実際の治療例【毎日夕食後に胸焼けがあり困っている】
「夕食後だけ毎日胸がムカムカする」「寝る前に逆流して咳が出る」——
そんなお悩みは逆流性食道炎のサインかもしれません。
今回は、当院を受診された患者さんの実例をもとに、専門医の東海林院長が検査の流れ・治療の進め方・再発予防・受診のタイミングまでわかりやすく解説します。
夕食後の胸やけでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。
同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
症例|40代男性「毎日、夕食後に胸やけ」
【症状】
数年前から食後の胸やけを時々感じていましたが、ここ数か月は毎日、夕食後1〜2時間ほどで胸やけが起こるようになり、改善を希望されて当院を受診されました。
生活背景:
夕食が遅い(21–22時)・食後1時間以内に就寝。コーヒー2杯/日、炭酸飲料の習慣あり。
【診察】
症状や生活習慣からは逆流性食道炎が考えられ、胃カメラ(内視鏡検査)で状態を確認しました。
【胃カメラ】
胃カメラでは、胃と食道のつなぎ目部分に炎症を認め、逆流性食道炎と診断しました
胃と食道のつなぎ目に線状の炎症(黄色部分)を認め、GradeB(中等度)の逆流性食道炎の所見です
【逆流性食道炎とは?】
胃酸や胃内容物が食道へ逆流し、胸やけ・呑酸・のど違和感・咳などを起こす病態。
原因:
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遅い時間のドカ食い・満腹
- 食べてからすぐ寝る
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体重増加(お腹の圧が高くなる)
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脂っこい料理・アルコール・炭酸・チョコ・コーヒー
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横になるのが早い/右向きで寝る/枕が低い
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きついベルトや前かがみ作業 などが挙げられます
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▶胸やけの原因や逆流性食道炎の基本を詳しく知りたい方は、逆流性食道炎(胸やけ)の症状・治療法もあわせてご覧ください。
【治療】
投薬治療と生活習慣の改善を行います。
1) 薬物療法
制酸剤による過剰な胃酸分泌の抑制
2) 生活改善
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夕食は就寝3時間前まで、腹八分に。
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体重管理(腹囲):減量は再発予防に有効。
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寝床の頭側を10–20cm挙上、左側臥位で就寝。
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脂っこい料理、チョコ、ミント、炭酸、コーヒー、アルコールを控える。
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きついベルト・前屈姿勢を避ける。
【経過】
- 投薬開始後2週間で胸やけは毎日→週1回以下へ低下。
- 8週間で自覚症状はほぼ消失。
夕食が遅い(21–22時)・食後1時間以内に就寝という逆流性食道炎を起こしやすい生活習慣も改善していただき、現在は症状が出た時に内服をしていただくことで、快適に生活を送られています。
こんな胸やけは早めに胃カメラを検討します
胸やけは逆流性食道炎でみられる代表的な症状ですが、すべての方が同じ緊急度というわけではありません。
特に、毎日のように続く胸やけ、夜間や就寝前に悪化する症状、市販薬で改善しない状態が続く場合は、一度胃カメラで食道や胃の状態を確認したほうが安心です。
さらに、飲み込みにくい、食べ物がつかえる感じがある、体重が減ってきた、黒い便が出る、吐血したといった症状がある場合は、逆流性食道炎以外の病気も含めて早めの検査が大切です。
今回の症例のように、夕食が遅い、食後すぐ横になる、脂っこい食事や炭酸・コーヒーの習慣がある場合は、逆流性食道炎が背景にあることは少なくありません。
ただし、症状だけでは炎症の程度や他の病気との区別が難しいこともあるため、必要に応じて胃カメラを行い、状態に応じた治療方針を決めていきます
院長からのコメント
夕食後だけ毎日つづく胸やけは、生活のリズムに起因する逆流性食道炎が原因になっていることが多いです。
「そのうち治る」と我慢せず、まずは8週間丁寧に治療しましょう。
当院では鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しています。「眠っている間に終わった」と感じる方がほとんどです。
早めに原因を見つけ、薬は最小限・生活は無理なくを目指して一緒に整えていきましょう。
まとめ
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夕食後の胸やけが毎日つづくのは逆流性食道炎の典型。
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薬(8週間)+少しの生活見直しで良くなる方が多い。
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飲み込みにくい/体重が減る/黒い便・吐血は早めに胃カメラ。
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良くなったら薬は減らしつつ、再発しにくい生活に。
当院ではWEB予約・電話予約を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問
Q. 毎日夕食後に胸やけがあるのは逆流性食道炎ですか?
A. 毎日夕食後に胸やけが続く場合、逆流性食道炎が原因のことがあります。特に、食後1〜2時間で症状が出る、夜に悪化する、横になるとつらいといった場合は、胃酸の逆流が関係している可能性があります。ただし、胃や食道のほかの病気が隠れていることもあるため、症状が続く場合は消化器内科での相談が大切です。
Q. どんな生活習慣が胸やけを悪化させますか?
A. 夕食が遅い、食べ過ぎる、脂っこい食事が多い、食後すぐ横になる、体重が増えている、コーヒーや炭酸飲料をよく飲むといった生活習慣は、胸やけを悪化させやすくなります。とくに就寝前の食事は、胃の内容物が逆流しやすくなるため注意が必要です。
Q. 胸やけがあるときは胃カメラを受けたほうがよいですか?
A. 胸やけが毎日のように続く場合や、市販薬を飲んでも改善しない場合は、胃カメラを検討したほうがよいことがあります。特に、飲み込みにくい、食べ物がつかえる、体重が減る、黒い便が出る、吐血するといった症状がある場合は、早めの検査が大切です。
Q. 胃カメラではどんなことがわかりますか?
A. 胃カメラでは、食道の炎症の有無や程度、びらんの有無、胃や十二指腸の病気がないかを直接確認できます。胸やけの原因が逆流性食道炎なのか、それ以外の病気なのかを見分けるのに役立ちます。
Q. 逆流性食道炎は薬でよくなりますか?
A. はい。逆流性食道炎は、胃酸を抑える薬で症状が改善することが多い病気です。炎症の程度や症状の強さに応じて薬を調整し、生活習慣の見直しもあわせて行うことで、より改善しやすくなります。
Q. 症状がよくなったら薬はすぐやめてもよいですか?
A. 症状が軽くなっても、自己判断ですぐに中止すると再発しやすいことがあります。炎症の程度や再発しやすさによって、一定期間しっかり治療したほうがよい場合もあります。中止や減量のタイミングは、診察のうえで決めることが大切です。
Q. 胸やけ以外に、のどの違和感や咳が出ることもありますか?
A. はい。逆流性食道炎や胃酸の逆流では、胸やけだけでなく、のどの違和感、声のかすれ、咳、痰がからむ感じなどが出ることがあります。胸やけが目立たなくても、こうした症状から気づかれることがあります。
▶胸やけ以外に、食後ののどの違和感や長引く咳が続く方は、食後ののどの違和感は逆流性食道炎?や、長引く咳の原因は胃酸逆流?も参考になります。
Q. 食後すぐ横になると、なぜ胸やけが起こりやすいのですか?
A. 食後は胃の中に食べ物や胃酸が多く入っているため、すぐ横になると食道へ逆流しやすくなります。特に夕食後から就寝までの間隔が短いと、夜間の胸やけや寝ている間の逆流につながりやすくなります。
Q. 胸やけを予防するために自分でできることはありますか?
A. はい。夕食は就寝3時間前までに済ませる、食べ過ぎを避ける、脂っこいものを控える、食後すぐ横にならない、体重を増やしすぎないといった工夫が役立ちます。夜間症状が強い場合は、上半身を少し高くして寝る方法が有効なこともあります。
Q. 胸やけがあるとき、逆流性食道炎以外の病気が隠れていることもありますか?
A. はい。胸やけのように感じても、食道裂孔ヘルニア、胃炎、胃・食道の腫瘍性病変など、別の病気が関係していることがあります。症状が長引く場合や、今までと違う強い症状がある場合には、自己判断せずに一度ご相談ください。
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
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東京都豊島区池袋2丁目66-10
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参考文献(本文内番号と対応)
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日本消化器病学会『胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン(改訂版)』
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Katz PO, et al. ACG Clinical Guideline: Diagnosis and Management of GERD. Am J Gastroenterol. 2022.
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Gyawali CP, et al. Modern diagnosis of GERD including pH-impedance. Gastroenterology. 2018.
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Vakil N, et al. Montreal Definition and Classification of GERD. Am J Gastroenterol. 2006.
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日本消化器内視鏡学会:上部消化管内視鏡の適応と安全管理 資料
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
