実際の治療例 【突然の右下腹痛で救急受診…原因は尿管結石でした】
「昼過ぎから急にお腹の右下が強く痛み出し、冷や汗が止まらない…」
そんな症状で当院を受診された50代男性の診療例をご紹介します。
尿管結石はある日突然、激しい腹痛を引き起こす病気です。
診断・治療の流れを知ることで、同じような症状のときに適切に受診できるきっかけになると思います。
当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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症例|50代男性【昼過ぎからの急激な右下腹痛】
【症状】
本日昼14時ころから急激な右下腹痛が出現。
冷や汗が出るような強い痛みが断続的に続くとのことで当院を受診されました。
【診察】
急激に発症する右下腹痛という症状からは
- 食あたりなどによる感染性腸炎
- 急性虫垂炎
- 大腸憩室炎
- 尿管結石
などが考えられ、まずは腹部エコーやレントゲン・血液検査で状態を評価してみることとしました。
【検査】
腹部レントゲンでは異常ガスなどはありませんでしたが、
腹部エコーでは右尿管の中に結石を認め尿管結石と診断しました。

実際のエコー画像です。膀胱に続く尿管内に白い結石を認め、尿管結石と診断しました。
【治療】
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疼痛に対して鎮痛薬を処方
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結石排出促進のため、溶解作用・抗炎症作用・利尿作用をもつ薬剤を投与
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水分摂取を積極的に行うよう指導
翌日の再診では痛みは消失し、エコーでも結石は消えており治療終了となりました。
尿管結石の特徴と再発予防
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発症は突然の激痛(疝痛発作)
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痛みは波があり、落ち着いたり再燃したりを繰り返す
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腰を叩くと鋭い痛みが走るのが特徴的
多くは投薬+水分摂取で改善しますが、排出されない場合は泌尿器科で**体外衝撃波結石破砕術(ESWL)**などを行います。
尿管結石は食事によるシュウ酸の摂取などが原因となることが多く【1】再発予防には食生活の見直しと十分な水分摂取が重要です。
実際に1日2,000mL以上の水分摂取で、再発リスクを61%低下させると報告されています【2】。
まとめ
✅ 尿管結石は突然の右下腹部痛の代表的な原因
✅ 腹部エコーで速やかに診断可能
✅ 投薬治療と水分摂取で改善するケース多数
✅ 再発予防には食事管理+1日2L以上の水分摂取が有効
強い腹痛が出た場合は、我慢せず速やかに受診してください。
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よくある質問FAQ
Q1:尿管結石の痛みはどのくらい続きますか?
A:数時間~数日間続くことが多く、薬で和らぐ場合もありますが、繰り返すことがあります。
Q2:自然に治ることはありますか?
A:5mm以下の結石は自然排出されることが多いですが、大きい場合は処置が必要になります。
Q3:尿管結石は再発しやすいですか?
A:再発率は50%前後とされ、食生活と水分摂取による予防が重要です。
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
- 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
- その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)
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関連ページ
参考文献
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Holmes RP, Goodman HO, Assimos DG. Dietary oxalate and its intestinal absorption. Scanning Microsc. 1995;9:1109-18.
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Fink HA, Akornor JW, Garimella PS, et al. Diet, fluid, or supplements for secondary prevention of nephrolithiasis: a systematic review and meta-analysis of randomized trials. Eur Urol. 2009;56:72-80.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
