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寿司を食べた後の激しい胃痛・嘔吐はアニサキス症?胃カメラで治療した実例

[2026.04.26]

「お寿司を食べた後、夜中に急な胃の激痛と吐き気で目が覚めた…」

そんな症状がある場合、アニサキス症の可能性があります。

アニサキスはサバやアジ、イカなどの生魚に潜む寄生虫で、胃や腸の壁に食いつくことで強い痛みを引き起こします。

アニサキスが生きている数日間は痛みが続くため、早期に診断し内視鏡で取り除くことが最も確実な治療法です。

今回は、実際に当院で診断・治療を行った40代女性の症例を専門医の院長がわかりやすく解説します。

胃の強い痛みでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 寿司・刺身などの海鮮を食べた数時間後の強い胃痛は、アニサキス症の可能性があります。

✅ 胃アニサキス症では、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐が急に出ることがあります。

✅ 胃薬だけでは虫体を取り除くことはできず、胃カメラで確認・除去することが重要です。

✅ 痛みが強い場合や吐き気を伴う場合は、我慢せず早めに消化器内科へご相談ください。

 

▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

 

寿司・刺身の後の胃痛は「食あたり」とは限りません

寿司や刺身などの海鮮を食べた後に胃痛や吐き気が出ると、「食あたりかな」と考える方が多いと思います。

しかし、生魚を食べた数時間後から急にみぞおちの強い痛みや嘔吐が出た場合には、食あたりによる胃腸炎だけでなく、胃アニサキス症も考える必要があります。

アニサキス症では、胃の粘膜にアニサキスが刺入することで強い痛みが起こるため、胃薬だけで様子を見るよりも、胃カメラで確認して虫体を取り除くことが有効です。

   

症例|40代女性「寿司を食べた数時間後に嘔吐と激しい胃痛」

【症状】

就寝中に嘔気と胃痛で目が覚め、数回嘔吐しその後も断続的に胃痛が続くとのことで、翌朝当院を受診されました。

 

【診察】

前日の夕食に寿司を食べたとのことで、症状の原因として

  • アニサキス症
  • 感染性腸炎(食あたり)

を考えました。

どちらなのかで治療方針が全く異なり、またアニサキス症の場合は胃と小腸のどちらかを見極める必要があり、まずは腹部エコーレントゲンで状態を評価することとしました。

アニサキス症と感染性胃腸炎の違い
項目 胃アニサキス症 感染性胃腸炎・食あたり
きっかけ 寿司・刺身・しめさば・イカなどの生魚 細菌・ウイルスに汚染された食品
痛みの出方 みぞおちの強い痛みが急に出ることが多い 腹痛に加えて下痢・発熱を伴うことがある
治療 胃カメラで虫体を確認し、鉗子で除去する 整腸剤、補液、食事調整などが中心

症状だけで完全に見分けることは難しいため、海鮮を食べた後に強い胃痛や嘔吐がある場合は、早めに消化器内科で相談することが大切です。

【検査・治療】

腹部エコー・レントゲン

レントゲンでは異常所見は認めませんでしたが、腹部エコーで胃の壁の限局的な肥厚を認め、胃のアニサキス症を考え胃カメラを行うこととしました

(参考)

感染性腸炎の場合はレントゲンで異常ガスが出現したり、腹部エコーで腸管の炎症像が描出されます。

また小腸アニサキスの場合は、小腸に限局的な壁の肥厚像を認めます。

胃カメラ

胃の壁に食いついたアニサキスを認め、周囲の粘膜が浮腫を起こしている状態でした。

胃カメラで確認された胃粘膜に刺入するアニサキス虫体

黄色い中の白く細長いものがアニサキス虫体です。

胃カメラ下で鉗子により回収されたアニサキス虫体

胃の壁にしっかりと食いついており、鉗子を用いて回収しました

アニサキスによる痛みは、アニサキスが胃壁に食いつくことで体がアニサキスを異物と認識してアレルギー反応を起こすことで誘発されます。

ですので、アレルゲンであるアニサキスを取り除くことで症状が消えることがほとんどです。

今回も内視鏡終了後には痛みは消え、無事に治療完了となりました。

アニサキス症の特徴と受診の目安

  • 海鮮(サバ、アジ、イカなど)を食べて数時間以内に激しい胃痛

  • 痛みが断続的に繰り返す

  • 吐き気・嘔吐を伴う場合も多い

アニサキス症の胃痛は「強い痛みがありちょっと和らいでまた強い痛みが出る」というような断続的なパターンをとることが特徴的です。

このような痛みがあるときは我慢せずに早めに医療機関への受診が重要です。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

アニサキス症の予防法|寿司・刺身を安全に食べるために

アニサキス症は、サバ・アジ・イワシ・カツオ・イカなどの魚介類に寄生したアニサキス幼虫を、生きたまま食べてしまうことで起こります。

寿司や刺身などを完全に避ける必要はありませんが、生魚を食べる際には、いくつかの予防ポイントを知っておくことが大切です。

アニサキス症を防ぐポイント
  • 新鮮な魚を選ぶ
  • 魚の内臓を早めに取り除く
  • 内臓を生で食べない
  • 目視で確認し、アニサキス幼虫を取り除く
  • -20℃で24時間以上冷凍する
  • 70℃以上、または60℃で1分以上加熱する

特に注意したいのは、アニサキス幼虫は魚が死亡した後、内臓から筋肉へ移動することがある点です。そのため、魚を丸ごと購入した場合は、できるだけ早く内臓を取り除き、内臓を生で食べないようにしましょう。

また、アニサキス幼虫は白色で糸のような形をしているため、目で見て確認できることもあります。ただし、すべてを目視だけで完全に見つけることは難しいため、冷凍や加熱も重要な予防法になります。

▶関連ページ
  • 胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
  • 胃痛・腹痛外来|アニサキス症も含めた胃痛や腹痛の原因や治療について専門医が詳しく解説しております

まとめ

・アニサキスはサバ・アジ・イカなどの生魚に潜む寄生虫で、胃や腸の壁に食いつくと強い激痛や嘔吐を引き起こします。

・症状は「断続的な強い胃痛+吐き気」が典型的で、寿司や生魚を食べた数時間以内に発症することが多いです。

・診断には腹部エコーや胃カメラが有効で、内視鏡によるアニサキス虫体の除去が最も確実な治療法です。

・我慢せず、早めに消化器内科を受診することが重要です。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

よくある質問

Q. 寿司や刺身を食べた後の胃痛は、アニサキス症の可能性がありますか?

はい、可能性があります。特に、寿司・刺身・しめさば・イカなどの生魚を食べた数時間後から、みぞおちの強い痛み、吐き気、嘔吐が出た場合は、胃アニサキス症を考える必要があります。

Q. アニサキス症の症状は、食べてからどれくらいで出ますか?

胃アニサキス症では、生魚を食べた後、数時間から半日程度で症状が出ることがあります。急に強い胃痛が出ることが多く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

Q. アニサキス症と食あたりはどう違いますか?

アニサキス症は、生きたアニサキス幼虫が胃の粘膜に刺入することで起こります。一方、一般的な食あたりは細菌やウイルスなどが原因となることが多く、腹痛、下痢、発熱を伴うことがあります。症状だけで完全に見分けることは難しいため、生魚の後に強い胃痛がある場合は受診が必要です。

Q. アニサキス症は胃薬で治りますか?

胃薬で痛みが一時的に和らぐことはありますが、胃の粘膜に刺入しているアニサキス虫体を取り除くことはできません。胃アニサキス症が疑われる場合は、胃カメラで確認し、虫体を鉗子で除去することが治療につながります。

Q. アニサキス症の診断には胃カメラが必要ですか?

胃アニサキス症では、胃カメラで胃の中を直接確認することで、アニサキス虫体を見つけられることがあります。虫体が確認できた場合、その場で鉗子を使って除去できることがあります。

Q. 胃カメラでアニサキスを取ると、痛みは改善しますか?

アニサキス虫体を除去することで、強い胃痛が改善することがあります。ただし、胃の粘膜に炎症が残る場合もあるため、症状の経過を見ながら薬を使うことがあります。

Q. わさび、酢、醤油でアニサキスは死にますか?

いいえ。一般的な料理で使う程度のわさび、酢、醤油、塩では、アニサキス幼虫は死滅しません。予防には、十分な冷凍または加熱が重要です。

Q. よく噛めばアニサキス症は防げますか?

「よく噛めば大丈夫」とは言い切れません。アニサキス幼虫は細く、どこに潜んでいるかわからないため、噛むことだけで確実に予防するのは困難です。冷凍・加熱・目視確認などを組み合わせることが大切です。

Q. アニサキス症を予防するにはどうすればよいですか?

新鮮な魚を選ぶ、内臓を早めに取り除く、内臓を生で食べない、目視で確認する、-20℃で24時間以上冷凍する、70℃以上または60℃で1分以上加熱することが予防につながります。

Q. 寿司を食べた後に胃痛と嘔吐がある場合、いつ受診すべきですか?

みぞおちの強い痛み、繰り返す吐き気や嘔吐、冷や汗、痛みが続く場合は、早めに消化器内科を受診してください。生魚を食べた時間や食べた内容を医師に伝えると、診断の参考になります。

 

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック

JR 池袋駅 北口の地上出口より徒歩5分。

(北改札口を出たら左へ、突き当たり右側の階段20bから地上へ)

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献
  1. 厚生労働省. アニサキスによる食中毒を予防しましょう. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
  2. 厚生労働省. アニサキスによる食中毒を予防しましょう! https://www.mhlw.go.jp/stf/web_magazine/closeup/44.html
  3. 食品安全委員会. 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ~アニサキス~. 2025.
  4. 国立感染症研究所. アニサキスによる健康被害のひとつ:アニサキスアレルギー. IASR. 2025.
  5. Sugiyama H, et al. Gastric anisakiasis in Japan: a review. Gastroenterology Research and Practice. 2015.
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