実際の治療例 【大腸がん家系で心配…わかりにくい扁平ポリープを早期発見・切除した30代男性】
大腸がんは「症状もないし自分にはまだ関係ない」と思っていませんか?
しかし、家族歴がある方は発症リスクが高く、早期からの検査がとても大切です。
特に、扁平で色調も周囲とほぼ同じ「鋸歯状病変(きょしじょうびょうへん)」は非常に見つけにくく、内視鏡専門医の目でなければ見逃されることもあります。
今回は、祖父が大腸がんで手術を受けたことをきっかけに大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けた30代男性が、早期段階でポリープを発見・切除できた症例をご紹介します。
早期発見・予防のためにも、少しでもご不安があればお気軽にご相談ください!
30代 男性 大腸がん家系で心配
【症状】
特に自覚症状はありませんでしたが、もともと親族に大腸がん罹患者が多く、今回祖父が大腸がんになって手術を受け、自分も心配になったとのことで来院されました。
【検査】
大腸がんのリスクの一つに家族歴があり、ご本人も大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を強く希望され検査を行うことにしました。
実際に大腸カメラを行うと上行結腸に扁平な大腸ポリープを認めました。

大腸の一番奥に扁平なポリープ(黄色矢印部分)を認めました。周囲と同色調で丈が低く、非常にわかりづらいタイプのポリープです。
NBIというモードに変更し拡大観察の上、内視鏡的に切除可能であることを確認して、そのまま内視鏡切除をしました。

NBIモードではガン化を示唆する所見はなく、良性と判断しその場で内視鏡切除を行いました。
その後も出血などの合併症なく、切除後の病理検査結果では細胞の異型を伴っていたもののガン化はしておらず、治療は終了となりました。
【今回のポリープについて】
大腸ポリープの中での今回のように扁平なタイプを鋸歯状病変と呼びます。
このタイプのポリープは多発しやすくかつ扁平なため見つけづらいという嫌な特徴があり、内視鏡専門施設でないと気づかれずにスルーされてしまうこともあります。
鋸歯状病変の中でも細胞の異型を伴う鋸歯状腺腫は発がん性をもち、横に広がりやすく内視鏡で切除した際の傷口が大きくなるため入院を要することも少なくなく、なるべく早期に見つけ切除することが重要です。
また大腸がんは家族歴が発生のリスク因子と言われ、直系親族に既往がある場合には要注意です。
大腸がんはまずポリープが出来て成長してガン化するというパターンがほとんどのため、ポリープを見つけて切除することが予防にとっては大切です。
今回は家族歴があり、かつ鋸歯状病変という状況でしたので、今後も定期的に大腸カメラを行い状態をチェックしていくこととしています。
【東海林院長からのメッセージ】
今回の患者さんは「家族歴がある」という理由で検査を受け、非常に見つけづらい病変を早期に切除できました。
こうした予防的検査は、将来のリスクを減らすためにとても有効です。
大腸がんやポリープについて気になる方・ご不安な方はお力になれますのでご相談ください!
お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。
初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック
JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。
(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
