実際の治療例【嘔吐とお腹の張りで来院した20代男性|原因は“小腸炎”だった】
「前の日からずっとお腹が張って気持ち悪い…夜には嘔吐してしまい、翌朝になっても治らない。」
このような症状で来院される方は少なくありません。
特に嘔吐が続くと脱水を起こしやすく、自己判断で様子を見るのは危険なケースもあります。
今回は、嘔吐とお腹の張りが続く20代男性に見つかった“小腸炎(感染性腸炎)”の実例を、検査内容とともにわかりやすくご紹介します。
同様のでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
この記事でわかること
- 嘔吐とお腹の張りで考える主な原因
- 小腸炎・感染性腸炎とはどのような病気か
- 嘔吐が続くときに血液検査・腹部エコーが大切な理由
- 実際の20代男性の診察・検査・治療の流れ
- 早めに受診した方がよい症状
- 自宅で注意したい食事・水分摂取のポイント
嘔吐・腹痛・お腹の張りでお困りの方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、胃腸症状に対して診察・血液検査・腹部エコーなどを組み合わせ、原因をできるだけ早く見極める診療を行っています。
池袋駅周辺で、嘔吐・腹痛・下痢・お腹の張りが続いている方はご相談ください。
嘔吐とお腹の張りを起こす主な原因
嘔吐とお腹の張りが同時にある場合、単なる胃もたれだけでなく、胃・小腸・大腸・胆のう・膵臓など、さまざまな臓器の病気を考える必要があります。
1. 小腸炎・感染性腸炎
小腸や大腸に細菌・ウイルスなどが感染して炎症を起こす病気です。吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などを起こします。食中毒として発症することもあります【1】【2】。
2. 急性胃腸炎
胃や腸に急な炎症が起こり、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛をきたします。軽症で数日以内に改善することもありますが、嘔吐が続く場合は脱水に注意が必要です【3】。
3. 腸閉塞・イレウス
腸の通り道が狭くなったり、腸の動きが悪くなったりして、内容物が先に進みにくくなる状態です。お腹の張り、腹痛、嘔吐、便やガスが出にくいといった症状が出ます。
4. 急性虫垂炎
いわゆる「盲腸」です。最初はみぞおちやおへそ周りの違和感・吐き気として始まり、その後右下腹部の痛みに移ることがあります。
5. 胆のう炎・胆石発作
右上腹部やみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐を起こすことがあります。脂っこい食事の後に症状が出る場合は、胆のうの病気も鑑別に入ります。
6. 急性膵炎
みぞおちから背中にかけての強い痛み、吐き気、嘔吐を起こすことがあります。飲酒や脂っこい食事がきっかけになることもあります。
関連ページ
嘔吐に加えて腹痛・下痢がある方は、以下のページも参考になります。
小腸炎・感染性腸炎について
今回の症例では、診察・血液検査・腹部エコーの結果から、小腸炎を中心とした感染性腸炎と診断しました。
感染性腸炎とは、細菌・ウイルス・寄生虫などが腸に感染し、腸の粘膜に炎症を起こす病気です【1】【2】。
主な原因
-
サルモネラ、カンピロバクターなどの 細菌感染
-
ノロウイルスなどの ウイルス感染
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食べ物(特に 生もの・海鮮)、不衛生な調理環境が原因になることも多い【2】
小腸炎で起こりやすい症状
- 吐き気
- 嘔吐
- お腹の張り
- 腹痛
- 下痢・軟便
- 発熱
- 食欲低下
- だるさ
小腸は食べ物の消化吸収に関わる重要な臓器です。炎症が起こると、腸の動きが悪くなったり、腸の中に水分やガスがたまったりして、お腹の張りや嘔吐につながることがあります。
食事がきっかけになることもあります
感染性腸炎は、汚染された食品や水を介して起こることがあります。特に、生もの、加熱不十分な肉・魚介類、調理後に時間が経った食品などは注意が必要です。
食中毒予防では、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」ことが基本とされています【5】。
関連ページ
▶感染性腸炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
実際の治療例|20代男性「昨晩からの嘔吐が続いている」
【症状】
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前日朝から お腹の張り・気持ち悪さ を自覚
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夜になって お腹の張りが悪化し嘔吐
-
その後も何度も嘔吐
-
翌朝になっても症状改善せず、当院を受診
嘔吐が続く場合、脱水や電解質異常のリスクが高まるため、早期受診が大切です。
【診察】
診察では腹部の張り・圧痛を確認。
急激に発症する嘔吐と腹部膨満がある場合、次の病気を考える必要があります:
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感染性腸炎(細菌・ウイルス)
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小腸閉塞(イレウス)
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急性胃腸炎
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胆のう・胆管の病気
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膵炎
-
急性虫垂炎
症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査・腹部エコーを行いました。
【検査】
血液検査
-
CRP・白血球など 炎症反応の上昇を認めた
腹部エコー
-
小腸の拡張を認め、小腸炎と診断
- 2日前に海鮮丼を食べていたとのことで、食事由来の感染性小腸炎(食あたり)と考えました
<実際のエコー画像>
【治療】
診察と検査の結果、食事由来の感染性小腸炎が疑われたため、以下の治療を行いました。
1. 点滴による補液
嘔吐が続くと、水分を飲んでも吐いてしまい、脱水が進むことがあります。
そのため、点滴で水分と電解質を補い、脱水の改善を図りました。
2. 吐き気止め・整腸剤などの薬物治療
吐き気を抑える薬や、腸内環境を整える薬を使用しました。
感染性腸炎では、原因や症状の程度によって治療内容が変わります。細菌感染が強く疑われる場合や重症例では抗菌薬を検討することもありますが、すべての胃腸炎に抗菌薬が必要なわけではありません【4】。
3. 食事指導
小腸に炎症がある間は、脂っこい食事・アルコール・生ものは避け、消化のよいものから再開します。
- 水分を少量ずつ摂取する
- 嘔吐が落ち着いたらゼリー・プリン・おかゆなどから再開する
- いきなり普通食に戻さない
- 脂っこい食事・飲酒・刺激物は避ける
治療開始後、症状は2日ほどで改善しました。早い段階で検査を行い、状態に合わせて治療できたことが、回復につながったと考えられます。
受診の目安
嘔吐やお腹の張りは、一時的な胃腸炎でも起こりますが、次のような場合は早めの受診をおすすめします。
- 嘔吐が半日以上続く
- 水分を飲んでも吐いてしまう
- お腹の張りが強い
- 強い腹痛がある
- 便やガスが出にくい
- 発熱を伴う
- 下痢が強い、または血便がある
- 尿が少ない、口が渇く、立つとふらつく
- 症状が一晩たっても改善しない
- 高齢の方、持病がある方、脱水が心配な方
特に、嘔吐+お腹の張り+便やガスが出ない場合は、腸閉塞などの病気も考える必要があります。無理に食事をとったり、市販薬だけで様子を見続けたりせず、医療機関で相談してください。
院長からのコメント
嘔吐が続くとき、多くの方が「胃腸炎かな?」と様子を見る傾向にあります。
しかし、嘔吐+お腹の張り(腹部膨満)は腸閉塞など重大な病気でも起こる症状です。
今回のように、
「嘔吐が止まらない」「一晩寝ても改善しない」
というケースでは、早めに検査を受けることが回復を早める最大の鍵です。
当院では腹部エコーと血液検査をその日のうちに行い、早期診断に努めています。
池袋で嘔吐・腹痛・お腹の張りの診察をご希望の方へ
池袋上田胃腸クリニックでは、消化器内科専門医が、問診・診察・血液検査・腹部エコーなどを組み合わせて原因を確認します。
嘔吐が続く、腹痛が強い、お腹の張りが治らないといった症状がある方は、お早めにご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. 嘔吐が続くときは何時間くらいで受診した方がよいですか?
A. 嘔吐が半日以上続く、水分を飲んでも吐いてしまう、一晩たっても改善しない場合は受診をおすすめします。脱水や電解質異常を起こすことがあるためです。
Q2. 嘔吐とお腹の張りがあるとき、どんな病気が考えられますか?
A. 小腸炎・感染性腸炎、急性胃腸炎、腸閉塞、虫垂炎、胆のう炎、膵炎などが考えられます。症状だけで見分けることは難しいため、診察や検査が大切です。
Q3. 小腸炎とはどのような病気ですか?
A. 小腸に炎症が起こる病気です。細菌やウイルスなどの感染が原因になることがあり、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、お腹の張り、発熱などを起こします。
Q4. 小腸炎は人にうつりますか?
A. 原因となる細菌やウイルスによっては、便や吐物、手指、食品を介して周囲に感染することがあります。手洗い、トイレや吐物処理後の消毒、タオルの共用を避けることが大切です。
Q5. 嘔吐があるときに下痢止めを飲んでもよいですか?
A. 発熱、血便、強い腹痛を伴う場合や細菌性腸炎が疑われる場合は、自己判断で下痢止めを使わない方がよいことがあります。市販薬で様子を見る前に医療機関へ相談してください。
Q6. 嘔吐しているときは何を飲めばよいですか?
A. 一度にたくさん飲まず、経口補水液や水分を少量ずつこまめに摂取してください。飲んでもすぐ吐く、尿が少ない、ふらつく場合は点滴が必要になることがあります。
Q7. 食事はいつから再開できますか?
A. 嘔吐が落ち着き、水分がとれるようになってから、ゼリー、プリン、おかゆ、うどんなど消化のよいものを少量ずつ再開します。脂っこい食事、アルコール、生ものはしばらく控えましょう。
Q8. 腹部エコーで小腸炎はわかりますか?
A. 腹部エコーでは、小腸や大腸の拡張、腸管のむくみ、腹水の有無などを確認できます。血液検査や症状の経過とあわせて診断に役立ちます。
Q9. 何日くらいで治りますか?
A. 軽症の感染性腸炎では数日で改善することが多いですが、原因菌や脱水の程度、発熱・血便の有無によって経過は異なります。症状が長引く場合は再評価が必要です。
Q10. 受診時に持っていくとよいものはありますか?
A. お薬手帳、飲んだ市販薬の情報、症状が始まった日時、嘔吐や下痢の回数、食べたもののメモがあると診断の助けになります。便の色が気になる場合は写真が参考になることもあります。
まとめ
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前日からの嘔吐・お腹の張りで来院した30代女性
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検査で 小腸炎(感染性腸炎) と診断
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点滴と投薬で 2日ほどで改善
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嘔吐+腹部膨満があるときは早期受診が重要
-
生もの・海鮮は腸炎の原因となることがある
-
初期診療でのエコー・血液検査が非常に有用
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医師紹介・アクセス・診療時間
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
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診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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| 8:30〜12:30 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 13:30〜17:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
※休診日:金曜日午後・祝日
※診療は予約制です。
※土日は非常勤医師の対応となります
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
- 厚生労働省:感染性胃腸炎
- 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト:感染性胃腸炎
- CDC:Food Poisoning Symptoms
- Shane AL, et al. 2017 Infectious Diseases Society of America Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Infectious Diarrhea. Clinical Infectious Diseases. 2017.
- 政府広報オンライン:食中毒予防の原則と6つのポイント
- Gastrointestinal Ultrasound in Infectious Diseases: A Comprehensive Review. 2024.
