【痔と思ったら危険】排便時の出血で見つかった大腸ポリープ|実際の治療例
「排便時に血が出る」「トイレットペーパーに血が付く」という症状があると、多くの方がまず「痔かな?」と考えると思います。
実際に、排便時の出血の原因として痔や裂肛は多いですが、実は、痔とよく似た症状を示す大腸ポリープや大腸がんによる出血もあります。
今回は「痔」と診断されて治療していたものの排便時の出血が続き、、当院で大腸カメラを受けた結果、巨大な大腸ポリープが見つかった30代男性の実例をご紹介します。
同じように「痔だと思っているけれど、出血がなかなか治らない」「排便時の出血が繰り返しある」という方は、自己判断で様子を見続けず、一度ご相談ください。
排便時の出血が続く方へ
「痔だと思うから大丈夫」と思っていても、出血が続く場合や繰り返す場合は、大腸ポリープ・大腸がん・大腸炎などの確認が必要です。 当院では、血便や排便時出血の診察、大腸カメラ、必要に応じた大腸ポリープ切除まで対応しています。
排便時の出血を起こす主な原因
排便時の出血というと、まず痔を思い浮かべる方が多いですが、出血の原因は肛門だけでなく、直腸や大腸の中にあることもあります。
特に「鮮血だから痔」とは言い切れません。直腸やS状結腸など肛門に近い大腸の病気でも、鮮やかな赤い血が出ることがあります。
- 痔核:排便時に鮮血が出る、拭いた紙に血が付く
- 裂肛:硬い便やいきみで肛門が切れて出血する
- 大腸ポリープ:便がこすれることで出血することがある
- 大腸がん・直腸がん:少量の出血が繰り返されることがある
- 潰瘍性大腸炎などの大腸炎:血液や粘液が混じることがある
- 感染性腸炎・虚血性腸炎:腹痛や下痢を伴って血便が出ることがある
▶血便全般について詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。
関連ページ:
血便の原因と治療について
大腸カメラについて
大腸ポリープとは?
大腸ポリープとは、大腸の粘膜から盛り上がるようにできる「いぼ状」または「平らな隆起性の病変」です。 多くは良性ですが、種類や大きさによっては将来的に大腸がんへ進展する可能性があります。
大腸ポリープは小さいうちは無症状のことが多いですが、ポリープが大きくなると、便が通るときにこすれて出血することがあります。 そのため、今回のように「排便時の出血」として見つかることがあります。
大腸カメラ(内視鏡検査)では、ポリープの場所・大きさ・形・出血の有無を直接確認できます。 切除可能なポリープであれば、その場で内視鏡的に切除できる場合もあります。
実際の症例|30代男性「排便時の出血が治らない」
【症状】
数か月前から排便時の出血があり、肛門科にて「痔」という診断を受け軟膏で治療を受けていましたが、出血が度々起こるとのことで当院を受診されました。
【診察】
問診では便の色自体は正常であり腹痛などもなく、痔出血に合致する出血のパターンでしたが、直腸診を行ってみると目立つ痔核はなく、他の原因が考えられるため大腸カメラを行いました。
【検査】【治療】
大腸内視鏡ではやはり痔核は認めず、直腸とS状結腸の境目付近に巨大なポリープを認め、同部位からの出血を疑い内視鏡的に切除しました。


【経過】
切除後から出血はなくなり、今回の血便も出血源と考えられました。
また、ポリープ切除後の経過は良好で、合併症も認めませんでした。 切除したポリープは病理検査に提出し、結果は良性でした。 その後、状態をご本人に説明し、今回の治療は終了となりました。
痔の出血と大腸ポリープ・大腸がんの出血の違い
痔の出血では、排便時に鮮血が出る、便の表面に血が付く、トイレットペーパーに血が付くといった症状がよく見られます。
しかし、直腸やS状結腸など肛門に近い大腸の病変でも、同じように鮮血が出ることがあります。 そのため、「鮮血だから痔」と自己判断するのは危険です。
| 原因 | 出血の特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 痔・裂肛 | 鮮血、排便時の痛み、紙に血が付く | 比較的多い原因ですが、痔だけとは限りません。 |
| 大腸ポリープ | 少量の出血を繰り返すことがある | 無症状のことも多く、大腸カメラで見つかることがあります。 |
| 大腸がん・直腸がん | 血便、便通異常、便が細い、残便感など | 初期は症状が目立たないこともあります。 |
| 大腸炎 | 血液や粘液、下痢、腹痛を伴うことがある | 感染性腸炎や潰瘍性大腸炎などの確認が必要です。 |
排便時の出血で受診をおすすめする目安
以下に当てはまる場合は、痔と自己判断せず、消化器内科での診察や大腸カメラを検討してください。
- 排便時の出血が繰り返しある
- 痔の治療をしても出血が改善しない
- 便に血が混じる
- 血液だけでなく粘液も混じる
- 便が細くなった
- 便秘や下痢など便通の変化が続く
- 腹痛や体重減少を伴う
- 便潜血検査で陽性を指摘された
- 大腸ポリープや大腸がんの家族歴がある
- 40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない
便潜血陽性を指摘された方は、こちらもご参照ください。
健診で便潜血陽性と言われたら
院長コメント
排便時の出血は、日常診療でも非常に多い症状です。 もちろん痔や裂肛が原因のことも多いのですが、今回のように「症状だけでは痔のように見える」場合でも、大腸ポリープが隠れていることがあります。
特に、痔の治療をしても出血が続く場合、明らかな痔核が見当たらない場合、出血を繰り返している場合には、大腸カメラでの大腸の中を確認することが重要です。
大腸ポリープは、早い段階で見つかれば内視鏡で切除できることがあります。 また、腺腫性ポリープの切除は将来の大腸がん予防にもつながることが報告されています【2】。
池袋で大腸カメラをご希望の方へ
当院では、血便・便潜血陽性・排便時出血・大腸ポリープが心配な方の診察を行っています。
検査に不安がある方にも配慮し、鎮静剤を使用した無痛大腸カメラにも対応し、必要に応じて大腸ポリープ切除まで行います。
「痔だと思うから大丈夫」と我慢し続けるのではなく、出血が続く場合は一度ご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
- オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
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土日対応、事前診察は原則不要
よくある質問
Q. 排便時に血が出たら、原因は痔ですか?
A. 痔や裂肛が原因のことは多いですが、すべてが痔とは限りません。大腸ポリープ、大腸がん、直腸がん、大腸炎などでも排便時の出血が起こることがあります。出血が続く場合や繰り返す場合は、消化器内科での確認をおすすめします。
Q. 鮮血なら痔と考えて大丈夫ですか?
A. 鮮血は痔でよく見られますが、肛門に近い直腸やS状結腸のポリープ・がんでも鮮血が出ることがあります。「鮮血だから痔」とは言い切れません。
Q. 痔の薬を使っても出血が治らない場合はどうすればいいですか?
A. 痔の治療をしても出血が続く場合は、痔以外の原因を確認する必要があります。直腸診や大腸カメラで、大腸ポリープ・大腸がん・大腸炎などがないかを調べることが大切です。
Q. 30代でも大腸ポリープはできますか?
A. できます。大腸ポリープは中高年に多い病気ですが、30代でも見つかることがあります。特に血便や排便時の出血など症状がある場合は、年齢だけで判断せず検査を検討します。
Q. 大腸ポリープは出血することがありますか?
A. はい。大腸ポリープは無症状のことも多いですが、大きくなると便がこすれることで出血することがあります。今回の症例でも、排便時の出血をきっかけに大腸ポリープが見つかりました。
Q. 大腸ポリープは放置すると大腸がんになりますか?
A. すべての大腸ポリープががんになるわけではありません。ただし、腺腫性ポリープなど一部のポリープは、時間をかけて大腸がんに進展する可能性があります。そのため、必要に応じて内視鏡で切除することが大切です。
Q. 大腸カメラでポリープが見つかったら、その場で切除できますか?
A. ポリープの大きさ、形、場所、出血リスクなどによって異なりますが、切除可能と判断されるポリープは内視鏡で切除できることがあります。大きいものやがんが疑われるものでは、専門施設での治療が必要になる場合もあります。
Q. 排便時の出血が1回だけなら様子を見てもいいですか?
A. 硬い便で肛門が切れたなど、一時的な出血のこともあります。ただし、出血量が多い、繰り返す、便に血が混じる、腹痛や便通異常を伴う場合は早めに受診してください。
Q. 便潜血検査が陰性なら大腸ポリープはありませんか?
A. 便潜血検査が陰性でも、大腸ポリープや大腸がんが絶対にないとは言い切れません。出血がある時期と検査のタイミングが合わないこともあります。症状が続く場合は、便潜血の結果だけで判断せず医師に相談しましょう。
Q. 池袋で排便時の出血や大腸カメラの相談はできますか?
A. はい。当院では、排便時の出血、血便、便潜血陽性、大腸ポリープが心配な方の診察や大腸カメラに対応しています。症状が続く場合は、WEB予約またはお電話でご相談ください。
まとめ
排便時の出血は、痔や裂肛など比較的よくある病気で起こることもあります。 しかし、今回の症例のように、痔だと思っていた出血の原因が大腸ポリープだったということもあります。
- 排便時の出血は痔だけでなく、大腸ポリープや大腸がんでも起こる
- 鮮血でも、直腸やS状結腸の病変が原因のことがある
- 痔の治療で改善しない場合は、大腸カメラで確認することが大切
- 大腸ポリープは内視鏡で切除できることがある
- ポリープ切除は将来の大腸がん予防につながる可能性がある
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ” を心がけています。
初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック
JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。
(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
WEB予約は【こちら】
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 検査」
- Zauber AG, et al. Colonoscopic Polypectomy and Long-Term Prevention of Colorectal-Cancer Deaths. N Engl J Med. 2012;366:687-696.
- Gupta S, et al. Recommendations for Follow-Up After Colonoscopy and Polypectomy: A Consensus Update by the US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Gastrointest Endosc. 2020;91(3):463-485.e5.
- Rex DK, et al. Colorectal Cancer Screening: Recommendations for Physicians and Patients from the U.S. Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Gastroenterology. 2017;153(1):307-323.
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
