【要注意】食後の激しい腹痛と下痢…原因は“虚血性腸炎”?実際の診断例を解説
「急激に起こったお腹がギューッと締めつけられるような痛み」
痛みがちょっとよくなってきたからと様子を見てしまう方も多いのですが、食後に起こる強い腹痛や下痢は、腸の血流が一時的に途絶える『虚血性腸炎』の初期サインのことがあります。
放っておくと炎症が広がり、重症化することもあるため、軽くなってきた場合でも痛みや下痢が続く場合は早めの受診が大切です。
池袋上田胃腸クリニックでは腹部エコーや血液検査で原因を丁寧に調べ正確な診断・適切な治療を行っています。
同様の症状ででお困りの方がいらっしゃれば、今回ご紹介するケースが受診のきっかけになれば幸いです。
▶WEB予約・電話予約を受け付けています。同様の症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|40代女性「下腹部の激痛と下痢」
【症状】
夕食後、3時間ほどして急に冷や汗が出るほどの腹痛と下痢が数回。
夜中に激しい痛みがようやく落ち着いたものの、翌朝になっても下腹部に鈍い痛みが続くため、当院を受診。
【診察】
診察では以下の疾患を鑑別診断として挙げました。
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急性胃腸炎(感染性腸炎)
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虚血性腸炎
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憩室炎
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)
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大腸がん・ポリープによる狭窄
状態を見極めて治療方針を立てるため、腹部エコーと血液検査を行いました。
【検査】
・血液検査:炎症反応の上昇
・腹部エコー:下行結腸の腸管壁の浮腫・肥厚を確認。
症状と合わせて、虚血性腸炎と診断しました。
■実際のエコー画像■
虚血性腸炎とは?
虚血性腸炎とは、大腸の血流が一時的に悪くなり、腸の粘膜が炎症やむくみを起こす病気です【1】。
高齢の女性に多いですが、便秘・動脈硬化・脱水などによって若年・中年世代でも発症します。
主な症状
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左下腹部の強い痛み(しばしば冷や汗が出るほど)
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下痢または血便
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発症後しばらくしてから痛みが軽減
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その後も数日間、鈍痛や違和感が残る
多くは自然に改善しますが、重症例では腸の壊死や穿孔(穴が開く)に進行することもあります【2】。
こんな人は要注意
虚血性腸炎は以下のような条件が重なると発症しやすくなります。
| リスク因子 | 説明 |
|---|---|
| 便秘 | 腸内圧が上昇し、血流が一時的に遮断される |
| 動脈硬化 | 腸の血管が硬くなり血流が低下 |
| 脱水 | 血液の粘度が上がり、血流が悪化 |
| 高血圧・糖尿病 | 血管障害を引き起こす背景疾患 |
| ストレスや急激な血圧変動 | 一時的な血流障害の原因に |
治療と経過
軽症例では腸を安静に保つため、食事療法+点滴治療の外来治療で改善します。
中等症以上では入院のうえ、抗生剤や水分補給を行うこともあります。
再発防止のためには、便秘の予防・水分摂取・動脈硬化の管理が重要です。
今回は幸いにも軽症であり、外来治療で改善しました。
もともと便秘症とのことであり、再発予防のため便通コントロールを行っています。
まとめ
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夕食後の強い腹痛と下痢は虚血性腸炎のサインのことも
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一時的に症状が落ち着いても、翌朝も痛みが続く場合は要注意
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早期に腹部エコー・場合によっては大腸内視鏡などで原因を調べることが大切です
▶当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 虚血性腸炎は感染性腸炎とどう違う?
A1. 感染性腸炎は細菌やウイルスが原因で、発熱や嘔吐を伴うことが多いです。虚血性腸炎は血流障害が原因で、発熱は少なく、痛みが強いのが特徴です【3】。
Q2. 虚血性腸炎は再発しますか?
A2. 再発はまれですが、便秘や動脈硬化が続くと再発リスクが高まります【4】。
Q3. 便に血が混じったら受診すべき?
A3. はい。血便は腸の炎症・ポリープ・がんなどのサインのこともあり、早めの検査が必要です。
Q4. 虚血性腸炎は命に関わりますか?
A4. 軽症なら自然回復しますが、重症では腸壊死や穿孔を起こすことがあり、注意が必要です【2】。
Q5. エコーで虚血性腸炎はわかる?
A5. はい。腸管壁の浮腫・血流低下などを確認でき、放射線被曝もない安全な検査です。
Q6. どんな食事を控えたほうがいい?
A6. 発症直後は絶食、その後はおかゆやうどんなど消化のよい食事を勧めます。
Q7. 虚血性腸炎の痛みはどのくらい続く?
A7. 多くは2〜3日で軽快しますが、完全に治るまで1週間ほどかかる場合もあります。
Q8. 若い人でもかかりますか?
A8. 便秘や脱水、ストレスが重なると若年層でも起こることがあります。
Q9. 病院ではどんな検査をする?
A9. 腹部エコー・CT・大腸内視鏡などで腸の血流と炎症の範囲を確認します。
Q10. 予防法はありますか?
A10. 水分をこまめにとり、便秘を防ぎ、規則正しい食生活と血圧・血糖の管理を続けることが大切です。
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医師紹介
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、お気軽にご相談ください。
アクセス
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東京都豊島区池袋2丁目66-10
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参考文献
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日本消化器病学会編『消化器病診療ガイドライン2021 大腸・肛門疾患』
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長谷川ら. 日本臨床外科学会雑誌 2020;81(2):245-251.
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厚生労働省 e-ヘルスネット「虚血性腸炎」
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日本消化器病学会「虚血性腸炎の診断と治療指針2023」
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
