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実際の治療例 【寿司・海鮮後の急な胃痛は要注意!実際にあったアニサキス症例】

[2024.11.16]

「お寿司を食べた後、夜中に急な胃の激痛と吐き気で目が覚めた…」

そんな症状がある場合、アニサキス症の可能性があります。

アニサキスはサバやアジ、イカなどの生魚に潜む寄生虫で、胃や腸の壁に食いつくことで強い痛みを引き起こします。

アニサキスが生きている数日間は痛みが続くため、早期に診断し内視鏡で取り除くことが最も確実な治療法です。

今回は、実際に当院で診断・治療を行った40代女性の症例をご紹介します。

症例|40代女性「寿司を食べた数時間後に嘔吐と激しい胃痛」

【症状】

就寝中に嘔気と胃痛で目が覚め、数回嘔吐しその後も断続的に胃痛が続くとのことで、翌朝当院を受診されました。

【診察】

前日の夕食に寿司を食べたとのことで、症状の原因として

  • アニサキス症
  • 感染性腸炎(食あたり)

を考えました。

どちらなのかで治療方針が全く異なり、またアニサキス症の場合は胃と小腸のどちらかを見極める必要があり、まずは腹部エコーレントゲンで状態を評価することとしました。

【検査・治療】

腹部エコー・レントゲン

レントゲンでは異常所見は認めませんでしたが、腹部エコーで胃の壁の限局的な肥厚を認め、胃のアニサキス症を考え胃カメラを行うこととしました

(参考)

感染性腸炎の場合はレントゲンで異常ガスが出現したり、腹部エコーで腸管の炎症像が描出されます。

また小腸アニサキスの場合は、小腸に限局的な壁の肥厚像を認めます。

胃カメラ

胃の壁に食いついたアニサキスを認め、周囲の粘膜が浮腫を起こしている状態でした。

黄色い中の白く細長いものがアニサキス虫体です。

胃の壁にしっかりと食いついており、鉗子を用いて回収しました

アニサキスによる痛みは、アニサキスが胃壁に食いつくことで体がアニサキスを異物と認識してアレルギー反応を起こすことで誘発されます。

ですので、アレルゲンであるアニサキスを取り除くことで症状が消えることがほとんどです。

今回も内視鏡終了後には痛みは消え、無事に治療完了となりました。

アニサキス症の特徴と受診の目安

  • 海鮮(サバ、アジ、イカなど)を食べて数時間以内に激しい胃痛

  • 痛みが断続的に繰り返す

  • 吐き気・嘔吐を伴う場合も多い

アニサキス症の胃痛は「強い痛みがありちょっと和らいでまた強い痛みが出る」というような断続的なパターンをとることが特徴的です。

このような痛みがあるときは我慢せずに早めに医療機関への受診が重要です。

症状でお困りの方はお力になれますのでご相談ください。

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

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まとめ

・アニサキスはサバ・アジ・イカなどの生魚に潜む寄生虫で、胃や腸の壁に食いつくと強い激痛や嘔吐を引き起こします。

・症状は「断続的な強い胃痛+吐き気」が典型的で、寿司や生魚を食べた数時間以内に発症することが多いです。

・診断には腹部エコーや胃カメラが有効で、内視鏡によるアニサキス虫体の除去が最も確実な治療法です。

・我慢せず、早めに消化器内科を受診することが重要です。

よくある質問FAQ

1. アニサキス症の痛みは自然に治まりますか?

A. 数日~1週間で自然死するため痛みは軽快することもありますが、その間は激痛が続き、アレルギー反応を起こす場合もあるため、疑われる場合には早期に検査し、内視鏡で除去することが推奨されます。

Q2. 市販薬や胃薬でアニサキス症は治せますか?

A. 胃薬や市販薬ではアニサキス虫体を取り除くことはできません。痛み止めや胃薬で一時的に症状を和らげることはありますが、根本治療には至りません。

Q3. どのような魚でアニサキス症になりやすいですか?

A. サバ・アジ・イカ・サンマ・サケなどが代表的です。

冷凍や十分な加熱で死滅するため、食べ方によってリスクを減らすことができます。

Q4. 胃カメラはつらくないですか?

A. 当院では鎮静剤を用いた“苦痛の少ない胃カメラ”に対応しており、眠っている間に検査・治療を受けられます。

初めての方や不安が強い方でも安心して検査可能です。

Q5. アニサキス症は再発しますか?

A. 虫体を除去すれば治癒しますが、生魚を食べれば再度感染する可能性があります。

再発防止には、魚の十分な加熱や冷凍処理が有効です。

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

 

  • 厚生労働省. アニサキスによる食中毒について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169134.html

  • 国立感染症研究所. アニサキス症. 感染症情報センター.

  • Sugiyama H, et al. Gastric anisakiasis in Japan: a review. Gastroenterology Research and Practice. 2015.

  • 日本消化器病学会. 消化器疾患診療ガイドライン 2021 アニサキス症.

 

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