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右下腹部が痛いのは虫垂炎?下痢がなくても起こるカンピロバクター腸炎の実例

[2026.09.01]
💡この記事はこのような方におすすめです

✅ 右下腹部がズキズキ痛み「虫垂炎かも」と不安な方

✅ 下痢はないのに、お腹の右下だけ強く痛む方

✅ 数日前に鶏刺し・鶏たたき・焼き鳥・鶏料理を食べた方

✅ 腹痛が1日以上続いていて、様子を見てよいか迷っている方

✅ 虫垂炎と感染性腸炎の違いを知りたい方

✅ 池袋周辺で腹痛・右下腹部痛について相談したい方

この記事でわかること

  • 右下腹部痛を起こす主な原因
  • カンピロバクター腸炎が虫垂炎のように見える理由
  • 下痢がなくても感染性腸炎があり得る理由
  • 血液検査・腹部エコーで確認するポイント
  • 右下腹部痛で受診した方がよい目安

右下腹部がズキズキ痛むと、真っ先に「虫垂炎(盲腸)」が頭に浮かびます。実際、虫垂炎は早めの診断がとても重要です。

ただし、右下腹部痛=虫垂炎とは限りません

食事(特に鶏肉)をきっかけに起きる感染性腸炎が、虫垂炎そっくりの痛みを出すこともあります。

今回は、虫垂炎を心配して来院された30代男性が、検査でカンピロバクター腸炎と分かり、適切な治療で改善した実例を消化器専門医の東海林院長がわかりやすくお伝えします。

右下腹部痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

右下腹部痛でお困りの方へ

右下腹部痛は、虫垂炎・感染性腸炎・憩室炎・尿管結石など、原因によって治療方針が異なります。痛みが続く場合や、歩くと響く痛み、発熱、吐き気を伴う場合は早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

右下腹部痛を起こす主な原因

右下腹部には、虫垂、回腸末端、盲腸、上行結腸、尿管、鼠径部などがあり、さまざまな病気で痛みが出ます。

1.急性虫垂炎

右下腹部痛で最も注意したい病気のひとつです。初期はみぞおちやおへそ周りの痛みから始まり、時間とともに右下腹部へ移動することがあります。発熱、吐き気、歩くと響く痛みを伴う場合もあります。

2.感染性腸炎

ウイルスや細菌によって腸に炎症が起こる病気です。カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などが原因になります。

感染性腸炎では下痢を伴うことが多い一方で、カンピロバクター腸炎では右下腹部痛が強く出て、虫垂炎のように見えることがあります。

3.右側大腸憩室炎

大腸の壁にできた小さなくぼみである「憩室」に炎症が起こる病気です。右側の大腸に炎症が起きると、右下腹部痛として現れることがあります。

4.クローン病などの炎症性腸疾患

クローン病は小腸の終わりから大腸の始まりに炎症を起こしやすく、右下腹部痛、下痢、微熱、体重減少などで見つかることがあります。

5.尿管結石

尿管に石が詰まることで、背中から下腹部にかけて強い痛みが出ることがあります。血尿を伴う場合もあります。

6.鼠径ヘルニア

足の付け根付近が膨らみ、痛みを伴うことがあります。腸がはまり込むと強い痛みや吐き気を起こすことがあります。

7.女性の場合の婦人科疾患

卵巣嚢腫茎捻転、骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠などでも右下腹部痛が起こることがあります。女性では婦人科疾患も含めて考える必要があります。

カンピロバクター腸炎とは?虫垂炎のように見える理由

カンピロバクター腸炎は、主にCampylobacter jejuniCampylobacter coliによって起こる感染性腸炎です。

原因として多いのは、生または加熱不十分な鶏肉です。鶏刺し、鶏たたき、鶏わさ、加熱が不十分な焼き鳥、バーベキューなどがきっかけになることがあります。

カンピロバクターは、感染してすぐに症状が出るとは限りません。一般的には2〜5日程度の潜伏期間を経て、腹痛、下痢、発熱、吐き気などが出ます1,2

また、カンピロバクター腸炎では、回腸末端から盲腸・上行結腸にかけて炎症が起こることがあります。この場所は虫垂に近いため、痛みの場所だけ見ると虫垂炎に似てしまうことがあります4

つまり、「右下腹部が痛い=虫垂炎」とは限らず、腸炎、とくにカンピロバクター腸炎が隠れていることもあるということです。

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カンピロバクター腸炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら

 

実際の治療例|30代男性「2日前から右下腹部が痛い」

症状

  • 2日前から右下腹部痛

  • 1日経っても治まらず、WEBで調べて「虫垂炎かもしれない」と不安になり来院

  • 痛みが強いが、下痢はなし

 

診察

右下腹部痛は原因が幅広く、下記のような疾患を考えます

  • 急性虫垂炎(盲腸)

  • 感染性腸炎(カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ等)

  • クローン病(右下腹部痛や下痢、微熱など)

  • 憩室炎(右側結腸)

  • 尿管結石

  • 鼠径ヘルニア

  • (女性の場合)婦人科疾患(卵巣嚢腫茎捻転、骨盤内炎症性疾患など)

症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査腹部エコーを行いました。

 

検査

・血液検査

炎症反応(白血球、CRPなど)を確認➡中等度の炎症反応上昇あり

・腹部エコー

右下腹部(虫垂・回盲部〜上行結腸、尿管結石やヘルニア)の状態を確認

黄色の部分が腸管になります。粘膜下層部分が7.5㎜大と著明に肥厚しており、右回盲部〜上行結腸にかけての大腸炎と考えました。

検査について詳しく知りたい方へ

診断・治療

この所見と5日前に「鳥刺し(生・加熱不十分の鶏肉)」を摂取とのことから、カンピロバクター腸炎と診断。

カンピロバクターに有効な抗菌剤などの投薬を行い、4日ほどで改善しました。

💡「虫垂炎かも?」と迷ったら、まずは血液検査・エコーで評価できます

今回の治療例からわかること

1.右下腹部痛は虫垂炎だけではありません

右下腹部痛では虫垂炎をまず考えますが、感染性腸炎、憩室炎、クローン病、尿管結石なども原因になります。

痛みの場所だけで自己判断するのは難しく、診察と検査で原因を見極めることが大切です。

2.下痢がなくてもカンピロバクター腸炎はあり得ます

感染性腸炎というと下痢をイメージしやすいですが、すべての方で下痢が目立つわけではありません。

カンピロバクター腸炎では、右下腹部痛が強く出て、虫垂炎のように見えることがあります。

3.数日前の食事内容が診断のヒントになります

カンピロバクター腸炎では、症状が出る数日前の鶏肉摂取歴が重要です。

鶏刺し、鶏たたき、鶏わさ、焼き鳥、バーベキューなどを食べたあとに腹痛が出た場合は、受診時に必ず医師へ伝えてください。

4.腹部エコーは右下腹部痛の評価に役立ちます

腹部エコーでは、虫垂だけでなく、回盲部や上行結腸の炎症、尿管結石、ヘルニアなどを確認できます。

右下腹部痛の原因を見極めるうえで、腹部エコーは有用な検査のひとつです。

受診の目安|右下腹部痛を様子見しない方がよいケース

次のような場合は、自己判断で様子を見ず、医療機関へ相談してください。

  • 右下腹部痛が半日以上続いている
  • 痛みがだんだん強くなっている
  • 歩く、咳をする、車の揺れでお腹に響く
  • 右下腹部を押すと強く痛む
  • 発熱や寒気がある
  • 吐き気・嘔吐がある
  • 下痢や血便を伴う
  • 数日前に鶏刺し、鶏たたき、加熱不十分な鶏肉を食べた
  • 水分がとれない、尿が少ない、ふらつきがある
  • 虫垂炎か腸炎か自分では判断できず不安が強い

池袋で右下腹部痛・腹痛の相談をご希望の方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、腹痛・下痢・血便・吐き気などの胃腸症状について、診察、血液検査、腹部エコーなどを用いて原因を確認します。

お悩みの方はご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

院長からのコメント

右下腹部痛は「虫垂炎だ!」と決めつけたくなる症状です。

ですが実際には、今回のようにカンピロバクター腸炎が虫垂炎そっくりに見えることがあります。

そして、虫垂炎と腸炎では治療方針がまったく異なります。

当院では、症状と診察所見に合わせて血液検査・腹部エコーで見極め、適切な治療につなげます。

「様子を見ていいのか分からない」時は、早めにご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

よくある質問(FAQ)

Q1.右下腹部が痛いと虫垂炎ですか?

A.虫垂炎は重要な原因のひとつですが、右下腹部痛の原因は虫垂炎だけではありません。感染性腸炎、カンピロバクター腸炎、憩室炎、クローン病、尿管結石などでも右下腹部痛が起こります。痛みが続く場合は医療機関で確認しましょう。

 

Q2.下痢がなくてもカンピロバクター腸炎はありますか?

A.あります。カンピロバクター腸炎では下痢を伴うことが多いですが、腹痛が強く出て、下痢が目立たないケースもあります。右下腹部痛が強い場合は虫垂炎との鑑別が必要です。

 

Q3.カンピロバクター腸炎は食べてから何日後に発症しますか?

A.一般的には2〜5日程度の潜伏期間で発症することが多いとされています。ただし、1〜10日程度の幅があるため、受診時には数日前の食事内容も伝えることが大切です。

 

Q4.鶏刺しや鶏たたきを食べたあとに右下腹部が痛い場合は受診した方がよいですか?

A.腹痛が続く場合や痛みが強い場合は受診をおすすめします。生または加熱不十分な鶏肉はカンピロバクター腸炎の原因になることがあり、虫垂炎に似た右下腹部痛を起こすことがあります。

 

Q5.虫垂炎とカンピロバクター腸炎はどうやって見分けますか?

A.症状だけで完全に見分けることは難しいため、診察、血液検査、腹部エコーなどで確認します。虫垂の腫れがあるか、回盲部や上行結腸に炎症があるか、食事歴があるかなどを総合的に判断します。

 

Q6.カンピロバクター腸炎は自然に治りますか?

A.軽症であれば自然に改善することもあります。ただし、腹痛が強い、発熱がある、血便がある、水分がとれない、炎症が強い場合には治療が必要になることがあります。自己判断せず相談してください。

 

Q7.抗菌薬は必ず必要ですか?

A.必ず必要とは限りません。症状の強さ、発熱、血便、炎症反応、脱水、基礎疾患の有無などを踏まえて判断します。重症例や症状が強い場合には抗菌薬を検討することがあります。

 

Q8.カンピロバクター腸炎で下痢止めを飲んでもよいですか?

A.自己判断で下痢止めを使うことはおすすめしません。感染性腸炎では、腸内の菌や毒素を排出するために下痢が起きていることがあり、無理に止めると症状が長引く可能性があります。使用する場合は医師に相談してください。

 

Q9.右下腹部痛で腹部エコーをする意味はありますか?

A.あります。腹部エコーでは虫垂の腫れだけでなく、回盲部や上行結腸の炎症、尿管結石、ヘルニアなども確認できます。右下腹部痛の原因を絞り込むために役立つ検査です。

 

Q10.カンピロバクター腸炎を予防するにはどうすればよいですか?

A.鶏肉は中心部まで十分に加熱することが大切です。目安として中心部を75℃以上で1分間以上加熱します。また、生肉を扱った包丁・まな板・箸を他の食品と共有しないこと、調理後の手洗いも重要です。

まとめ

  • 右下腹部痛=虫垂炎とは限らない

  • カンピロバクター腸炎は虫垂炎のような痛みを出すことがある

  • 下痢が目立たないケースもあり得る

  • 治療方針が違うため、血液検査+腹部エコーで鑑別することが重要

  • 鳥刺しなど鶏肉摂取後、数日遅れて症状が出ることがある 

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

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医師紹介・アクセス・診療時間

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903

診療時間

診療時間
8:30〜12:30
13:30〜17:00 ×

休診日:金曜日午後・祝日

診療は完全予約制です。

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

  1. CDC. Clinical Overview of Campylobacter (Jan 30, 2025)

  2. CDC. Symptoms of Campylobacter Infection (May 13, 2024). 

  3. WHO. Campylobacter – Fact sheet (May 1, 2020). 

  4. 国立感染症研究所 IASR. カンピロバクター(鶏肉等、症状・潜伏期間)

  5. 食品安全委員会. カンピロバクター(ファクトシート) (2016)

  6. IDSA. 2017 Clinical Practice Guidelines for Infectious Diarrhea (2017)

 

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