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便にゼリー状のものが混じる原因は?|“軟便体質”と思っていた30代男性に潰瘍性大腸炎が見つかった実例

[2026.03.18]

「もともとお腹が弱い方だから」「昔から軟便気味だから」

と思っていても、便にゼリー状のものが混じる状態が続くときは、単なる体質では済まないことがあります。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を起こす病気で、下痢・血便・腹痛が代表的な症状です。

炎症を起こした粘膜から粘液が出るため、患者さんによっては「便にゼリーみたいなものが混じる」「ぬるっとしたものが出る」と感じることがあります【1】【4】【5】。

今回は、軟便体質と思っていた30代男性が、大腸カメラで潰瘍性大腸炎と診断され、5-ASA治療で寛解導入できた実例をご紹介します。

同じように「便の違和感」「粘液便」「なんとなく続く軟便」でお悩みの方の受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 便にゼリー状のものが混じる場合、腸の粘液が増えている可能性があります。

✅ 一時的な腸炎や過敏性腸症候群でも起こりますが、潰瘍性大腸炎などの大腸炎が原因のこともあります。

✅ 「昔から軟便だから」と思っていても、最近になって便の状態が変わった場合は注意が必要です。

✅ 血便、腹痛、下痢、体重減少、発熱を伴う場合は早めの受診をおすすめします。

✅ 大腸カメラでは、大腸粘膜の炎症の有無や範囲を直接確認でき、必要に応じて生検も行えます。

 

池袋で粘液便・軟便・血便・腹痛が続く方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、粘液便、軟便、下痢、血便、腹痛などの症状に対して、診察・血液検査・便検査・大腸カメラを組み合わせて原因を確認しています。気になる症状が続く方は、自己判断で様子を見すぎずご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

便にゼリー状のものが混じる主な原因

便にゼリー状のものが混じるとき、医学的には粘液便として考えることがあります。腸の粘膜はもともと便をスムーズに運ぶために粘液を分泌していますが、腸に炎症や刺激があると、粘液が増えて便に混じることがあります。

主な原因には、次のようなものがあります。

原因 特徴 受診の目安
一時的な腸炎 食あたり、ウイルス、細菌などで腸が刺激される 下痢・腹痛・発熱が強い、長引く場合は受診
過敏性腸症候群(IBS) ストレスや緊張で下痢・便秘・腹痛を繰り返す 血便、体重減少、夜間症状がある場合は検査が必要
潰瘍性大腸炎 大腸粘膜に慢性的な炎症が起こる 粘液便、軟便、下痢、血便、腹痛が続く場合は要注意
クローン病 消化管のさまざまな部位に炎症が起こる炎症性腸疾患 腹痛、下痢、体重減少、肛門症状がある場合は受診
直腸炎 直腸の炎症により粘液や血液が混じることがある 残便感、頻回の便意、粘液便が続く場合は検査
大腸ポリープ・大腸がん 血便や便通異常をきっかけに見つかることがある 血便、便が細い、体重減少、便通変化が続く場合は大腸カメラ

便に粘液が混じる症状だけで、原因を一つに決めることはできません。大切なのは、いつから続いているか、頻度が増えているか、血便や腹痛を伴うか、体重が減っていないかを確認することです。

血便や粘液便が気になる方は、以下の関連ページもあわせてご覧ください。

潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎は、大腸の内側にある粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を起こす病気です。炎症性腸疾患(IBD)の一つで、症状が落ち着く時期と悪くなる時期を繰り返すことがあります[1][2][3]。

代表的な症状は、下痢、血便、腹痛、便意が近い感じですが、症状の出方には個人差があります。初期や軽症では、はっきりした血便ではなく、軟便が続く、便に粘液が混じる、便がすっきりしないといった症状で気づくこともあります。

原因は一つではなく、免疫反応の異常、遺伝的要因、腸内環境、環境因子などが関係すると考えられています[2][3]。

関連ページ

▶専門医の院長による潰瘍性大腸炎の解説|原因・検査・治療について

実際の治療例|30代男性「便にゼリーのようなものが混じっている」

症状

もともと軟便が多い体質でしたが、3か月ほど前から便にゼリーのようなものが混じることに気づきました。

当初は「腸が少し荒れているだけかな」と様子を見ていたものの、最近になってその頻度が増えてきたため、当院を受診されました。

血便がはっきりしない場合でも、便の性状変化が続くこと自体が重要なサインになることがあります。特に潰瘍性大腸炎は若い世代でもみられ、30代男性でも十分に起こりうる病気です【1】【4】【5】。

 

診察

便にゼリー状のものが混じるとき、まず考えるのは粘液便です。ただし、粘液便があるからといって、すべてが潰瘍性大腸炎とは限りません。

診察では、次のような病気を鑑別に挙げます。

  • 潰瘍性大腸炎

  • 感染性腸炎

  • クローン病

  • 過敏性腸症候群(IBS)

  • 直腸炎

  • 薬剤性腸炎

  • 虚血性腸炎

  • 放射線性腸炎 など

潰瘍性大腸炎を疑う場面では、感染性腸炎との区別が特に重要とされており、実際の診療でも便培養や経過、内視鏡所見を踏まえて見分けていきます。

また、潰瘍性大腸炎の診断では、感染性腸炎以外にも、クローン病、薬剤性大腸炎、虚血性大腸炎などを除外することが重要です【2】【3】。

この患者さんでは、慢性的に続く軟便に加えて、最近になって粘液便の頻度が増えていることから、単なる体質や一過性の腸炎だけでは説明しにくく、大腸の炎症性疾患をきちんと確認する必要があると判断し、大腸カメラ(内視鏡検査)を行いました。

 

検査

左:潰瘍性大腸炎|右:正常粘膜

大腸カメラでは大腸粘膜に炎症を認め、生検を行い、潰瘍性大腸炎と診断しました。

「ゼリーのような便」という一見あいまいな訴えでも、背景に大腸粘膜の炎症が隠れていることがあります。

潰瘍性大腸炎が疑われるときは、血液検査・便検査・大腸カメラ(内視鏡検査)を組み合わせて評価します。

特に大腸内視鏡は、炎症の有無や広がりを直接確認でき、必要に応じて生検(組織検査)も行えるため、診断にとても重要です【1】【2】【4】。

関連ページ

▶無痛大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます

 

治療

潰瘍性大腸炎の治療では、まず炎症を落ち着かせて寛解に導くこと、そしてその状態を長く維持することが目標になります。

日本の患者向けガイドや難病情報センターでも、軽症〜中等症では5-ASA製剤(メサラジン)が治療の中心とされています【1】【3】。

今回の患者さんも、5-ASAにて治療開始し、寛解導入できました。その後も維持療法を継続しています。

5-ASAで十分な改善が得られない場合には、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などを検討することがありますが、まずは病勢や範囲に応じて適切な治療を選ぶことが大切です【2】【3】。

また、潰瘍性大腸炎では長期経過例で大腸がんの発生リスクがあることが知られており、5-ASA継続や定期的な内視鏡フォローが重要です【2】【3】。

軟便が続く、粘液便が増えた、血便まではないけれど不安――そんな方も、大腸カメラで原因が分かることがあります。

💡当院では最短当日に大腸カメラがお受け頂けます。

また鎮静剤による無痛大腸カメラにも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

粘液便・軟便で大腸カメラを検討した方がよい目安

便にゼリー状のものが混じる症状が一度だけで、すぐに改善する場合は、食事や一時的な腸の刺激が関係していることもあります。

一方で、次のような場合は、大腸カメラを含めた検査を検討した方がよいことがあります。

  • 粘液便が数週間以上続いている
  • 以前より粘液便の頻度が増えている
  • 軟便や下痢が続いている
  • 血便がある、または便に赤いものが混じる
  • 腹痛や残便感が続く
  • 便が細くなった、便通が急に変わった
  • 体重が減ってきた
  • 発熱や強いだるさがある
  • 家族に大腸がんや炎症性腸疾患の方がいる

特に、血便、腹痛、下痢が続く場合は、大腸炎や大腸ポリープ、大腸がんなどの確認が必要になることがあります。

大腸カメラを受けるべき症状については、以下のページでも詳しく解説しています。

院長からのコメント

「便にゼリー状のものが混じる」という訴えは、患者さんご本人も説明しにくく、周囲にも伝わりにくい症状です。

そのため、「気のせいかな」「体質かな」と受診が遅れてしまうことがあります。

しかし実際には、今回のように潰瘍性大腸炎の初期サインであることがあります。

特に、軟便が続く・粘液が増えてきた・以前と便の質が違うという変化がある場合は、一度しっかり評価することをおすすめします。

池袋で粘液便・軟便・血便の相談をご希望の方へ

池袋上田胃腸クリニックでは、胃腸症状の診察から大腸カメラまで対応しています。

「便にゼリー状のものが混じる」「軟便が続く」「血便かもしれない」など、便の変化が気になる方はご相談ください。

▶ WEB予約はこちら

お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

よくある質問(FAQ)

Q:便にゼリー状のものが混じるのは、何ですか?

ゼリー状に見えるものは、腸から出た粘液であることがあります。腸の粘膜に炎症があると粘液が増え、便に混じって見えることがあります【1】【4】【5】。

 

Q:もともと軟便体質でも、大腸カメラを受けた方がいいですか?

はい。以前から軟便傾向があっても、「最近になって粘液が増えた」「便の状態が変わった」という場合は、炎症性腸疾患などを確認する意義があります【1】【2】。

 

Q:血便がなくても潰瘍性大腸炎のことはありますか?

あります。潰瘍性大腸炎は血便が典型症状ですが、初期や軽症では、軟便・粘液便・腹部不快感などが前面に出ることがあります【1】【4】。

 

Q:潰瘍性大腸炎はどんな検査で分かりますか?

血液検査、便検査、大腸カメラを組み合わせて評価します。特に大腸カメラは炎症の範囲や程度を直接確認でき、生検も行えるため重要です【1】【2】【4】。

 

Q:潰瘍性大腸炎とクローン病はどう違うのですか?

どちらも炎症性腸疾患ですが、潰瘍性大腸炎は基本的に大腸の粘膜に炎症を起こし、クローン病は口から肛門まで消化管の広い範囲に炎症が起こりえます【1】【2】。

 

Q:5-ASAはどんな治療ですか?

5-ASA(メサラジン)は、大腸の炎症を抑える治療の中心となる薬です。軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎で、寛解導入にも維持療法にも広く使われます【1】【2】【3】。

 

Q:症状がよくなったら薬はやめてもいいですか?

自己判断で中止しないことが大切です。潰瘍性大腸炎は再燃を繰り返すことがあり、寛解を維持するために維持療法が重要です【2】【3】【4】。

 

Q:食事だけで治せますか?

食事は体調管理に大切ですが、潰瘍性大腸炎そのものの炎症を評価し、必要な薬物治療を行うことが基本です。症状がある時は自己判断せず受診をおすすめします【3】【4】。

 

Q:潰瘍性大腸炎だと将来大腸がんになりやすいですか?

長期経過例、とくに広い範囲に炎症がある場合は大腸がんのリスクが高くなります。定期的な受診と内視鏡フォローが大切です【2】【3】。

 

Q:どんな時に早めの受診が必要ですか?

粘液便が続く、血便がある、腹痛や下痢が続く、体重減少がある場合は、早めの受診をおすすめします。単なる体質ではなく炎症性疾患が隠れていることがあります【1】【2】【4】。

まとめ

便にゼリー状のものが混じる症状は、腸から出る粘液が便に混じっている可能性があります。

一時的な腸炎や過敏性腸症候群でも起こりますが、今回のように“軟便体質”と思っていた方に潰瘍性大腸炎が見つかることもあります。

特に、次のような場合は注意が必要です。

  • 粘液便が続く
  • 軟便や下痢が長引く
  • 便の状態が以前と変わった
  • 血便や腹痛がある
  • 体重減少や発熱を伴う

潰瘍性大腸炎は、大腸カメラで診断し、5-ASAなどの治療で症状を落ち着かせることができる病気です。早めに診断することで、日常生活への影響を減らしやすくなります。

「便にゼリー状のものが混じる」「軟便体質だと思っていたけれど最近変化がある」という方は、一度当院にご相談ください。

池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。

池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能ですので、お困りの方はお気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

関連ページ

▶血便・腹痛・下痢があるときに考える病気をまとめて知りたい方は、大腸炎の原因・症状・検査・治療もあわせてご覧ください。

 

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。

アクセス

〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

  • JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
  • 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
  • その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)

▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903

▶WEB予約は【こちら】

文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

参考文献

【1】日本消化器病学会. 患者さんとご家族のためのガイド 炎症性腸疾患(IBD). 2023.
【2】日本消化器病学会. 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン.
【3】難病情報センター. 潰瘍性大腸炎(指定難病97).
【4】NIDDK. Ulcerative Colitis.
【5】Crohn’s & Colitis Foundation. Overview of Ulcerative Colitis.

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