実際の治療例【胃痛が2週間続いていて心配|原因は胃潰瘍|専門医が解説】
「2週間以上、胃のあたりがキリキリ痛む」「食後に胃が重い感じが続く」
そんな症状がなかなか治まらず、不安を感じて来院される方が増えています。
実は、こうした胃痛の中には「胃潰瘍」が隠れていることがあります。
一見ストレスや食べ過ぎによる一時的な不調に思えても、放置すると出血や穿孔(穴が開く)といった合併症につながることもあります。
今回は、当院で胃カメラ検査によって胃潰瘍が発見され、薬と除菌治療で改善した実際の症例を紹介します。
「長引く胃痛」でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
この記事でわかること
- 2週間以上続く胃痛で考えられる病気
- 胃潰瘍が起こる主な原因
- 胃痛の診察と胃カメラで確認すること
- 胃潰瘍とピロリ菌が見つかった実際の治療例
- すぐに受診した方がよい危険な症状
胃痛が長引いている方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、胃痛の診察、腹部エコー、胃カメラ、ピロリ菌検査に対応しています。
患者さんの状態に応じて、鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラも選択できます。是非ご相談ください。
胃痛を起こす主な原因
みぞおち付近の痛みは、胃の病気だけで起こるとは限りません。症状が出るタイミング、痛みの強さ、食事との関係、服用している薬、便の色などを確認しながら原因を絞り込みます。
胃・十二指腸の病気
- 急性胃炎・慢性胃炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- ピロリ菌による萎縮性胃炎
- 機能性ディスペプシア
- 胃がん
食道の病気
- 逆流性食道炎
- 食道炎
- 食道がん
胃以外の病気
- 胆石症・胆のう炎
- 急性膵炎・慢性膵炎
- 心筋梗塞や狭心症
- 腹部の血管に関係する病気
特に、背中や胸に広がる強い痛み、冷や汗、息苦しさを伴う場合は、胃以外の緊急性が高い病気も考える必要があります。
関連ページ:胃痛・腹痛の原因と必要な検査
胃潰瘍とは?
胃潰瘍とは、胃の粘膜が炎症によって深く傷つき、粘膜の一部がえぐれたように欠損した状態です。
胃の中には食べ物を消化するための強い胃酸があります。通常は粘液や粘膜の血流などの防御機能によって胃が守られていますが、攻撃する力と守る力のバランスが崩れると、胃酸によって胃の壁が傷つき、潰瘍が生じます。
胃潰瘍の代表的な原因は、ピロリ菌感染とNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬です【1】【2】。
ピロリ菌感染
ピロリ菌は胃の粘膜に慢性的な炎症を起こす細菌です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になるほか、萎縮性胃炎や胃がんとも関係します。
ピロリ菌が原因となっている潰瘍では、胃酸を抑える薬だけで症状が改善しても、菌が残っていると再発する可能性があります。除菌治療によって、潰瘍の再発リスクを大きく下げることができます【2】【3】。
解熱鎮痛薬・抗血小板薬
ロキソプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクなどのNSAIDsや、低用量アスピリンは、胃粘膜を守る働きを弱め、胃潰瘍や消化管出血の原因になることがあります。
市販の痛み止め、整形外科などから処方されている薬、血液を固まりにくくする薬も含め、診察時には服用している薬を医師へ伝えることが重要です。
そのほかの悪化要因
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 睡眠不足や過労
- 重い全身疾患や強い身体的ストレス
- 刺激の強い食事による症状の悪化
精神的なストレスだけで胃潰瘍の原因を説明できるとは限りません。長引く胃痛では、ピロリ菌や薬剤の影響、胃がんなどを含めて確認する必要があります。
関連ページ:胃潰瘍の症状・原因・検査・治療
実際の治療例|50代男性「胃痛が2週間以上続いており心配」
【症状】
2週間ほど前からみぞおちのあたりに重たい痛みが続いており、食後に強く感じるようになってきたとのことで来院されました。
市販薬を飲んでも改善せず、食欲もやや低下していたため、病気ではないかと不安になり胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を希望されました。
【検査】
胃カメラを行ったところ、胃体部の小彎側に浅い潰瘍を確認しました。
出血はなく、癌などの悪性所見も認められませんでした。
実際の胃カメラの画像①
胃の出口付近に粘膜が炎症で欠損して白苔となっています(黄色部分)。胃潰瘍の所見です。
また併せてピロリ菌による萎縮性胃炎も認めました。
実際の胃カメラの画像②
胃の出口付近(前庭部)の粘膜が斑な色調に変化しています。ピロリ菌による萎縮性胃炎の所見です
【治療】
まずはプロトンポンプ阻害薬(PPI)を2週間内服して胃酸の分泌を抑え、潰瘍の治癒を促進。
痛みは数日で軽快し、2週間後の再診時にはほぼ症状が消失していました。
その後、ピロリ菌の除菌治療を実施し、除菌成功を確認し一旦治療終了となりました。
ピロリ除菌後も胃がんのリスクがあるため、胃カメラは除菌後1年で再検査を予定しています。
▶関連ページ:
- ピロリ菌外来|ピロリ菌の感染経路・胃がんや胃潰瘍との関連について解説しております
胃痛が続くときの受診の目安
早めに消化器内科を受診した方がよい症状
- 胃痛やみぞおちの痛みが1~2週間以上続いている
- 市販の胃薬を飲んでも改善しない
- 胃痛を繰り返している
- 食後に痛みが強くなる
- 食欲が低下している
- 吐き気や胃もたれを伴う
- 体重が減ってきた
- 解熱鎮痛薬や低用量アスピリンを服用している
- ピロリ菌の検査や除菌を受けたことがない
- 胃がんの家族歴がある
すぐに受診・救急相談が必要な症状
- 便が真っ黒になった
- 血を吐いた、またはコーヒーかすのようなものを吐いた
- 突然、非常に強い腹痛が起こった
- お腹が硬く、体を動かすと強く痛む
- めまい、冷や汗、動悸、意識が遠のく感じがある
- 強い胸痛や息苦しさを伴う
黒色便や吐血は潰瘍からの出血、突然の激痛は胃に穴が開く穿孔の可能性があります。通常の外来時間を待たず、救急医療機関への受診を検討してください。
「検査を受けるほどではない」と我慢しないでください
胃痛の原因は症状だけでは判断できません。池袋上田胃腸クリニックでは、診察内容に応じて胃カメラ、腹部エコー、血液検査などを組み合わせ、必要な検査をご案内します。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
院長からのコメント
胃痛が2週間以上続く場合、胃炎や潰瘍、まれに早期胃がんが隠れていることもあります。
一時的な胃薬で治まっても、繰り返す痛みには胃カメラでの確認が必要です。
池袋上田胃腸クリニックでは、患者さんの体格、年齢、過去の検査経験などに応じて、鎮静剤や内視鏡の種類を調整しています。
胃カメラへの不安が強い方も、診察時にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
当院の胃カメラの特徴
-
ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
-
オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
▶関連ページ
- 胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
- 胃カメラはどんな人が受けるべき??|胃カメラを受けるべき人は?当てはまる方は検査を。
- 胃カメラのQ&A|胃カメラの疑問・不安について専門医がお答えします!
よくある質問
Q1.胃痛が何日続いたら受診した方がよいですか?
軽い症状でも1~2週間以上続く場合、市販薬で改善しない場合、繰り返す場合は消化器内科への受診をおすすめします。痛みが強い場合や、黒色便・吐血を伴う場合は期間にかかわらず速やかに受診してください。
Q2.胃潰瘍の痛みはどこに出ますか?
みぞおちや上腹部に、重い痛み、鈍い痛み、焼けるような痛みとして現れることがあります。ただし、痛む場所や強さだけで胃潰瘍と判断することはできません。
Q3.胃潰瘍はストレスだけで起こりますか?
精神的・身体的ストレスが症状に影響することはありますが、代表的な原因はピロリ菌感染とNSAIDsなどの薬剤です。ストレスだけと決めつけず、原因を確認することが大切です。
Q4.胃潰瘍は胃カメラをしないと分かりませんか?
症状や腹部エコーから胃潰瘍を疑える場合もありますが、確定診断には胃カメラが基本です。胃がんとの鑑別や出血の有無を確認するためにも重要です。
Q5.胃潰瘍は自然に治りますか?
一時的に症状が軽くなることはありますが、出血や穿孔を起こす可能性があり、胃がんによる潰瘍が隠れている場合もあります。自然治癒を期待して放置せず、医療機関を受診してください。
Q6.胃潰瘍はどのくらいで治りますか?
症状は治療開始後数日から1週間程度で軽くなることがありますが、潰瘍自体の治癒には数週間かかることがあります。潰瘍の大きさや原因によって治療期間は異なります。
Q7.ピロリ菌を除菌すれば胃潰瘍は再発しませんか?
ピロリ菌が原因の胃潰瘍では、除菌によって再発リスクを大きく減らせます。ただし、鎮痛薬の服用など別の原因がある場合は、除菌後も潰瘍が起こる可能性があります。
Q8.ピロリ菌除菌後も胃カメラは必要ですか?
必要です。除菌によって胃がんのリスクは下がりますが、ゼロにはなりません。萎縮性胃炎の程度などに応じて、医師と相談しながら定期的な胃カメラを受けましょう。
Q9.黒い便が出た場合はどうすればよいですか?
海苔の佃煮やコールタールのような真っ黒な便は、胃や十二指腸からの出血で起こることがあります。めまい、ふらつき、冷や汗などを伴う場合は、速やかに救急医療機関を受診してください。
Q10.鎮静剤を使って胃カメラを受けられますか?
当院では、患者さんの状態や希望を確認したうえで、鎮静剤を使用した胃カメラに対応しています。鎮静剤を使用した場合は、検査当日の車・バイク・自転車の運転はできません。
まとめ
-
2週間以上続く胃痛は胃潰瘍の可能性あり
-
胃カメラで原因を確認し、PPI治療+除菌で再発予防
-
ピロリ菌陽性なら除菌治療が再発防止に必須
胃痛が続いていても、「仕事が忙しいから」「ストレスだから」と我慢してしまう方は少なくありません。しかし、症状が長引いていること自体が、胃の状態を確認する一つの目安になります。
池袋上田胃腸クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整え、土日も診療・検査を行っております。
池袋周辺で胃痛やみぞおちの痛みにお困りの方は、当院までご相談ください。
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
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医師紹介・アクセス・診療時間
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
- 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
- その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)
診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8:30〜12:30 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 13:30〜17:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
休診日:金曜日午後・祝日
診療は完全予約制です。
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
- 日本消化器病学会編.消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版).南江堂,2020.
- Kamada T, Satoh K, Itoh T, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for peptic ulcer disease 2020. J Gastroenterol. 2021;56:303-322.
- 日本ヘリコバクター学会編.H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版.先端医学社,2024.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.胃がん「予防・検診」.
- Vakil N. Peptic Ulcer Disease: A Review. JAMA. 2024;332:1832-1842.
