人間ドックで「ピロリ抗体陽性」…症状ゼロでも胃カメラで早期胃がんが見つかった40代女性の実例
「人間ドックの血液検査でピロリ菌抗体が陽性でした。特に症状はないのですが、胃カメラが必要ですか?」
この質問はとても多いです。
結論から言うと、症状がなくても胃カメラは大切です。
ピロリ菌感染は胃がんの最大のリスク因子として位置づけられており【1】【2】、胃がんは早期ほど自覚症状が出にくいためです【6】。
今回は、実際に「ドックで抗体陽性」をきっかけに胃カメラを受け、早期胃がんが見つかった40代女性のケースをもとに解説します
ピロリ菌を指摘された方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けていますぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|40代女性「人間ドックの血液検査でピロリ菌抗体が陽性」
症状
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自覚症状:特になし
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「胃カメラを受けるように」と指示され当院へ
※早期胃がんは無症状のことも多く、“症状がない=安心”ではない点が重要です【6】。
診察
ピロリ抗体陽性=「胃のリスクがあるサイン」ですが、診察では次を整理します。
1) まず確認すること
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過去にピロリ除菌歴があるか
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胃薬(PPIなど)内服、既往歴、家族歴(胃がん)
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体重減少、貧血、黒色便、食欲低下などの“アラームサイン”の有無
抗体検査は「感染の可能性」を示しますが、活動性(いま感染しているか)を区別できない点も重要です【1】【2】。
過去の感染でも上がることがあったり、未感染でも偽陽性のこともあります。
今回は「実際にピロリ菌がいる状態なのか」、「いる場合は胃がんや潰瘍などの合併がないか」を正しく評価するため、胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。
胃カメラ
ピロリ菌の確認と合わせ、実際にピロリ菌感染がある場合には以下の病気にも注意しながら観察を行います
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慢性胃炎/萎縮性胃炎(ピロリ関連)【2】
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胃・十二指腸潰瘍
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胃ポリープ
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早期胃がん【6】
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(まれに)MALTリンパ腫 など
実際の内視鏡画像
胃カメラではピロリ菌による萎縮性胃炎を認め、実際に胃カメラ中でのピロリ菌検査も陽性反応でした。
ピロリ菌がいると粘膜の血管が透けたように見え、赤と白のまだらな色調に変化します。
胃の出口付近に陥凹を認め、早期胃がんを疑い、生検を施行。
その結果、早期胃がんと診断しました。
黄色で囲まれた部分が早期胃がんです。
4㎜程度の小さな病変ですが、オリンパス製の最新システムCV1500と専門医の院長による丁寧な胃カメラでこのような小さな病変も見落とすことなく発見ができます。
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「ピロリ菌と胃の病変の関係」とは
ピロリ菌(H. pylori)は、長期感染により胃粘膜に炎症を起こし、萎縮→腸上皮化生などの変化を経て胃がんリスクを高めることが知られています【2】。
また、無症状の人を対象にしても、ピロリ菌を見つけて除菌することで胃がん発症リスクが下がることが示されています【3】。
ただし、除菌すればリスクがゼロになるわけではなく、胃粘膜の状態(萎縮など)によっては定期的な内視鏡フォローが重要になります【2】【6】。
治療(今回の経過)
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内視鏡上は早期胃がんと診断。
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内視鏡治療の適応と判断し、高次医療機関へ紹介
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ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)で治療
その後も定期的な胃カメラで「再発」や「別の胃がんの発生」のチェックを行っております。
院長からのコメント
ピロリ菌を指摘されたとき、多くの方が「症状もないし、忙しいから後回しで…」となりがちです。
でも実際には、症状がない時期にこそ見つけたい病気(早期胃がん)があります【6】。
今回のように、人間ドックの一言がきっかけで早期発見→内視鏡治療につながることもあります。
「血液検査で陽性と言われた」「昔から胃の検査をしていない」——そんな方は、ぜひ早めにご相談ください。
池袋上田胃腸クリニックでは、最短当日に無痛胃カメラがお受けできる体制を整えています。
ピロリ菌陽性の方はぜひご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
よくある質問(FAQ)
Q. ピロリ菌抗体が陽性=必ずピロリ菌に感染していますか?
A. いいえ。抗体(IgG)は「感染したことがある」サインで、現在の活動性感染と過去感染の区別がつかないことがあります【1】【2】。また偽陽性の可能性もあり、追加検査や胃カメラで評価します。
Q. 症状がないのに胃カメラを受ける意味はありますか?
A. あります。早期胃がんは無症状のことも多く、症状が出てからだと進行している場合があります【6】。ピロリ陽性はリスク評価の重要な手がかりです【1】【2】。
Q. ピロリ菌は本当に胃がんの最大リスクですか?
A. はい。ピロリ菌は胃がんに関わる重要因子として国際的にも位置づけられています【1】【2】。
Q. 除菌だけ先にして、胃カメラは後でもいいですか?
A. 原則は「現状確認」が大切です。除菌は胃がんリスクを下げますが【3】、すでに病変がある可能性もあるため、通常は胃カメラでの評価を先に行います【6】。
Q. 除菌をしたら胃がんはもう心配いりませんか?
A. リスクは下がりますがゼロにはなりません【3】。胃粘膜の萎縮などの状態によっては、医師と相談して定期的な内視鏡フォローが推奨されます【2】【6】。
Q. ESD(内視鏡治療)ってどんな治療ですか?
A. 早期胃がんを内視鏡で切除する治療です。適応はガイドラインで整理されており、手術を回避できる可能性があります【4】【5】。
Q. 胃カメラは苦しいのが不安です。楽に受けられますか?
A. 鎮静(眠って受ける)や経鼻内視鏡など、負担を下げる方法があります。適応は体調や既往で異なるため、予約時にご相談ください。
Q. 家族が胃がんなのですが、ピロリ検査や胃カメラは必要ですか?
A. 胃がん家族歴はリスク評価の材料になります。年齢や状況により、ピロリ評価や内視鏡検査を検討します【6】。
Q. 抗体が陰性なら、胃がんの心配はほぼありませんか?
A. リスクは下がる傾向がありますが、ゼロではありません。胃粘膜の状態や他のリスクもあるため、症状や背景で医師が総合判断します【6】。
Q. 「ピロリ陽性」と言われたら、まず何をすればいいですか?
A. まずは消化器内科で相談し、胃カメラで胃粘膜の状態や病変の有無を確認をお勧めします【2】【6】。必要に応じて除菌やフォロー計画を立てます。
まとめ
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ピロリ菌は胃がんの重要なリスク因子で、国際的にも発がん因子として位置づけられています【1】【2】
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早期胃がんは無症状のことがあるため、「症状がないから大丈夫」は危険です【6】
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ピロリ抗体陽性を指摘されたら、胃カメラで現状確認が重要
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早期で見つかれば、今回のようにESDで治療できる可能性があります【4】【5】
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除菌はリスクを下げますが、リスクは0になるわけではないので定期的な胃カメラが奨励されます【2】【3】【6】
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「検査はつらい、怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、“苦痛の少ない内視鏡検査(無痛胃カメラ・無痛大腸カメラ)” を心がけています。
初めての方や検査に不安がある方でも、「ここで受けてよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
