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実際の治療例 “非常に見つけづらいピロリ菌陰性胃がん”

[2024.12.02]

当院や本院を受診された患者さんの実際の治療経過です

 

50代男性 ピロリ菌陰性胃がん

症状

特に自覚症状はなくピロリ菌も以前に調べて陰性とのことでしたが、他院にて定期的に胃内視鏡(胃カメラ)を受けておられ、転居に伴い当院での内視鏡検査を希望され受診されました。

 

【検査】

内視鏡検査を行ったところ、胃の前庭部と呼ばれる部位に淡い退色部分(周りと比べて色が白っぽく見える部分)を認め、同部を生検したところがん細胞が検出され、早期胃がんと診断しました。

実際の内視鏡画像です。青い矢印で囲まれた色の白い領域(褪色域)がガンの部分です。 ピロリ菌陰性胃がんは今回のように非常に分かりにくいことも多く見落とされることもあります。

NBIというモードに切り替えると矢印で囲まれた褪色域がより分かりやすくなります。 内視鏡検査時には通常の観察だけでなくモードを切り替えて病気を見つける精度を高めることも重要です。

 

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【治療】

ガンではありましたが、早期胃がんであったため内視鏡治療が可能な状態であり、入院治療ができるガン拠点病院に紹介し治療を受けていただき、無事に治癒切除となりました。

 

胃がんのほとんどの原因はピロリ菌でありピロリ菌がいない人はほぼ胃がんにならないと言われていますが、実は今回のようにピロリ菌に未感染の方でもかなり確率は低いですが胃がんになることはあります。

胃がん全体の1-2%程度にピロリ菌未感染の胃がんがあると言われ1)、2019年の胃がんと診断された患者数は男性85,325人、女性38,994人 計124,319人ですので2)、およそ2000人程度の方が1年間にピロリ菌未感染の胃がんを発症している計算になります。

自覚症状が出てからの検査だとガンが進行してしまっていることもあるため、早期発見し治る状態でガンを見つけるためには定期的に内視鏡を受けることが重要です。

 

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

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