるのは難しいと言われおり、アレルギー専門科での精査が望ましいと考えます。

(当院での対応が難しいため専門施設への紹介を行っております。)

【治療・経過】

今回は内視鏡上の所見は軽度のため、制酸剤とこうアレルギー剤での治療を開始しました。

治療開始後数日は症状は変化がなかったものの、1週間ほど経過してきたころに詰まりの頻度が減りはじめ、1か月ほどでほとんど症状が出なくなったとのことでした。

ただ、好酸球性食道炎は治療をやめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまうため、投薬治療を継続しつつ経過観察としました。

また炎症状態が続くと食道狭窄が起こることが少なからずみられるため、半~1年毎定期的に内視鏡で状態を評価することとしています

【院長からのコメント】

胸やのどの違和感が続く場合、自己判断で様子を見てしまうと進行してから発見されることがあります。

早期診断・治療で症状の軽減と再発予防が可能です。

症状でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

 

好酸球性食道炎Q&A

 

Q:好酸球性食道炎の診断方法は?

A:胃カメラと病理検査で行います

胃カメラでの特徴的な所見と、胃カメラ中に生検を行い顕微鏡検査で好酸球(アレルギー細胞の)浸潤を確認することで確定診断となります。
 
 
 
 
炎症が軽度で自覚症状がなければ経過観察でもよいと考えますが、炎症の程度が強く、自覚症状がある場合には放置せずに治療を受けることが大切です。

また、経過観察する場合も放置するのではなく定期的な胃カメラで狭窄の有無、炎症の程度を見ていく必要があります。

 

Q:好酸球性食道炎に制酸剤は効きますか?

A:一定の効果があると言われています。
 
胃酸の分泌を抑える制酸剤は 約50%程度の方に効果があるとも言われており、診断された方にはまず最初に使用します。

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。

初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

参考文献:

1)Kinoshita Y et al: Systematic review: Eosinophilic esophagitis in Asian countries. World J Gastroenterol
2015; 21; 8433-8440
2) Kinoshita Y et al: Clinical characteristics of Japanese patients with eosinophilic esophagitis and eosinophilic gastroenteritis. J Gastroenterol 2013; 48; 333-339
3) Ishimura Net al: Limited role of allergy testing in patients with eosinophilic gastrointestinal disorders. J Gastroenterol Hepatol 2013; 28; 1306-1313
4) Dellon ES et al: ACG clinical guideline: Evidenced based approach to the diagnosis and management of esophageal eosinophilia and eosinophilic esophagitis
(EE) . Am J Gastroenterol 2013; 108; 679-692

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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