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実際の治療例【慢性的な右下腹部の痛みに悩まされている】

[2025.07.31]

「なんとなく右下腹部が痛い…」

「大腸カメラで異常なし言われたけど、治らずに不安」

そんな声を耳にすることがあります。

実際に今回ご紹介する20代男性の方も、「過敏性腸症候群」と診断されたものの改善が見られず、当院へ相談に来られました。

結果的には、見逃されがちな小腸の病気「クローン病」が関係していたケースでした。

「検査で異常なし」でも安心できない腹痛の原因について、詳しくご紹介します。

20代 男性 慢性的な右下腹部の痛みに悩まされている

【症状】本当にIBS…?

1年ほど前から右下腹部に何となく違和感や時折軽い鈍痛を感じていました。

3か月ほど前からたまに軟便が出るようになったため心配になり近くの消化器内科を受診したところ、

大腸カメラ検査を受けましたが異常なく「過敏性腸症候群(IBS)」と診断され投薬となりました。

ところが薬を飲んでも症状は改善せず、逆に右下腹部の痛みが気になってしかたがない状態に。

担当医からは「ストレスのせい」と言われましたが、「本当にIBSなのかな…?」と疑問を持ち、当院を受診されました。

【診察・検査】小腸に炎症の兆候

男性の右下腹部の原因として

  • 上行結腸や盲腸などの大腸疾患
  • クローン病やメッケル憩室などの小腸疾患
  • 腹腔内(腸の外側)疾患
  • 腎泌尿器系の疾患

などが考えられます。

大腸カメラでは異常がないとのことで、小腸疾患や腹腔内の病変を調べるため腹部エコー血液検査を行いました。

  • 血液検査: 軽度の炎症反応を認める
  • 腹部エコー: 右下腹部の小腸(回腸末端部)に炎症性変化を確認し、クローン病を疑いました

 

実際のエコー所見です。右下腹部の痛む部位に一致して小腸を認めました。 小腸壁がかなり肥厚しており(点線部分)、同部位に強い炎症があることがわかりました。

炎症部分はかなり血流が豊富であり(赤色部分)、強い炎症が起こっていることを表します。部位・所見からクローン病を強く疑います。

 合わせて読みたい
  • 腹部エコー;実際の検査の方法や流れなどの詳細がご確認いただけます

【治療】クローン病の確定診断へ

クローン病は炎症性腸疾患と呼ばれる体の免疫機構の異常によって腸に慢性的な炎症が起こり、今回のような持続的な腹痛が引き起こす疾患です。

ヒトの体内にはウイルスや細菌が体内に侵入した際に攻撃する免疫細胞(白血球など)がありますが、

この細胞が腸や本来共存すべき腸内細菌に対して攻撃的に働いてしまい、腸の粘膜に慢性的に炎症が引き起こされます。

詳しい原因はまだ完全にはわかっていませんが、最近の研究では以下の要因が関係していると考えられています:

  • 食事内容1)
  • 遺伝子の関与2)
  • 腸内細菌叢の変化3) など

確定診断には小腸造影や小腸内視鏡などの小腸の検査が必要となるため対応可能な高次医療機関への紹介となり、

同院にてクローン病の確定診断となり治療が開始となりました。

※当院では「カプセル内視鏡」による小腸検査にも対応していますが、、クローン病では小腸に狭窄を伴っている可能性があり初回の検査としては行っておりません。

【 医師より一言】「異常なし」でも諦めないでください

大腸カメラで異常が見つからなかったとしても、症状が改善しない腹痛には原因が潜んでいることがあります。

特に、小腸の病気は通常の大腸内視鏡では確認できないため、別の検査が必要になることも。

過敏性腸症候群と診断されても改善がないときは、クローン病などの慢性炎症性腸疾患も視野に入れ、適切な検査・診断を行うことが大切です。

お腹の痛みが続いて心配な方へ

「なんとなく痛むけど、大きな病気じゃないと言われたし…」

「大腸カメラは異常なし。でもまだ痛い…」

そんな方こそ、ぜひ一度ご相談ください。

症状の裏に隠れた原因を見つけるお手伝いをいたします。

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献:1)Sakamoto N, Kono S, Wakai K, et al. Dietary risk factors for inflammatory bowel disease: a multicentercase-control study in Japan. Inflamm Bowel Dis 2005; 11: 154-163

2)Jostins L, Ripke S, Weersma R, et al. Host-microbe interactions have shaped the gene archiyecture of
inflammatory bowel disease. Nature 2012; 491: 119-124

3)Morgan XC, Tickle TL, Sokol H, et al. Dysfunction of the intestinal microbiome in inflammatory bowel disease and treatment. Genome Biol 2012; 13: R79

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