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実際の治療例【止まらない水下痢の原因はカンピロバクター?診断と治療を専門医が解説】

[2025.10.07]

「2日前から急に水のような下痢が止まらない」「市販薬を飲んでも改善しない」

そんなとき、単なる“食あたり”と思って放置していませんか?

実は、カンピロバクター腸炎という細菌感染が原因のことがあります。

今回は、当院を受診された患者さんの実例をもとに、感染の原因や診断・治療の流れを専門医がわかりやすく解説します。

池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

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症例|30代男性「2日前から止まらない水下痢」

【症状】

2日前から突然の水下痢が続き、市販の整腸剤や下痢止めを服用しても改善せず、脱水も心配とのことで当院を受診されました。

 

【診察】

腹部は軽度の張りを認め、腸の蠕動音が強くなっていました。

問診で「4日前に焼き鳥を食べた」との情報があり、食中毒型の感染性腸炎を疑いました。

 

【検査・診断】

当院では、感染性腸炎が疑われる場合、腹部エコー血液検査を組み合わせて迅速に評価します。

検査の結果、腸管の壁肥厚と炎症反応の上昇を認め、カンピロバクター腸炎と診断しました。

実際のエコー画像

上行結腸のエコー画像です。黄色部分が腸管です。壁が肥厚し炎症を起こしており、部位と状態からカンピロバクター腸炎と考えます。

【カンピロバクター腸炎とは?】

カンピロバクター腸炎は、主に加熱不十分な鶏肉や焼き鳥、生肉などを食べたあとに起こる細菌性の腸炎です。

原因菌は「カンピロバクター・ジェジュニ」や「カンピロバクター・コリ」と呼ばれる細菌で、日本では最も多い食中毒の一つとされています【文献1】。

以下のような症状が出ます。

主な症状 発症時期(摂取後) 特徴
下痢(水様便) 2〜7日後 突然始まり、1日に数回〜10回以上になることも
発熱・倦怠感 下痢に先行して出ることが多い 全身のだるさを伴う
腹痛 下腹部やへそ周囲に出現 しぶり腹を伴うことも
嘔気・嘔吐 一部の症例で見られる 水分が摂れないほどの場合は受診を

※すべての症状が出ることはまれで、下痢・腹痛は比較的多くの方に見られます

まれに「ギラン・バレー症候群」や「反応性関節炎」などを合併することがあるため、症状が強い場合は医療機関での評価が必要です【文献2】。

🩺 ポイント
  • 食後すぐではなく2〜7日後に発症するため、原因に気づかないことが多い【文献1】。

  • 鶏肉の生焼け・調理器具の使い回しが感染経路になる

  • 当院では腹部エコーと血液検査で迅速診断が可能

📌 関連ページ:

 ・感染性腸炎(急性胃腸炎)|カンピロバクター腸炎や他の原因について詳しく解説

 

【治療】

水分補給と整腸剤・カンピロバクターに対しての抗菌薬を併用。

3日後には下痢はなくなり、体調も回復されました。

院長からのコメント

カンピロバクター腸炎は鶏肉や焼き鳥、加熱不十分な食品で感染することが多い病気です。

強い下痢や発熱が続く場合、まれに「ギラン・バレー症候群」などの合併症を起こすこともあるため、軽視できません。

池袋上田胃腸クリニックでは、腹部エコーと血液検査で即日診断が可能です。早期に診断して治療を開始すれば改善も早くなります。

水下痢や発熱が続く方は当院までご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

まとめ

  • 水下痢が止まらないときは、感染性腸炎(特にカンピロバクター)に注意

  • 食後2〜7日経って発症することが多く、原因に気づきにくい

  • 当院ではエコーと血液検査で迅速に診断

  • 脱水予防と早期治療が大切

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よくある質問(FAQ)

Q1. カンピロバクター腸炎は自然に治りますか?

A. 軽症であれば自然治癒しますが、下痢や発熱が強い場合は抗菌薬が必要なこともあります【1】。

Q2. 感染からどのくらいで症状が出ますか?

A. 通常、摂取から2〜7日後に発症します。食べてすぐ症状が出ないのが特徴です【2】。

Q3. 感染を防ぐには?

A. 鶏肉は中心部までしっかり加熱し、まな板や包丁の使い分けを徹底しましょう【3】。

Q4. 下痢止めを使ってもいいですか?

A. 細菌を体外へ排出する作用を妨げるため、医師の指示がない限り控えた方がよいです【1】。

Q5. どんな検査をしますか?

A. 腹部エコーや血液検査、必要に応じて便培養で診断します。当院ではエコー・血液検査で迅速診断が可能です。

 

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

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参考文献

  1. 厚生労働省:カンピロバクター食中毒に関するQ&A

  2. 国立感染症研究所「カンピロバクター感染症」

  3. 日本食品衛生協会「食中毒予防の3原則」

関連ページ

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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