【要注意】食べ物がのどに詰まる・吐いてしまう原因は食道がん?実例を専門医が解説
「食べ物がのどに引っかかる」「飲み込みづらくて吐いてしまう」──
このような症状があると、まずは逆流性食道炎やストレス、加齢による飲み込みの変化を考える方も多いかもしれません。
実はその裏に、食道がんのような命に関わる病気が隠れていることがあります。
今回は、半年前から食事中のつかえ感を自覚し、最終的に胃カメラで食道がんと診断された60代女性の実例をもとに、受診の目安と検査の重要性について専門医の院長が分かりやすく解説します。
飲み込みづらさ、つかえでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。
同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
食べ物がのどに詰まる・吐いてしまう主な原因
「食べ物がのどに詰まる」と感じる場合、実際にはのどだけでなく、食道の病気が関係していることがあります。代表的な原因には、食道がん、アカラシア、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄・食道炎などがあります。
| 考えられる原因 | 特徴 |
|---|---|
| 食道がん | 腫瘍で食道の通り道が狭くなり、食べ物がつかえる・飲み込みづらい・体重が減るなどの症状が出ることがあります【1】【2】。 |
| アカラシア | 食道の動きや胃の入口の開きが悪くなり、食べ物や水分が胃へ流れにくくなる病気です。 |
| 逆流性食道炎 | 胃酸が食道へ逆流して炎症を起こし、胸やけ、のどの違和感、つかえる感じが出ることがあります。 |
| 好酸球性食道炎 | アレルギーに関連した食道の炎症で、食事中のつかえ感や飲み込みづらさの原因になることがあります。 |
| 食道狭窄・食道炎 | 炎症や瘢痕により食道が狭くなり、食べ物が通りにくくなることがあります。 |
▶ 食道・胃の状態を確認したい方は、当院の 胃カメラ検査 のページもご覧ください。
食道がんとは?食べ物が詰まるしくみ
食道がんは、食べ物の通り道である食道に発生するがんです。初期には自覚症状がないこともありますが、がんが大きくなり食道の内側が狭くなると、飲食物がつかえやすくなります【1】【2】。
症状が進むと、最初は肉やご飯などの固形物が通りにくくなり、さらに進行すると水分まで通りにくくなることがあります。また、食事量が減ることで体重減少につながることもあります【1】【2】。
のどの近くに違和感がある場合でも、実際には食道の上部に病変があることで「のどに詰まる」と感じることがあります。そのため、「のどの症状だから耳鼻科の病気」と決めつけず、食道を含めて確認することが大切です。
実際の治療例の症状|60代女性「食べ物がのどに詰まって吐いてしまう」
症状
- 半年前から、食事のたびに「のどにつまる感じ」を自覚
- 最近は、固形物を食べると吐いてしまうことが増えてきた
- 食事量が減り、体重も減ってきた
- 水分も通りにくい感じがある
- 熱いものがしみる感じもある
最初は「年齢のせいかもしれない」「一時的なものかもしれない」と思われていましたが、症状が続くため心配になり、当院を受診されました。
診察・鑑別
診察では、単なるのどの違和感だけでなく、食事中のつかえ感、嘔吐、体重減少、水分の通りにくさ、熱いものがしみる感じがあることを確認しました。
このような症状がある場合、次のような病気を鑑別する必要があります。
- 食道がん
- 食道アカラシア
- 逆流性食道炎
- 好酸球性食道炎
- 食道狭窄
- 食道潰瘍
- 咽頭・喉頭の病気
- 嚥下機能の低下
特に、体重減少や水分の通りにくさを伴う場合は、食道がんなどの悪性疾患を除外することが重要です。嚥下障害がある場合、胃カメラ(内視鏡検査)は原因の確認や悪性疾患の除外に役立つ検査とされています【4】。
▶ 胸やけや胃酸の逆流を伴う方は、 逆流性食道炎のページ もあわせてご覧ください。
胃カメラ
体重減少や食べ物が通りにくいなどの症状もあり、食道がんなどの悪性腫瘍の可能性も考えれ、直ちに胃カメラを行いました。
内視鏡検査では上部食道に腫瘍を認め、病理検査で「食道がん」と診断。
食道がんが食道の内腔を圧迫し、食事の通り道を塞いでしまうことでつまり感が出ていた状態でした。
今回の場合は食道の上の方(上部食道)に腫瘍があったせいで、のどのあたりのつまりとして自覚していたと考えられます。
胃カメラ(内視鏡について)はこちらからご確認頂けます
治療
検査結果から進行食道がんと判断され、食道外科の高次医療機関へご紹介しました。
その後、手術と放射線療法を組み合わせた治療が行われました。治療後は、以前のように食事を摂ることが可能な状態にまで改善されています。
食道がんの治療方針は、がんの進行度、場所、全身状態などによって異なります。早期に発見できた場合は内視鏡治療の対象となることもありますが、進行している場合は手術、化学療法、放射線療法などを組み合わせて治療することがあります【3】。
院長からのコメント
のどの違和感や食べ物のつかえ感は、逆流性食道炎、アカラシア、好酸球性食道炎、食道狭窄、嚥下機能の低下など、さまざまな原因で起こります。
その一方で、今回のように食道がんが原因となっていることもあります。食道がんは、初期には症状が目立たないこともありますが、進行すると飲食物のつかえ感、体重減少、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどが出ることがあります【1】【2】。
このような症状があれば早めに受診を
のどのつかえ感は一時的なこともありますが、次のような症状がある場合は、早めに消化器内科で相談してください。
- 食べ物がのどに詰まる感じが続く
- 飲み込みづらさが数週間以上続く
- 固形物を食べると吐いてしまう
- 水分まで通りにくくなってきた
- 体重が減ってきた
- 熱いものがしみる
- 胸の奥や背中が痛む
- 声がかすれる、咳が続く
- 喫煙・飲酒歴がある
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
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オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
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土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問FAQ
Q. 食べ物がのどに詰まる感じは、食道がんの症状ですか?
A. 食道がんでみられることがあります。がんが大きくなり食道の内側が狭くなると、食べ物がつかえる、飲み込みづらい、食後に吐いてしまうといった症状が出ることがあります【1】【2】。ただし、逆流性食道炎やアカラシアなど他の病気でも起こるため、胃カメラで確認することが大切です。
Q. のどの違和感があるだけでも胃カメラを受けた方がよいですか?
A. 症状が一時的で改善する場合は経過を見ることもありますが、数週間以上続く、食べ物が通りにくい、体重が減る、吐いてしまう、水分も飲みにくいといった症状がある場合は、胃カメラで食道を確認した方がよいです。
Q. 食道がんは初期でも症状がありますか?
A. 食道がんは初期には自覚症状がないこともあります。進行して食道の通り道が狭くなると、飲食時のつかえ感、胸の違和感、体重減少などが出ることがあります【1】【2】。
Q. 食後に吐いてしまう場合、どのような病気が考えられますか?
A. 食道がん、アカラシア、食道狭窄、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、胃の出口の狭窄、胃の動きの低下などが考えられます。特に食べ物が途中で止まる感じを伴う場合は、食道の病気を確認する必要があります。
Q. 水分まで飲みにくい場合は危険ですか?
A. 水分まで通りにくい場合は、食道の狭窄が進んでいる可能性があります。国立がん研究センターも、食道が非常に狭くなると水分や流動食の通りが悪くなることがあると説明しています【1】【2】。早めに受診してください。
Q. 逆流性食道炎との違いは何ですか?
A. 逆流性食道炎では胸やけ、胃酸の逆流、のどの違和感、しみる感じなどが出ることがあります。一方、食道がんでは進行により食べ物が物理的に通りにくくなることがあります。ただし症状だけで区別することは難しいため、胃カメラで確認します。
Q. 食道がんになりやすい人はいますか?
A. 食道がんのリスク因子として、喫煙、飲酒、熱い飲食物の習慣などが知られています【1】【3】。特に飲酒で顔が赤くなりやすい方、喫煙歴がある方、長年の飲酒習慣がある方は注意が必要です。
Q. 胃カメラでは食道も見てもらえますか?
A. はい。胃カメラは正式には上部消化管内視鏡検査で、のど、食道、胃、十二指腸を観察する検査です。食道がん、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄などの確認に役立ちます。
Q. 胃カメラが苦手でも検査できますか?
A. 当院では、鎮静剤を使用した胃カメラや、患者さんの状態に合わせたスコープ選択を行っています。以前の検査がつらかった方、嘔吐反射が強い方、検査に不安がある方もご相談ください。
Q. どのタイミングで受診すればよいですか?
A. 食べ物がのどに詰まる感じが数週間以上続く、固形物を食べると吐く、体重が減る、水分も飲みにくい、胸や背中が痛い、声がかすれるなどがある場合は、早めの受診をおすすめします。
まとめ
- 食べ物がのどに詰まる症状は、食道がん、アカラシア、逆流性食道炎、好酸球性食道炎などで起こります。
- 体重減少、水分の通りにくさ、食後の嘔吐を伴う場合は注意が必要です。
- 症状だけで原因を判断することは難しく、胃カメラで食道を確認することが大切です。
- 喫煙・飲酒歴がある方は、食道がんのリスクも考えて早めの検査をおすすめします。
- 今回の症例では、胃カメラで上部食道の腫瘍を認め、食道がんと診断されました。
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
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関連ページ
参考文献
- 国立がん研究センター「食道がんの原因・症状について」
https://www.ncc.go.jp/jp/information/knowledge/esophageal/001/index.html - 国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん Q&A」
https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/qa.html - 日本食道学会編. 食道癌診療ガイドライン 2022年版 第5版. 金原出版.
- ASGE Standards of Practice Committee. The role of endoscopy in the evaluation and management of dysphagia. Gastrointestinal Endoscopy. 2014.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

