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【要注意】黒い便が出たら胃カメラが必要?十二指腸潰瘍が見つかった50代男性

[2026.02.12]

「便が黒っぽい…」

そんな変化に気づいても、つい食事のせいかな?と様子を見てしまう方は少なくありません。

ただ、黒い便(タール便)は、胃や十二指腸など“上部消化管”からの出血で起こることがあり、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどのサインの可能性があります【4】。

今回は、実際に当院を受診された50代男性のケース(十二指腸潰瘍)をもとに、黒い便の原因・検査・治療の流れを、できるだけ分かりやすくまとめました。

めまい・ふらつき・冷や汗・動悸・吐血がある場合は、出血が強い可能性もあるため、早めの受診(状況によっては救急)をご検討ください【5】。

 

▶池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

 

症例紹介|50代男性「黒い便が出た」

症状
  • 2日前から黒い便が続き、計3回確認

  • 強い腹痛はなし

 

診察

黒い便には大きく2パターンあります。

① “出血”による黒い便(タール便)

胃酸や消化液で血液が変化し、黒く、ねっとり、独特のにおいを伴うことがあります【4】。

原因としては以下が代表的です。

  • 胃潰瘍/十二指腸潰瘍(最も頻度が高い原因の一つ)【1】

  • 急性胃粘膜病変(びらん・出血性胃炎)【1】

  • 胃がん・食道がんなど腫瘍からの出血

  • 食道静脈瘤など(肝疾患が背景にある場合)

  • 小腸出血(胃カメラで原因が見つからないときに検討)

② 食事・薬で“黒く見える”便

出血ではなくても、以下で黒くなることがあります【4】。

  • 鉄剤(貧血の薬)

  • ビスマス製剤(胃腸薬など)

  • 活性炭

  • 黒っぽい食品(例:甘草、ブルーベリー等)

正しく状態を把握し、治療方針を立てるため胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。

 

検査

胃カメラでは、十二指腸潰瘍を認め、今回の黒い便の原因と診断しました

青丸で囲まれた領域が十二指腸潰瘍になります。 観察時には出血は止まっていましたが、矢印部分の黒ずんだ部分が出血をした後にみられる変化です。

無痛胃カメラ(内視鏡)で診断した十二指腸潰瘍|池袋上田胃腸クリニック

また胃にはピロリ菌による萎縮性胃炎を認め、今回の潰瘍の原因と考えました。

無痛胃カメラ(内視鏡)で診断した萎縮性胃炎|池袋上田胃腸クリニック

黒い便が続く/不安が強い方は、早めに胃カメラでの確認が重要です。

当院では眠った状態での無痛胃カメラを行っております。

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

十二指腸潰瘍とは?

十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜が傷ついてえぐれ(潰瘍)ができた状態です。

発症には、以下が深く関わります。

  • ピロリ菌感染(潰瘍の重要な原因)【1】【3】

  • 痛み止め(NSAIDs)や低用量アスピリンなど薬剤【1】

  • 喫煙、ストレス、体調不良などが重なることも

潰瘍が深くなると、今回のように出血して黒い便が出たり、まれに穿孔(穴が開く)など重い経過を取ることがあります【1】。

💡ピロリ菌陽性の場合は除菌が重要

ピロリ菌を除菌すると、潰瘍の再発は大きく減少し、Miwaらの大規模研究では、成功後の年間再発率は概ね1〜2%台と報告されています【2】。

また、ピロリ除菌は胃がんリスクを下げることも示されています(ただしゼロにはなりません)【6】。

 

今回の治療

出血がすでに止まっており、全身状態が安定している場合は、まず薬で治療します【1】。

① 胃酸をしっかり抑える薬(PPIなど)

胃酸を抑えて粘膜の回復を促します。消化性潰瘍治療の中心です【1】。

② 粘膜保護薬

粘膜の防御を助け、治癒を後押しします(症状・所見により調整)。

今回も①+②を組み合わせて治療を行いました。

 

経過
  • 2週間後の再診時:黒い便は消失、症状も落ち着く

  • 除菌:抗菌薬+胃酸抑制薬を1週間内服

  • 判定:内服終了後、1か月後に呼気検査で除菌判定を行い陰性化を確認。【3】

  • 除菌後も胃がんのリスクは残るため、定期的な胃カメラで経過観察継続中【6】

院長からのコメント

黒い便は、「一時的に治ったから大丈夫」と見過ごされがちですが、出血が止まって見えるだけのこともあります。

胃カメラは原因を直接確認でき、必要ならその場で治療方針を決められる大切な検査です【5】。

当院では、初めての方でも不安が少なくなるように、症状の聞き取りから検査説明まで丁寧に行っています。

「これって受診すべき?」と迷う段階でも構いません。早めにご相談ください。

 

池袋上田胃腸クリニックでは、黒い便に対して当日中に検査・診断できる体制を整えています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。

📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903

※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問FAQ

Q1. 黒い便が1回だけでも受診した方がいいですか?

A. 1回でも、上部消化管出血(胃・十二指腸など)の可能性があります。食事や薬の心当たりがない、タール状でにおいが強い、めまいを伴う場合は早めに相談をおすすめします【4】【5】。

 

Q2. 鉄剤や胃腸薬で便が黒くなることはありますか?

A. はい。鉄剤、ビスマス製剤、活性炭、黒い食品などで便が黒く見えることがあります【4】。ただし見た目だけで出血との区別は難しいため、気になる場合は医療機関で確認しましょう【4】。

 

Q3. 黒い便(タール便)と赤い血便は何が違うの?

A. 一般に、黒い便は胃・十二指腸など「上部消化管」由来の出血で起こりやすく、赤い血便は大腸・直腸・肛門など「下部」由来が多いです【4】。

 

Q4. 痛みがなく元気でも、黒い便は危険ですか?

A. はい。出血が少量でも続けば貧血になることがあります。症状が軽くても原因精査(血液検査・内視鏡)が重要です【5】。

 

Q5. 市販の胃薬で様子を見ても大丈夫?

A. 一時的に楽になっても、潰瘍や腫瘍の出血を否定できません。黒い便が出た場合は、自己判断よりも原因確認を優先しましょう【5】。

 

Q6. どれくらい急いで胃カメラを受けるべきですか?

A. 上部消化管出血が疑われる場合、一般に24時間以内の内視鏡が推奨されます(全身状態の安定化が前提)【5】。めまい・ふらつき・吐血がある場合はより緊急性が高い可能性があります【5】。

 

Q7. 胃カメラが怖いのですが、鎮静剤は使えますか?

A. 可能です(適応や体調により医師が判断)。不安が強い方は、予約時や診察時にご相談ください。

 

Q8. 血液検査だけで、出血の有無は分かりますか?

A. 貧血の有無は参考になりますが、出血源(潰瘍・がんなど)までは特定できません。原因を確認するには内視鏡が重要です【5】。

 

Q9. 十二指腸潰瘍はピロリ除菌で再発しにくくなりますか?

A. はい。除菌成功後、潰瘍再発は大きく減少し、大規模研究でも年間再発率が低いことが示されています【2】。ただしNSAIDsなどがあると再発リスクが上がるため、薬剤調整も大切です【1】。

 

Q10. ピロリ菌を除菌すれば胃がんの心配はゼロになりますか?

A. ゼロにはなりません。除菌は胃がんリスクを下げることが示されていますが【6】、萎縮の程度などによっては経過観察(胃カメラ)が重要になります【6】。

まとめ

  • 黒い便(タール便)は上部消化管出血のサインになり得る【4】

  • 原因は胃・十二指腸潰瘍、胃炎、腫瘍、小腸出血など幅広い

  • 食事・薬で黒くなることもあるが、見た目だけで区別は難しい【4】

  • 出血が疑われる場合、早めの血液検査+胃カメラが重要【5】

  • ピロリ菌陽性なら除菌で再発を大きく減らせる【2】【3】

  • ただし除菌後も、リスクに応じて胃カメラでのフォローが大切【6】

👉 黒い便が続く/原因が分からず不安な方は、自己判断せずご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5953-5903

関連ページ

参考文献

【1】Kamada T, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for peptic ulcer disease 2020. (JSGE)
【2】Miwa H, et al. Recurrent peptic ulcers in patients following successful Helicobacter pylori eradication: a multicenter study of 4940 patients. Helicobacter. 2004.
【3】Kato M, et al. Guidelines for the management of Helicobacter pylori infection in Japan: 2016 Revised Edition. Helicobacter. 2019.
【4】MedlinePlus. Black or tarry stools.
【5】Barkun AN, et al. Management of Nonvariceal Upper Gastrointestinal Bleeding. 2019.
【6】Sugano K. Effect of Helicobacter pylori eradication on the incidence of gastric cancer: systematic review and meta-analysis. 2019.

医師紹介

東海林英典(しょうじ ひでのり)院長

📍経歴

国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。

胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。

令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。

アクセス

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東京都豊島区池袋2丁目66-10  

上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)

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文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)

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