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実際の治療例 【胃痛で食べられない…体重減少が続いた20代女性、その原因は?】

[2024.11.12]

「胃が痛くて食事がとれない」「体重が減ってきた」——

これは病院での精査が必要なサインかもしれません。

今回ご紹介するのは、20代女性が“原因不明の胃痛”で食事ができず、体重が減少してしまったケースです。

検査で異常がなくても見逃せない病気が潜んでいることがあります。

 

20代 女性 胃痛が強くて食事がとれず体重が減ってきた

【症状】

以前から何となく胃が痛くなることが多かったのですが、社会人になり環境が変わってから胃痛の頻度が増え、

最近は食事をとる度に胃痛が出て、あまり食事をとれず体重も減ってきたとのことで当院を受診されました。

【診察】

みぞおちを押すと強い痛みがあり、特に食後に悪化とのことから以下の病気などが考えられます。

  • 胃潰瘍や胃炎

  • 胆石や膵炎などの消化器疾患

  • ストレスや生活環境の変化に伴う機能性ディスペプシア

まずは腹部エコーで肝・胆・膵の異常を確認し、続けて胃カメラ(胃内視鏡検査)を行いました。

【検査】

腹部エコーでは、肝胆膵などの上腹部の臓器に痛みの原因となるような異常は認めませんでした。

また、胃カメラでも幸いなことに、胃の中に病変はなく、ピロリ菌もなく異常所見はない状態でした。

正常な胃の所見

実際の胃カメラの画像です

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【治療】

以上のように検査では特に疾患はなく、機能性ディスペプシアと診断しました。

機能性ディスペプシアとは、胃や周囲の臓器に病変がないにも関わらず、心因的ストレス・疲労などの身体的ストレスなどが原因となり胃酸分泌過多胃の粘膜の知覚過敏を生じることで胃痛などの症状を引き起こす状態を指します。

治療として制酸剤・粘膜保護剤を飲んでいただきました。

 <治療内容>

①制酸剤

胃酸分泌過多を抑えることで、胃痛が出ないようにします。

②胃粘膜保護剤

胃の粘膜を刺激から保護し、痛みを抑えます。

【経過】

内服開始してしばらくすると胃痛は6割くらいになったものの、完全には取れない状態でした。

胃酸分泌過多だけではなく、粘膜の知覚過敏も関与していると考え、知覚過敏を抑えるような漢方薬を追加したところ、痛みは徐々に改善しました。

今回の胃痛は環境の変化によって悪化しており、今後変化に体が順応することで落ち着くと考えますが、しばらく時間がかかりそうとのことでそのまま薬と漢方を継続し経過を見ています。

【院長からのコメント】

機能性ディスペプシアによつ胃痛は胃酸分泌過多の他に粘膜の知覚過敏も関与しているといわれ、制酸剤があまり効かない場合に知覚過敏に有効な漢方などを使用すると症状が改善するケースがよく見られ、当院では漢方を組み合わせる治療も行っております。(漢方も保険診療にて処方できます。)

【まとめ】

  • 検査で異常がなくても胃痛が続く場合、機能性ディスペプシアの可能性があります

  • 早期の診断と治療で、生活の質が大きく改善します

  • 当院では西洋薬と漢方薬を組み合わせた保険診療が可能です

胃痛や体重減少が続く方は、我慢せずご相談ください
胃カメラは苦痛を抑える鎮静にも対応。Web予約は24時間可能です。

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献:※1Miwa H, Sakaki N, Sugano K, et al. Recurrent peptic ulcers in patients following successful Helicobacterpylori eradication: a multicenter study of 4940 patients. Helicobacter 2004; 9: 9-16

※2Sugano K. Effect of Helicobacter pylori eradication on the incidence of gastric cancer: a systematic review and meta-analysis. Gastric Cancer 2019;

 

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