【要注意】食べるとすぐ胃が張る…原因はストレスだけじゃない?専門医が解説
この記事はこのような方におすすめです
- 食べ始めるとすぐに胃が張って苦しくなる方
- 少量しか食べていないのに満腹になる方
- 食後の胃もたれや吐き気が続いている方
- 胃カメラで「異常なし」と言われたのに症状が改善しない方
- ストレスによる胃の不調だと思い、受診せずに様子を見ている方
「食事をするとすぐにお腹が張る」
「少し食べただけで満腹になってしまう」
「胃もたれや吐き気が続く」
こうした症状があると、「疲れやストレスのせいだろう」「忙しい時期だから仕方ない」と様子を見てしまう方は少なくありません。
しかし、食後の胃の張りが何週間・何か月も続く場合、単なる体調不良ではなく、胃の機能に関わる病気が隠れていることがあります。
特に、胃カメラなどの検査で異常が見つからないにもかかわらず症状が続く場合、「機能性ディスペプシア」と呼ばれる病気が原因となっていることが少なくありません。
今回は、食後すぐの胃の張りと吐き気が続き、検査で異常がない中で機能性ディスペプシアと診断された30代男性の実例をもとに、症状・検査・治療について専門医の院長がわかりやすく解説します。
胃の張りや吐き気でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
食後の胃の張りや吐き気が続く場合は、ストレスだけと決めつけず、一度原因を確認することが大切です。
池袋上田胃腸クリニックでは、胃腸症状の診察、胃カメラ、腹部エコーなどに対応しています。
食べるとすぐ胃が張るときに、ストレス以外で考えたい病気
「最近ストレスが多いから」と考えてしまいやすい症状ですが、食べるとすぐ胃が張る、少し食べただけで苦しい、吐き気が続くといった症状は、ストレスだけで説明できるとは限りません。
代表的なのは、機能性ディスペプシアです。
胃カメラで胃がんや潰瘍などの異常が見つからなくても、胃の動きの低下や知覚過敏によって、食後の張り感や早期満腹感が続くことがあります【1】【2】。
一方で、次のような病気が隠れていることもあります。
- 胃がん・スキルス胃がん:食後の張り、食欲低下、体重減少をきっかけに見つかることがあります。
- 胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍:胃もたれやみぞおちの痛みを伴うことがあります。
- 逆流性食道炎:胸やけが目立たなくても、食後の不快感や吐き気として感じることがあります。
- 胆のう・膵臓の病気:胃ではなく周囲の臓器の病気が、食後の張り感として出ることもあります。
- 便秘や過敏性腸症候群:胃ではなく腸に便やガスがたまっている場合でも、上腹部まで張っているように感じることがあります。
そのため、症状が続くときは「ストレスだろう」と決めつけず、消化器内科で原因を整理することが大切です【2】【4】。
機能性ディスペプシアとは?
機能性ディスペプシアとは、胃カメラなどの検査で症状を説明できる明らかな異常が見つからないにもかかわらず、胃の不快な症状が続く病気です。
「検査で異常がなかったから気のせい」という意味ではありません。
胃の動き、食事を受け入れる働き、胃酸、知覚過敏、ストレス、自律神経、生活習慣など、複数の要因が組み合わさって症状が起こると考えられています[1][2][3]。
胃の広がりが悪くなる
健康な胃は、食事が入ると上部が広がり、食べ物を受け入れます。
この働きが低下すると、少量の食事でも胃が十分に広がらず、「すぐに満腹になる」「胃が張る」と感じやすくなります。
胃から十二指腸へ送り出す動きが低下する
胃の動きが低下すると、食べ物が胃内に長くとどまり、胃もたれ、膨満感、吐き気などが起こりやすくなります。
胃の知覚が過敏になる
胃が少し広がっただけでも、通常より強い張りや痛みとして感じることがあります。
ストレスや自律神経が影響する
胃腸の動きは自律神経の影響を受けています。
転職、仕事の負担、人間関係、睡眠不足などがきっかけとなり、症状が始まったり、悪化したりすることがあります。
ただし、ストレスだけで機能性ディスペプシアが起こるわけではありません。ほかの病気を適切に除外したうえで判断する必要があります。
機能性ディスペプシアの原因・検査・治療について詳しくはこちら
【図2挿入】機能性ディスペプシアで少量の食事でも胃が張る仕組み
実際の治療例|30代男性「食べるとすぐに胃が張る、吐き気がある」
【症状】
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食事をするとすぐ胃が張る
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少量でも満腹になる感じ
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胃もたれ
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吐き気
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症状が4か月以上持続
転職で環境が変わり、「仕事の疲れやストレスが原因だろう」と様子を見ていたものの、一向に改善せず、「何か病気が隠れているのではないか」と不安になり、受診されました。
【診察】
診察時点で、以下のような病気を鑑別に挙げました。
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胃がん・食道がん
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逆流性食道炎
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胃・十二指腸潰瘍
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ピロリ菌感染症
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胆のう・膵臓の病気
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機能性ディスペプシア
- 甲状腺などの胃の機能に影響する代謝疾患
症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査・腹部エコー・胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。
【検査】
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血液検査:炎症や貧血、肝胆膵系の異常、甲状腺疾患なし
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腹部エコー:肝臓・胆のう・膵臓に異常なし
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胃カメラ(上部消化管内視鏡):
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胃・食道・十二指腸に明らかな器質的異常なし
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潰瘍やがん、強い炎症は認めず
-
■実際の胃カメラ画像
胃カメラでは異常は認めませんでした
検査で異常所見がないことから「機能性ディスペプシア」と診断しました
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▶無痛胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
【治療】
今回の患者さんには、
-
胃の働きを改善する薬(アコチアミド)
-
胃の動きをよくして張りや吐き気を取る漢方薬
を併用して治療を開始しました。
服用開始後、
-
食後の張り感が徐々に軽減
-
吐き気も改善
現在は、再発予防のため漢方を継続しながら、食事指導を行い、良好な状態を維持されています。
受診の目安
食後の胃の張りだけであれば、機能性ディスペプシアなどの機能的な異常で説明できることもあります。
ただし、次のような症状を伴う場合は、胃や食道、膵臓などの別の病気も含めて確認した方が安心です。
- 体重が減ってきた
- 何度も吐いてしまう
- 黒い便、血が混じる便が出る
- 食べ物がつかえる、のみ込みづらい
- 食欲低下が続く
- 貧血がある
- 胃や背中の痛みを伴う
- 症状が2週間以上改善しない
こうしたサインがある場合は、市販薬だけで様子を見るより、胃カメラや血液検査、必要に応じて腹部エコーなどで原因を確認することが大切です【2】【4】。]
院長からのコメント
「胃カメラで異常がないと言われたのに、胃の張りや吐き気がつらい」というご相談は、決して珍しくありません。
機能性ディスペプシアでは、胃の粘膜に目立った傷や腫瘍がなくても、胃の動きや食事を受け入れる働き、知覚の過敏さなどによって、日常生活に支障をきたす症状が起こります。
大切なのは、症状をすぐにストレスや気のせいと決めつけないことです。
まず胃がん、潰瘍、胆のうや膵臓の病気などを適切に除外し、そのうえで一人ひとりの症状に合った治療を行います。
食べるとすぐに胃が張る、少量しか食べられない、吐き気が続くなどのお悩みがある方は、我慢せず池袋上田胃腸クリニックへご相談ください。
「ストレスだろう」「検査で異常がなかったから仕方がない」と我慢する必要はありません。
胃カメラで異常がなくても、胃の働きを整える治療によって改善が期待できる場合があります。
池袋上田胃腸クリニックではWEB予約・電話予約を受け付けています。
お力になれますのでお気軽にご相談ください。
お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
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オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
- 土日対応、事前診察は原則不要
池袋上田胃腸クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。
また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しております。是非ご相談ください。
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
機能性ディスペプシアのよくある質問
Q1.食べるとすぐ胃が張るのは、食べ過ぎが原因ですか?
食べ過ぎで一時的に胃が張ることはありますが、少量しか食べていないのに毎回張る場合は、機能性ディスペプシア、胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎などが関係している可能性があります。症状が続く場合は消化器内科でご相談ください。
Q2.ストレスで本当に胃が張ることはありますか?
あります。ストレスや睡眠不足は、自律神経を介して胃の動きや知覚に影響し、胃の張りや早期満腹感を悪化させることがあります。ただし、胃がんや潰瘍などでも似た症状が出るため、ストレスだけと決めつけないことが大切です。
Q3.胃カメラで異常がなくても胃の張りは起こりますか?
はい。機能性ディスペプシアでは、胃カメラで明らかな異常が見つからなくても、胃の動きの低下や知覚過敏によって胃の張り、胃もたれ、早期満腹感などが起こります。
Q4.機能性ディスペプシアは治りますか?
症状には波がありますが、胃の働きを改善する薬、胃酸を抑える薬、漢方薬、食事・生活習慣の調整などにより、症状の改善が期待できます。症状に合った治療を続けることが大切です。
Q5.食後の胃の張りと吐き気がある場合、何科を受診すればよいですか?
消化器内科または胃腸内科を受診してください。症状に応じて、血液検査、胃カメラ、腹部エコーなどを行い、胃だけでなく胆のうや膵臓を含めて原因を調べます。
Q6.胃の張りにはどのような薬を使いますか?
胃の動きを改善する薬、胃酸を抑える薬、胃の知覚過敏や吐き気に対応する薬、漢方薬などを使用します。症状のタイプや検査結果によって適した薬が異なるため、医師の診察を受けてください。
Q7.食後の胃の張りを改善する食事方法はありますか?
早食いや食べ過ぎを避け、ゆっくりよくかむことが基本です。脂っこい食事、炭酸飲料、過度の飲酒などで症状が悪化する場合は、摂取量を調整してください。一度に食べられない場合は、食事を少量ずつに分ける方法もあります。
Q8.市販の胃薬で様子を見てもよいですか?
軽い症状が数日で改善する場合は、市販薬で様子を見られることもあります。ただし、2週間以上続く場合、繰り返す場合、体重減少や嘔吐、黒い便などを伴う場合は、市販薬だけで済ませず受診してください。
Q9.機能性ディスペプシアは再発しますか?
生活環境の変化、睡眠不足、ストレス、食生活の乱れなどをきっかけに、症状が再び強くなることがあります。症状が改善したあとも、食事や生活リズムを整えることが再発予防につながります。
Q10.すぐに胃カメラを受けた方がよい症状はありますか?
体重減少、食欲低下、繰り返す嘔吐、黒い便、貧血、食べ物のつかえ、強い痛みなどがある場合は、胃がんや潰瘍などを除外するため、早めの胃カメラをおすすめします。
まとめ
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食後すぐの胃の張りが続く場合、機能性ディスペプシアの可能性
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検査で異常がなくても症状は実在する
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適切な薬物治療と生活指導で改善が期待できる
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「異常なし」で終わらせず、症状に向き合うことが大切
💡当院は池袋駅から徒歩5分程度でアクセス可能です。お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのお問い合わせ:03-5953-5903
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
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医師紹介・アクセス・診療時間
東海林英典(しょうじ ひでのり)院長
📍経歴
国立東北大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、日本屈指の胃腸・内視鏡専門病院の平塚胃腸病院にて消化器・胃腸疾患と内視鏡検査・治療に従事。
胃腸疾患の外来診療を行いながら、年間3000件弱の内視鏡検査、および在院中は早期がんの治療も含めのべ数千件の内視鏡手術を施行。
令和6年10月より上田胃腸クリニックの院長に就任。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
「症状がつらい、病気が怖い…」そんな患者さんの気持ちに寄り添い、ご不安がある方でも、「ここを受診してよかった」と思っていただけるような診療を大切にしています。胃や腸のことで不安がある方は、池袋上田胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
アクセス
〒1710014
東京都豊島区池袋2丁目66-10
上田胃腸クリニック(池袋駅 北口から徒歩5分)
- JR「池袋」北改札 → 左へ → 20b出口から地上へ
- 文化通りを直進、「スーパーホテル」「まいばすけっと」を左手に通過
- その先の十字路を越え、左手4軒目が当院です(迷ったら 03-5953-5903)
診療時間
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8:30〜12:30 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 13:30〜17:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
休診日:金曜日午後・祝日
診療は完全予約制です。
▶お電話での予約・お問い合わせ:03-5953-5903
▶WEB予約は【こちら】
文責:東海林英典院長・神谷雄介理事長(消化器内科・内視鏡専門医)
参考文献
- 日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2021―機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版.
- Miwa H, Nagahara A, Asakawa A, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for functional dyspepsia 2021. J Gastroenterol. 2022;57(2):47-61.
- Talley NJ, Ford AC. Functional Dyspepsia. N Engl J Med. 2015;373(19):1853-1863.
- National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Indigestion (Dyspepsia): Symptoms & Causes / Diagnosis.
