実際の治療例【胃痛が2週間続いていて心配|原因は胃潰瘍|専門医が解説】
「2週間以上、胃のあたりがキリキリ痛む」「食後に胃が重い感じが続く」
そんな症状がなかなか治まらず、不安を感じて来院される方が増えています。
実は、こうした胃痛の中には「胃潰瘍」が隠れていることがあります。
一見ストレスや食べ過ぎによる一時的な不調に思えても、放置すると出血や穿孔(穴が開く)といった合併症につながることもあります。
今回は、当院で胃カメラ検査によって胃潰瘍が発見され、薬と除菌治療で改善した実際の症例を紹介します。
「長引く胃痛」を軽く考えず、早めの検査を受けることが大切です。
池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
症例|50代男性「胃痛が2週間以上続いており心配」
【症状】
2週間ほど前からみぞおちのあたりに重たい痛みが続いており、食後に強く感じるようになってきたとのことで来院されました。
市販薬を飲んでも改善せず、食欲もやや低下していたため、病気ではないかと不安になり胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を希望されました。
【検査】
胃カメラを行ったところ、胃体部の小彎側に浅い潰瘍を確認しました。
出血はなく、癌などの悪性所見も認められませんでした。
実際の胃カメラの画像①
また併せてピロリ菌による萎縮性胃炎も認めました。
実際の胃カメラの画像②
【胃潰瘍とは?】
胃潰瘍とは、胃酸によって胃の粘膜が深く傷つく状態を指します。
原因として最も多いのがピロリ菌感染で、ストレスや鎮痛薬(NSAIDs)も悪化要因になります【1】【2】。
放置すると出血や穿孔を起こすこともあるため、胃カメラでの早期診断が重要です。
| 原因 | 解説 | 対応策 |
|---|---|---|
| ピロリ菌感染 | 胃の粘膜に慢性炎症を起こし、潰瘍の最大の原因となります【1】。 | 除菌治療で再発予防 |
| NSAIDs(鎮痛薬)の使用 | ロキソニンなどの鎮痛薬が胃粘膜を傷つけることがあります【2】。 | 胃薬の併用・服用間隔の調整 |
| ストレス | 自律神経の乱れで胃酸が過剰に分泌されることがあります。 | 睡眠・休養・生活リズムの改善 |
| 喫煙・飲酒 | 胃粘膜の血流を悪化させ、修復を妨げます。 | 禁煙・節酒が推奨されます |
| その他(体質・遺伝・感染以外の要因) | 高齢・免疫低下・重度の全身疾患などもリスクとなります。 | 定期的な内視鏡検査で早期発見 |
※図:胃潰瘍の主な原因。ピロリ菌感染と鎮痛薬の使用が大部分を占める。
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【治療】
まずはプロトンポンプ阻害薬(PPI)を2週間内服して胃酸の分泌を抑え、潰瘍の治癒を促進。
痛みは数日で軽快し、2週間後の再診時にはほぼ症状が消失していました。
その後、ピロリ菌の除菌治療を実施し、除菌成功を確認し一旦治療終了となりました。
ピロリ除菌後も胃がんのリスクがあるため、胃カメラは除菌後1年で再検査を予定しています。
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- ピロリ菌外来|ピロリ菌の感染経路・胃がんや胃潰瘍との関連について解説しております
院長からのコメント
胃痛が2週間以上続く場合、胃炎や潰瘍、まれに早期胃がんが隠れていることもあります。
一時的な胃薬で治まっても、繰り返す痛みには胃カメラでの確認が必要です。
当院ではご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で、眠っている間に終わる苦痛の少ない検査を行っています。
WEB予約・電話予約も受け付けていますので胃痛でお悩みの方はぜひご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
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まとめ
-
2週間以上続く胃痛は胃潰瘍の可能性あり
-
胃カメラで原因を確認し、PPI治療+除菌で再発予防
-
ピロリ菌陽性なら除菌治療が再発防止に必須
📅 胃痛が続く方は早めの検査を
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. 胃痛があるとき、市販薬で様子を見ても大丈夫ですか?
A. 一時的な胃炎なら改善することもありますが、2週間以上続く痛みは胃潰瘍や胃がんが隠れている場合があるため、胃カメラを推奨します【1】。
Q2. 胃潰瘍は自然に治りますか?
A. 軽症なら治癒することもありますが、再発を繰り返すことが多く、治療薬とピロリ菌除菌が重要です【2】。
Q3. ピロリ菌除菌は1回で終わりますか?
A. 一次除菌で約8割、二次除菌まで行えば9割以上が成功します【3】。
Q4. 除菌後も胃カメラは必要ですか?
A. はい。除菌後も胃炎の跡が残ることがあり、胃がんの早期発見のために年1回程度の胃カメラが推奨されます【4】。
Q5. 鎮静剤を使う胃カメラは安全ですか?
A. 医師が呼吸・血圧をモニタリングしながら行うため、安全に受けていただけます。当院でも多くの方が「寝ている間に終わった」と感じられています。
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
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- その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)
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参考文献
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日本消化器病学会 編『胃潰瘍・十二指腸潰瘍診療ガイドライン 2021』
-
Malfertheiner P et al. Gut. 2017;66(1):6–30.
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国立がん研究センター「ピロリ菌感染と胃がんリスク」
-
岡部進ほか『胃潰瘍・胃炎の再発予防における除菌治療の効果』日本消化器病学会誌, 2020.
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
