よく噛まずに飲み込むと食道に痞える...原因はアカラシア?|胃カメラで診断した実例
「よく噛んで飲み込まないと、胸やのどにつかえる」
この症状、年齢や疲れのせいと思って様子を見がちですが、食道の動きそのものが弱くなる病気が隠れていることがあります。
今回は、つかえ感が増えて受診し、胃カメラで“アカラシア”を疑い、専門治療(POEM)可能な高次医療機関へ紹介した40代女性の実例をもとに、消化器専門医の東海林院長がわかりやすく解説します。
のどや胸のつかえでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|40代女性「よく噛まずに飲み込むとのどや食道につかえる」
症状
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以前から、あまり噛まずに飲み込むと胸やのどに詰まる感じ
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最近は しっかり噛んでいても“つかえ”を感じる回数が増加
何か病気なのではと心配になり受診
診察
症状からは以下ような疾患を考えました。
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逆流性食道炎/食道裂孔ヘルニア
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食道がん・胃噴門部がん(“狭くなる”原因)
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好酸球性食道炎(アレルギー関連で狭窄)
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食道狭窄(薬剤性・炎症後など)
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食道痙攣(びまん性食道痙攣)などの運動異常
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アカラシア(下部食道括約筋がゆるまず、食道の動きが低下)【1】【2】
症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため内視鏡検査(胃カメラ)を行いました。
実際の内視鏡画像
食道と胃の接合部が狭くなり(黄色部分)、周囲の筋肉が引きつった状態(緑部分)となっていました。
食道アカラシアによる狭窄と考えました。
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▶無痛胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
「アカラシア」とは?
アカラシアは、食道と胃のつなぎ目(食道胃接合部)の筋肉が強く収縮してしまいうまく開かず、さらに食道の蠕動(ぜんどう)運動が弱くなることで、食べ物が胃へ流れにくくなる病気です【1】【2】。
原因ははっきりしていませんが、神経伝達の異常と考えられています
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本来:飲み込む → 食道が動く → つなぎ目が開く → 胃へ
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アカラシア:つなぎ目が開きにくい/食道が押し流せない → 胸につかえる・逆流
主な症状
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食べ物や水が胸でつかえる
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夜間の逆流・嘔吐
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体重減少
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胸痛
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▶アカラシアについて専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
治療
アカラシアは、基本的に「狭くなった通り道(食道胃接合部)を広げる」治療を行います【1】【2】。
代表的な治療選択肢:
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POEM(内視鏡的筋層切開術)
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腹腔鏡下Heller筋層切開+噴門形成
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バルーン拡張術(空気拡張)
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ボツリヌス毒素注入(適応は限定的)など【1】【2】
今回の患者さんは、内視鏡所見からPOEMの適応があると判断し、対応可能な高次医療機関へ紹介しました。
POEMは内視鏡治療として広く行われ、嚥下困難の改善が期待できる一方、治療後の逆流(GERD)には注意が必要で、PPI内服や経過観察が重要です【1】【4】。
院長からのコメント
「“よく噛めば治る”と思っていたのに、むしろ最近つかえが増える」
このパターンは、食道の運動障害(アカラシアなど)を疑う大切なサインです。
胸やのどのつかえは、逆流性食道炎など頻度の高い病気でも起こりますが、一方で放置したくない病気(がん・狭窄・アカラシア)も含まれます。
大きな病気を見逃さないためにも早めに内視鏡(胃カメラ)を行い原因をはっきりさせ、適切な治療を行うことが大切です。
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない無痛内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
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土日対応、事前診察は原則不要
- 池袋駅徒歩5分でアクセス良好
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
よくある質問(FAQ)
Q1. 胸につかえる感じは、ストレスや自律神経のせいですか?
A. そういうこともありますが、今回のようなアカラシアや食道がんでも起こります。頻度が増えてきた場合は検査をおすすめします【1】。
Q2. のどの違和感でも胃カメラが必要ですか?
A. のどの違和感は食道疾患でも起こるケースがあり、診断には胃カメラが役立ちます【1】。
Q3. 食道がんとの症状の違いは?
A. 症状は似ます。だからこそ、まず内視鏡で狭窄(がん等)を除外することが大切です【1】。
Q4. アカラシアの治療「POEM」は誰でも受けられますか?
A. 適応は病状・タイプ・全身状態などで判断します。専門施設で評価して決まります【1】【2】。
Q5. アカラシアは薬で治りますか?
A. 薬だけで十分に改善するケースは多くありません。基本は拡張や筋層切開などの治療が中心です【1】【2】。
Q6.アカラシアは 放置するとどうなりますか?
A. 食道にたまりやすくなり、夜間逆流・誤嚥などのリスクが上がることがあります【1】。
Q7. すぐ受診すべき症状は?
A. 体重減少、食事がほぼ通らない、吐く、黒色便、強い胸痛、発熱やむせ込みがある場合は早めに受診してください【1】。
まとめ
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胸・のどのつかえが増えてきたら、逆流だけでなくアカラシアも鑑別に入ります
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まずは胃カメラでがん・狭窄などを除外【1】
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治療はPOEMなどで改善が期待できるが、逆流対策も重要【1】【4】
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参考文献
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ACG Clinical Guidelines: Diagnosis and Management of Achalasia(2020).
-
ASGE guideline on the management of achalasia(2020)
-
Chicago classification version 4.0 technical review(2021).
-
Peroral endoscopic myotomy versus laparoscopic Heller's myotomy(5年成績の報告を含む, 2025).
医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
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東京都豊島区池袋2丁目66-10
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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
