大腸炎の原因・症状・検査・治療|血便・下痢・腹痛があるときに考える病気
血便が出た、下痢が続く、お腹が痛い。
こうした症状があると、「大腸炎ではないか」と心配になる方は少なくありません。
ただし、大腸炎はひとつの病名ではなく、大腸に炎症が起きている状態の総称です。
原因は感染、血流障害、免疫異常、寄生虫感染、憩室の炎症などさまざまで、同じ「血便」「腹痛」「下痢」でも、必要な検査や治療は異なります。
潰瘍性大腸炎では下痢・血便・腹痛が代表的で、感染性腸炎では急な下痢や発熱が目立ち、虚血性腸炎では突然の腹痛のあとに血便が出ることがあります。
この記事では、大腸炎の主な症状、代表的な病気の違い、検査、治療、受診の目安を専門医の院長が整理して解説します。
血便や下痢・腹痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
大腸炎とは?
大腸炎とは、大腸に炎症が起きている状態をまとめて表す言葉です。
症状は原因によって異なりますが、下痢、血便、腹痛、発熱、便意が何度もある感じなどがみられます。
たとえば、潰瘍性大腸炎は慢性的な炎症性腸疾患で、血便や下痢が続いたり再燃したりすることがあります。
一方、感染性腸炎は急な下痢や発熱が中心になりやすく、虚血性腸炎は急な腹痛と血便が手がかりになります。
大腸炎でみられやすい症状
大腸炎でよくみられる症状は次のとおりです。
-
下痢
-
血便
-
腹痛
-
発熱
-
吐き気
-
残便感
-
便意が何度も起こる感じ
特に、血便がある、下痢が3日以上続く、高熱がある、水分が取れない、立ちくらみや尿量低下など脱水を疑う症状がある場合は、早めの受診が勧められます。
大腸炎の主な原因と病気
感染性腸炎
感染性腸炎は、細菌やウイルスなどによって起こる腸の炎症です。
急な下痢、腹痛、発熱、吐き気などが目立ち、原因によっては血便を伴うこともあります。
▶関連ページ:急な下痢や発熱、腹痛が目立つ感染性腸炎について
虚血性腸炎
虚血性腸炎は、大腸の血流が一時的に低下することで起こる病気です。典型的には、突然の腹痛のあとに血便が出る形をとります。
症状や経過に応じて画像検査や内視鏡で評価し、軽症では保存的治療が中心になります。
▶関連ページ:突然の腹痛のあとに血便が出る場合に考えたい虚血性腸炎について
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、免疫反応の異常などが関与すると考えられている慢性の炎症性腸疾患です。
下痢、血便、腹痛が代表的で、良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。診断では病歴聴取、診察、検査に加え、内視鏡が重要です。
▶関連ページ:血便や下痢が長引くときに鑑別したい潰瘍性大腸炎について
アメーバ腸炎
アメーバ腸炎は、Entamoeba histolytica による感染症です。多くは無症状ですが、症状が出る場合には下痢、腹痛、血便などを起こし、慢性的に経過することもあります。
熱帯地域や衛生環境が悪い地域への滞在歴などが手がかりになることがあります。
▶関連ページ:血便や下痢が続く場合に見逃したくないアメーバ腸炎について
憩室炎
憩室炎は、大腸の壁にできた憩室に炎症が起こる病気です。代表的な症状は、局所的な腹痛、発熱、吐き気、便秘または下痢です。重症例や合併症がある場合には入院治療が必要になることがあります。
▶関連ページ:左下腹部痛や発熱があるときに考えたい憩室炎について
症状から考える大腸炎の見分け方
症状だけで断定はできませんが、ある程度の傾向はあります。
-
急な下痢、発熱、腹痛
→ 感染性腸炎を考えます。 -
突然の腹痛のあとに血便
→ 虚血性腸炎を考えるきっかけになります。 -
血便や下痢が長く続く、再発する
→ 潰瘍性大腸炎など慢性の炎症性腸疾患も鑑別に入ります。 -
局所的な腹痛と発熱が強い
→ 憩室炎も重要な候補です。 -
断続的に長引く粘血便や腹痛、通常の腸炎としては説明しにくい経過
→ アメーバ腸炎なども確認が必要です。
大腸炎の検査
大腸炎が疑われるときは、症状の強さや経過に応じて検査を組み合わせます。
潰瘍性大腸炎の診断では、病歴、診察、医療検査に加え、内視鏡が重要です。
感染性腸炎では脱水や重症度の評価が大切で、必要に応じて便検査が行われます。
-
問診
-
診察
-
血液検査
-
便検査
-
腹部エコー
-
大腸カメラ
特に、血便が続く、症状を繰り返す、慢性炎症が疑われるといった場合には、大腸カメラが診断に重要になります。
大腸炎の治療
治療は原因に応じて変わります。
-
感染性腸炎:水分・電解質の補給が大切で、重症度に応じて追加治療を考えます。
-
虚血性腸炎:軽症では保存的治療が中心です。
-
潰瘍性大腸炎:炎症を抑え、寛解導入と寛解維持を目指します。
-
アメーバ腸炎:治療可能な寄生虫感染症で、適切な治療が必要です。
-
憩室炎:軽症は外来治療のこともありますが、重症や合併症があれば入院治療が必要です。
早めに受診した方がよい症状
次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
-
血便がある
-
強い腹痛がある
-
高熱がある
-
下痢が3日以上続く
-
水分が取れない
-
尿が少ない、口が乾く、立つとふらつく
-
症状を繰り返す
-
体重減少がある
院長からのコメント
池袋上田胃腸クリニックでは、血便、下痢、腹痛がある方に対して、症状の経過や出方を丁寧に確認し、必要に応じて血液検査、便検査、腹部エコー、大腸カメラなどを組み合わせて原因を評価します。
「食あたりだと思っていた」「一度よくなったので様子を見ていた」というケースの中にも、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、憩室炎など、きちんと見極めたい病気が隠れていることがあります。
血便や下痢、腹痛が続く場合は、自己判断で放置せずご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
関連ページ
よくある質問(FAQ)
Q. 大腸炎とは何ですか?
A. 大腸炎とは、大腸に炎症が起きている状態の総称です。原因はひとつではなく、感染、血流障害、免疫異常、憩室の炎症などさまざまです。症状としては、腹痛、下痢、血便、発熱、便意が何度もある感じなどがみられます。
Q. 血便が出たら、必ず大腸炎ですか?
A. いいえ、必ずしも大腸炎とは限りません。血便は大腸炎でみられることがありますが、痔、ポリープ、大腸がんなどでも起こります。一方で、血便は早めの受診が必要なサインでもあるため、自己判断で様子を見すぎないことが大切です。
Q. 食あたりと大腸炎はどう違いますか?
A. 食あたりのように急に起こる下痢や腹痛でも、実際には感染性腸炎として評価されることがあります。ただし、血便がある、高熱がある、下痢が長引く、水分がとれないといった場合は、単なる一時的な不調ではなく、詳しい評価が必要です。
Q. 大腸炎は自然に治ることもありますか?
A. 原因によっては自然に軽快することもあります。たとえば一部の感染性腸炎は対症療法で改善し、虚血性腸炎も保存的治療で落ち着くことがあります。ただし、潰瘍性大腸炎のように長期的な治療と再燃予防が必要な病気もあるため、「自然に改善する大腸炎」と「きちんと診断すべき大腸炎」を分けて考えることが重要です。
Q. 下痢だけでも受診した方がいいですか?
A. 軽い下痢が短期間でおさまることはありますが、3日以上続く、血が混じる、発熱を伴う、脱水がある、水分がとれないといった場合は受診が勧められます。
Q. 大腸炎が疑われるとき、大腸カメラは必ず必要ですか?
A. 必ず全員に必要というわけではありません。症状の出方や重症度によって、まずは問診、血液検査、便検査、腹部エコーなどで評価することがあります。ただし、血便が続く、症状を繰り返す、潰瘍性大腸炎などの慢性炎症が疑われる場合には、大腸カメラが診断に重要になります。
Q. 虚血性腸炎・感染性腸炎・潰瘍性大腸炎はどう違いますか?
A. 大まかには、急な腹痛のあとに血便が出るなら虚血性腸炎、急な下痢や発熱が中心なら感染性腸炎、血便や下痢が長く続いたり繰り返したりするなら潰瘍性大腸炎を考える材料になります。もちろん症状だけで断定はできないため、経過や検査を合わせて判断します。
Q. アメーバ腸炎はどんなときに疑いますか?
A. 血便や下痢、腹痛が断続的に続くときに疑います。症状だけで見分けるのは難しいため、必要に応じて便検査などで確認します。
Q. どんな症状があれば早めに受診した方がいいですか?
A. 血便、強い腹痛、高熱、下痢が続く、水分がとれない、脱水症状があるときは、早めの受診をおすすめします。
まとめ
大腸炎は、大腸の炎症をまとめた呼び方で、原因はひとつではありません。
感染性腸炎のように一時的なものもあれば、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、アメーバ腸炎、憩室炎のように、きちんと原因を見極めるべき病気もあります。
血便、下痢、腹痛が続くときは、自己判断で放置せず、症状に応じた検査と治療につなげることが大切です。
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
参考文献
【1】NIDDK. Symptoms & Causes of Ulcerative Colitis.
【2】NIDDK. Ulcerative Colitis.
【3】CDC. Food Poisoning Symptoms.
【4】CDC. Clinician Brief: Food Safety.
【5】MSD Manual Professional Edition. Ischemic Colitis.
【6】NIDDK. Diagnosis of Ulcerative Colitis.
【7】NIDDK. Treatment for Ulcerative Colitis / Definition & Facts.
【8】CDC. Amebiasis / DPDx Amebiasis.
【9】NIDDK. Symptoms & Causes of Diverticular Disease.
【10】NIDDK. Treatment for Diverticular Disease.
医師紹介:東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない内視鏡検査(無痛胃カメラ・無痛大腸カメラ)” を心がけています。
初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
- 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
- その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
