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胃薬で良くならない“みぞおちの激痛”… 実は胃ではなく横行結腸の憩室炎だった実例

[2026.06.17]

「みぞおちが痛い=胃の病気」

と考える方は少なくありません。

しかし、みぞおちの痛みは胃だけでなく、胆のう・膵臓・大腸など、胃以外の臓器が原因で起こることもあります。

今回の患者さんは、3日前からみぞおちの痛みがあり、近くの内科で胃薬を処方されたものの改善せず、むしろ痛みが強くなって当院を受診されました。

診察・血液検査・腹部エコーを行った結果、原因は胃ではなく、横行結腸の憩室炎でした。

 

横行結腸は、体の上腹部を横に走る大腸の一部です。胃の近くにあるため、ここに炎症が起こると「胃痛」や「みぞおちの痛み」のように感じることがあります。

この記事では、胃薬で良くならないみぞおちの痛みで受診された40代男性の実例をもとに、横行結腸憩室炎の症状・検査・治療・受診の目安をわかりやすく解説します。

胃薬で治らない胃痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ みぞおちの痛みは、胃の病気だけで起こるとは限りません。

✅ 胃薬で改善しない場合、胆のう・膵臓・大腸の病気も考える必要があります。

✅ 横行結腸憩室炎は、胃痛のような上腹部痛として出ることがあります。

✅ 痛みが悪化する、歩くと響く、発熱がある場合は早めの受診が大切です。

✅ 血液検査や腹部エコーで原因を確認できることがあります。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、胃痛・腹痛の診療を行っています。

胃薬で改善しないみぞおちの痛み、急に強くなった腹痛、発熱を伴う腹痛などでお困りの方はご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

みぞおちの痛みを起こす主な原因

みぞおちの痛みは、一般的には胃の不調を想像しやすい症状です。

ただし、実際には次のような病気でもみぞおち付近の痛みが出ることがあります。

  • 急性胃炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • 胆石・胆のう炎
  • 急性膵炎
  • 横行結腸憩室炎 など

特に、胃薬を飲んでも改善しない痛み、徐々に悪化する痛み、歩くと響く痛み、発熱を伴う痛みでは、胃だけでなく腹部全体の病気を考える必要があります。

みぞおちの痛みについて詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。

▶胃痛・腹痛外来|原因と検査・治療について

横行結腸憩室炎について

今回の原因だった「横行結腸憩室炎」は、大腸の一部である横行結腸にできた憩室に炎症が起こる病気です。

憩室とは、大腸の壁の弱い部分が袋のように外側へ飛び出したものです。憩室そのものは無症状のこともありますが、そこに便や細菌が入り込み炎症を起こすと「憩室炎」になります【1】【2】。

憩室炎では、腹痛・発熱・圧痛・炎症反応の上昇などがみられます。炎症が強い場合には、膿瘍、穿孔、腹膜炎などの合併症を起こすこともあります【2】【3】。

横行結腸はお腹の上の方を横切る大腸で、胃の近くに位置しています。そのため、横行結腸に炎症が起こると「胃が痛い」「みぞおちが痛い」と感じることがあります。

横行結腸憩室炎でみぞおちが痛くなる理由

  • 横行結腸は上腹部を横に走っている
  • 胃の近くにあるため、炎症の痛みを胃痛のように感じる
  • 胃薬で改善しない場合、大腸の炎症も鑑別に入れる必要がある

大腸憩室症・憩室炎について詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。

▶大腸憩室症・憩室炎の症状と治療

実際の治療例|40代男性「胃薬を飲んでもみぞおちの痛みが治らない」

【症状】

  • 3日前からみぞおちの痛み

  • 近医で胃薬を処方 → 痛みは改善せず

  • むしろ 徐々に増悪

  • 歩くだけで痛みが響くようになり、不安のため当院を受診

 

【診察】

診察ではみぞおち付近に強い圧痛を認めました。

みぞおち痛の原因は実は胃だけでなく非常に幅が広く、下記のような病気も考える必要があります。

▼みぞおち痛で考える鑑別疾患

  • 急性胃炎・胃潰瘍

  • 逆流性食道炎

  • 胆のう炎・胆石症

  • 膵炎

  • 憩室炎(横行結腸など)

  • 虚血性腸炎

  • 腸閉塞

  • 大動脈関連疾患(解離など、緊急性)

症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査・腹部エコーを行いました。

 

【検査】

血液検査
  • CRP(炎症反応)上昇

腹部エコー
  • 横行結腸に憩室炎の所見

■実際のエコー画像■

横行結腸に10㎜大の憩室を認め、炎症により腸管の壁が厚く肥厚しております。憩室炎の所見です

横行結腸は腹部の中央〜上部に位置しており、炎症が強くなるとみぞおち付近の痛みとして感じられます。

そのため “胃が悪い”と誤解されやすい典型例です【1】。

穿孔(穴が開いた状態)は認めなかったため、外来で治療を行いました。

 

【治療】

今回の患者さんは以下の治療で改善しました。

  • 抗生剤の投与

  • 食事制限(消化の良い食事〜一時的な絶食)

  • 必要に応じて鎮痛薬の使用

  • 外来通院で経過観察

数日で痛みは改善し、炎症反応も低下。

5日後にはほぼ問題ない状態まで改善し、診療終了となりました。

穿孔がない憩室炎は、入院不要で治療可能なケースも多いです。

受診の目安;胃薬で治らないみぞおち痛で注意したいサイン

胃薬でみぞおちの痛みが改善しない場合、胃カメラだけでなく、血液検査や腹部エコーなどで胆のう・膵臓・大腸の状態も確認することがあります。

特に以下に当てはまる方は、早めに受診してください。

  • みぞおちの痛みが2〜3日以上続いている
  • 胃薬を飲んでも改善しない
  • 痛みが強くなっている
  • 発熱を伴う
  • 歩くとお腹に響く
  • 吐き気・嘔吐がある
  • 食事がとれない
  • 血便や黒い便がある

池袋で胃薬で治らないみぞおち痛・腹痛にお困りの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、消化器内科専門医が胃痛・腹痛の原因を診察し、必要に応じて血液検査・腹部エコー・胃カメラ・大腸カメラなどを組み合わせて確認します。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

院長からのコメント

みぞおち痛は“胃の病気だけ”とは限りません。

横行結腸は胃のすぐ裏を走るため、大腸の炎症でも「胃の痛み」と感じてしまう方が非常に多いです。

胃薬で治らない場合は、
・胆のう
・膵臓
・大腸(横行結腸)
・血管

など、幅広い疾患を想定して検査する必要があります。

当院では、腹部エコー・血液検査を当日その場で実施でき、原因を早期に特定することが可能です。

「なんかいつもと違う」と感じたら、早めにご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 憩室炎は再発しますか?

A. 再発率は20〜40%とされ、生活習慣の改善で再発予防ができます【2】。

 

Q2. 憩室炎はみぞおち痛として出ることがありますか?

A. はい。横行結腸が炎症を起こすと、胃の裏側のためみぞおち痛として感じます。

 

Q3. 胃薬で治らない場合は何科を受診すべき?

A. 消化器内科・胃腸内科がおすすめです。当院では大腸・胆のう・膵臓まで広く診断できます。

 

Q4. 憩室炎はエコーでわかりますか?

A. 多くのケースでエコーで診断可能です。必要に応じてCTを併用します。

 

Q5. 便秘は憩室炎の原因になりますか?

A. 便秘は憩室炎のリスク因子の一つです。

 

Q6. 食事は何に気をつければ良いですか?

A. 発症直後は脂質の少ない食事や一時的な制限が必要です。

 

Q7. 憩室炎はどんな人に多いですか?

A. 中高年、便秘がち、食物繊維不足の方に多いとされています。

 

Q8. 胃カメラは必要ですか?

A. 胃症状が続く場合は胃の疾患を除外するために実施します。

 

Q9. 仕事は休んだほうがいいですか?

A. 痛みや発熱がある場合は数日の安静が望ましいです。

 

Q10. 市販薬で治りますか?

A. 抗生剤治療が必要なことが多く、市販薬での改善は難しいです。

まとめ

  • みぞおちの痛み=胃の病気とは限らない

  • 横行結腸の憩室炎は胃痛と誤解されやすい

  • 胃薬で治らない場合は消化器専門の検査が必要

  • 血液検査・腹部エコーで原因を特定できる

  • 穿孔がなければ外来治療で改善することが多い

胃薬で治らないみぞおち痛・腹痛でお困りの方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、消化器内科専門医が胃痛・腹痛の原因を確認し、必要に応じて血液検査・腹部エコー・胃カメラ・大腸カメラなどを組み合わせて診療します。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

 

関連ページ

 

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

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参考文献

  1. Strate LL, Morris AM. Epidemiology, pathophysiology, and treatment of diverticulitis. Gastroenterology. 2019.
  2. Peery AF, Shaukat A, Strate LL. AGA Clinical Practice Update on Medical Management of Colonic Diverticulitis: Expert Review. Gastroenterology. 2021;160:906-911.
  3. Sartelli M, Weber DG, Kluger Y, et al. 2020 update of the WSES guidelines for the management of acute colonic diverticulitis in the emergency setting. World J Emerg Surg. 2020.
  4. Nagata N, Ishii N, Manabe N, et al. Guidelines for Colonic Diverticular Bleeding and Colonic Diverticulitis: Japan Gastroenterological Association. Digestion. 2019.
  5. Hall J, Hardiman K, Lee S, et al. The American Society of Colon and Rectal Surgeons Clinical Practice Guidelines for the Treatment of Left-Sided Colonic Diverticulitis. Dis Colon Rectum. 2020.

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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