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実際の治療例【電車に乗ると腹痛が出てトイレに行きたくなってしまい困っている】

[2025.10.05]

「電車に乗ると急にお腹が痛くなり、トイレに行きたくなってしまう」

そんな症状で困っている方は少なくありません。

今回は、当院を受診された患者さんの実例をもとに、過敏性腸症候群(IBS)の診断・治療についてわかりやすく解説します。

👉 当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。通勤・通学などで生活に支障が出ている方は、ぜひご相談ください。

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症例|30代男性「電車に乗ると必ずお腹が痛くなりトイレに行きたくなる」

【症状】
  • 半年前から、電車に乗ると下腹部に強い腹痛と便意を感じる

  • 「次の駅で降りてトイレに行く」という状況が頻繁に起こる

  • 通勤時間が苦痛になり、外出自体を避けるようになった

 

【診察】

問診では「電車での腹痛・便意が起こったらどうしよう」という心因的なストレスからくる過敏性腸症候群が疑われました

その他、同様の症状を来す疾患として、

  • 大腸がん
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 甲状腺疾患

なども考えられ、血液検査や大腸内視鏡(大腸カメラ)を行いました。

 

【検査・診断】

検査結果はいずれも異常なく、過敏性腸症候群(下痢型)と診断しました【文献1】。

実際の内視鏡(大腸カメラ)画像

大腸自体は正常で問題ない状態でした。

 
【過敏性腸症候群とは?】

不安や緊張といった心因的ストレスや、不規則不摂生な生活・過労や気候の変化などの環境的なストレスが続くと、自律神経がうまく働かなくなったり、腸の粘膜からセロトニンが過剰に分泌されたりすることで、腸の運動の調整がうまくいかなくなり下痢や便秘・腹痛を繰り返す病気です。

今回のケースでは、もともとの仕事へのストレスに加え、電車内で腹痛や便意が起こったらどうしようという不安感が過敏性腸症候群を誘発していると考えました。

治療としては、セロトニンの過剰分泌による下痢を抑える薬漢方、不安感に対して抗不安剤の屯用で経過を見ることとしました。

治療内容
・5-HT3受容体拮抗薬

不安やストレスによって腸管からセロトニンというホルモンが分泌され下痢を誘発します。

セロトニンの作用を抑える薬を使用することで下痢の発症を抑えます。

・漢方薬

過剰な蠕動を抑制する漢方で下痢を抑えます。

・抗不安剤

症状に対しての不安感を和らげるため、出勤前に眠気の来ないごく少量で飲んで頂きました

 
【経過】
  • 2週間ほどで「通勤中にトイレに駆け込む回数が減った」とのこと

  • 1か月後には「症状はほとんどなくなった」とのことで抗不安剤は中止

  • その後も症状は安定しており、支障なく生活されています

院長からのコメント

「電車に乗ると必ずお腹が痛くなる」という訴えは、過敏性腸症候群でよくみられる典型的な症状です。

大腸カメラで異常が見つからなかった場合でも、専門医による正確な診断と治療で改善できるケースが多くあります。

👉 外出がつらい、通勤が怖いという方は、お力になれますので一人で悩まずにご相談ください。

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まとめ

  • 電車に乗ると腹痛・下痢 → 過敏性腸症候群の典型例

  • 薬と生活改善で症状は大きく改善可能
  • ただし他の病気の可能性もあるため大腸カメラで器質的疾患を除外することが大切

当院の大腸カメラの特徴
  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

当院ではWEB予約・電話予約を受け付けています。池袋周辺での検査をご希望の方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 過敏性腸症候群は一生治らないのですか?

A. 再発傾向はありますが、薬や生活改善で長期的にコントロール可能です【文献2】。

Q2. 電車や会議のときに急にトイレに行きたくなるのはIBSの特徴ですか?

A. はい、典型的な症状の一つです。緊張やストレスで悪化しやすい傾向があります【文献3】。

Q3. 下痢止めを常用しても大丈夫ですか?

A. 一時的な使用は可能ですが、漫然と続けるのは推奨されません。根本的な治療が必要です【文献4】。

Q4. 食事で気をつけることは?

A. カフェイン・脂っこい食事・人工甘味料は下痢を悪化させることがあります。低FODMAP食が有効な場合もあります【文献5】。

Q5. ストレスとIBSの関係は?

A. 脳腸相関と呼ばれる関係があり、心理的ストレスが腸の働きに影響を与えます【文献6】。

Q6. 過敏性腸症候群でも大腸カメラは必要ですか?

A. はい。特に初めて症状が出た方や、体重減少・血便を伴う場合は、大腸がんや炎症性腸疾患を除外するために大腸カメラが推奨されます【文献1】。

▶関連ページ:大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます

Q7. 過敏性腸症候群と診断されたら、もう大腸カメラは不要ですか?

A. 一度しっかり検査して器質的疾患が除外されていれば、再検査の必要は基本的にありません。ただし、症状が変化した場合や便に血が混じるようになった場合は再検が必要です【文献1】。

Q8. 大腸カメラはつらい検査ですか?

A. 鎮静剤を用いることでほとんどの方が「寝ている間に終わった」と感じられます。当院でも苦痛を最小限に抑える内視鏡検査を行っています。

 

参考文献

  1. 日本消化器病学会. 過敏性腸症候群診療ガイドライン 2020.

  2. Lacy BE, et al. Bowel Disorders. Gastroenterology. 2016.

  3. Camilleri M, et al. Clinical Guideline for IBS. Am J Gastroenterol. 2014.

  4. Ford AC, et al. Antidiarrheal agents in IBS. Cochrane Database. 2019.

  5. Staudacher HM, et al. Diet in IBS. Gastroenterology. 2017.

  6. Mayer EA. Gut feelings: the emerging biology of gut–brain communication. Nat Rev Neurosci. 2011.

関連ページ:

過敏性腸症候群

大腸内視鏡(大腸カメラ)

なぜ下痢が起こるのか?その原因と治療法は?

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