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実際の治療例 【突然の右下腹痛で救急受診…原因は尿管結石でした】

[2026.07.12]

この記事はこのような方におすすめです

  • 突然、右下腹部に強い痛みが出た方
  • 腹痛が強くなったり弱くなったり、波を繰り返している方
  • 腹痛とともに冷や汗や吐き気がある方
  • 尿管結石と急性虫垂炎の違いを知りたい方
  • 右下腹部痛でどの診療科を受診すべきか迷っている方

 

この記事でわかること

  • 突然の右下腹部痛を起こす主な病気
  • 尿管結石で激しい痛みが起こる仕組み
  • 尿管結石と急性虫垂炎を見分けるポイント
  • 腹部エコー・尿検査・血液検査・CTの役割
  • 尿管結石の治療と泌尿器科紹介の目安
  • すぐに救急受診した方がよい症状

 

「昼過ぎから急にお腹の右下が強く痛み出し、冷や汗が止まらない…」

このような症状があると、まず急性虫垂炎、いわゆる盲腸を心配する方が多いと思います。

しかし、右下腹部の激しい痛みは、腸の病気だけでなく、尿管結石でも起こります。

今回ご紹介するのは、昼過ぎから突然、冷や汗を伴う激しい右下腹部痛が出現し、腹部エコーで右尿管結石と診断した50代男性の治療例です。

急激な下腹部痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、診察、血液検査、レントゲン、腹部エコーなどを組み合わせ、腹痛の原因を確認しています。

突然の強い腹痛は、自己判断せず早めにご相談ください

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

 

突然の右下腹部痛を起こす主な原因

右下腹部には、虫垂、大腸、小腸、右尿管などがあります。

そのため、右下腹部が痛む場合には、消化器の病気だけでなく、泌尿器や婦人科の病気も含めて考える必要があります。

尿管結石

腎臓でできた結石が尿管に移動し、尿の流れを妨げることで痛みが起こります。

痛みは突然始まり、非常に強くなったり、少し落ち着いたりする「波のある痛み」になりやすいことが特徴です。

結石が尿管の下の方まで移動すると、脇腹や背中ではなく、下腹部、鼠径部、陰部付近に痛みを感じることがあります。

急性虫垂炎

虫垂に炎症が起こる病気です。

みぞおちやおへそ周囲の痛みから始まり、数時間から半日ほどかけて右下腹部へ移動することがあります。発熱、吐き気、食欲不振を伴うこともあります。

大腸憩室炎

大腸の壁にできた袋状のくぼみである「憩室」に炎症が起こる病気です。

右側の大腸に炎症が起こると、急性虫垂炎に似た右下腹部痛や発熱が現れることがあります。

感染性腸炎

細菌やウイルスなどによって腸に炎症が起こる病気です。

腹痛だけでなく、下痢、嘔吐、発熱などを伴うことが多く、数日前の食事内容や周囲の流行状況も診断の手がかりになります。

そのほかの病気

  • 鼠径ヘルニアの嵌頓
  • 腸閉塞
  • クローン病などの炎症性腸疾患
  • 女性の場合は卵巣茎捻転、卵巣出血、異所性妊娠など

右下腹部痛は、症状だけで病名を決めることが難しいため、診察と検査を組み合わせて判断することが大切です。

尿管結石とは?

尿管結石とは、腎臓で作られた結石が、腎臓と膀胱をつなぐ細い管である「尿管」に移動した状態です。

尿管は細いため、結石が引っかかると尿の流れが悪くなります。

結石より上流側の尿管や腎臓に圧力がかかることに加え、尿管が結石を押し出そうと収縮することで、激しい疝痛発作が起こります。

痛みは、一般的な腹痛とは異なり、じっとしていられず、体勢を何度も変えたくなるほど強くなることがあります。

尿管結石でみられる主な症状

  • 突然始まる脇腹、背中、下腹部の激痛
  • 強くなったり弱くなったりする波のある痛み
  • 冷や汗
  • 吐き気、嘔吐
  • 血尿
  • 頻尿、残尿感
  • 鼠径部や陰部へ響く痛み

血尿が目で見えないこともあるため、「血尿がないから尿管結石ではない」とは限りません。

実際の治療例|50代男性【昼過ぎからの急激な右下腹痛】

【症状】

本日昼14時ころから急激な右下腹痛が出現。

冷や汗が出るような強い痛みが断続的に続くとのことで当院を受診されました。

 

【診察】

急激に発症する右下腹痛という症状からは

  1. 食あたりなどによる感染性腸炎
  2. 急性虫垂炎
  3. 大腸憩室炎
  4. 尿管結石

などが考えられ、まずは腹部エコーやレントゲン・血液検査で状態を評価してみることとしました。

 

【検査】

腹部レントゲンでは異常ガスなどはありませんでしたが、

腹部エコーでは右尿管の中に結石を認め尿管結石と診断しました。

右尿管内に白く映る結石を認め尿管結石と診断した腹部エコー画像

実際のエコー画像です。膀胱に続く尿管内に白い結石を認め、尿管結石と診断しました。

腹部エコーについて詳しく知りたい方へ

▶腹痛の原因精査に役立つ腹部エコー

 

【治療】

  • 疼痛に対して鎮痛薬を処方

  • 結石排出促進のため、溶解作用・抗炎症作用・利尿作用をもつ薬剤を投与

  • 水分摂取を積極的に行うよう指導

翌日の再診では痛みは消失し、エコーでも結石は消えており治療終了となりました。

尿管結石は自然に排出されますか?

尿管結石が自然に排出される可能性は、主に結石の大きさと位置によって変わります。

欧州泌尿器科学会のガイドラインでは、5mm未満の尿管結石の約75%が自然排石したと報告されています。また、膀胱に近い下部尿管の小さな結石ほど、自然排石しやすい傾向があります1。

ただし、小さな結石でも必ず自然に出るわけではありません。

次のような場合には、泌尿器科で体外衝撃波結石破砕術、尿管鏡による結石除去、尿管ステント留置などを検討します。

  • 鎮痛薬を使用しても強い痛みが続く
  • 結石が大きく、自然排石が期待しにくい
  • 尿路の閉塞が続いている
  • 腎機能が低下している
  • 片方しか腎臓がない
  • 発熱や尿路感染を伴っている

痛みが続く場合には、無理に経過をみるのではなく、泌尿器科への紹介が必要です。

尿管結石の再発予防

尿管結石は一度治っても、再び結石ができることがあります。

再発を繰り返す場合には、排出された結石の成分分析、血液検査、尿検査などを行い、結石ができやすい原因を調べることが大切です。

日常的に十分な水分をとる

再発予防では、尿が濃くならないよう、日常的に十分な水分をとることが重要です。

成人に対して1日2.5~3L程度の水分摂取が提案されています2。ただし、心臓病、腎臓病などで水分制限を受けている方は、自己判断で増やさず主治医に確認してください。

また、激しい痛みや嘔吐がある急性期に、一度に大量の水を無理に飲む必要はありません。飲める範囲で少量ずつ摂取し、脱水を避けることが大切です。

塩分をとりすぎない

塩分摂取が多いと尿中へのカルシウム排泄が増え、カルシウム結石ができやすくなることがあります。

成人では食塩摂取量を1日6g以下にすることが、再発予防の一つとして推奨されています2。

カルシウムを極端に制限しない

カルシウム結石だからといって、食事中のカルシウムを極端に減らす必要はありません。

食事で適量のカルシウムをとることで、腸内でカルシウムとシュウ酸が結合し、シュウ酸の吸収を抑えられることがあります。

シュウ酸の多い食品を偏って食べすぎない

ほうれん草、たけのこ、ナッツ類、チョコレート、濃いお茶などにはシュウ酸が多く含まれます。

完全に禁止する必要はありませんが、大量に偏って摂取することは避け、カルシウムを含む食品と一緒にとることがポイントです。

受診の目安

当日中に医療機関を受診した方がよい症状

  • 突然、強い脇腹痛や下腹部痛が出た
  • 痛みが強くなったり弱くなったりする
  • 腹痛とともに冷や汗や吐き気がある
  • 血尿が出た
  • 痛みを繰り返している
  • 尿管結石か虫垂炎か分からない

救急受診を検討すべき症状

  • 38℃前後の発熱や悪寒がある
  • 震えるほどの寒気がある
  • 尿がほとんど出ない
  • 鎮痛薬を使用しても激痛が続く
  • 嘔吐が続き、水分をとれない
  • 意識がもうろうとしている
  • 片方しか腎臓がない方に強い痛みが出た
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方に強い腹痛が出た

結石によって尿の流れが塞がれ、そこに細菌感染を起こすと、重い感染症につながることがあります。

発熱や悪寒を伴う尿管結石は、尿管ステントや腎瘻による緊急ドレナージが必要になる可能性があるため、早急な評価が必要です1。

突然の腹痛を我慢しないでください

右下腹部痛は、尿管結石だけでなく、急性虫垂炎や大腸憩室炎などでも起こります。

池袋上田胃腸クリニックでは、症状に応じて診察、血液検査、腹部エコーなどを行い、必要な場合にはCT検査や泌尿器科治療が可能な医療機関へご紹介します。

WEB予約はこちら

電話予約:03-5953-5903

院長コメント

尿管結石の痛みは非常に強く、冷や汗や吐き気を伴うことも少なくありません。

一方、右下腹部痛では、急性虫垂炎、大腸憩室炎、感染性腸炎など、消化器の病気も考える必要があります。

今回の症例では腹部エコーで尿管内の結石を確認できましたが、すべての尿管結石がエコーで見えるわけではありません。

症状や診察所見から重大な病気を除外できない場合には、CT検査や泌尿器科での診察が必要です。

「そのうち治るだろう」と強い痛みを我慢せず、突然の腹痛や繰り返す腹痛がある場合は早めにご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問FAQ

Q1.尿管結石で右下腹部が痛くなることはありますか?

あります。結石が右側の尿管、特に膀胱に近い下部尿管まで移動すると、右下腹部、鼠径部、陰部付近に痛みを感じることがあります。

 

Q2.尿管結石と急性虫垂炎はどう見分けますか?

尿管結石は突然始まり、強くなったり弱くなったりする波のある痛みになりやすい傾向があります。急性虫垂炎は、みぞおちやおへそ周囲から右下腹部へ痛みが移動し、発熱や食欲不振を伴うことがあります。ただし、症状だけでは区別できないことも多いため、診察、血液検査、尿検査、腹部エコー、CTなどで判断します。

 

Q3.尿管結石の痛みには波がありますか?

結石を押し出そうとして尿管が収縮するため、痛みが非常に強くなったり、少し落ち着いたりすることがあります。ただし、炎症や閉塞の程度によっては、持続的に痛むこともあります。

 

Q4.血尿がなければ尿管結石ではありませんか?

血尿がない場合でも尿管結石の可能性はあります。目で見える血尿がなくても、尿検査で少量の血液が確認されることがあります。また、尿検査で血尿を認めない症例もあるため、症状や画像検査を合わせて判断します。

 

Q5.腹部エコーだけで尿管結石を診断できますか?

今回の症例のように、腹部エコーで尿管内の結石を直接確認できることがあります。一方、腸管ガス、結石の位置、体格などによって見えないこともあります。エコーで診断できない場合や、ほかの病気を除外できない場合にはCT検査が必要です。

 

Q6.尿管結石では必ずCTを受けますか?

必ずしも全員にCTが必要とは限りません。症状、診察所見、尿検査、血液検査、腹部エコーなどで診断できる場合もあります。ただし、診断が不明確な場合、強い痛みが続く場合、急性虫垂炎など別の病気が疑われる場合にはCTが有用です。

 

Q7.尿管結石は自然に出ますか?

小さな結石や膀胱に近い位置にある結石は、自然に排出される可能性があります。ただし、結石が大きい場合、尿路閉塞が続く場合、痛みが治まらない場合には、泌尿器科での処置が必要です。

 

Q8.尿管結石が出るまでどのくらいかかりますか?

数日で排出されることもあれば、数週間かかることもあります。結石の大きさ、位置、尿管の状態によって異なります。痛みが治まっても結石が残っていることがあるため、医師の指示に従って再検査を受けることが大切です。

 

Q9.尿管結石のときは水を大量に飲んだ方がよいですか?

日常的な十分な水分摂取は再発予防に重要です。ただし、激しい痛みや嘔吐があるときに、一度に大量の水を無理に飲む必要はありません。飲める範囲で少量ずつ摂取し、水分をとれない場合は医療機関を受診してください。

 

Q10.尿管結石で発熱した場合はどうすればよいですか?

尿管結石による尿路閉塞に感染を伴うと、重い感染症になる可能性があります。発熱、悪寒、震え、強い倦怠感、尿が出ないなどの症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、救急医療機関を受診してください。

まとめ

✅ 尿管結石は突然の右下腹部痛の代表的な原因
✅ 腹部エコーで速やかに診断可能
✅ 投薬治療と水分摂取で改善するケース多数
✅ 再発予防には食事管理+1日2L以上の水分摂取が有効

強い腹痛が出た場合は、我慢せず速やかに受診してください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903(タップで発信)

医師紹介・アクセス・診療時間

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

診療時間

診療時間 月 火 水 木 金 土 日
8:30〜12:30 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
13:30〜17:00 〇 〇 〇 〇 × 〇 〇

休診日:金曜日午後・祝日

診療は完全予約制です。

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

関連ページ

参考文献

  1. European Association of Urology. EAU Guidelines on Urolithiasis. 2026.
  2. National Institute for Health and Care Excellence. Renal and ureteric stones: assessment and management. NICE guideline NG118.
  3. 日本泌尿器科学会・日本尿路結石症学会・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会編.尿路結石症診療ガイドライン 第3版.2023.
  4. Borghi L, Meschi T, Amato F, et al. Urinary volume, water and recurrences in idiopathic calcium nephrolithiasis: a 5-year randomized prospective study. J Urol. 1996;155:839-843.
  5. Pathan SA, Mitra B, Cameron PA. A systematic review and meta-analysis comparing the efficacy of NSAIDs, opioids, and paracetamol in the treatment of acute renal colic. Eur Urol. 2018;73:583-595.
  6. Jendeberg J, Geijer H, Alshamari M, et al. Size matters: the width and location of a ureteral stone accurately predict the chance of spontaneous passage. Eur Radiol. 2017;27:4775-4785.

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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