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右わき腹の鈍痛が4日続く…「異常なし」と言われても安心できない理由|腹部エコー再検で“腹膜垂炎”が見つかった20代女性の実例

[2026.01.16]

右わき腹の鈍い痛みが続くと、「胆のう?腎臓?それとも虫垂炎?」と不安になりますよね。

実は、血液検査で炎症が少し出ても、一般的な画像検査で見落とされやすい腸の炎症が原因のことがあります。

その代表の一つが腹膜垂炎(ふくまくすいえん)です【1】【2】。

今回は、他院でいったん「異常なし」と言われたあとも症状が続き、当院の腹部エコー再検で腹膜垂炎を診断→投薬で改善した20代女性の実例を、患者さんにもわかりやすく解説します。

 

右腹部痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

右わき腹の鈍痛が続くときに考える主な原因

右わき腹の痛みといっても、原因は一つではありません。胆のう、腎臓、虫垂、大腸、婦人科など幅広い病気が関係するため、痛む場所・発熱の有無・食事との関係・痛み方を整理しながら考えることが大切です。

代表的には、胆石・胆のう炎尿管結石虫垂炎大腸憩室炎、そして今回のような腹膜垂炎などが鑑別に挙がります。

腹膜垂炎は、腸の外側にある脂肪の小さな突起がねじれたり血流障害を起こしたりして炎症を起こす病気で、ピンポイントの痛みがある一方、発熱や強い炎症反応は目立たないことがあります【1】【2】。

そのため、血液検査で大きな異常が出ていなくても、痛みが続く場合には「様子見」で終わらせず、圧痛の場所を意識した再診察や腹部エコーの再評価が重要です。

実際の治療例|20代女性「4日前から右わき腹の鈍痛」

症状
  • 4日前から右わき腹の鈍痛

  • 近所の消化器内科を受診

    • 血液検査:わずかな炎症反応

    • レントゲン・腹部エコー:異常なし

    • 鎮痛剤で様子見

  • ただしその後も鈍痛が続くため当院を受診

 

診察

右わき腹(右腹部)の痛みは原因が幅広いため、診察では次のような病気を整理して考えます。

  • 胆石発作/急性胆のう炎(右上腹部痛、食後に悪化、発熱)

  • 尿管結石/腎盂腎炎(背部〜わき腹痛、血尿、発熱)

  • 虫垂炎(右下腹部痛、歩くと響く、発熱)

  • 大腸憩室炎(右側結腸)(右腹部痛、発熱、炎症反応)

  • 腹膜垂炎(局所の痛みが強いのに、全身症状は軽いことが多い)【1】【2】

  • 婦人科疾患(卵巣嚢胞、卵巣捻転、子宮外妊娠など:20代では重要)

この段階で「軽い炎症がある」「痛みが続く」という情報から、“腸管まわりの局所炎症”も強く疑います。

 

検査

今回は「見落としがないか」を目的に、次を実施しました。

  1. 血液検査の再検:炎症反応の推移を確認

  2. 腹部エコーの再検:痛みの部位を中心に、腸管・胆のう・腎臓などを再評価

結果
  • 炎症反応:横ばい

  • 腹部エコー:

上行結腸付近に30*18mm大卵円形の脂肪織を認め(黄色部分)、腹膜垂炎と診断

画像のように腸管の近くに、圧痛点と一致する楕円形の脂肪性病変が見えるタイプが典型です【3】【4】

腹膜垂炎や憩室炎などの腸管炎症は、エコーでも診断可能ですが、腸管ガスの影響や所見の見極めに技術と経験が必要です【3】【4】。

必要に応じて、より確実な評価のためにCTが選択されることもあります(腹膜垂炎はCTで特徴的所見が知られています)【1】【2】。

 

💡当院では最短当日に右わき腹の痛みに対しての血液検査・腹部エコー検査がお受け頂けますので、お気軽にお問い合わせください。

  • 関連ページ:エコー検査|実際の流れや検査で分かる病気の詳細がご確認いただけます

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

腹膜垂炎とは?

腹膜垂(ふくまくすい)ってなに?

大腸の外側についている脂肪の小さな“ぶら下がり”を腹膜垂と言います。

腹膜垂炎の原因

腹膜垂がねじれたり、血流が悪くなったりして、局所的に炎症を起こす病気です。

症状の特徴

  • ピンポイントの腹痛(押すと痛い場所がはっきり)

  • 発熱や嘔吐などの全身症状は目立たないことが多い

  • 血液検査の炎症反応は軽度〜正常のことも【1】

虫垂炎や憩室炎に似ますが、多くは自然に改善することが多く【1】【2】、

正しく診断できると不要な抗菌薬や手術を避けやすいのが重要ポイントです【2】。

 

治療

腹膜垂炎は多くが保存的治療(飲み薬)で改善します。

今回は鎮痛薬(NSAIDsなど)を中心に症状をコントロールし、5日間程度で改善しました。

右わき腹の痛みで早めの受診が必要なサイン

右わき腹の痛みの中には、経過観察で落ち着くものもありますが、早めの受診が必要な病気もあります。

  • 痛みが3日以上続いている
  • だんだん痛みが強くなっている
  • 発熱、吐き気、嘔吐、血便、食欲低下がある
  • 歩くと響く、押すと強く痛い場所がはっきりしている
  • 鎮痛薬を飲んでも改善しない、または切れるとすぐ再燃する

このような場合は、虫垂炎、胆のう炎、腎盂腎炎、憩室炎など、放置しにくい病気が隠れていることがあります。

今回の痛みの原因となった腹膜垂炎は比較的良性で保存的治療で改善しやすい病気ですが、見た目の症状だけで完全に見分けることは難しく、画像を含めた評価が大切です【1】【2】。

院長からのコメント

「検査で異常なし」と言われても、腹痛が続くなら“再評価”が大切です。

腹膜垂炎や右側結腸憩室炎などは、丁寧な腹部エコーで拾えることがある一方、見逃されることもあります【3】【4】。

💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。

お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

よくある質問(FAQ)

Q. 右わき腹の痛みは胆のうが原因ですか?

A. 右上腹部の痛みで食後に悪化する場合、胆石や胆のう炎も鑑別に入ります。ただし同じ「右側の痛み」でも腸(憩室炎・腹膜垂炎)や腎臓(尿管結石)など原因は幅広いので、痛みが続く場合は評価が必要です【1】。

 

Q. 腹膜垂炎は放置しても大丈夫?

A. 多くは良性で自然軽快する病気ですが、痛みが強い・長引く・悪化する場合は他の病気(虫垂炎・憩室炎など)が隠れていないか確認が必要です【1】【2】。

 

Q. 虫垂炎(盲腸)との違いは?

A. どちらも右側の腹痛になります。腹膜垂炎は局所の痛みが目立つ一方、発熱や炎症反応が強く出にくいことがあります。最終的には診察と画像検査で見分けます【1】【2】。

 

Q. 憩室炎との違いは?

A. 憩室炎は大腸の憩室に炎症が起きる病気で、放置すると腹膜炎や穿孔と重症化することがあります。腹膜垂炎は大腸外側の脂肪(腹膜垂)の炎症で、自然治癒することが多いとされています【1】【2】。

 

Q. 血液検査が「軽い炎症」だけでも心配ですか?

A. 軽い炎症でも、痛みが続くなら原因の再確認が重要です。腹膜垂炎は炎症反応が軽度〜正常のこともあります【1】。症状が続く場合は再診や専門科受診をおすすめします。

 

Q. 腹部エコーで本当にわかりますか?

A. はい。腹膜垂炎には、圧痛点と一致する“楕円形の脂肪性病変”など特徴的な所見が報告されています【3】【4】。ただし腸管ガスなどの影響もあり、経験が必要です。

 

Q. CTは必ず必要ですか?

A. 状況によります。腹膜垂炎はCTで特徴的に診断でき、不要な治療を避けるのに役立ちます【2】。一方で、診察とエコーで可能性が高く、重症所見がない場合はCTを行わずに経過を見ることもあります。

 

Q. 抗生物質(抗菌薬)は必要ですか?

A. 腹膜垂炎は細菌感染が主体ではないため、基本は鎮痛を中心とした保存的治療が一般的です【1】【2】。ただし憩室炎など別の診断が疑われる場合は方針が変わります。

 

Q. 再発しますか?

A. 腹膜垂炎の多くは一過性ですが、まれに再燃・再発が報告され、症状が繰り返す場合は再評価が必要です【1】。

 

Q. どんなとき救急受診が必要ですか?

A. 発熱が出てきた/嘔吐が止まらない/痛みが急に強くなる/歩けないほどの痛み/血便/冷汗や意識がぼんやりする、などがある場合は早めに救急受診を検討してください。虫垂炎・胆のう炎・腎盂腎炎など緊急対応が必要な病気が紛れていることがあります。

まとめ

  • 右わき腹の痛みは、胆のう・腎臓・虫垂・大腸・婦人科など原因が幅広い

  • 腹膜垂炎は“局所の痛みが強いのに全身症状が軽い”ことがある【1】【2】

  • 腹部エコーでも診断可能だが、所見の見極めに経験が必要【3】【4】

  • 「異常なし」でも痛みが続くなら再評価(再診・専門受診)が大切

池袋で右わき腹の痛みが続く方は池袋上田胃腸クリニックへ

池袋上田胃腸クリニックでは、消化器内科の視点から診察・血液検査・腹部エコーを組み合わせ、必要に応じて追加検査も検討しながら原因を評価しています。

特に「他院で異常なしと言われたけれど痛みが続く」「食後ではないのに右わき腹が痛む」「ピンポイントで押すと痛い」といった方は、一度ご相談ください。

池袋駅から徒歩5分の立地で、WEB予約・電話予約にも対応しています。症状が続くときは、無理に我慢せず早めの受診をご検討ください。

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医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

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東京都豊島区池袋2丁目66-10  

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参考文献

  1. Giannis D, et al. Epiploic appendagitis: pathogenesis, clinical findings and imaging clues of a misdiagnosed mimicker. 2019.
  2. Trovato P, et al. Acute epiploic appendagitis: ultrasound and computed tomography findings. 2020.
  3. Mollà E, et al. Primary epiploic appendagitis: US and CT findings. 1998.
  4. Rioux M, et al. Primary epiploic appendagitis: clinical, US, and CT findings in 14 cases. 1994.
  5. Zadeh ES, et al. Clinical Awareness and Acceptance of Sonographically Diagnosed Acute Epiploic Appendagitis. 2021.

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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