便秘中に突然の激しい腹痛・冷や汗…原因は虚血性腸炎?20代女性の実際の治療例
「便秘が続くけどいつものことだから大丈夫だろう」
——そう思っていた20代女性に、夜間突然の激しい腹痛が襲いました。
排便してもまったく良くならず、冷や汗が出るほどの痛みで救急へ。
検査の結果、大腸に炎症があると言われ、翌朝当院を受診され検査の結果“虚血性腸炎”と診断されました。
実は若い方でも“虚血性腸炎”が起こることがあり、背景には便秘や腸の動きの乱れが関わっています。
今回は当院で実際に診断した症例をわかりやすく紹介します。
便秘や急激な腹痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
池袋で便秘・腹痛・血便にお困りの方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、便秘、腹痛、下痢、血便などの症状に対して、診察・腹部エコー・大腸カメラを組み合わせて原因を確認しています。
「便秘だと思っていたけれど痛みが強い」「排便後も腹痛が残る」「大腸の病気が心配」という方はご相談ください。
便秘中の強い腹痛を起こす主な原因
便秘中に強い腹痛が出た場合、まず便がたまって腸が張っている状態を考えます。しかし、冷や汗が出るほどの痛みや、排便しても改善しない痛みがある場合は、腸に炎症や血流障害が起きている可能性もあります。
| 考えられる原因 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 便秘による腸管拡張 | 便やガスがたまり、お腹が張る・痛む | 排便で軽くなることもありますが、強い痛みが続く場合は要注意 |
| 虚血性腸炎 | 大腸の血流が一時的に低下し、炎症が起こる | 突然の腹痛、下痢、血便、冷や汗を伴うことがあります |
| 感染性腸炎 | 細菌やウイルスによる腸の炎症 | 発熱、吐き気、下痢を伴うことがあります |
| 大腸憩室炎 | 大腸のくぼみに炎症が起こる | 限局した腹痛、発熱、炎症反応上昇がみられることがあります |
| 腸閉塞 | 便やガスの通過が悪くなる | 嘔吐、強い腹部膨満、排便・排ガス停止を伴う場合は早急な対応が必要です |
| 炎症性腸疾患 | 潰瘍性大腸炎・クローン病など | 下痢、血便、腹痛が長引く場合に鑑別が必要です |
| 大腸がん・大腸ポリープ | 便通異常、血便、腹痛などで見つかることがある | 若年でもゼロではないため、症状が続く場合は検査が大切です |
便秘に腹痛が重なっている場合は、便秘症の原因・治療法や、胃痛・腹痛外来もあわせてご確認ください。
虚血性腸炎について
虚血性腸炎とは、大腸の一部に一時的に血液が届きにくくなり、大腸粘膜に炎症や出血が起こる病気です。
大腸の血流が落ちる原因は一つではありません。動脈硬化、脱水、血圧低下、薬剤、便秘による腸管内圧の上昇など、複数の要因が重なって発症すると考えられています。
今回の症例では、5日間排便がないほど便秘が悪化していたことが大きな誘因になった可能性があります。
虚血性腸炎について詳しく知りたい方は、虚血性腸炎の原因・症状・治療法も参考にしてください。
実際の治療例|20代女性「便秘中に起こった激しい腹痛」
【症状】
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もともと便秘気味
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最近はさらに悪化し 5日間排便なし
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夜間に突然の強い腹痛
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「便が出れば治る」と思いトイレへ → 排便しても改善せず
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冷や汗が出るほどの痛みで救急受診
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CTで“大腸の炎症”が疑われ、近くの医療機関で早めに大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けるうよう指示。
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一旦痛み止めの点滴を受け帰宅。翌朝当院を受診
【診察】
来院時はまだ下腹部痛が続いており、発症経過と症状から以下の疾患を考えました。
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虚血性腸炎
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感染性腸炎
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大腸憩室炎
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腸閉塞
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
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大腸がん(若年でもゼロではない)
若い方でも、腹痛の原因は多岐にわたり、CTで大腸炎の疑いもあったため、確定診断のため大腸内視鏡(大腸カメラ)を行いました。
【大腸内視鏡検査】
大腸内視鏡では、下行結腸~S状結腸にかけて区域性の炎症を認め、虚血性腸炎と診断しました。
穿孔や狭窄などの重症所見はなく、外来治療可能な状態と考えました
<実際の内視鏡画像>
虚血性腸炎に特徴的な片側性(画面の下の方のみ)の大腸の浮腫・発赤・出血といった強い炎症を認めました。
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【治療】
今回の患者さんは、重症所見がなく、外来での保存的治療で改善しました。
行った治療
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食事制限(刺激の少ない食事)
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整腸剤
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腸の血流を上げる漢方
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水分補給
数日で痛みは軽快。
その後は再発予防のため、便通コントロール(漢方+生活改善)を継続し、再発なく生活されています。
虚血性腸炎の再発予防のために大切なこと
虚血性腸炎は一度改善しても、便秘や脱水、生活リズムの乱れが続くと再発することがあります。
特に便秘が背景にある方では、痛みが落ち着いたあとも「再発させないための便通管理」が重要です。
再発予防のポイント
- 排便を我慢しすぎない
- 水分をこまめに摂る
- 食事量を極端に減らさない
- 急なダイエットを避ける
- 便秘が続く場合は早めに相談する
- 自己判断で刺激性下剤を増やしすぎない
- 腹痛や血便がある場合は検査を検討する
便秘が続く方は、便秘症の原因・治療法もあわせてご覧ください。
受診の目安
便秘中の腹痛でも、軽い張りや一時的な痛みであれば、排便や水分補給で改善することもあります。
しかし、次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 冷や汗が出るほどの強い腹痛
- 夜間に突然始まった激しい腹痛
- 排便しても腹痛が改善しない
- 下痢や血便を伴う
- 発熱がある
- 吐き気・嘔吐を伴う
- お腹の張りが強く、便やガスが出ない
- 痛みが数時間以上続く
- 過去に大腸炎や大腸ポリープを指摘されたことがある
- 体重減少や貧血を伴う
特に、強い腹痛、血便、嘔吐、腹部膨満がある場合は、緊急性の高い病気が隠れていることもあります。
池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。
池袋周辺で、便秘中の強い腹痛がある方は、お力になれますのでお気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
院長からのコメント
虚血性腸炎は高齢者に多いイメージがありますが、若い方でも便秘や生活習慣が背景にあると起こり得ます。
「便が出れば治るはず」と思ってしまいがちですが、排便しても強い痛みが続く場合は要注意です。
特に
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冷や汗が出る
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夜間に突然の激痛
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排便しても治らない
-
下痢や血便を伴う
などの症状があれば、早めの受診をおすすめします。
池袋上田胃腸クリニックでは、即日の腹部エコーや早期の大腸内視鏡検査を行い、早期診断に努めています。
お困りの方はぜひご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法、大腸に合わせたカメラの選択で苦しくない内視鏡検査
- オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 下剤の工夫による負担の少ない前処置
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土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問(FAQ)
Q1. 虚血性腸炎は若くても起きますか?
A. 起きます。便秘や脱水、ストレスなどが引き金になることがあります【1】。
Q2. 排便しても腹痛が治らない理由は?
A. 便秘だけでなく、腸の炎症や虚血が原因の場合は改善しません。
Q3. 血便がないと虚血性腸炎ではありませんか?
A. そうとは限りません。今回のように血便はなく腹痛だけのタイプもあります。
Q4. 入院が必要になるケースは?
A. 強い炎症、穿孔や大量出血を伴う場合です。
Q5. 便秘薬はずっと使い続けても大丈夫?
A. 医師管理のもとであれば安全です。再発予防に役立ちます。
Q6. 虚血性腸炎は再発しますか?
A. 便秘や生活習慣が改善されないと再発しやすいと報告があります【1】。
Q7. 大腸カメラは痛いですか?
A. 当院では鎮静剤を使用し、ほとんど眠った状態で検査できます。
▶無痛大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
Q8. 市販薬で治りますか?
A. 原因が炎症の場合、市販薬では改善しません。
Q9. 虚血性腸炎と大腸がんは関係ありますか?
A. 直接的な関連はありませんが、症状が似るため鑑別が必要です。
Q10. 便秘が続くと危険ですか?
A. 虚血性腸炎や憩室炎のリスクが上がると言われています【2】。
まとめ
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20代女性、便秘悪化後に夜間の激痛
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排便しても治らず救急へ
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大腸に炎症所見 → 大腸内視鏡で虚血性腸炎と診断
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外来治療で改善
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再発予防として便通コントロールが重要
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胃痛・腹痛外来|胃痛や腹痛を起こす原因や必要な検査について専門医の院長が解説
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
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参考文献
【1】Brandt LJ, et al. Ischemic colitis: clinical practice. N Engl J Med.
【2】Martinez C, et al. Constipation and risk of colonic ischemia. Gastroenterology.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
