メニュー

実際の治療例 【長引く下痢と腹痛…1日5回以上続いた症状の原因と改善までの経過】

[2025.08.17]

「毎日のように下痢が続き、会社でも何度もトイレに…」

そんな症状が長く続くと、「何か病気では?」と不安になります。

今回ご紹介するのは、数年間続いた下痢と最近の腹痛で受診された30代男性のケース。

検査結果、治療方法、そして症状が改善した経緯まで、同じ悩みをお持ちの方にも役立つ内容です。

 

30代男性 慢性的に下痢が続く 

【症状】

大学卒業後、社会人になってから下痢気味になり、数年前から悪化。

1日5-6回の下痢があり会社でも度々トイレに行かなくてはならず、最近は下腹部の痛みも出てきたため、「大腸がんなどの重大な病気では」と心配し受診されました。

【検査】

症状が長引いていること、そして大腸がんの可能性を心配されていたため、以下の検査を実施しました。

  • 腹部エコー

  • 大腸内視鏡(大腸カメラ)

  • 血液検査

結果は腫瘍や炎症はなく、下痢型の過敏性腸症候群と診断しました。

過敏性腸症候群の内視鏡所見

実際の大腸カメラの画像です

💡ワンポイント
下痢が続く場合は実際に大腸がんや炎症性腸疾患など重大な病気が隠れていることがあります。長引く下痢は自己判断せず、検査を受けることが大切です。

【治療】

お仕事によるストレスも要因のひとつと考えられましたが、環境の大きな変更は難しいため、症状をコントロールしながら生活の質を上げる ことを目標に治療を開始しました。

①食生活の改善

・休肝日をつくる

アルコールは便を緩くする作用があるため、毎日飲酒されていた習慣を休肝日を作り、翌日仕事のない週末に飲むようにしていただきました。

②内服治療

・セロトニン3受容体拮抗薬(イリボー)

下痢型の過敏性腸症候群の方にはかなり効いてくれるお薬です。

ただ量によってはお腹の張りなどの副作用が出てしまったり、やめると症状が再燃することが多いため、過敏性腸症候群の体質を変えていくような整腸剤と漢方薬を併用しました。

・整腸剤

腸内細菌のバランスを整えることで、便通や知覚過敏の改善が期待できます。

・漢方薬(桂枝加芍薬湯)

腸の過蠕動(動きすぎ)や知覚過敏に対して効果があり、下痢や腹痛などの症状だけでなく、体質も改善してくれる効果があります。

・抗不安薬

特に会議前や訪問先に向かう途中などプレッシャーがかかる場面では必ず症状がおこるため、眠気の来ないような軽い抗不安薬を屯用することとしました。

【経過】

薬を飲み始めて2-3日で下痢は減り、腹痛も出にくくなりました。

2週間目の再診時には「ほぼ下痢は落ち着いており、腹痛が時々出る」と言う状況でした。

さらに1か月程経過した頃には症状がほとんど気にならないところまで改善されました。

 

その後は漢方をベースに処方を続け、現在は、

  • 調子が悪くなったらセロトニン3受容体拮抗薬を数日飲んで落ち着ける、
  • プレッシャーがかかるときに抗不安薬を頓服して症状が出ないようにする、

といったような具合で薬を減薬して症状とうまく付き合って頂いています。

 

【院長からのコメント】

薬を減らしても大丈夫になった理由としては、漢方や整腸剤による体質改善に加え、

「下痢や腹痛になったらどうしよう」ストレスが腸に影響し症状を起こす、というストレスと症状の悪循環に陥ってたため、

下痢・腹痛が落ち着いたことで不安要素が改善され、結果減薬していくことにつながったと考えられます。

長引く下痢や腹痛は「放っておけば治る」ではなく、一度しっかり検査を受けてみることをおすすめします。

お悩みの方は当院にご相談ください

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

関連ページ

 

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

■関連ページ■

過敏性腸症候群

なぜ下痢が起こるのか?その原因と治療法は?

大腸内視鏡(大腸カメラ)

腹部エコー

HOME

ブログカレンダー

2025年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME