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実際の治療例 【検診でピロリ菌を指摘されたが放置していたら十二指腸潰瘍になった】

[2025.07.10]

「検診でピロリ菌を指摘されたけれど、自覚症状がないから大丈夫」と思って放置していませんか?

ピロリ菌は胃や十二指腸の粘膜を傷つけ、潰瘍や胃がんを引き起こす大きなリスク因子です。

今回は、検診でピロリ菌陽性を指摘されながら放置し、十二指腸潰瘍を発症した50代男性の実例をもとに、診断から治療・再発予防までの流れを解説します。

当院ではWEB予約・電話予約を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

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症例|50代男性「検診でピロリ菌を指摘されたが放置してしまっている」

【症状】

数年前から人間ドックでピロリ菌陽性を指摘されていましたが、自覚症状がないため放置している状態でした。

2週間前頃から空腹時に胃の痛みが続くようになり心配で当院を初診されました。

【診察】

空腹時に感じる胃の痛みは

  • 十二指腸潰瘍
  • 胃酸分泌過多などの胃の機能異常

などの患が原因として考えられ、特にピロリ菌がいる方には胃潰瘍・十二指腸潰瘍のリスクがあるため胃内視鏡(胃カメラ)にて状態をチェックすることにしました。

 

【検査】

胃内視鏡(胃カメラ)を施行したところ、胃にピロリ菌由来の萎縮性胃炎および十二指腸に潰瘍を認め、ピロリ菌による十二指腸潰瘍と診断しました

内視鏡では胃の粘膜の凹凸や色調変化が目立ち、実際にピロリ菌の反応も陽性であり、ピロリ菌由来の萎縮性胃炎と診断しました

十二指腸には白苔を伴った陥凹=潰瘍を認め(青丸部分)、十二指腸潰瘍と診断しました。 潰瘍とは粘膜の表面が炎症によりえぐれて、粘膜下の組織が露出する状態を指します。

【十二指腸潰瘍とは?】

十二指腸潰瘍はピロリ菌薬剤性で発症する粘膜障害で、粘膜が炎症を起こして表面がえぐれてしまう状態です。

胃や十二指腸の粘膜は常に胃酸にさらされていますが、健康な状態では粘膜の防御機能によって胃酸により粘膜が傷つかないようになっています。

ただ、ピロリ菌痛み止めの薬などによりこの防御機能がうまく機能しなくなり、粘膜が傷つきただれてしまい、ついには一部が欠損し潰瘍になってしまいます。

十二指腸潰瘍は空腹時のみぞおちの痛みとして感じることが多く(逆に胃潰瘍の場合は食後の胃痛として感じることが多いです)、悪化すると潰瘍から出血したり穿孔(胃に穴が開くこと)し、緊急内視鏡や緊急手術になることもあります。

【治療】

今回は潰瘍の程度はひどくなく出血もないことから薬で治療することとしました。

①制酸薬

胃酸の分泌過多を抑える薬です。胃酸分泌を抑えることで、胃の粘膜の再生力で潰瘍は治癒していきます。今回はプロトンポンプ阻害薬(PPI)という薬を処方しました。

②粘膜保護薬

粘膜の防御機能を高め、潰瘍による胃痛を抑え改善をより早めます。

 ③食事指導

食事についてはしばらくの間は刺激の少ない粥食や消化のよい和食系のものを召し上がっていくこととしました。

【経過】

投薬開始翌日には痛みは取れ、2週間後の再診時には痛みはほぼなくなったとのことでした。食事は通常食に戻し内服を続け、1か月後の再診時もほぼ問題ない状態でした。

十二指腸潰瘍は90%近くがピロリ菌が原因となっており、今回もピロリ菌が陽性であったため除菌も行うこととしました。

(実際にピロリ菌除菌後の潰瘍の再発率は 1~2%と極めて低いことが報告されています※1。詳しくは、ピロリ菌と潰瘍の関係を参照ください。)

抗生剤と制酸剤の組み合わせを1週間飲んでもらい、1か月後に再診をして頂き、呼気検査にてピロリ菌の除菌成功を確認しました。

ただ、ピロリ菌除菌後も胃がんのリスクがあるため※2、胃カメラは定期的に行っていく方針としています。

院長からのコメント

十二指腸潰瘍胃潰瘍だけでなく、胃がんの原因のほとんどがピロリ菌が関与していることが分かっており、

逆にピロリ菌がいない方はこれらの病気にはほとんどかからないことがわかっています。

(※ただし、極まれですがピロリ菌が関与しない潰瘍や胃がんもあります。)

ドックや検診でピロリ菌を指摘された時点では症状がなくとも、今回のように十二指腸潰瘍を起こしたり将来的な胃がんのリスクにもなり得るため、

ピロリ菌を指摘された際には医療機関を受診し、胃内視鏡検査や除菌治療を行うことが重要です。

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

まとめ

・ピロリ菌は十二指腸潰瘍・胃潰瘍・胃がんの最大の原因

・放置すると潰瘍やがんのリスクが高まる

・除菌で再発率は大幅に低下するが、定期的な胃カメラは必須

👉 検診でピロリ菌を指摘された方は、自覚症状がなくても早めに受診しましょう。

WEB予約はこちら 03-5953-5903(タップで発信)

よくある質問FAQ

Q1. ピロリ菌を除菌すれば胃がんになりませんか?

A. 胃がんリスクは大幅に下がりますが「ゼロ」ではありません。除菌後も定期的な胃カメラが必要です。

Q2. 十二指腸潰瘍の症状は?

A. 空腹時のみぞおち痛が典型的です。出血や穿孔を起こすと緊急処置が必要になります。

Q3. 検診でピロリ菌陽性を言われたが症状がない。受診は必要?

A. 必要です。症状がなくても潰瘍や将来の胃がんリスクがあるため、胃カメラと除菌治療をお勧めします。

Q4. ピロリ菌は自然に治りますか?

A. 自然に消えることはほとんどありません。放置すると胃の粘膜障害が進むため、医療機関での除菌治療が必要です。

Q5. 除菌治療は1回で必ず成功しますか?

A. 成功率は約80〜90%ですが、失敗した場合は薬の組み合わせを変えて再除菌を行うことでほとんどの方で除菌できます。

Q6. ピロリ菌の除菌後も胃カメラは受ける必要がありますか?

A. はい。除菌でリスクは下がりますが「ゼロ」にはなりません。胃がんの早期発見のため、定期的な胃カメラをおすすめします。

▶関連ページ:実際の診療例 【ピロリ菌除菌後10年以上経って発生した胃がん】

当院の胃カメラの特徴

  • ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。

初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

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WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

関連ページ

参考文献

  1. Miwa H, Sakaki N, Sugano K, et al. Recurrent peptic ulcers in patients following successful Helicobacterpylori eradication: a multicenter study of 4940 patients. Helicobacter 2004; 9: 9-16
  2. Sugano K. Effect of Helicobacter pylori eradication on the incidence of gastric cancer: a systematic review and meta-analysis. Gastric Cancer 2019;
  3. 日本ヘリコバクター学会ガイドライン 2023改訂版.

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